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(6)高崎市井野町第三町内会「ゴミ減量化プロジェクト」
高崎市井野町第三町内会では有志の皆さんが、平成30年8月から9月までにかけて、ごみ減量化のために次のような取組を行いました。県に提出された「井野町ゴミ減量化プロジェクト実施報告書」から一部を抜粋して、内容を御紹介します。
1.緒言
群馬県の一人1日当たりのごみ排出量は、全国で多い方から5番目である(平成28年度実績)。行政としてごみ減量化について住民にお願いするのみでは、大きな改善を期待できないのが現状である。その原因は、住民への負担が軽く効率も良くかつコストの低い具体的な方法が提案されていないことである。
排出される可燃ごみのうち、約63%は生ごみであり、その約75%が水分であると言われている。つまり生ごみを乾燥させてから排出することにより、可燃ごみの排出量を削減することが可能であると考えられる。今回の「ゴミ減量化プロジェクト」の目的は、生ごみ中の水分を自然乾燥により削減できることを検証することにある。
その結果、簡単な装置を使いかつ太陽光のエネルギーを利用することで、効率よく自然乾燥出来ることを実証した。
2.ごみ減量化試験方法
1 試験装置(添付写真参照)
乾燥かごは、写真に示す18-8パットン深型(11メッシュ)を使用した。乾燥かごのサイズは480mm×335mm×105mmである。乾燥かごをブロックの上に置き、生ごみをその上に置き、屋外の適当な場所に設置する。
2 試験方法
発生した生ごみの重量を測定・記録し、乾燥かごに広げて自然乾燥させる。収集日の当日に乾燥かごの生ごみを回収し、重量を測定して記録する。これを約4週間続け、集計した。
乾燥試験中の注意事項として次のことを参加者に依頼した。
- 雨の時はできる限り軒下等に移動する。
- 乾燥かごの上の生ごみはできる限り広げて風の通りを良くする。
- 生ごみは選ばない。ただし煮物の残り物等は今回対象外とした。
3 参加者
町内協力者及び町外の協力者を含め、40名の参加者を募った。
4 試験期間
8月初旬から9月下旬までの都合のつく約4週間を目途に実施した。各参加者の日常生活に過剰な負担がかからないよう実施してもらった。
3.ごみ減量化試験結果
ごみ減量化の試験結果、平均して元の43%程度まで乾燥した。乾燥かごの設置環境等により、乾燥度合いの悪いケースやカラカラになるまで乾燥したケースも見られた。
写真 乾燥かごと実施状況
井野町第三町内会「ゴミ減量化プロジェクト」のその後
「においが解消されたごみ出しスタイルの提案」
井野町第三町内会(第三区)では、平成30(2018)年度における上記取組の後も継続して、生ごみ乾燥について取組を続けています。同区長及び区長代理に次のような話を伺いました。
1 乾燥かごの試作機の作成
井野町第三町内会(第三区)は、平成30(2018)年度のプロジェクトの後、乾燥かごの試作機を作成しました。
プロジェクトのときは、試験装置は、乾燥かごをコンクリートブロックの上に載せるものとしたため、雨の日に移動させるのが大変でした。今回の試作機は、そのまま移動できるため面倒ではありません。
上部には金網が落ちないようガイドを付け、下部には水受けを付けたため、床が汚れません。
編目 13mm(8mm)
線径 2.5mm(1mm)
網の大きさ 400×500mm(450×600mm)
括弧内は、今後改良予定の部分です。
これよりも小さいものも検討しています。
2 器具を使用するメリット
この器具を使用すると、次の様なメリットがあります。
1 家庭のごみ出しで
- 生ごみを器具まで持って行く手間はかかりますが、生ごみのドリップがなくなり、ごみの扱いが簡単になります。
2 ごみ収集について
- ドリップがなくなることで、ごみステーションを清潔に保つことができ、嫌な臭いもなくなります。
- ごみ収集車がごみ袋を回収する際にも、ドリップをまき散らされなくなります。
- カラスなどの動物に荒らされにくくなり、万一荒らされても周辺があまり汚れません。
3 費用面で
- 他の生ごみ処理機と比べ、維持経費がかかりません。電動式は電気代がかかり、またコンポスト等も菌の購入が必要になります。コンポストは発酵時に臭いますが、このやり方では、臭いません。
- 試算したところ、生ごみを乾燥させることで、市の清掃センターの焼却炉で使用する燃料が、市民1人当たり年間1,000円削減できます。
4 その他
- ごみが軽くなることで、ごみ収集車の運搬の負担が減り、温暖化ガスの排出が軽減されます。
- 結果として、ごみが減量化し、高崎市や群馬県のごみ排出量の少なさは、上位になります。
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群馬県環境森林部
廃棄物・リサイクル課企画指導係
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