本文
■日時 令和7年12月18日(木曜日)14時03分~15時32分
■会場 記者会見室
■出席者 県:知事、副知事ほか
記者:記者クラブ所属記者等14人
■記録作成 メディアプロモーション課(報道係)
20251218山本一太群馬県知事定例記者会見<外部リンク>
■知事発表
それでは定例会見を始めたいと思います。これが今年最後の定例会見ということになります。ちょっとまず申し上げたいんですけれども、ここ(ジャケット左胸)に付けている繭型のアクセサリーがありますよね。これは桐生の方でですね、残糸、残った糸と金属をちょっとこう組み合わせて作った繭玉型のアクセサリーで、昨日(桐生)市長に会ったら、ぜひこれを付けてほしいと。ご存じのとおり、例のアメリカの「MoMA」、近代美術館のギフトショップで1位になっているレインボーの襟巻き、マフラーもしてきたように、今日ちょっとこれを付けてきたので、なかなか全部手作りで、それぞれ何か違っていて良いので、これ、「MiKMoK(ミックモック)」っていうんですけど、これぜひ皆さん注目をいただければと思います。今日は「MiKMoK」を付けてお話をさせていただきたいと思います。
今年最後の記者会見ということですけれども、記者の皆さん、お忙しいところ毎回本当に大勢お集まりいただきましてありがとうございました。実は私が知事に就任して以降、定例、臨時含めてですね、数えてみたら今日がちょうど通算400回目の会見となります。金田投手の400勝じゃないんですけど、おそらく前の知事の12年間(の記者会見回数)を軽く超えちゃっていると思うんですが、この会見で本当にいろんなことをこれまで発表してまいりました。就任1期目は、新型コロナ対応に関する会見が多くてですね、いわば守りの中身が多かった4年間だと思います。2期目からは、デジタル・クリエイティブ産業の創出につながる施策をはじめ、攻めの取り組みについても数多く発信することができたと感じております。この会見は、私にとってずっと申し上げているとおり、真剣勝負の場所だと思っています。記者の皆さんの後ろには常に県民の皆さんがいると、そういう思いでこれまでこの記者会見に臨んでまいりました。その思いは、今後も変わることはありません。この400回という数字は、これからも情報発信を続ける新たなスタートラインと捉えて、今後もこの記者会見の空間というものを、知事として重視してまいりたいと思います。そして、県政の透明性を高め、県民の皆さんに必要な情報をしっかり届けていくということを、あらためて記者の皆さんにもお約束をしたいと思います。
その上で、ちょっともう一言だけ申し上げておくと、去年もそうだったんですが、最後の記者会見はボリュームが多いんですね。冒頭に実は発信することが多くて、1年の振り返りとか、とにかくこの1年もものすごく大きなことがあったので、必ずここで振り返らせていただこうと思うんですけれども、毎年振り返らせていただいているんですが、結構冒頭が長くなっちゃうので、今日も、普通の知事よりも全然時間取っていると思いますが、3時半で終わらせていただくっていうことなんで、冒頭の説明がかなり長くなると、あんまり速くすると手話の方にも迷惑がかかるので、あまり猛スピードでいけないんで、少し早口でやりたいと思いますが、かなり時間が取られてしまうっていうことでいうとですね、記者の皆さんからの質問は基本的に一問一答にしていただかないと、(県政記者クラブの)外から来た方もいるので、全員に回らない可能性があるので、一応そこを考えて、質問の時間は皆さん簡潔にやっていただければと思いますので、冒頭それだけ申し上げておきたいと思います。
さて、先週12日、第3回後期定例県議会が閉会しました。審議に当たられた県議の皆さまには、補正予算をはじめとする各議案をご議決いただきました。知事として、県議の皆さんにあらためて感謝を申し上げます。本日は、会見の内容に入る前に、本会議における討論の内容と私の所感の一部を述べさせていただきます。
自由民主党の牛木県議には、会派を代表して、クマ対策としての河川伐木による緩衝帯整備や、群馬県職員の給与改定など、すべての補正予算案に賛成の討論をしていただきました。一方、日本共産党の酒井県議からは、知事や県議等の特別職の報酬引き上げなどについて反対の討論がありました。そのほか、請願などについても様々なご意見をいただきました。議員の皆さまからのご意見、ご要望については真摯に受け止め、引き続き緊張感を持って県政運営にあたってまいります。何度も言っていますが、知事と県議会は、地方自治における二元代表制の両翼です。これまで同様、県議会との信頼関係を常に重視し、丁寧に対応してまいりたいと考えています。
話は変わって、昨日うれしいニュースが入ってきました。アニメ「葬送のフリーレン」、皆さんご存じですよね。1月からシーズン2が始まるんですよね。フリーレンが、温泉とのコラボみたいのを結構Xで発信してくれていて、本当にありがたいなと、アニメファンとしては思っているんですが、実は来年1月からの第2期放送開始を告知するポスターの中で、「温泉文化」のユネスコ無形文化遺産登録を後押しするメッセージが掲載されることになりました。「体を芯から温める魔法」、これいいでしょ。フリーレンはそもそも無駄な魔法ばっかり集めているじゃないですか。それでこの「体を芯から温める魔法」というキャッチフレーズで、約1万6千部のポスターが全国に展開されます。これは全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会と「葬送のフリーレン」がタイアップして制作されたものです。ポスターで温泉に浸かっているフリーレンの姿は、「温泉文化」の定義である「『自然の恵みである温泉に浸かり、心と体を癒やす』という、日本人に根付いている社会的慣習」をそのまま体現していると思います。知事としても、今勢いのある「葬送のフリーレン」をきっかけに、若い世代をはじめ、非常に多くの方々に「温泉文化」を知っていただけるのではないかと、大いに期待しています。こうした取り組みが、ユネスコ登録への機運をさらに高めることになると思います。群馬県としても、引き続き「温泉文化」ユネスコ登録の機運醸成を図ってまいりたいと思います。
続いて、昨日17日の水曜日、狩猟免許取得チームの発足式を行いました。スライドをご覧ください。チーム名は「群馬県クマ撃退チーム」、略して「クマゲキ」と名付けました。いよいよ1つのチームとして本格的に動き出すこととなりました。10月に私がこのチームの立ち上げを会見で宣言し、県職員の皆さんに呼びかけたところ、予想を上回る25人の同志に集まっていただきました。そのうち9名は20代です。いわゆる捕獲の担い手不足が課題だったなかで、若手職員がこうして積極的に応募してくれたことは、知事として大変心強く思っています。また、集まった県職員の中には、すでに免許を取得している方も数人いました。チーム内で教えあうことができるなど、これはもう本当にいいチームになると感じました。この「クマゲキ」で、群馬県庁からガバメントハンターを育成してまいります。まずは、知事である私が「クマゲキ」メンバーと一緒に研鑽を積み、狩猟免許取得を目指してまいります。将来的には、実際にハンターとして活動したいと考えています。現在、クマを捕獲できる人は減ってきています。知事自らハンターを目指すことで、県民の皆さまに免許取得への関心と機運を高めてまいりたいと思います。
それでは、会見の中身に移ります。スライドをご覧ください。本日の会見の主な項目です。本日は、「湯けむりフォーラム2025の振り返り」や、「群馬県産非化石証書付電力の販売開始」、「トヨタ・モビリティ基金と連携した自転車事故対策」などについて発表します。
まず、「湯けむりフォーラム2025」についてです。先週13日土曜日と14日の日曜日の2日間、草津温泉において、群馬県庁最大のイベント「湯けむりフォーラム2025」を開催しました。当日にも速報値を発表しましたが、あらためて参加者数を精査したところ2日間合計で、招待者・一般参加者等が616人、県職員聴講者99人、運営等にあたる県職員209人となりました。ご参加いただいた皆さまには、多彩なプログラムをとおして、情熱あふれる最先端の知見が交わされるみたいな議論や、温泉に浸かり胸襟を開いた交流から生まれる特別な時間、だから「湯けむりフォーラム」と名付けているんですが、存分に体感いただけたと思います。私も手前味噌ですが、リアル開催4回目ということで、登壇する人のレベルや会議全体についても、地方自治体のレベルをはるかに超えたプロジェクトになってきたと感じています。本日は、2日間のフォーラムを、私が出席したものを中心に、簡単に振り返っていきたいと思います。
まず13日です。南カリフォルニア大学映画芸術学部のリピット教授の特別講演と、私とのトークセッションが行われました。あのUSC(南カリフォルニア大学)の映画芸術学部って、皆さんよくご存じのとおり、世界最高峰、ジョージ・ルーカスとかロバート・ゼメキスが出たところですよね。リピット教授からは、物語が持つ力と映画の可能性について、大変深い示唆をいただきました。映画は単なる娯楽ではなく、社会の鏡であり、文化の架け橋なんだということも教えていただきました。私は群馬県の持つ多様な資源や人材が、映像作品を通じて新しい価値を生み出すと考えています。デジタル・クリエイティブ産業の創出に向け、引き続き、ロケ支援や誘致、映像クリエイター支援などにも力を入れていきます。
翌日14日は、各分科会に分かれて議論が行われました。はじめに、「デジタルクリエイティブ分科会」に参加して司会進行を務めました。南カリフォルニア大学からアラン・ベイカー映画芸術学部副学部長、この方は国際プロジェクトをほとんど手掛けています。それから、ニューヨーク・フィルム・アカデミー、これもフィルムスクールとしては世界でもトップクラスですが、そこからマイケル・J・ヤング社長と、ロサンゼルス校からダン・マクラー代表にご登壇いただきました。世界トップクラスの人材を育てるために必要なこととして、それぞれの文化とか想いを大事にすることが大切だと、さらにそれをストーリーとして伝えることに意味があるんだという話とかですね、あとプロデューサーっていうポストの重要性についても色々アドバイスをいただきました。また、群馬県の取り組みにも言及いただき、デジタルクリエイティブスクールの開設を目指す群馬県の方向性は間違っていないと、この方々がしっかりこの考えを後押ししてくれたということで、大変思いを強くいたしました。次のスライドをご覧ください。
続いて、東宝の松岡宏泰社長とのスペシャルセッションでは、エンタメ産業が世界で戦える戦略的産業であるという認識を松岡さんと共有しました。デジタル技術の進歩により、地方においてもエンタメ産業の創出の可能性があると、こんなお話もありましたし、大規模スタジオがいま不足していると、大規模スタジオは本当にニーズがあると、その重要性についてお話がありました。地方だからこそできる挑戦ってあると思うんですよね。群馬から世界へとつながるエンタメの未来を創るため、さらなるクリエイティブの拠点化を進めてまいります。
次に、温泉文化分科会では、再び私が司会進行を務めました。「温泉文化」がユネスコの国内候補に決まった直後ということもあり、相当盛り上がりました。また、お忙しい中、松本洋平文部科学大臣から、「登録に向けしっかり取り組んでいきたい」と、ビデオメッセージで力強いお言葉をいただきました。松本さん本当に良い人で、3日前に頼んだのに本当にいい人だなって思ったんですけど、もう快くメッセージを、大臣なのに3日前に撮って送ってくれたと。松本大臣に本当に感謝しています。2030年の登録についても、会場にいた駐日アルメニア大使からも応援のお言葉をいただき、大変うれしく思ったことをお伝えしておきたいと思います。セッションでは、「温泉文化」の世界発信やユネスコ登録に向けて、元文化庁長官の青柳正規さん、すごい方ですが、この方から「世界サミットを開催してはどうか」との提案をいただきました。また、「湯道」を提唱し映画製作も行っている小山薫堂さん、アカデミー賞で外国語映画賞を獲った「おくりびと」を書かれていますよね。それから、温泉の熱源を使った料理開発や料理コンペティション開催など、さすがは小山薫堂さんだという感じの色々なアイデアをいただきました。群馬県としても、「温泉文化」の価値をさらに高め、世界に向けて発信していきたいと思います。林真理子さんからもですね、これもまた色々ユニークな視点で色々ないい提案をいただいています。次のスライドをご覧ください。
こうした議論も踏まえ、フォーラムの締めくくりとなるエンディングスピーチでは、いくつかの群馬県としての新たな挑戦を発表しました。来年開催されるカンヌ国際映画祭に併設される映画マーケット「マルシェ・デュ・フィルム」において、日本は重点的に取り扱われる「カントリー・オブ・オナー」に今年選ばれています。これは、このカンヌで、日本の映画文化や映像産業を世界に紹介する非常に特別な機会です。政府もこれをどうやって生かそうかと考えているところなので、群馬県としてもですね、この場をぜひ戦略的に活用したいと思っています。「マルシェ・デュ・フィルム」の舞台で、世界の映画人に対して群馬県の取り組みを発信するこの挑戦を宣言しました。本気で挑戦したいと考えています。加えて先般、私から赤澤亮正経済産業大臣に会ったときに、地方へのスタジオ立地に対する支援を考えてくれと、例えば新しい補助金とか作ってほしいとお願いしましたので、ここから政府とか業界団体とも連携しながら、群馬県への大規模スタジオの設置を目指し、色々な形で最大限の努力をしていきたいと思います。今後、実現に向けて具体的な検討を進めてまいります。
このほかにも、私は出席できませんでしたが、パラスポーツやGX、民間主導のまちづくりなどの各分野においても第一線の方々にお越しいただき、充実した議論が交わされたと伺っています。パラスポーツ、うちのNewさんが出たんだけど、すごく良かった。今のスポーツ庁の長官もそうですし、群馬県には唐澤剣也さんっていうね、トップパラアスリートがいるので行きたかったなと。GXのも後で聞いたんだけど面白かったし、まちづくりも行きたかったんですが、とにかくあちこちで司会させられたので行けなかったのは残念でした。当日の内容は、後日、公式サイトでアーカイブ配信しますので、行けなかった方、興味がある方はこのアーカイブで議論を見ていただければと思います。準備が整い次第またお知らせしますので、ぜひ多くの方にご視聴いただければと思います。
2日間のフォーラム全体をとおして、素晴らしい登壇者の方々にお越しいただき、大変充実した内容のフォーラムになったと考えています。参加者の皆さまに、群馬県の勢いや、知事だけでなく職員も含めた、群馬県庁の熱意が伝わったと思っています。このフォーラムは、よくある「議論やアイデアを出しただけのカンファレンスイベント」ってあちこちにあるじゃないですか、それとは全く違います。この空間から生まれた提案やアイデアが、実際に群馬県の政策や事業として実現していくところに、大きな意味があると考えています。次回は、これまでにないスケールと内容で、湯けむりフォーラムを進化させていきたいと考えています。ぜひご期待ください。
続いて、「群馬県産非化石証書付電力の販売開始」についてです。群馬県では、災害に強く持続可能な社会の実現に向け、「ぐんま5つのゼロ宣言」を掲げています。宣言では、「温室効果ガス排出『ゼロ』」や、「災害時の停電『ゼロ』」などを目標に、再生可能エネルギーの活用拡大や地産地消を進めています。こうした脱炭素化の取組は県内企業においても進んでおり、オフィスや工場で使用する電力を再エネ由来に置き換える企業が増えるなど、再エネ電力の需要が着実に高まっています。こうした中、群馬県は東京電力エナジーパートナー株式会社と連携し、群馬県産の再エネ電力の環境価値を県内に優先的に届ける新たな仕組みをつくりました。スライドをご覧ください。
まず、再エネ電力の環境価値について説明します。再生可能エネルギーで発電された電気には、電力そのものに加え、化石燃料を使わずに発電したことによる環境価値があります。電気自体は送電線に流れると他の電気と混ざってしまうため、この環境価値は「非化石証書」として電力とは切り離され、市場で取引されています。非化石証書は市場で購入できますが、「群馬県産」のように特定の発電所を指定して安定的に調達することは通常の手続きでは困難です。オークション形式のため、希望する発電所の証書を必ず落札できるとは限らないからです。次のスライドをご覧ください。
次に、現在の群馬県産再エネ電力についてです。群馬県企業局の発電所を中心とした県有発電所の電力は、主に3つの方法で売電しています。1つ目は、長期間、国が定めた固定価格での買取が保証される「FIT制度」です。2つ目は、販売先を最も良い条件を提示した電力小売事業者に決定する一般競争入札です。3つ目は、群馬県が主体的に電力供給先を選ぶ「地産地消型PPA」です。このうち、FIT制度では、群馬県産の再エネ電力と環境価値は、まず送配電事業者が購入し、その後市場を通じて全国の事業所へ流通していました。そのため、群馬県の再エネ電力やその価値が必ずしも県内事業所に届くとは限りませんでした。群馬県として、供給先を指定することができず、環境価値の流通に関与できないということです。そこで、今回FIT制度で売電している電力について、新たな仕組みを導入しました。次のスライドをご覧ください。
今回の仕組みだと、FITで長期契約中の売電契約はこれまでどおり変更はありません。FITで売電している分の非化石証書を、東京電力エナジーパートナーが、群馬県と新たに結んだ連携協定に基づき、取引市場から優先的に調達する形になります。これにより、市場から群馬県産の非化石証書を安定的に確保できるようになります。そして、確保した非化石証書付きの電力は、県内の事業所へ優先的に供給され、群馬県産の環境価値の地産地消をさらに進めることができるという仕組みです。
この仕組みには、3つのメリットがあります。まず1つ目は、群馬県の減収リスクなしに、「環境価値の地産地消」が進められることです。今回の仕組みであれば、契約変更の必要がなく、収入減や新たな負担を伴いません。2つ目は、県内事業者が「県産の再エネ由来の環境価値を使っている」と明確に示すことができ、企業価値の向上や脱炭素経営の強化につながることです。特に海外市場においては、脱炭素経営に取り組む企業は、皆さんご存じだと思いますが、高く評価されます。海外と取引を行う県内企業にとって大きな強みになると考えています。3つ目は、企業誘致の面でも、県産の再エネやその環境価値が利用できる環境は大きな強みとなると思います。国内企業だけでなく、海外企業が進出先を検討する際にも非常に魅力的な条件になると考えています。そして今日から、この仕組みを活用した電力供給先の募集を開始しました。対象は、群馬県内で特別高圧契約または高圧契約を結んでいる法人です。契約条件などの詳細は、東京電力エナジーパートナーへお問い合わせください。これまでの地産地消型PPA群馬モデルと今回の新たな仕組みの導入によって、群馬県が1年間で発電する電力のうち、約4割を県内で消費することができ、電力の地産地消につながります。群馬県としては、こうした取り組みを通じて、再エネや環境価値の地産地消をさらに進め、脱炭素社会の実現を目指してまいります。
続いて、「トヨタ・モビリティ基金と連携した自転車事故対策」についてです。群馬県は、中高生の通学時1万人あたりの自転車事故件数が全国ワースト1位です。特に高校生については、11年連続でワースト1位となっています。こうした状況からの脱却を目指し、今年5月に一般財団法人トヨタ・モビリティ基金と自転車による交通事故削減を目的とした連携協定を締結しました。この協定に基づき、両者で事故半減を目指す新たな交通安全対策を検討してまいりました。そしてこの度、新たな取り組みを開始することとなりましたのでお知らせします。スライドをご覧ください。
新たな取り組みは2つあります。1つ目は、「潜在的事故リスク箇所の把握」です。群馬県が持つ自転車事故発生箇所のデータと、トヨタ・モビリティ基金が持つ自動車の急ブレーキ発生箇所や人の動きに関するデータを重ね合わせ、事故リスクの高い箇所を抽出する仕組みを構築しました。このデータを分析・活用することで、事故リスクの高い箇所から優先的に注意喚起の看板を設置するなど、より効果的な自転車事故対策が可能となります。現在、先行して自転車・自動車双方の通行量が多い高崎市内の分析を進めています。今後、前橋市や伊勢崎市など、市街地を中心に分析地域を拡大していく予定です。次のスライドをご覧ください。
2つ目は、「高校生向け自転車走行分析アプリの開発」です。このアプリでは、自転車の走行ルートや速度、ブレーキの状況などのデータを取得することができます。そのデータに基づき、自分がどの程度安全に運転できているかが点数で示されることで交通安全に関する意識向上が期待できます。自転車事故を減らすには、自転車を利用する高校生の実情にあわせた対策が重要です。取得したデータを分析することで、群馬県としても実効性の高い事故対策が可能となります。アプリの公開開始は令和8年秋頃を見込んでおります。県内高校生などに限定してリリースする予定です。以上が新たな取り組みの概要です。
これらの取り組みは、国土交通省からも自転車事故対策の先進事例として高く評価されています。実際に、本日、国交省から公表された「中高生の安全・安心な自転車通学に向けた取り組み」の事例の1つとして紹介されています。群馬県では、これまでもヘルメット着用の普及啓発や、自動車ドライバー向けの自転車事故防止啓発などに取り組んでまいりました。自動車に乗る皆さん、自転車に乗る皆さん、そして歩行者の皆さん一人ひとりの心がけで交通事故は減らせると私は考えています。県民の皆さんにも、改めて安全な行動を心がけていただくようにお願い申し上げます。今後も、群馬県とトヨタ・モビリティ基金、それぞれの強みを生かしながら、更なる交通安全対策を進めてまいります。
続いて、「ぐんまちゃん」についてです。本日は2つの取り組みをご紹介します。スライドをご覧ください。
まず、「ぐんまちゃん年賀状」です。来年2026年は午年です。現在、ぐんまちゃんの原作者である中嶋史子さんによる描きおろしのオリジナル年賀状イラストをぐんまちゃんオフィシャルサイトで公開しています。デザインは4種類あります。スライド記載のQRコードからダウンロードできますので、ぜひご利用ください。また、ぐんまちゃんあてに年賀状を送っていただいた方には、ぐんまちゃんからお返事が届きます。受付は1月15日、木曜日までで、宛先は群馬県庁です。
次に、「ぐんまちゃんお誕生日会2026」の開催です。2月22日は、皆さんご存じだと思いますが、「ぐんまちゃん」の誕生日です。そこで「ぐんまちゃん」をお祝いするために、今回もお誕生日会を開催いたします。今回のお誕生日会は、ぐんまちゃんの誕生日に先立ち2月11日、水曜日、祝日の10時から群馬県庁1階の県民ホールで開催いたします。県民ホールの特徴を生かして、ぐんまちゃんや多くのお友達と距離の近い、心温まるステージをお楽しみいただきます。入場は無料ですけれども、14時からのスペシャルステージだけは有料となります。料金は中学生以上1,000円、小学生以下500円となります。スペシャルステージの観覧申し込みは、今月22日、月曜日の10時から開始し、抽選の上で決定させていただきます。詳しくは、スライド記載のQRコードから、ぐんまちゃんオフィシャルサイトをご確認ください。こちらのサイトで随時情報を更新してまいります。小さなお子さんから大人の方まで楽しめる企画をたくさん用意しています。皆さまぜひお越しください。来年も、ぐんまちゃんは群馬県の宣伝部長なので、ぐんまちゃんとともに、群馬県の魅力を全国に発信していきたいと思います。そして、2026年が「ぐんまちゃん年(どし)」と言っていただけるような1年にしていきたいと思います。
続いて、「愛郷ぐんまプロジェクトの不正受給事案」について、皆さんに報告したいと思います。この度、コロナ禍で停滞していた旅行需要を喚起し、県内経済を回復させるために行った「愛郷ぐんまプロジェクト」について、株式会社田園プラザ川場の虚偽申請による不正受給が、群馬県の調査により判明いたしました。群馬県の被害総額は、24万9千円です。
まず、当時の愛郷ぐんまプロジェクトの仕組みについてご説明します。令和2年から4年にかけて実施した取り組みで、県民が県内の旅館やホテルに宿泊した際に、宿泊費用の一部を支援するものでした。支援の流れについてご説明します。まず、旅行者が旅館やホテルのフロントで宿泊の手続きとともに、愛郷ぐんまプロジェクトの利用申し込みを行います。その際、旅館やホテルでは、旅行者が群馬県内在住であるかなどを身分証明書などと照らし合わせて確認を行います。そして問題がなければ、旅行者に対して宿泊費の割引またはキャッシュバックを行います。その後、旅館やホテルは1か月程度の宿泊実績をまとめて、群馬県に旅行者が作成した支援金申込書とともに、実績報告書を提出するという流れになっています。群馬県は、実績報告書を確認し問題がなければ、旅館やホテルに対して割引費用の支払いを行います。
今回の不正受給は、宿泊していない者の氏名が記載された支援金申込書を提出し、群馬県から不正に割引費用を受給したということです。この度、信憑性の高い情報が群馬県に寄せられ、調査を進めたところ、株式会社田園プラザ川場が不正受給を認めました。今後、田園プラザ川場には、被害額の返還請求を行ってまいります。愛郷ぐんまプロジェクトをめぐっては、これまでも2件の同様の不適切事案が確認されています。ただし、いずれも宿泊施設側から自主的に事案の報告と返還の申し出がありました。しかしながら、田園プラザ川場については、群馬県が調査を行うまで、不正受給を隠していたという点で、悪質性が高いと考えて、公表することといたしました。田園プラザ川場は、運営している道の駅が、旅行情報サイト「じゃらん」の「全国道の駅グランプリ2025」で全国満足度1位となるなど高い人気を誇っています。特産品開発や観光振興を通じて、川場村だけではなくて、群馬県全体の地域経済に非常に貢献してきた存在です。そのような、いわば地域の看板とも言える事業者において、コロナ禍の旅行支援事業をめぐる不正受給が明らかになったことは、知事として極めて残念と言わざるを得ません。地域社会に与える影響は深刻です。当然ではありますが、愛郷ぐんまプロジェクトの財源は国民・県民の皆さまの税金ですから、事業を進める知事として、皆さまからお預かりした税金を大切に、かつ効果的に活用しなければいけない中で、今回の件は断じて許せないと私は考えています。また、多くの県内宿泊事業者が、フロントでの支援金申込書の確認や実績報告書の作成など、慣れない作業にも真面目に取り組んでいただきました。こうした点からも、これは許容できるものではないと判断いたしました。私個人としては、これは法的に告訴するべきだと、そういう強い考えを持っていたんですが、いろいろと法律の関係者や周りの方々のご意見もあって、私の中では、半分以上(の気持ちとして、)これは告訴した方がいいと思っていたんですが、告訴すると、例えば警察が入ったりとか、いろいろなことがあるということと、向こう(田園プラザ川場)がちゃんと認めるということもあって、かなり知事としては譲歩して、こうして発表ということに留めたということは、ちゃんとこの会見録に残しておきたいと思います。今後、群馬県としては、こうした悪質性の高い不正受給には、断固として対応し、県民の皆さまから信頼される県政運営に努めてまいりたいと思います。
続いて、「直滑降ストリーム」の配信についてお知らせします。スライドをご覧ください。「県議と知事の紅茶懇談」第26回目のゲストは、自民党の今井俊哉県議です。26人、よくやってきたなと思います。番組では、小学校から高校まで野球に打ち込んだ話や、大学時代に世界各地を旅した経験、彼は「三国志」の漫画を読んでいたと言っていましたが、横山光輝さんの『三国志』だったかな、漫画から人生観や考え方に大きな影響を受けたことなどについてお話を伺いました。今井県議の、物事を冷静に分析して伝える姿勢や、子どもたちの未来のために社会をより良くしていきたいという真っすぐな思いが伝わる中身となっています。毎回言いますが、今回もすごくいい中身なので、皆さんに見ていただきたいと思います。明日19日、金曜日の20時から、群馬県公式YouTubeチャンネル「tsulunos」で配信します。ぜひ、ご覧ください。
最後に去年もやりましたが、本日は今年最後の定例会見ということなので、簡単に2025年を振り返ってみたいと思います。2025年も山本県政の基本政策である「新群馬の創造」、「群馬モデルの発信」、そして「県民幸福度の向上」、これを着実に進めることができた1年だったと感じています。少し長くなりますが、主な取り組みを1月から順に振り返っていきます。スライドをご覧ください。
まず1月ですが、物価高騰を踏まえ、持続的な賃上げを強力に推進するため「ぐんま賃上げプロジェクト」を立ち上げました。このプロジェクトのメインとなる「ぐんま賃上げ促進支援金」は7月から受付を開始し、すでに多くの企業等にご利用いただいています。引き続き、物価高騰対策を進めてまいります。また、前橋育英高校男子サッカー部が全国高等学校サッカー選手権大会で優勝し、2度目の全国制覇を成し遂げました。育英高校サッカー部の栄誉を最大限たたえるため、新たに「県民栄誉賞特別賞」を創設して贈呈しました。次のスライド。
2月には、デジタル人材育成学会が主催する、第2回デジタル人材育成大賞において、tsukurunの取り組みが独創的かつ地域戦略として優れていると高く評価され、大賞を受賞しました。tsukurunに加えてTUMO Gunmaも生かし、デジタルクリエイティブ人材の育成を進めてまいります。また、2024年の移住希望地ランキングでは、群馬県が初の全国1位となりました。王者・静岡をおさえて、1位。「窓口相談者」・「セミナー参加者」の2つの部門で、どちらも1位となったのは群馬県が初めてだということです。引き続き、移住希望地ランキングの上位定着を目指し、知事である私が先頭に立って、移住促進に力を入れてまいります。次のスライドです、どうぞ。
3月には、新たなビジネスの創出と企業の課題解決を目的としたEIT、これヨーロッパで最大のイノベーション機構ですけど、グローバルアウトリーチプログラムが、日本で初めて群馬県で開催されることが決定しました。11月には欧州からスタートアップ12社が来県し、県内企業6社とのマッチングを実施しました。引き続き、新たな富につながるイノベーションの創出などを、積極的に進めてまいります。また、財政の健全性確保を念頭に、投資総額を適切にマネジメントしていく方針の中で、「ぐんま・県土整備プラン2025」を策定し、これまでもずっと各地で要望が出てきていた「8つの中心的な事業」を新たに着手する事業として位置付けました。必要な手続きを迅速に進め、遅れることなく、それぞれの事業にしっかりと取り組んでまいります。はい、次のスライド。
4月には、アメリカ・トランプ政権により関税が大幅に引き上げられました。先行きが見通せない中、県内のあらゆる産業を守るため、いち早く「群馬県米国関税総合対策本部」を立ち上げました。引き続き製造業をはじめとした既存産業を守るとともに、関税の影響を受けにくい「デジタル・クリエイティブ産業」の創出にも取り組んでまいります。また、医学部地域枠の新設や拡充を行いました。医学部の地域枠は、医師が不足している地域における医療提供体制の強化を目的に設けられた、特別な入試枠です。令和7年4月時点で159名がこの制度を活用し、県内で医師として活躍をしています。県内の医療提供体制を強化するために、医師確保に向けた取り組みを着実に進めてまいります。ほかにも、新生児の先天性代謝異常などの検査費用の助成を、新たに群馬県独自で7疾患追加しました。全国トップの29疾患に拡大しました。先天性の疾患を早期に発見して、発症や重症化の防止につなげ、新生児の命と健康を守ります。今後も子どもの成長を切れ目なく支援する取り組みを進めてまいります。はい、次のスライド。
5月には、知事のトップ外交として米国のネブラスカ州とインディアナ州を訪問しました。ネブラスカ州については、群馬県知事として初めて訪問し、ピレン知事との関係構築を行ってまいりました。インディアナ州では、新たに就任されたブローン知事に、日本の政治家として初めてお目にかかりました。インディアナ州は、SUBARUをはじめ群馬県の企業が多数進出している地域です。ブローン知事とは、群馬県とインディアナ州との関係をより一層深めていくことで一致しました。また、今年は10月と11月にもベトナムを訪問し、チン首相をはじめ多くの政府要人と会談を行ったほか、チン首相からの強い要望を受け、「第1回日越地方協力フォーラム」に出席し、群馬県の勢いや魅力をPRしました。今後も知事自らが先頭に立って、自治体独自の地域外交を進めます。これは群馬県だけです、ここまでやっているのは。群馬県の取り組みを世界に発信し、更なる飛躍につなげていきたいと思います。また、群馬県民会館の廃止方針を発表しました。第2回定例県議会に、県民会館の設置及び管理に関する条例を廃止する議案も提出し、県議会に可決していただきました。今後、未来を見据え、時代のニーズに沿った「新たな文化拠点」のあり方について、県民の皆さまの声をしっかり聞きながら、検討を進めてまいります。はい、次のスライド。
6月には群馬県公式アカウント「tsulunos」がTikTok上半期トレンド大賞2025特別賞を受賞しました。これは凄いことなんですよ、あのさんから(トロフィーを)もらってきましたから。群馬県の魅力を工夫しながら発信している点や、県職員が中心となって企画撮影・編集を行っている点などを高く評価していただきました。自治体としては初めての受賞です。今後も、群馬県の強みである発信力を生かして、県の魅力発信や県民の皆さんが必要とする情報を分かりやすく届けていきたいと思います。ちなみに、大賞は、アニメの「薬屋のひとりごと」です。また、群馬県が国に提案した、国が保有している外国人の雇用情報を自治体に提供する仕組みが、全国に展開されました。群馬県では全国で初めてこの仕組みを活用し、外国人県民への情報発信実証事業を開始しました。また9月には「ストップ不法就労・共生ぐんま宣言」を行いました。「ルールを守らない外国人県民をなくして、ルールを守る外国人県民は地域経済や活力をともに創る『仲間』として受け入れて、秩序ある共生社会の実現を目指す」という基本姿勢のもと、多文化共生社会の実現を目指してまいります。そのほか6月は、ここにいる大塚さんが新たな副知事に就任しました。ニュー塚さんって呼んでいたんですけど、短くするのでNewさんと呼ばれています。群馬県に来たら、総務省を忘れて弾けてくれと、新しい大塚さんになってほしいという思いを込めてさっき言ったようにニュー塚さんと呼んでいたんですが、もうNewさん(という呼び方)がすっかり定着しております。会見で「Newさんのひとこと」という47都道府県、全国に副知事はいるけど、知事の定例会見でコーナーを持っているのはこの人しかいません。林芳正総務大臣に会ったときに言ったら、結構ウケていましたから。(林大臣にも)「総務省からいい人を連れて来ていただいて」と。決して前の宇留賀さんのような、才気煥発な、お茶目な経産官僚と違うんですけれども、すごく感慨深いし、頭も私よりずっといいし、とっても信頼できるいい人に来てもらったなと思っていますので、これからもNewさんコーナーお願いしますね。ということで次のスライドです。
7月には、アルメニア発祥の教育プログラムである「TUMO」をアジアで初めて導入し、「TUMO Gunma」として高崎市のGメッセ群馬にオープンしました。群馬県の近未来構想の一つである「クリエイティブの発信源」を実現するため、最先端のデジタルクリエイティブを学べる環境整備を進めてまいります。また、子宮頸がんの予防対策として、昨年度に続き「ショッピングモール接種」や「理解促進イベントの開催」といった群馬モデルの取り組みを発表しました。県民の皆さまの命と健康を守るため、今後もHPVワクチンの理解促進を進めてまいります。次のスライド。
8月には、策定から5年を迎えた「新・群馬県総合計画」のアップデートに着手することを発表しました。県民の皆さまや専門家の意見も取り入れながら、時代の変化を的確に計画へ反映することで、群馬県の更なる飛躍へとつなげてまいります。また、群馬県庁から前橋駅までの都市空間を、人中心で賑わいのある空間へと再生する「前橋クリエイティブシティ構想」について、その取り組みを紹介するシンポジウムを開催しました。民間主導のまちづくりの動きとも連動しながら、県都前橋の持続的な発展につなげてまいります。次のスライドです。
9月には、県立高校の在り方検討を開始することを発表しました。少子化による教育環境への影響が懸念される一方、社会の変化に対応した教育の充実も求められています。群馬県では、すべての子どもに公平で質の高い教育を提供し続けることができるよう、地域とともに検討を進めてまいります。また、再生可能エネルギーを活用した新たな住宅区画として、「板倉ニュータウングリーンブロック」の分譲を開始しました。太陽光と水素を組み合わせた全国初の地域マイクログリッドを備え、脱炭素と災害時の電力確保を両立する先進的なまちづくりです。今後も、エネルギーの地産地消を通じて、脱炭素社会の実現と災害に強い地域づくりを進めてまいります。はい、次のスライド。
10月には、ぐんまフラワーパークが新たに「ぐんまフラワーパークプラス」としてリニューアルオープンしました。コンセプトは「ENJOY!花とあそぶ」です。花のPRだけでなく、群馬県の新たな魅力発信拠点として、より多くの方に末永く愛される施設を目指してまいります。また、急な病気やけがの際に専門家の助言が受けられる「群馬県救急安心センター#7119」の運用を開始しました。今後も、誰もが安心して医療を受けられる体制づくりを進めてまいります。記者の皆さん、もし行ったことがないという方がいたら、ぜひフラワーパークプラスを訪問していただければと思います。ほかにも、保育の充実を図るため、国の基準である「6対1」より踏み込んだ、1歳児4人に対して保育士1人を配置する保育所などへの補助制度を開始しました。さらに、非認知能力の育成やインクルーシブ保育など、より質の高い保育環境の整備を進めてまいります。はい、次のスライドです
11月には、クマによる人身被害が相次いだことを受けて、ハードとソフトの両面からの「新たな5つのクマ対策」を打ち出しました。同時に、私自ら狩猟免許を取得する方針も表明しました。県民の安心・安全を最優先に、市町村と連携しながら、実効性のあるクマ対策を進めてまいります。また、全国の温泉関係者の悲願である「温泉文化」がユネスコ無形文化遺産登録の国内候補に決定しました。あらためて、これまで「温泉文化」を支え、応援してくださったすべての皆さまに心から感謝申し上げます。早期の登録実現に向け、群馬県としても、引き続き政府に協力し、機運醸成などの取り組みを進めてまいります。次のスライドです。
今月12月には、内閣府が取りまとめた令和4年度の県民経済計算の調査結果において、群馬県の名目経済成長率が6.7%で全国1位、2位が愛知ですからね、全国平均より倍ですから。1人当たり県民所得も346万7千円ということで過去最高、全国5位となったことを発表しました。また、先ほどご報告したとおり、先週末には、群馬県庁最大のイベントである「湯けむりフォーラム2025」を開催しました。昨年から内容も大きく進化し、知事としては大成功だったと受け止めています。このフォーラムを通じて得られた多くの知見や示唆は、今後の群馬県の施策を検討していく上で大変貴重なものです。こうした成果を、今後の政策形成にもしっかりと反映してまいります。他にもこの場では申し上げきれないほど様々な取り組みを進めることができました。
私は今年最初の会見で、2025年の抱負を表す漢字として、創造や創作の「創」という字を選びました。なぜなら、群馬県が製造業と並ぶ新たな産業の柱に立てようとしている、「デジタル・クリエイティブ産業」の創出の元年にするという思いがあったからです。TUMO Gunmaのオープンをはじめ、「創」と言う字にふさわしい年になったと感じています。さて、来年2026年は、「デジタル・クリエイティブ産業」を創出するための政策をより一層進めてまいります。そして、こどもまんなか推進や医療介護体制の充実、防災・減災対策など、「県民幸福度の向上」を目指して施策をしっかり検討してまいります。これらの歩みを着実に進めるため、限られた資源を最大限に生かす「ワイズスペンディング」の考え方を徹底し、県民幸福度向上を目指し、効果的で持続可能な県政運営に一層努めてまいりたいと思います。「選ばれる群馬」「挑戦する群馬」の実現に向け、県政のあらゆる分野で全力を尽くしてまいります。
ということで、ここまで50分、すごい速く喋って、去年もそうだったんですけど(質疑応答の時間で)35分ぐらい残しますが、まだ準備(している発表)があるので、ざさっと言いますね。3点だけ知事としてお話したいと思います。
1つ目、「地方政治の利権構造」。2つ目、「国政の動き」。3つ目、「前橋市長問題」、これは後で(質問が)あるので、前橋市長問題は省きます。
これ「地方政治の利権構造」について言うと、ご存知のとおり、よく存じ上げていた桐生の相沢県議が逮捕されました、公正な入札を妨害したということで。これは本当に残念だったんですけれども、当初から大変厳しく、このことは知事として申し上げてきました。さらには桐生の元副市長にも有罪判決が出たということで、やっぱり群馬県、こういうことが多すぎるんですよね。だから、ここでも言ったように、やっぱり知事としての権限には限りがありますけれども、本当に群馬県で次々と副市長が逮捕されたりするような状況があるので、これについては、先頭に立って、やはり透明な政治をつくっていくということをしっかりやっていきたいと思います。ちなみに、群馬県は他の県と違って、群馬県の県議会はレベルが高いので、そんな悪質なことはないですけれども、全国で初めて弁護士によるスペシャルタスクフォースをつくって、いわゆる県庁に来た陳情は全部、何か少し問題があるものは、その4人のタスクフォースの弁護士の皆さんに報告をして対応しているという意味で言うと、コンプライアンスという点では、他の県よりも一歩も二歩も進んだ取り組みをしていると思っています。本当にしっかり古い政治文化を変えていかなければいけない。知事としてできること、できないことがありますが、ここはしっかり来年も先頭に立って、やはり県政を透明にしていく、より情報公開していくということを心がけていきたいと思います。
国政の動きです。高市内閣が発足いたしました。高市さんは若い頃からよく知っていて、ただ本当に申し訳なかったんですけれども、過去2回の総裁選、両方応援していないので、なかなかちょっと会いに行きにくいなと思っています。高市さんが総理になった翌日に送ったメールが、だいたい3週間後ぐらいに返ってきたと。やっぱりお忙しかったのかもしれませんが、そういうのをわざわざ返してくれるというところが、昔からそうですけど、なかなか信義に厚い。例えば地元の支持者をものすごく大切にする人なんですよね、高市総理は。初の女性首相ということで、ぜひ頑張っていただきたいなと思っています。高市内閣になって、群馬県の強みである国へのトップセールス、大臣とのパイプは、ほとんど高市さん除いては、主要大臣に全部会ってまいりましたので、直接会って、群馬県の要望を伝えてまいりましたので、しっかりつなげましたから。そういう意味で言うと、これも群馬県だけだと思うんですが、大臣に直接しっかり知事が要望するという流れは担保できたかなと。それから参院選での参政党の躍進にも非常に驚きました。これもここで解説をしたので、そこは避けたいと思いますが、こういう新しい政治の流れも踏まえながら、国政もよく見ながら、群馬県の県政を進めてまいりたいと思っています。
これ(前橋市長問題)は後でまた皆さんからお話があると思うので、これは今回は省いて、なんとか頑張って35分間残しましたので、ここからは記者の皆さんからのご質問をお受けしたいと思います。
●トヨタ・モビリティ基金と連携した自転車事故対策について
(記者)
(会見終了時刻を)事前に聞いていなかったんですが、3時半で終わりなんですね、今日は。
(知事)
3時半で終わりです。できるだけ記者さんからも質問していただくんですけど、今日は、(質問されたい記者の方)全員に回らないと思うので、ちょっと心配しているんです。
(記者)
自転車(のこと)なんですが、高校生の。このプランそのもののプロジェクトは、連携事業そのものは全国初ということでよろしいでしょうか。
(知事)
では担当者から、名前と所属を言って説明してください。
(道路管理課長)
このプロジェクトは、5月に連携協定を締結しまして、そこから自転車の安全対策がスタートしております。その中で、今回新たに2つの取り組みを発表させていただいたということになります。
(記者)
いわゆるトヨタと組んでやる事業としては、全国初ではないということでよろしいですか。
(道路管理課長)
他県でも、例えば沖縄では警察と組んで、事故対策を取り組んでいるといった事例はございます。
(記者)
先ほどの知事の説明の中で、国交省のホームページ等で、すでに紹介されています。国の方の評価としてはどのようなものがありますか。
(道路管理課長)
国土交通省からは、最新鋭の技術を活用した事故分析といった点で評価をされております。非常に先進的だということで評価を受けているところでございます。
(記者)
実施は特に中高生ですけど、登校の際に活用できるのはいつ頃になるんでしょうか、令和8年ですか。
(道路管理課長)
まず事故箇所の分析なんですけれども、こちらもすでに進めておりまして、実際に事故の箇所が判明するのが、だいたい今年度中には前橋市、高崎市などの分析が終わると考えてございます。またアプリの方につきましては、令和8年の秋頃ですね、高校生に実際にアプリの配信ができるような準備を進めているといった状況でございます。
(記者)
これが秋口ってことですね。
(道路管理課長)
アプリですね。
●愛郷ぐんまプロジェクトの不正受給事案について
(記者)
田園プラザは非常に驚いたんですが、額は少額とはいえ、あそこがこういったことを犯すというのはちょっとびっくりしたんですけれども、何か原因について知事が思うところがあれば。
(知事)
じゃあ、ちょっと担当者から一言。
(戦略セールス局長)
そもそもこの制度、愛郷ぐんまプロジェクトという制度なんですけれども、これについては令和2年の6月以降、まさにコロナ禍真っ只中にあって、大きな打撃を受けた旅館やホテル、こういった方々を支援するということと、また地域経済を回復させるという目的で、国と県が連携して実施した制度なんですけれども、これに対して、今回の事案については、その制度を悪用して、公金である支援金を不正に受給したというものであります。そういう意味においては、実際にこの原因と言われると、正直この事業者でないので、我々に対しても、こういう原因あるいは要因でという話は伺っていないんですけれども、まさにこの制度を利用して、こうした不正受給を行ったと、そういった事実が調査上から浮かび上がったという状況であります。
(知事)
これ記者さん、確信犯なんですよ、この制度を悪用するって。それはあってはならないことだと思います。コロナ禍で必死にみんなが考え抜いて、もちろん国と連携していたんですけれども、本当にみんなが必死で考え抜いてやってきたことなんでね。これはやっぱり被害額というよりは、これをやっぱり確信的にやっていたということは、これはあってはならないことで、ですから、さっきちょっと厳しいことを申し上げました。いろいろ考えて、私は相当強硬なことを言ったんですけれども、周りの方々の意見とかも勘案して、しかも一応、相手もそれを認めたということもあるので、発表ということに留めたということです。
●次期前橋市長選挙について
(記者)
前橋市長選ですが、昨日、先週の知事会見でも予測されておられたように、小川さんが出馬を表明しました。いろいろ記事等もご覧になったと思いますけれども、それについてのご所見を伺いたいのと、3人候補が出そろった市長選に向けて思うところがあればお聞かせください。
(知事)
まず、小川前市長が正式に出馬を表明されたことについては、全く驚きはありません。思っていたとおり、想定していたとおり、ご本人がお出になられたんだなということですね。ここから、ここで何度も知事としての、個人としてのっていうかな、意見をずっと申し上げてきましたが、前橋市長を選ぶのは、市民の皆さんなので。それはもうあらためて申し上げておきますが、ここからもう選挙の構図も固まって、1カ月以内に投票日が来るわけですよね。1カ月を切っていますよね。そこはもう、市民の皆さんが次のリーダーをお決めになるということだと思います。
そのことを申し上げた上で、私のちょっと今、感想ということで言うと、昨日の(小川前市長の)会見もお聞きして、ちょっと朝早く起きて少しブログにも書きましたが、やっぱり今回のいわゆるラブホ問題について、前橋市のイメージが毀損された、低下していた、客観的な状況がないみたいなことをおっしゃっていたので、これは結構大勢の方々が、取材されていた記者の方もそうらしいですけど、相当驚かれたということで、やっぱりですね、いろいろお考えはあっても別にいいんですが、前橋市議会が、9割の議員があそこまでやはりこの問題を問題視して、不信任案が出れば確実に通る状況だったわけですよね。それはやはりこのラブホ問題が連日報道されて、前橋のイメージがものすごく毀損されたと。慎重な経済界でさえ言わざるを得ないほど、みんなが憤懣、色々と不快な思いをし、なおかつやっぱりこれは前橋の経済を含めた将来にも影響があるということで、不信任決議案を出したわけですよね。だからご本人が、あの一連の事件を通じて、特にこの前橋のイメージが毀損された客観的なものをちょっと見つけにくいみたいなことを言っているっていうのは、かなり私の認識と違うということで、ちょっと言葉も選ばなければいけないんで気を付けたんですけど、唖然としたという感じですよね。あと、記者の皆さんのご質問なんかも、後でお聞きしたり見たりしたんだけど、意外と都合の悪い話はずっとスルーをされているので、ちょっといろいろあります。でも、もうあまりもう細かいことを言わず。選挙になりますから。今、記者さんが言ったということで言うと、選挙の構図はすっきりしたと思います。つまり、小川前市長が出馬をされると。それから丸山さんっていう新人が手を挙げて、ある意味、今の前橋の状況を憂いて、やむにやまれず、何とかしたいと思って立った彼と、もう一人は共産党の候補者の方ということで、選挙の構図はとてもすっきりしたと思います。私はこの問題、本当に多くの前橋市民の皆さんは怒っているし、心配をしていると思うので、やっぱり丸山さんがこの小川前市長の市政を変える選択肢としてきちっと認識されたら、十分に勝機はあるんじゃないかと。ただ今日のブログにも書きましたが、選挙って知名度って結構大事なんで、知名度はもう圧倒的な差がありますので、ほぼ現職ですから、そこはなかなか厳しい戦い。選挙って正しければ、政策が良ければ勝つというものじゃないので、そこはやっぱり全力で頑張ってほしいと思いますし、もう毎回言ってまいりましたが、個人の意見としては、ぜひですね、丸山さんに勝っていただいて、この前橋の今のこの空気、停滞感、ほとんど市政が麻痺しているような、市議の9割が市長に不信任決議案を出そうと思うような状況をぜひ変えていただきたいなと感じています。
(記者)
丸山陣営から依頼があれば応援演説等を考えるようなこともありますか。
(知事)
そうですね、応援はしたいと思うんですが、ただ全体の状況を見て、どうすれば一番彼にとっていいのか、どうすれば丸山さんがこの選挙に勝ち抜けるチャンスをあげられるのか、そういうことをよく見ながら、私なりにどういう応援したらいいかっていうのを考えたいと思います。私も一応24年間国会議員をやって、今政治家で30年ですよね。いろんな選挙を戦ってきて全て勝ち抜いてきましたから、その感覚の中から、どうやってこの丸山さんを応援するのが一番効果的かと、そういうことを考えながらどう応援しようかということはこれからよく検討していきたいと思います。
●大規模太陽光発電施設に対する支援制度の見直しについて
(記者)
案件外なんですが、先ほど再エネの事業の話がありましたけれども、ちょっとずれるんですけれども、政府がメガソーラーの支援制度を廃止する方向で調整しているそうです。市場価格に一定額を上乗せして電気を買い取る補助制度について、2027年度以降の新規事業を対象から除外するということで、再生エネルギー、再エネの普及に傾斜していた戦略が、かなり変わるということなんですが、知事の受け止めをお願いします。
(知事)
まずは、じゃあ担当者の方からどうぞ。
(グリーンイノベーション推進監)
政府のメガソーラー支援制度の廃止の関係ということかと思いますけれども、群馬県といたしましては、再生可能エネルギーの普及推進を進めている中で、地域と調和した再エネ設備の導入促進ということを掲げておりまして、例えば、「2050年に向けた『ぐんま5つのゼロ宣言』実現条例」ですとか、「グリーンイノベーション群馬戦略2035」、こちらの方で盛り込んでおります。そういう意味では、山林を切り開くような開発型のメガソーラーというものではなくて、建物の屋根の太陽光パネルの設置などを誘導するような政策へとシフトしている状況でございます。今回の政府の検討の方針は、そういう点からいきますと一致している、相違ないと考えておりまして、「ぐんまネイチャーポジティブ宣言」を都道府県として初めて宣言した群馬県としても、評価できるのではないかと考えているところです。また、今後そういった動きがあります中で、駆け込みでの新規開発等が出てくるということも当然考えられるところではございますが、現状においては他県で散見されるような不適切な開発が行われないように関係各所、市町村などと連携しながら情報共有を図ってまいりたいと考えているところでございます。
(知事)
ほとんど付け加えることはありません。全くそのとおりで、県がやろうとしている、今ちょっとグリーンイノベーション推進監からあったように、我々が考えている既存の政策、我々は今、グリーンイノベーション推進監が説明したような考え方にシフトしているので、違和感はないですよね。特にだから、これについて何か違和感を持っているということはありません。
●これまでの知事記者会見の中で印象に残っている回について
(記者)
もう一点、冒頭にご発言があった知事会見が今回400回ということなんですけれども、これまで400回重ねられて、ご自分の中で一番印象に残っている回とかありましたら教えていただきますでしょうか。
(知事)
一番印象に残っている回、それはなかなか、400回やっているからね。でももう皆さんお忘れになっているか、いなかった人もいると思うんですけどね。私はまず人前で泣くとかしないですよ。政治家としてまず人前で、まずプライベートでもそうだし、政治家として泣いて訴えるみたいなことは普通しないんですよね。ましてや会見で泣くとかあり得ないのに、ちょうどコロナ禍だったと思うんですけれども、まだいた方、別の記者さんとかはもういたかもしれないですけど、コロナ禍で、とにかく毎週末、健康福祉部長とかが出てこなければいけなかったりとか、あるいは例の大規模接種センターを作るために、当時の産経部長が土日もなく頑張っていたとかいうことがあって、そのことを話している時に言葉に詰まって、今でもたぶん探せば残っていると思うんだけど、それは自分でもびっくりしたんですよね。話している時に、ちょっと涙が出そうになって、涙は出なかったと思うけど、本当に言葉が詰まったところがあって、その時にやっぱりこんなに思い入れを持って、知事としてやってきたんだなっていうのは思いました。
今回、ちょっと関係ありませんが、前橋市長の件で厳しいことをいろいろ言っているじゃないですか。そもそも別に小川市長、前も言っているように恨みはないし、前市長が当選してからは、ブログを見てもたぶんそうだと思うし、会見でもそうだし、いろいろ前橋で自分の後援会をやったんですけどね、悪口を言ったことはないですよ。なったからには頑張ってほしいと、こんなことがあるまではずっと言ってきたわけですよね。じゃあこういう事件があったと、そんなに感情的になっているつもりはないんですけど、6歳児なんで、つい言葉が強くなったり、感情的になっちゃうところはあると思うんだけど、なんでこれを放っておけないのかなって思った時に、やっぱりあらためて分かったんですけど、みんなそうじゃないですか。みんな人間って完璧な人はいないし、例えば私もいっぱいいろんなことで失敗してきているけどね。やっぱりね、この6年間、知事としては命がけでやってきたんですよ。ここの湯けむりフォーラム前後を見ても、「よく働いているね」って言われたんだけど、やっぱり知事として、自分でそんな命がけとかね、本当は軽々に使っちゃいけないけど、全力疾走してきたわけですよ。だからそういう意味で言うと、自分は欠点だらけの人間だけど、政治家として、やっぱりね、有権者、自分を選んでくれた人に嘘をついちゃいけないと。これは嘘って完全に証明されたわけじゃないですが、私は絶対に嘘だと思っているんで、みんなが嘘だと思うようなことを絶対に言ってはならないし、あと欠点だらけの人間だけど、上州人として生まれて、嘘を言わない人間なんていないかもしれないけど、できるだけまっすぐ生きることがいいって両親に教わってきたわけじゃないですか。ちょっと申し訳ないけど、こういう前市長の説明のまま、ここを曖昧にして先に行こうとしているっていうことが、これだけ違和感があるっていうのは、こんなことを私が言うのは僭越ですけど、やっぱり正義感強いんだと思う。こんな欠点だらけの私が言うのは僭越ですけど、自分の中の小さな正義感とか美学みたいなものが許さないんだと思う。それは逆に言うと、今言った会見の中で本当に涙をこぼしそうになるくらい一生懸命やってきたからであって、世の中の人って、みんなある程度苦しいことがあっても、ルールを守ってやっているわけじゃないですか。なんかね、すごくごまかして、うまくいくような人を許しちゃったら、本当に真面目に正直に生きている人たちが馬鹿を見ると思うんですよね。申し訳ない、こんな欠点だらけの人間だけど、政治家としての姿勢は皆さんにも見ていただいていると思うんですけど、こんなに熱を込めてたぶん記者会見をやっている人はいないと思うんです、1時間半くらいね。記者の質問にも全部逃げないで答えてきたし、分からないことがあれば必ず調べて、もちろんお返しするし、そこはどんな質問も逃げずに受けるということをやってきたんで、だから今のお話を聞きながら思うんだけど、それでこんなに自分の心がこういうふうに動くんだなっていうのを思いました。
でも一番印象に残っている(回)って本当に言われたら、やっぱり今言ったコロナの時に本当にここで涙をこぼしそうになった事件、今でも残っていると思うけど、それからやっぱり、もう一つだけ言うと、コロナについて初めてここで会見した、新型コロナの発生について会見した時ですね。そこからは本当に苦しかったんでね。みんながいろいろ各県でコロナの感染者が増えて、最後は1,000人とかそういうレベルになったけど、最初はだって1人出たって大騒ぎじゃないですか。例えば10人とか出たらこの世の終わりみたいな感じで、まずウイルスの正体も分からないでしょう。だからね、どの都道府県知事も大変だったと思うんだけど、苦しかったですよね。群馬県がこう(感染者数が)上がっていくじゃないですか。会見の度にそれを言わなければいけなくて、みんなが、「いや、他だって上がっているから知事のせいじゃない」って言われたって、一応、知事として対策を打っているわけだから。これはね、本当にもう二度と経験したくないっていうか、そこは本当に辛かった。他の知事もそうだったと思いますね。だからやっぱりコロナ禍の最初の会見と、今言った当時の健康福祉部長とか産業経済部長の、週末まで全部出てきてもらったことを思いながら、本当に涙がこぼれそうになった、泣かなかったけど、あの2つの会見かなと思いますね。すみません、長くなっちゃって。
●群馬県の水力発電のポテンシャルについて
(記者)
時間もないと思うんで、2つあったんですけれど、もし時間が余ったら最後に質問させてもらいます。1つ目、発表案件であった再エネ関連で伺いたいと思っています。ちょっと発表を聞いていて、上毛かるたの読み札が思い浮かんできて、「理想の電化に電源群馬」だなと。やっぱり水力発電はポテンシャルあるなと思っています。知事の水力発電、こういう群馬のポテンシャルですね、どういうふうにあるとお考えでしょうか。
(知事)
水力発電ですね。どうぞ、せっかくだから、うちの企業管理者が頑張ってくれているんで。
(企業管理者)
水力発電の価値という面で言うと、やはり太陽光発電というのは昼間しか発電できない。一方、水力発電というのは夜間も発電できるというところで、かつベースロードでコンスタントに発電できるということで、企業さんの中には、結構そういう生の再エネ電気、夜間も発電できて、しっかり昼間も夜も発電できる、コンスタントに発電できる再エネ電気っていうのに価値を見出してくれるという企業さんもいるので、我々としては、そういう事業家、企業さんに対して、地産地消ベースで今後も水力発電の価値をアピールして、供給していくということを継続してやっていければなと思っております。
(知事)
記者さん、今、世の中がちょっと大きく変わりつつあって、世の中全てSDGsで、再生可能エネルギー推進だった欧米がトランプ大統領の登場で急ブレーキをかけているわけですよね。なんかこうトランプ大統領がね、選挙の後だったか、「Drill, baby, drill.」、「掘って掘りまくれ」みたいなことを言って、相当世の中のトレンドにブレーキはかかっているんだけど、大阪万博に行った時にドイツ館に行ったら、環境問題一色だったんです。やっぱり環境はこれからも、相当アメリカはブレーキをかけたとしても、大きな潮流だろうと。そうだとすると、もう今、欧米は特にそうなんですけれども、やっぱりね、どうやって電力を作っているかってすごい価値なんですよ。火力とかだったら罰金みたいな世界なんですよ。だからそういう意味で言うと、水力発電は群馬県の強みなので、これをもってしっかり生かしていくっていうのは、これは我々が目指すべき方向としては非常に理にかなっていると思います
●次期前橋市長選挙について
(記者)
市長選に関連してなんですけれども、知事は丸山さんを応援されていて、知事は発信力もあって、巷では知事対小川さんのような構図にも見えるという話も聞くんですけれども、受け止めをお願いします。
(知事)
それはなんか、どう見えるかってよく分からないんですけれども、手を挙げたのは、とにかく丸山さんご自身であって、決めるのは前橋市民の方々なので、私はやっぱり群馬県にとっても前橋のトップが誰になるかっていうのはすごく大事なので、ここはやっぱり丸山さんになってほしいと思っているので、それについて自分でできる応援をしようと、こういうことですね。
●愛郷ぐんまプロジェクトの不正受給事案について
(記者)
ちょっと田園プラザの関係でお尋ねしたいんですけれども、群馬県の発表ですと、宿泊記録にない人について虚偽申請していたと。田園プラザ川場さん自体は、県外の宿泊者について支援金を申請していたと発表されているんですが、ちょっとそこに齟齬があるような気がするんですが、それについてはどのように・・・
(知事)
それはちょっと戦略セールス局長から。
(戦略セールス局長)
県の方で調査を行った結果については、詳細については、あらためてこういった内容であったということは、公表は差し控えております。一方で、田園プラザの方の発表については、県の方では直接的にはそれは関与する立場にありませんので、その内容については我々も承知はしておりますけれども、それがどういった内容であったか、県の内容と齟齬が実際に形式上、生じている、生じていないという部分に関しては、ここではちょっと申し上げられないというような状況であります。
(記者)
というと、齟齬がないかもしれないということですか。
(戦略セールス局長)
それはあくまでも田園プラザ側の発表の内容については、我々は関与する立場にないということになります。
●1年間の県政運営を振り返っての自己採点について
(記者)
これはこれにしておいてですね、あと知事にもう1件だけ聞きたかったんですけど、これ1年間通じてっていうことで、いつも最後の会見で聞かれているかもしれませんが、点数化すると、この1年間の県政運営、どのように自己評価されるかっていうのをお願いします。
(知事)
これは難しいんですよね。やっぱりなんか80点とか言っちゃうと威張っているみたいだし、しかしあまり低くすると、各部局で頑張ってくれた職員に申し訳ないし、非常に難しいですね、これは。なんかこう慢心しているようにも見られたくないけど、あんまり自分を卑下すると頑張ってくれた職員にも申し訳ないんで、でも本当に自分でも欠点だらけの6歳児にしては頑張ったし、あととにかく県職員が支えてくれたんでね、80点。去年75点だっけ。80点あげたいと思います。職員の頑張りも含めて80点。あとまだ、だけど20点残っているから、来年もっと上げられるように頑張りたいと思います。
●今年の漢字について
(記者)
まず一点ちょっと確認で、先ほど知事も触れられましたが、今年の漢字というところについては1年経ってあらためて考えてみても、「クリエイト」の「創」というところでお変わりないでしょうか。
(知事)
その話はちょっと聞いたんだけど、やっぱり「熊」ってするわけにいかないし、だからいろいろ考えてみたんですけど、やっぱり前向きなメッセージがいいので、「創」でいいんじゃないかと。みんなそこを目指して、新しい価値観を創造しようと思って頑張ってきたんでね。そこはもう「創」でいいかなと思います。
●次期前橋市長選挙について
(記者)
もう一点、前橋市長選なんですけれども、小川前市長の出馬会見で停職処分を受けて依願退職する相手の男性職員について、小川さんが「今後の生活を心配している」とおっしゃったんですけど、でもその一方で、辞めた後どうされるのかとか近況は全然把握していないと。在任中の記者会見で、今回の件は自分の責任だとご説明されてきたんですけれども、男性職員が職を失う一方で、ご自身は辞職されましたけど、今回、返り咲きを目指して出馬すると、そこについては職員に対する対応とは切り離して考えるとのお答えだったんですけれども、ここちょっとご所感をいただけますでしょうか。
(知事)
これは人によっていろいろ感じ方があると思うんですけど、今ご質問された趣旨を考えると、それについてどんなお考えをもって私に聞いたのかっていうのは分かりますよ。ただ、そのことについてはもう、これから選挙も始まるから、これもう正式に(候補者が)3人になったんで、そこはあえてコメントしないようにします。
(記者)
前橋市長選について、12月13日の読売オンラインには、「山本知事は丸山弁護士本人に会う前の段階で支援を決め」とあるんですが、会見では初めて会って支援を決めたかのような説明をされていますが、事前に、誰に支援するということを伝えられたんでしょうか。
(知事)
今の記者さんの説明、この間お話しされたこともよく考えたんですけれども、まず読売オンラインかなんかに書いてあったのは、読売が記者会見で私に聞いた時に、私が答えたのは、「印象としてはとてもいい」と。「クリーンだし、色も付いていないし、とてもいいと思う」と。「ただ、本当に支援するかどうかっていうのは、ご本人に会ってから決める」ということで、記者さんが言う、人を介してどうのとか、当然、記者さんは、丸山さんが例えば会見をする前に、丸山さんが出ることを知らなかったわけないんで、みんなにもう広まっていたから、その時に例えばコメントをいろんなところで求められた時に同じことを言っているんですけど、「自分はいいと思う」と。流れとして言うと、やっぱり今の市長選挙にこういう色のない若い人が出てくるっていうのは、むしろ申し訳ないけど、山本龍元市長との戦いよりはいいと思っていたから、「それは非常にいいと思います」と。「ただ、本当に応援するかどうかっていうのは、会ってから最終的に決めたい」と、こう申し上げたので、今、記者さんの質問に答えると、誰かに、例えば「必ず応援するから出てね」とか言ったことはないし、これは記者さんに信じてもらいたいんですけど、本当に丸山さんに会ったのはあの時が初めてです。ただ、記者さんの質問をいろいろ聞いてみたら、その前に噂を聞いたとか、あるいはどう思うって聞かれたかっていうことについて言うと、「流れとしてはいいんじゃないか」と、それは言いました。だけど、記者さんがいろいろお調べになっていてあれなのかもしれませんけど、私が肝いりでこの人を引っ張ってきたっていうのは、それは記者さん、ないんですよ。それだけはぜひ信じていただければと思います。
(記者)
ただ、出馬すれば応援する可能性が高いと。
(知事)
それは言ったかもしれないけど、高いとは言っているか分からないけど、例えば記者会見の日にブログにも書いたけど、「印象はとてもいい」と。それは書いたんで、それは今までの流れからいっても、記者さん、私はああいう人がいいと思っていたんで、むしろ知名度があって、前橋の市政に関わっている人よりは、全く新しい人の方がいいと思っていたんで、そういうことは言っています。ただ誰かに伝えて、「俺が応援するからこれ引っ張ってこい」みたいなことは絶対に言っていません。
(記者)
裏の選対本部長みたいな役割をして、事前にお墨付きを与えて、それを受けて丸山弁護士が出馬したように見えたものですから、それは違うわけですか。
(知事)
記者さん、違います。記者さん、ぜひ調べていただければと思うんですが、そういう印象を持つ方がいたのかどうか分からないけど、今のことは全然違います。裏の選対本部長っていうかね、正直言うと心配していたんですよ。私はやっぱり小川さん変わるべきだと思っていたんですけど、確かここでも「具体的な名前はありますか」って言うから、「ない」と。「だけど、前橋は人材の宝庫だからきっと出てくるだろう」と言いながら、結構不安だったんですよ。そうしたら、こういう人が手を挙げたって話が来たから、それは本当に良かったなと思っているんで、裏の選対本部長で引っ張り出してみたいなことはありませんので、それはぜひ信じてください。
(記者)
これ以上やりませんけど、平行線になるんですが、おそらく知事のお墨付き、支援してもらえるだろうという確信のもとに、丸山弁護士は出馬会見に臨んだんだろうというふうに僕は理解しています。次が最後の質問ですが、湯けむりフォーラムの最終日に、アフタートークの時だと思うんですけれども、配信している「ReHacQ(リハック)」の高橋さんからいきなり電話かかってきてですね・・・
(知事)
あれ、私がやったんじゃないんで。高橋さんのせいですからね。
(記者)
知事と、あとひろゆきさんと高橋さんに3人に問いただされて、というやりとりがあったんですけど、これは立場としては、トーンとしては小川前市長再選阻止と丸山弁護士支援ということなんで、選挙の事前運動に当たるんじゃないかと。税金を使ってイベント会場からそういう発信をしたということで、選挙の事前運動になるんじゃないかと。そもそもこの会見でも丸山弁護士支援と小川前市長再選阻止を訴えているんで、これは事前運動に当たるんじゃないかと、そのままネットで流せば街頭演説と同じような効果を発揮すると思うんですけれども、そういう違法性を問われることについては・・・
(知事)
それは全くないと私は思っています。記者さんには記者さんの見方があると思いますが、ここで例えば丸山さんみたいな人になってほしいって言ったりとか、こういう候補者がいいとか、やっぱり前橋は新しい市政になってほしいとここで言っていることについて、私は選挙違反には絶対にならないと、そういうふうに思っています。いろんな見方があるかもしれませんが、私はそれはないと思っています。
もう最後にあと1分だから言っておくと、記者さんはそういう見方はしていないと思うんですけどね、一部の人たちが、なんかよく分からない、ネット上で4、5人で勝手に盛り上がっているんですけれども、山本一太が自らの利権のために、この丸山さんという人を引っ張り出してきたと。なんかよく分からないけど、赤城山の利権があって、それでその赤城山の利権を取り戻すために、小川市長を引きずり降ろして、子飼いの丸山さんを持ってくるためにやった、みたいなことを言っていることなんですけれども、まずは馬鹿馬鹿しいので反論もしていないし、私を知っている人たちはもうただ一笑に付していることなんだけど、それはもうはっきり言って断じてありません。
それで最後に言うと、あんまりだから誰も信じていないと思ったから言っていないけど、もし例えば選挙戦に向けて、Xとか怪文書みたいので、山本一太が小川市長を引きずり降ろしたと。なおかつこの丸山さんという子飼いを送り込んで赤城山開発の利権を取ろうとしているということを書いたら、それは躊躇なく法的措置をとります。私は100%潔白なので、今から言っておきますが、そういうものを見たら躊躇なく断固とした対応をとると。これだけは言わせていただいて、一応記者さん、サービスしたからいいでしょう。
(記者)
その見方に対して一言反論させていただくと、泉房穂チルドレンとして小川前市長が県と市のプロジェクトに対してメスを入れると。子育て予算を増やそうとしていると。子育て予算を倍増させた明石市政と同じようなことをやりたいと。そうすると、県と市のプロジェクトを削減するかもしれないという思惑で、山本知事は小川前市長を引きずり降ろそうとしているんじゃないかという見方は十分成り立つんじゃないかと。
(知事)
それは全然違うのは、まずは、もうこれで最後にしてくださいね。記者さん、さんざんサービスしたから。違うのは、何度かこの点でも小川前市長と会っているんですね。2回ぐらい私の方から行って会って、小川前市長は一応、前市長の時代から始まったこの赤城山のプロジェクトとか他のことについても一応、県と前橋と一緒に力を合わせてやっていきましょうということで、一応ご理解をいただいたんで、それについて絶対ダメだとか反対したってことはないので、それだけは記者さんにちょっと報告しておきます。群馬県までご苦労様でした。
(記者)
2期目の計画には消極的だという話は聞いていますので。赤城山の2期計画については消極的だという話を聞いています。
(知事)
そんなことないんだけど、まあいいです。
ということで、記者さん、記者クラブが了解するんだったら、来年からも毎回来てもいいんですけど、とにかく皆さん毎回いろんなことがありましたが、別の記者さんと結構やり合ったりとかですね、例のあれ(「群馬の森」の朝鮮人追悼碑)の問題でやり合ったりしたんですけど、とにかく皆さん、真剣勝負で毎回これだけの方々に、本当にこうやって会見室に足を運んでいただいていると。主催しているのは記者クラブですけど、それについては本当に感謝を申し上げたいと思いますし、私は本当に欠点だらけですけど、まっすぐに生きていきたいと思っているので、ここでの空間は真剣勝負で、ちゃんと皆さんからの質問も逃げないで、有権者には決して嘘をつかずに頑張りたいと思いますので、来年もぜひよろしくお願いします。最後にもう一回言います。記者さん、群馬県までお疲れ様でした。すみません、失礼します。
( 以上で終了 )
文章中の()内については、メディアプロモーション課において加筆したものです。