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令和6年度第33回定例記者会見要旨(12月26日)

更新日:2024年12月26日 印刷ページ表示

■日時    令和6年12月26日(木曜日)14時00分~15時20分
■会場    記者会見室
■出席者  県:知事、副知事ほか
      記者:記者クラブ所属記者等16人
■記録作成 メディアプロモーション課(報道係)

 令和6年12月26日定例記者会見動画(You Tube)<外部リンク>

 モニター資料 (PDF:4.09MB)

会見項目

■知事冒頭発言

 1.はじめに

 2.ネイチャーポジティブ

 3.2024年の振り返り

■質疑応答

■知事メッセージ

知事冒頭発言

1.はじめに

 それでは今年最後の定例会見を始めさせていただきたいと思います。今年も本当いろんなことがありました。最後の会見ということで随分いろんなお話をさせていただこうと思うんですけれども、最後までお付き合いいただければと思います。思ったよりも長くなるかもしれませんが、1年のまとめなので全部お話させていただいて、そのあと記者の皆さんからご質問をお受けしたいと思っています。この1年間、特に会見に来ていただいた記者の皆さんには大変お世話になりました。会見が長いときもありますが、皆さんにほとんどご出席をいただいて、真剣に様々な県政の発信に興味を持っていただいて、報道していただいたりしていることについて、まずお礼を申し上げたいと思います。

 さて、まず先週21日の土曜日ですが、ご存じだと思うんですけれど、県立伊勢崎商業高校サッカー部の生徒を乗せたマイクロバスが高速道路上で交通事故に巻き込まれました。緊急搬送とか入院となった方もいるということで大変痛ましい事故だと思っておりまして、知事としても胸を痛めております。けがをされた方々には心からお見舞い申し上げると共に、1日も早い回復をお祈り申し上げたいと思います。

 例年、年末年始は帰省とか旅行とかで普段よりも交通量が増えます。過去の会見でも呼びかけをさせていただいていますが、改めてドライバーの皆さんには安全運転を心がけていただきますようにお願いを申し上げたいと思います。

 話が変わって、先週末から今週にかけて上京し、5人の現職閣僚と3人の自民党幹部と3日間で面会してまいりました。先週20日は浅尾慶一郎大臣を訪問いたしました。浅尾大臣は、本当に私の親友なんですけれども、群馬県と環境省の連携強化についてお話をさせていただきました。環境省には少し温泉文化の件でも今まで以上に後押しをしていただきたいと思っていますし、また尾瀬のこれからの対応をめぐっても、いろんな形で環境省にご支援をいただくことになるんじゃないかなと思っています。

 それから江藤拓農林水産大臣にも久々に会ってまいりました。江藤さんは群馬県の恩人の1人なんですね。豚熱の時に、豚へのワクチンについていろいろ群馬県が、こういう地域に指定されるされないっていうときに助けていただいたということで、豚熱ワクチンについて、これを実施するという決断をしたってことで言うと、近代まれにみる名大臣だと思っていまして。ベテランの江藤大臣が戻ってきたというのはすごく嬉しいです。農業は群馬県にとってとても大事な産業ですから、これからもしっかり江藤大臣とも連携をさせていただこうと思っています。

 福岡厚生労働大臣は、参議院の後輩に当たるんですが、武見前厚生労働大臣が一年間大臣として活躍をされたんですけども、(福岡大臣も)この間会ってみたら本当によく勉強されていて、驚きました。福岡さんにもよく群馬県のことをお願いしておいたのですけれど、特に医師不足の問題などについても、よく厚労省にもご相談をしながら対応していきたいと思っています。

 それから三原大臣にもお目にかかりました。三原さんも非常に張り切っておりまして、保育士の待遇問題なんかについても発言をされています。三原さんの前のこども担当大臣が加藤鮎子大臣だったんですね。加藤前大臣は一応ハーフ群馬県人で、お母さんが高崎市ご出身なんですけれど、どんなにお願いしても全く時間を作ってくれなかったんです。別にツンデレ大臣とは言いませんけれども、やはり個人的に知らなかったことが大きかったです。やっぱり三原さんは参議院のときの同志なので、本当に無理しても時間作っていただきました。こどもまんなか政策は大事なので、これからしっかり群馬県と協力していただきたいと思います。

 それから平将明デジタル担当大臣、これ本当にブログにも書きましたが、水を得た魚っていう感じなんですよね。平さんともTUMOの関係なんかでもしっかりデジタル庁と連携していかなくてはいけないということもあるんですけれども、行政改革も河野太郎から引き継いでやっていますので、バサバサとAIなども使って無駄を省いてくれと、アメリカではイーロン・マスクが政府効率化省とか言って、みんなザワザワしているんですけれども、平さんは、イーロン・マスクじゃなくて、タイラー・マスクになって、バシバシ無駄を削ってくれと、タイガーマスクじゃないですけど、ちょうど語呂がいいでしょ、タイラー・マスクになってくれって言って、励ましてきました。

 それから菅元総理にもいろいろ別のお願いもあってお目にかかってきました。菅さんもすごく兄貴分で、総理のころから群馬県のことをすごく気にしていただいているので、これからもいろんな側面で、自民党副総裁としてお力をお借りしたいと思っています。

 それから、自民党の森山幹事長と小野寺政調会長にも面会してまいりました。細かいことは言いませんが、森山さんも小野寺さんも、例の103万円の壁の問題で、財源について非常に悩まれていたということです。いろいろな報道とか、いろんなことを言う人がいるんですけれど、やっぱりお二人とも、今少数与党とはいえ、最大政党の政策責任者なので、ものすごく使命感を持って真剣にいろいろ考えているんだなということを感じて、その点ではこの二人の今の頑張りには大変感銘を受けた次第です。

 今年に会えなかった大臣が(スライドを指し示しながら)これだけおられるんですけども、この方々(加藤財務大臣、岩屋外務大臣、中谷防衛大臣、中野国土交通大臣、赤澤経済再生担当大臣、あべ文部科学大臣)には会って来ようと思っています。加藤大臣は年末お忙しかったので、1月にまたアポを取らせていただこうと思っています。岩屋外務大臣、中谷防衛大臣は、これもお目にかからなきゃいけないんですが、岩屋さんは選挙の応援にも行って仲良しなんですけれど、特にこれから知事が行っていくトップ外交について、例えばベトナムでも、在ベトナム日本国大使にお世話になっていますし、ハンガリーでも小野日子(在ハンガリー日本国)大使にお世話になりました。やっぱりこれから知事のトップ外交をやっていく上では、外務省との連携、外務省からの支援が大事なので、岩屋さんに会ってこようと。それから中谷防衛大臣については、自衛隊のことがあるので、群馬県は本当に第十二旅団にお世話になったんですけれど、いつまた豚熱とか鳥インフルとか、あるいは韓国まで来ている恐ろしいアフリカ豚熱みたいなやつもありますので、しっかりお目にかかって、防衛省との関係をつないでいきたいと思っています。中野国交大臣は、公明党ということなので、福重衆議院議員を通じてアポをお願いをしているところです。赤澤大臣は経済再生担当大臣ですが、まさに石破総理の側近で、この人が石破内閣のキーパーソンなので、年内に会えるように赤澤さんが努力してくれたんですが、何度かメール交換をしたんですけれど、どうも年内どうしても難しいということなので、来年早々にはお目にかかってこようと。あべ文科大臣にもメールして、来年早々にもお目にかかりたいということで、あべ文科大臣にはもちろん温泉文化のこともあるんですが、その他にも教育問題とかいろんなことで文科省の力もお借りしなきゃいけないことがあるので、年明けにこういう方々を訪問していきたいと思っています。

 何でこんなに知事がわざわざ東京まで行ってこれだけ大勢の大臣に会うのか、それは僕ってこんなに大臣知ってるんだよっていうことを示すためじゃもちろんありません。それぞれの大臣は本当に忙しくて、しょっちゅうお邪魔するわけにはいかないんですけども、何かがあったときに、知事から直接大臣につなぐということが大事なんです。第三者を介す暇なんかないんですね。だからそういう意味で言うと、知事のトップ外交、政府に対しても、しっかりとこれからもやっていきたいと思います。僣越ながら、24年間も国会議員をやってきたので、12月にバタバタと5人の閣僚に会えるというのは、実は普通のことではないし、これだけの大臣に直接一対一で会えるという自分の数少ない強みである国会議員の時代のネットワークも活用して、群馬県のためになるように頑張りたいと思っています。それでは次のスライドです。

 今日は最初に、「ネイチャーポジティブ」のことをお話させていただいて、それから今年最後の記者会見ということで2024年の振り返り、山ほどあるんですけど、厳選してざざっと各月の事件をお話して、最後に、これも群馬県に直結しているんですが、今年起こった、政治とお金の問題とか、あるいは新しいメディア戦略についてもお話をさせていただこうと、少し長丁場になりますが、お付き合いいただければと思います。

 

2.ネイチャーポジティブ

 それではまず、「ネイチャーポジティブ」の方からお話をさせてください。ネイチャーポジティブとは、生物多様性が損失していくネガティブな状態を食い止めて、自然を回復基調に転じさせることを目指す考え方を言います。一昨年開催されたCOP15で、ネイチャーポジティブを2030年までに実現させるための国際目標が定められました。実はネイチャーポジティブは国際的にも関心が高まっている考え方の1つなんですね。このネイチャーポジティブに関連して新たな取り組みを行いましたのでご報告したいと思います。

 群馬県は、12月20日付で都道府県として初めて「ネイチャーポジティブ宣言」を行いました。今後、群馬県はネイチャーポジティブ経営エコシステムを構築して、ネイチャーポジティブ経営企業の聖地を目指してまいりたいと思います。この宣言は、ネイチャーポジティブの実現に向けて、今浅尾さんがトップを務める環境省が設けた制度なんです。ネイチャーポジティブに賛同する企業・団体が自らの取り組み内容を表明するということで、現在193団体が宣言を行っています。

 世界では人々の経済活動によって生物多様性が急速に失われておりまして、豊富な水資源、多種多様な動植物が生息する群馬県においても、もちろん例外ではありません。自然に囲まれた、恵まれた群馬県だからこそ、自然をしっかり守っていく姿勢を明確にする必要があると考え、今回ネイチャーポジティブ宣言を行いました。なお宣言は、20日の浅尾大臣訪問の際に、浅尾大臣に対して私が(直接)宣言をしたという形になりました。浅尾大臣に群馬県はネイチャーポジティブにしっかり取り組むと伝えると、大臣からは環境省としても群馬県と連携していくと、こういう非常に力強い応援の言葉をいただきました。

 それでは、宣言に基づいて群馬県がどのようなエコシステムを構築していくのかについて、ざっと説明したいと思います。次のスライドをご覧ください。そもそも「ネイチャーポジティブ経営企業」というのは、自然の保全を経営における最重要課題の1つに掲げる企業のことを指します。先ほどご説明したとおり、群馬県においても経済活動によって生物多様性が損なわれる事態が発生しています。こうした状況を変えるには、経済活動の主体である企業にネイチャーポジティブ経営に移行していただくとともに、そうした企業の育成・集積を図ることが大事になってきます。具体的には3つの類型の企業の育成・集積を図りたいと思っています。地域の自然を生かした商品開発など、付加価値を生み出しつつ自然を守る農林業、製造業、観光業、こういうものをはじめとする企業類型1。CSRの取り組みなどで生物多様性の保全活動を行うのが企業類型2です。それから、ネイチャーポジティブ経営を行う企業類型1と2の企業を、事業計画や技術の面などから支援するコンサル、テック、金融、これが企業類型3になります。この3つの類型の企業が群馬県に集積して、ネイチャーポジティブ経営に取り組むことで、群馬県内の自然環境、資源の維持回復に貢献できると信じています。企業にとっても群馬県の豊かな自然資本をリビングラボとして、新たな付加価値を創出していくことが期待されています。

 群馬県では現在来年度に向けて県内企業がネイチャーポジティブ経営にスムーズに移行できるような支援施策を検討しているところです。詳細が決まり次第皆さんにお伝えしたいと思います。知事としても、県としても、今後ネイチャーポジティブに官民共創で取り組みたいと、そして生物多様性と経済活動の好循環をしっかり実現していきたいと思います。世界中の企業からネイチャーポジティブと言えば、群馬県と評価されるようなネイチャーポジティブ経営企業の聖地を目指していきたいというのが知事の考え方でございます。

 

3.2024年の振り返り

 それではここからは簡単にこの一年の振り返りをしていきたいと思います。2024年の振り返りです。2024年は、皆さん覚えてらっしゃると思いますが、元旦から能登半島で大地震が発生しました。群馬県でも鳥インフルエンザ対応のため、元旦の朝から県職員を動員するなど、まさに波乱の幕開けでした。今年はこうした危機事案への対応も行いながら、山本県政の基本政策である「県民幸福度の向上」、「新群馬の創造」、それから「群馬モデルの発信」、これを着実に進めることのできた一年ではなかったかと感じています。少し長くなりますが、主な取り組みを1月から12月まで振り返っていきたいと思います。スライドどうぞ。

 まず1月ですが、元日の能登半島地震を受けて災害発生直後から緊急消防援助隊など、延べ1,700人を超える人的支援を行いました。石川県能登町にはトイレトレーラー、これは「ぐんまちゃん」と呼ばれて大変喜ばれたのですが、それと給水車を派遣して被災地に衛生的なトイレを提供いたしました。また専門知識の共有や互いの取り組みを学ぶことを目的に、県立自然博物館とアメリカにある世界最大の子ども博物館である、インディアナポリス子ども博物館との間で協定を結びました。引き続き、教育支援、展示の充実や幅広い分野で交流を進めていきます。次のスライドどうぞ、

 2月、県立小児医療センターの移転先を群馬大学医学部附属病院の隣接地とすることを決めました。両病院が隣接することで切れ目のない高度な医療提供体制が構築できるといった様々なメリットがあると思っています。群馬県全体の小児・周産期医療提供体制の強化のため、引き続き検討を進めていきたいと思います。また令和6年度当初予算編成後の基金残高について、平成10年以降最高額となる269億円を確保することができました。今後もワイズスペンディングの考え方に基づき行財政改革を進めていきます。次のスライドをご覧ください。

 3月、水力発電による電力を、群馬県が主体的に選定した事業者に供給する新たな仕組み、地産地消型PPA群馬モデルにおいて、供給先となる9社を決定いたしました。この取り組みは群馬県への企業誘致においても大きな強みとなるため、引き続きPRしていきたいと思います。それから、ぐんまフラワーパークリニューアル、これぜひ皆さんに楽しみにしていていただきたいと思いますが、このリニューアルの概要を決定しました。コンセプトは「ENJOY 花と遊ぶ」です。花に包まれて過ごす、摘む、嗅ぐ、創る、そして味わう、こういう五感を通じて花と遊ぶ施設となるように、オープンに向けて引き続き準備を進めてまいりたいと思います。次のスライドどうぞ。

 4月、群馬県初の夜間中学である県立みらい共創中学校を開校いたしました。生徒一人一人が思いや願いを自らの力で実現し、地域の方々と共生しながら、共に未来を作っていく、そういう学校にしたいと思います。また、50年先を見据えて、敷島エリアのあるべき姿をまとめた「敷島エリアグランドデザイン」を公表しました。また、それに基づく新水泳場の整備プランも決定しています。賑わいを創出する交流拠点とすると同時に、50メートル公認プールで、全国初となる純木造の屋根架構を採用しています。湯けむり国スポ・全スポぐんまの水泳競技の会場にもなる予定です。

 5月、在日フランス商工会議所が群馬県庁32階の官民共創スペースNETSUGENに群馬デスクを設置することを決定しました。地方オフィスとしては、大阪、名古屋、愛知に続き全国4番目、これ他は全部大都市ですから、日本の大都市以外では群馬が初めてということになります。また障害の有無を問わず、あらゆる児童生徒が同じ場所で学ぶことができるインクルーシブ教育のモデル校を玉村町の上陽小学校に決定しています。2学期からは実際の授業が始まり、インクルーシブ教育がここで実践されています。次のスライドをどうぞ。

 6月には、群馬県が直接子どもたちや若者の声を聞く「ぐんまこどもモニター」の募集を行いました。想定を大きく上回る申し込みがあったために定員を大幅に拡充して行いました。モニターの皆さんからいただいた意見は群馬県のこども施策にしっかり反映させていきたいと思います。それからこれも大きな出来事でした。アルメニアのデジタル教育施設TUMOと群馬県との間でTUMO Gunma設置に向けた調印式を行いました。パリやベルリンなど世界の主要都市が導入しているTUMOセンターですが、アジアではTUMO Gunmaが初となります。来年夏のオープンに向けてしっかり準備を進めていきたいと思います。次のスライド。

 7月、ぐんまちゃん活動30周年と高崎駅開業140周年を記念し、JR東日本と連携してぐんまちゃんが高崎駅をジャックする「ぐんまちゃん駅」イベントを開催いたしました。JR東日本が自治体と連携してご当地キャラをテーマに大規模なイベントを実施するのは今回が初めてのケースでした。また子宮頸がんの予防対策としてHPVワクチンの理解を促進するため、都道府県としては全国初の「ショッピングモール接種」、それから「人気声優を起用した動画配信」などの取り組みを発表しています。県民の皆さんの命と健康を守るため、今後も、HPVワクチンの理解促進を進めていきたいと思います。

 8月、堤ヶ岡飛行場跡地の活用について高崎市が策定したまちづくりの基本構想を合同会見で発表させていただきました。今後も群馬県と高崎市が連携して、最先端技術を活用した国内トップクラスのまちづくりを進めて、高崎市ひいては群馬県経済の発展につなげていきたいと思っています。それからこれはうれしかったですね、令和4年から令和6年の2年間のYouTubeチャンネル登録者の増加数で、群馬県が全国1位になりました。東京にも茨城にも勝っているということですね。加えて令和5年度に自治体が各SNSに投稿した動画の総再生回数は、群馬県が総再生数回数3,947万回、約4,000万回で全国トップクラスに東京が発表してないんだから絶対群馬県よりも下だと思うので、全国1位と言っていいと思います。全国のトップでした。次のスライド。

 9月です。日本初開催となるOECD主催のグローバルフォーラムの一部が群馬県で(10月に)開催されることを発表しました。群馬県は日本で唯一、皆さんこれ何度も申し上げていますが、OECDの社会情動的スキル調査SSESに参加しています。加えてスコットランドとSEL教育の共同研究を進めておりまして、こうした点が評価されて権威あるフォーラムの開催地に選ばれました。またアメリカを訪問し、映像産業で世界的に活躍する人材を数多く輩出する教育機関などを視察しました。デジタルクリエイティブ人材の育成について最先端の知見を得ることができました。加えて日米中西部会では、米国中西部の各州知事との関係構築をさらに進めることができました。群馬県の魅力も、今回も説明だけじゃなくてアコギでギター(演奏)をやりましたが、次の知事にはできないだろうなと思いながら、最大限PRすることができたと思っています。アメリカ訪問で構築したこういう幅広い人脈を生かして、様々な分野での連携を検討して具体的なアクションにつなげていきたいと思います。

 次10月です。10月には25社からなる県内企業団と共に、ベトナムを訪問しました。首都ハノイでは、ファム・ミン・チン首相と3度目、来年も来てくれと言われているので多分来年は4回目になると思いますが、この3度目の会談を行いました。昨年12月のチン首相来県時の約束を守り、再び県内企業と一緒にベトナムを訪問して、企業団の今後の投資計画のご報告をさせていただきました。チン首相からは、経済分野における投資環境の整備、それから文化人材面での交流などについて提案があって、お互い、さらにベトナムと群馬県で連携をする、深めていくことで合意しました。それから、海なし県群馬の新たなブランドサーモンとして「超絶サーモンV3」がデビューしました。超絶サーモンV3は多彩な食べ方が楽しめるジューシーな白身のサーモンです。より多くの人に食べていただけるよう生産拡大、PRを行ってまいります。この(イベントで着用したサーモンの飾りが付いた)帽子は県の予算で作ったわけじゃありません。秘書課の職員が自分で作ったんですけれど、魚が外れるようになっていることをお見せできないのが残念でした。次のスライドいきたいと思います。

 それでは11月、イギリス、ハンガリー、フランスを訪問しました。イギリスではトップクラスのクリエイティブ人材を輩出する世界最高峰の美術系大学院「ロイヤル・カレッジ・オブ・アート」を視察いたしました。それからハンガリーとフランスでは、堤ヶ岡飛行場跡地活用構想の実現に向けた知見を得るために、高崎市の富岡市長にもご同行いただきました。スタートアップ支援の取り組みを視察した他、グリーンフィールド型と企業城下町型の異なるタイプのまちづくりも見せていただきました。また若手医師の確保を進めるために、「医学部の地域枠」を現状の18名から27名に増員することを決定し、早速、県外大学との協定を締結いたしました。引き続き、関係機関と連携しながら医師確保に向けた取り組みを着実に進めてまいります。次のスライドです。

 いよいよ12月ですね。今月12月には、県議会一般質問の場で、尾瀬国立公園が抱える財源不足などの課題を解決するため、入域料の検討を始める方針を発表いたしました。尾瀬の自然を保ちながら、より多くの方々に来ていただける、保護と利用の好循環を実現してまいります。また皆さまの記憶にも新しいと思いますが県庁最大のイベント湯けむりフォーラム2024を開催いたしました。今年の特別ゲストには、一般財団法人日本総合研究所会長で政治評論家の寺島実郎さん、そして東映株式会社代表取締役社長の吉村文雄さんにお越しをいただき、特別講演、あるいは知事とのトークセッションなどを行いました。そしてフォーラムのエンディングスピーチでは、仮称ですが、「デジタルクリエイティブスクール」の実現構想を表明しました。今後、具体的な検討を進めていきたいと思っております。

 他にも、この場では申し上げきれないほど様々な取り組みを(今年は)進めることができました。先ほども紹介しましたが、一番印象的だった、うれしかったことを上げろと言われれば、群馬県公式YouTubeチャンネルtsulunosがチャンネル登録者数の増加数で全国1位になったこと、動画の再生数も実質全国トップになったこと。これが非常に象徴的な出来事だったとは思っています。また有吉の壁のロケが群馬県庁などで行われましたが、ご覧なった方もいると思いますが、群馬県のメディアの露出が非常に増えたということも非常に象徴的だと思っています。

 また2023年都道府県移住希望地ランキングについて、群馬県は昨年の9位からさらに順位を伸ばして2位となりました。来年はまたさらに良い結果を発表できるように、なかなか静岡県を抜くのは大変なんですが、もちろん1位を目指して頑張っていきたいと思っています。ぜひ結果にご期待いただきたいと思います。

 それから、皆さん覚えてらっしゃると思いますが、伊勢崎市に時価総額10兆円を超えるスーパー企業、信越化学工業が新たな半導体の拠点を作るということで830億円の投資を決めました。加えて明和町には、国内最大手の医薬品メーカー、ツムラが国内第3となる拠点の進出を決め、1,500億円の投資を決めました。これはもちろん、明和町長のご努力もあったと思うんですけれども、ツムラといち早く連携を強めていた知事のトップセールスの成果もあったと確信をしています。企業誘致という点でも、かなり大きく飛躍した1年ではなかったかなと感じています。

 加えてトップ外交においてもベトナムのチン首相と3度目の会談を行うことで、関係が深まっているだけじゃなく、相互投資が進んでいるということが大事かなと思っています。欧州訪問を通じて、EIT、欧州イノベーション技術機構との結びつきも強まっております。

 また、湯けむりフォーラムの中で寺島会長からご紹介いただいた幸福度ランキングの結果。一般財団法人日本総合研究所というちゃんとしたシンクタンクが2年ごとに公表している全47都道府県の幸福度ランキングの結果も非常に印象に残っています。群馬県の今回の総合順位は22位でした。こういうちゃんとしたランキングは別にランキングの順位がどうってことはどうでもいいんですよね。この(ランキングの)分析から何を学ぶかということだと思うんです。ただ寺島会長からはいくつかの指標の結果について、群馬県には勢いがあるということを紹介していただきました。

 本日は県民の皆さんにもですね、この幸福度ランキングにおける群馬の順位を少しポイントを絞って説明させてください。スライドをご覧ください。

 これ、幸福度ランキングには多くの指標がありますが、まず良かった点から紹介したいと思います。本社機能流出・流入数においては、前回42位から8位に上昇しました。これはすごいことだと思うんですよね。それから財政健全度。これ驚くべきことに、前回15位から全国2位まで上昇いたしました。これらの点についてはですね、知事のトップセールスを通じて企業誘致に取り組んできたこととか、ワイズスペンディングの考え方に基づき、県議会のご了解をいただきながら、行財政改革を行ってきた結果だというふうに受けとめています。

 続いて悪かった点についてもご紹介したいと思います。文化分野が一気に落ちて、33位から26位になっていたっていうことがわかりました。それから、これやっぱり本当に考えなきゃいけないですけど、勤労者世帯の可処分所得においては、14位から40位になっていると。これよくちょっと検証して、どんな対策をしていかなきゃいけないのかっていうのを考えていきたいと。やっぱり、こういう良いことも悪いこともしっかり現実を受けとめて、県政に生かしていくっていうのが大事だと思っています。文化分野は順位は上昇していますが、これもっと(上に)いってもいいと思うんですよ。パーセントフォーアートもやっているし、アート振興に力を入れている群馬県としてはまだまだ伸びしろがあるというふうに思っているんで、頑張りたいなと思っています。また可処分所得についてはですね、もう1回言います。これもう1回ちょっとよく分析しなくてはいけないなと思っています。私としては、この幸福度ランキングにはやっぱりですね、相当有識者が集まってきちっと議論して、十分なエビデンスがあるので、順位というよりは、この中のデータをしっかり参考にしていきたいと思っています。

 前に何度も言いましたが、県民の皆さん、メディアの皆さんには、こういうランキングには、明確なエビデンスがあるということを十分にご理解いただきたいと思っています。参考までに、過去に群馬県が検証した都道府県魅力度ランキングも久々なので、年末なのでもう1回だけちょっと言わせてください。スライドどうぞ。

 魅力度ランキング。もうね、測定方法、分析方法で問題が山ほどありました。さらっと言うけど、測定方法については、魅力度という抽象的な概念を1つの質問で測定できるはずないですよね。それから、居住、訪問経験の異なる回答者が混在しているってこともあります。それから分析方法、回答に対する配点が不均一な配分だと。特にランキング下位がわずかな点数差の平均値のみのランキングで作られている。これは、我々は統計の分析をしている人を入れましたけれども、誤差の範囲内だと言っていたこともちょっと申し上げておきたいと思います。過去にはこのランキングが低いことが、選挙の争点になったりとか、順位を引き上げることが候補者の公約に掲げられたりするなどといった、あってはならないことがありました。政治家の立場からするとですね、そんな怒ったわけじゃないけど、こういういい加減なランキングに社会が踊らされてはいけないと。こういう現象はよくないと。そういうことを申し上げたのと、やはりこれはメディアの皆さんにもしっかりわかってほしいと思うんですけども、やっぱりね、データに対して日本の社会というのはものすごく甘いと思うんですよね。やっぱりデータって、ちゃんとしたものを使わなくてはいけないという意味で言うと、少しそういう文化にもですね、一石を投じたかったっていうことはあります。一言で言うと、もうこれは怒る価値もないっていうか、気にする価値もないっていうふうに思っていまして。これはもう、毎年毎年なんかマンネリ化で、何かここに行きたいランキングみたいになっているんで、ほとんどもう、どうでもいいことなんですが、だんだんメディアの扱いも少なくなってきて、NHKももう報じなくなったし、上毛新聞がまだ報じているっていうのは、記者さんに文句を言いたいところなんですけど、一面じゃなくてなんかちっちゃい記事になったし、どんどんなんかね、露出度も減っていますので、別にもう放っておけばいいかなと思いますが。ただ、もう1回言いますけども、幸福度ランキングはちゃんとしたランキングですから。こういうのは、例えば結果が厳しくても群馬県としてちゃんと参考にしていくという真摯な態度があることは、皆さんにお伝えしておきたいと思います。その次どうぞ。

 2024年は本当にいろんなことがあったんですけど、はっきり言って全くここ(スライド)に入りませんでした。これ1月から12月までで選ぶのが大変で、それぐらいいろんなことが、群馬県には同時多発的に起こっているんだっていう証拠だと思います。ここからはですね、ちょっといい機会なので、私がこの1年間感じたことについて、すべて群馬県の県政に関係があるので、少し私の思いを述べさせていただこうというふうに思っています。

 まず、この2024年はまさにメディアの分岐点だと思うんですよね。いわゆるイーロン・マスクが言うレガシーメディアの影響力が非常に低下して、ある意味、レガシーメディア以外のネットメディアを含めた新しいメディアの潮流ができてきたということがですね、大きな世界の流れだったというふうに思うんですよね。アメリカの大統領選挙について言えばですね、もうここでも言いましたが、私はもうこのアメリカの大統領選挙をずっとフォローしていてですね、繰り返しになりますけれども、アメリカのいわゆるエリートリベラルメディアの最大の自己矛盾、なんか多様性を実は受け入れなきゃいけないリベラル。多様性を受け入れることが、メディアの、リベラルの本質なのに、自分たちと違う意見を受けれない、徹底的に攻撃するというですね、これがなんかアメリカのリベラルメディアの正体なのかと思うような経験をさせていただきました。ここでも言ったんですけど、ハンター・バイデン。バイデン大統領の息子さんの事件が起こったときも、アメリカのメディアはトランプ大統領の、その何て言うか追求する姿勢みたいなものが全然ない。もう1回言いますが、私本当に頭にきてるんですけど、同じ政治家として。やっぱり約束したね、恩赦をしないという何十回も約束をしておきながら、自分の息子を恩赦したと。もう大統領として最後だから失うものはないかもしれませんが、やっぱりですね本当ひどいなと。もっとひどいなと思ったのは、民主党内からまともな反対の声が出てこないっていうことと、それからね、いわゆるレガシーリベラルメディアが、全然批判してないんですよ。これトランプ大統領だったら、蜂の巣をつついたような騒ぎになるのに、だからそんなことも本当に感じました。

 それから、これもトランプ大統領。ずっと今までレガシーメディアに影響されていた、洗脳とは言わないけど、私としては、トランプ大統領困ったなと。大統領になっては困るなみたいに思ってたんですが、今随分考えが変わってですね、トランプ大統領いいなと思っています。(安倍)昭恵夫人を迎えた、この間言わなかったけど、何で迎えたのか、やっぱりトランプ大統領は安倍元総理の葬儀に行きたかったんですよね。ワシントンタイムズとか、ポリティコとか、そういうところにぜひ行きたいっていう記事が載っていたのを見たのと、あとで調べてみたら、民主党政権がトランプが日本に行くの邪魔したのかなと思ったらそういうなんか証拠もないので、やっぱり裁判とですね、それから選挙の日程が重なっていけなかった。そのことをずっと多分気にしていたんだと思うんですよね。終わった後も、自分が大統領選挙に負けた後も、時々昭恵夫人に連絡して大丈夫かと、お元気ですかって言ってたんだから。トランプ大統領は本当にそういう意味で言うと、信義に厚い人だなと思っていますし、もうこれ以上は言いませんけど、アメリカの政治の話なので。群馬県にも関係ありますが、これ以上は言いませんが、やっぱりね1期目と違うと思いますよね。対応を見ていると。やっぱりトランプ大統領になってよかったんじゃないかと思っていることはちょっと申し上げておきたいと思います。

 それから、イーロン・マスクの話も、これは実は群馬県にも関係があるので言わせてください。イーロン・マスクは今やもう時代の寵児。アメリカで、というか世界でたぶん最も影響力のある人物ですよね。私、毎週庁議をやるんですけど、大体30分とか50分とかしゃべるんだけど、そんな中で実は随分この何年間かイーロン・マスクの名前が出てきたと。この人は私の感覚で言うとですね、良くも悪くもレオナルド・ダ・ヴィンチ以来の天才だと思っていまして。テスラ、スペースXだけじゃなくて、ニューラリンクみたいに、脳にカプセルを埋め込むような発想まで、実証でやり始めたっていうことで、天才だと、随分前から実は庁議でお話をしてたんですよね。しかもですね、やっぱり人工衛星、世界で一番持っているのはアメリカでもロシアでもなくて、イーロン・マスクですから。だからものすごいやっぱり影響力があるって言ってたんですけど、そのイーロン・マスクが、アメリカの政府効率化委員会ですか、そこのトップになるってことが決まって、来年、トランプ大統領が大統領になった後は、そこをボランティアで支えるみたいなことを言っているんですけど、何兆円も削るって言っているので。これ多分何兆円も削ると思うんですよね、本当に。イーロン・マスクだから。ものすごい人員削減をやって無駄を削ると。そういう中で、皆さんご存じのとおりこの間12月のアメリカ例議会の繋ぎ予算がですね、イーロン・マスクのXへの投稿によって阻まれた。初めての現象じゃないですか。これ、アメリカのジョージタウン大学で一応政治を勉強していたんですけど、共和党と民主党が話し合って作った1,500ページの法案を、100ページにしちゃったわけじゃないですか。2回否決させたわけじゃないですか。Xでどんどん投稿して、この中身はおかしいと、ぜひ反対してくれと。現職の議員の人達は事務所に電話してくださいって言ったわけですよね。それで100ページになったんですよね。ずっと今日もニュース見てたら、やっぱり民主党とか共和党、両方の議員から、選挙の審判も受けていない大金持ちが、アメリカ政治にこんなに影響力を持つっていうのは危険じゃないかと。確か、ポリティコかワシントンポストか、ニューヨークタイムズか覚えていませんが、世界一の大富豪と、それから世界最大のプラットフォームXですよね。これが組み合わさったときの威力。新しい統治の形だっていうことを言って警鐘を鳴らしていると。確かにイーロン・マスクが本気になると、なんか世界の世論を動かせるっていう影響力があって、そこはちょっと危険かもしれませんが、私はこれを見てですね、やっぱり世の中ってこういう時代なんだなと思ったんですよ。これ日本の政治にも群馬県の政治にもやがてやってくる波だと思っているんですよね。それは何かって言うと、1,500ページの法案ですよ。そこに繋ぎ予算だけでなくて、色々なものが入っていて、国民は全然分からなかった訳じゃないですか。その中にね、議員の給与を3割上げるっていうやつが入っていたんですよ。誰も知らない。それを、実はイーロン・マスクが暴いて怒った訳ですよね。やっぱりこれからは、例えばですね、今日ここにメディアの皆さんがここにいるから細かく報道していただければ一番いいんだけど、やっぱり政府もそうだし、知事が出す議案もそうだけど、一つ一つを詳細に説明して、やっぱりね、できるだけ分かりやすく県民、国民に届ける仕組みというのが、やっぱり求められると思うんですよね。

 ここのところ県民会館の話で皆さんから色々ご質問が出たりとか、県にとっても色々なプロジェクトとか重要なことがあるんですけど、多くの人が興味が無いんですよ。残念ながら。多くの人は政策の詳細には興味が無いんですよ。選挙の時も、その候補者がどんな政策を掲げているかってことにはあまり関心が無いんですよ。でもね、そのときに、なんか全然国民は関心無いと。県民はそんなこと言っても分からないというのではなくて、それはやっぱりね、行政とか政治家側の努力が足りないって考えるべきなんだと思うんですよね。そんな、例えば法案読み込む人なんていないんだから。それならばできるだけわかりやすく、Xでも何でもいいんだけど、わかりやすく、政策の中身をできるだけ一人一人の人が、簡単に見やすい、入手しやすい形で届けるっていうのは、これはですね、日本にイーロン・マスクいないので。ジョー・ローガンもいないから、ポッドキャスターの。なかなか同じようなことできる人がいないって言っても、ここからは多分、私はそういう形になっていくんじゃないかと。だから、私はもちろんイーロン・マスクのようなことはできません。議会に対して、二元代表制の一翼である議会に対してしっかり説明して、群馬県の場合は予算を通していくという作業はもちろん大事なんですけど、やっぱりね、一人一人の国民、県民にしっかり訴えて、その人たちにその中身の本質を理解してもらって、その人たちが声を上げて、政治を動かしていくっていうね。やっぱりこういう仕組みが、本当に群馬県でもできたらいいんじゃないかなと。実は日本の政治もそういう方に向かってくんじゃないかなっていう予感があるので、そのことをちょっとお話をさせていただきました。

 兵庫県知事選挙についてはもう言いませんが、やっぱりこれ、後で振り返ったときには、ここが本当に大きなレガシーメディアの分岐点になったって言われるように私はなるというふうに思っています。次どうぞ。

 もう1つ、政治とお金の問題だけ、これはもう、ぜひ言わせていただこうというふうに思っているんですよね。政治とお金の問題はですね、もうここにいる皆さん、全部ご存じのとおり古くて新しい問題ですよね。そもそもまずね、ロッキード事件が起こったのは50年近く前じゃないですか。そのあとリクルート(事件)があって、もういろんな政治連盟の、あの事件があったりとかして。しかもですね、数多くの国会議員が政治とお金の問題で逮捕され、あるいは議員辞職を余儀なくされ、もう何十人という大臣が、この政治とお金の問題で辞職すると。しかも、政治家本人だけじゃなくてですね、秘書が逮捕されたりとか、あるいは逮捕されなくても秘書が有罪で起訴されたりとか。あるいは地方政治でもそうですけども、選挙の後に物を配って、何か取り調べを受けたりとか。そういう恥ずかしいことがずっと繰り返されてきたっていうことなんです。これ、ぜひ見ていただきたいんですが、記者さん読んだことないと思いますが、これ朝日新聞の論座っていう雑誌が昔あって、今廃刊になっているんですね。ここにね、実は新しい政治文化を作りたいってことで超党派の議員4人で論文を載せているんですね。何でこれを載せたかっていうと、この頃、政治とお金の問題についてのスキャンダルが続出して、何人かの議員が逮捕されたり、辞めたりされたんですけど、この時から全然変わってないっていうことが、読み返してみてわかりました。私はやっぱり自民党の国会議員24年間やってきて、今知事4年やって、(合わせて)28年やってるんですね。例えば企業献金、今回、政治改革関連三法とか通ったじゃないですか。その中で政策活動費、使途を報告する必要のない政策活動費は全廃。それから、第三者による監査、監視機関を作る。それからもう1つは確か外国人とか外国企業から、なんかパーティー券を買うのはやめるとかね。あるいは、政治資金報告書をデータベース化するとかあるじゃないですか。これはこれで相当進んできたと思うんですが、私の感覚だと、やっぱり企業献金の話はね、急にやめるっていうのは、何か乱暴だなと感じたんですね。それは石破さんの言うように、なんて言うのかな、廃止よりも公開だろうと。透明化だろうっていうことだというふうに、今までは思っていたんです。昨日ぐらいまでは。でもですね、もちろん諸外国を見ても、ご存じのとおりアメリカは、間接的に、もちろん政治活動を企業が応援するってことはできるわけですよ。スーパーPACとかいって。もうなんか上限が無いから、ものすごいお金を集めるわけじゃないですか。大統領候補だってね。これはもうアメリカはロビー活動も盛んだし、はっきり言って企業がかなりなんていうかルールはあるんだけど、自由に政治活動に参加できるってことじゃないですか。イギリスも、もう細かいことは覚えてないけど、これもやっぱりちゃんと企業とか団体が正当に企業献金できるんですよね。確か3,000ポンドとか4,000ポンド以上になると、何か委員会に公開しなきゃいけないっていうのがあるけど、これはできると。フランスは余りにもひどい汚職が続いたので、95年ぐらいに確か全面禁止して、ほとんど今個人献金ってことなんですけど。全体の流れからすれば、やっぱり企業も社会の一員として政治に参加すると。だって企業が政治に興味を持つのは当たり前なので。それがやっぱり大きな流れだというふうに思っていたし、だから、急になんか企業献金廃止っていうのは乱暴だなというふうに思ったりしていたんですが。だけどですね、昨日あらためて自分の論文を見て思ったんですけど、こういう、少なくともルールを守ってやってきた我々政治家側から乱暴だと思う理屈が出てくるのはですね、これは私も含めて、政治家の責任ですから。国会議員の責任ですから。いろんな汚職をしてきた地方議会、地方議員の責任ですから。だって、ずっと何回政治資金規正法を改正したって、必ず何か問題が出てきて、逮捕されたりとか、あと裏金の問題もそうだけど、やっぱり真面目に生きている県民、国民にとってはふざけるなみたいなことが起こってるってことで言うとですね、これはやっぱり我々の責任なんだなと。これを昨日読みながら思いました。だからこういう議論が出てくるのはある意味当然なんだと思うんですね。ただ、もし企業献金残すのであれば、やっぱり透明にしなきゃいけない。私24年間国会議員をやってきて、実はパーティーは4回か5回しかやっていません。5年か6年に1回やっているだけなんです。節目で。基本的には資金管理団体があって、一伸会っていうところに全部企業の名前を出して、透明に、一応献金をいただいて、それが政治活動の最も主要な資金源だったんですよね。ただ、考えてみると、パーティーなんかもそうかもしれないけど、実はですね、ある議員の政治資金調べるって大変ですよね。いや、皆さんならできるでしょう。あっちこっちからいろんなPDFとか持ってきて、集めて、それをしかも分析しなきゃいけないわけじゃないですか。これは石破さんがデータベース化って言ったらすごく実は意味があって、本当にオンライン化して、データ化して、その政治家がどこからどれだけの政治献金を受けてるのかっていうのが、普通の国民でも簡単にわかるようにするっていうことはものすごく大事で、これはですね、もし企業献金を続けるのであれば、私自身の過去の反省も含めて言うとですね、これをやるだけで多分政治はガラッと変わると思うので。こういうふうに、さっきもイーロン・マスクのこと言ったんですけど、今だってみんな公開情報なんですよ。シギントって言って。公開情報だけど一般の人はね、調べないんですよ。それを持って出してるのにじゃなくて、一般の人も簡単にこの政治家がどういう状況で政治活動するのかっていうのをわかるようにしないと、やっぱりね、いけない。やっぱりね、透明化するっていうことは、企業献金はいいということであっても、そこに過度の政治介入を抑制させるっていう一応効果があるわけじゃないですか。ルールを守って、透明化するっていうことは簡単に言うんだけど、今言ったみたいにですね、もう1回言いますが、これまでの自分の政治活動の反省も含めて言うと、決して企業献金なくせとかいうのは、乱暴な議論じゃないと。ただ、私自身はやっぱり企業献金続けるのであれば、やっぱり透明性の担保、これは本当に簡単に一般の人がわかるようにしないといけないんじゃないかと。それだけでも相当政治が変わるし、企業献金の話はちゃんと、これから年度末に向けて、各政党が議論するということなので、そこでしっかり結論を出していただければいいんじゃないかなというふうに思っています。これ以上言いませんけど、そうなった場合にどうしようかなと考えたり、クラウドファンディングかなとかですね、ボランティア増やそうかなとかですね。オンラインパーティーかなとかですね、いろいろ考えて、国費でいうと政党助成金は、日本は結構多いけど、地方の選挙を公費でやるべきかとか、いろいろ昨日ずうっと考えていたっていうことも、ちょっと付け加えておきたいと思います。そこは政治家としてしっかり、もう1回言いますが、政治とお金の問題については、決して他人事ではなく肝にしっかり命じてやっていきたいと思います。

 最後に申し上げたいと思います。これ、これだけ言ってきました。森山幹事長と小野寺政調会長にはこれだけ言ってきました。今いろいろと後でご質問出るかもしれませんが、年収の(壁)をどこまで引き上げるかっていうことについて、いろいろまた案が出てきてるみたいなんですけど、とにかく地方財政に影響がないようにしてくれということだけは2人によく頼んできました。これ、1歩間違えると、県も市町村も、今日ちょうど知事と市長会の意見交換会があったんですけど、みんな予算組めませんから。これだけはしっかり言ってきました。これは、政府と各党の皆さんにお願いをしたいと。この会見見てる人も最近結構多いってわかったので、ぜひこれだけはですね、全国知事会も言ってますが、知事としてお願いをしたいと思います。各地域の代表として、限られた財源の中で、みんな必死にそれぞれの地域の幸福度向上のためにやってるので、そこだけはですね、どんな結論になっても、それは国会が決める、各政党が決めることだと思いますが、それだけはお願いしておきたいと思います。はい。次。

 これ(温泉文化ユネスコ無形文化遺産登録推進のスライド)はもういいです。これ以上時間が長くなると記者さんが眠そうになってきたので、もうこれぐらいにしたいと思います。これはもうあらためて来年の会見で、もう特集で皆さんにお願いをしたいと。これはもう(署名活動を頑張っている)全旅連の皆さんにお願いしたい。市川團十郎さんまでアンバサダーになってもらったので、イーロン・マスクみたいにはとてもできないですけど、これも来年しっかり準備して国民の皆さんにこの会見場から発信したいと思いますので飛ばします。

 最後やっぱりね、透明な政治を貫いていくっていうことの意味をね、よく考えなきゃいけないと思います。群馬県は、県庁職員がいろんなガバナンスについて、不当な働きかけを受けないようにですね、弁護士チームを立ち上げるっていう初めてのコンプライアンスの仕組みを作っているんですけども、これ以上は言いませんが、まだまだいろんなやり方があるので、知事に対してもですね、非常に無体なことを言ってくる輩もいるんで、誰とかどうとは言いませんけども。そういうことには決して屈しないでいきたいと。やっぱり古い利権体質みたいなものを変えていかない限り、自民党は、というか政治自体が絶対に国民、県民の信頼は取り戻せないと思っているので、このこともぜひ県民の皆さんに国民の皆さんにお願いしたいと思います。山本一太知事がですね、これからも透明な政治を貫けるように、ぜひ県民の皆さんにお支えをいただきたいと思います。ちょっと長くなりましたが、55分ぐらいしゃべってしまいましたが、ここからは皆さんのご質問をお受けしたいと思います。最後までおつき合いいただきましてありがとうございました。何かご質問があれば。

質疑応答

●ネイチャーポジティブについて

(記者)

 まずぐんまネイチャーポジティブ宣言の関係なんですが、これによって知事はどんな変化を期待されているのか、改めてお聞かせください。

 

(知事)

 まずは環境森林部長から。

 

(環境森林部長)

 ネイチャーポジティブって新しい概念で、まだ言葉そのものもなかなか浸透してないと思うんですけれども、今回宣言することで、メディアの皆様にも取り上げていただいて、この機運醸成が図れると思っています。それと、今回宣言を出したことで、ネイチャーポジティブに賛同する同じような志、理念を持つ企業や団体との繋がりが生まれて、先ほど(知事が)フリップで出したとおり、ネイチャーポジティブ経営企業を群馬県に育成・集積させることができると考えています。

 

(知事)

 知事になった直後も言ったんですけれど、今まではずっと引っ込み思案の群馬県で、周りをなんかキョロキョロ見ながら、みんなが一歩踏み出した後から一歩踏み出すようなところだったけど、これからは世界最先端のコンセプトを自らフロントランナーとして打ち出す群馬県にしたいと、ある意味(今回の取り組みは)その一環だと思うんですよね。まだ日本ではそんなに広まっていませんけど、こういうネイチャーポジティブみたいな世界的な潮流になりつつあるものはしっかり取り入れて、そこに群馬県が着目している、実践しているということによって群馬県の発信力、存在力はすごく高まります。例えば、前回の補正予算でドーナツ経済という言葉をちょっと入れさせていただいたんですけど、これも国連では今ものすごく受けている、ケイト・ラワース教授が発信した話で。例えば、ドーナツ経済だと、アムステルダムがドーナツ経済学自体を市政の計画の中に組み込んでいますから、あるいはドーナツ経済に基づいて、独自の仕組みを作ろうという、独自の方針を作ろうというところも出てきているので。だからこういうドーナツ経済とか、ネイチャーポジティブみたいなものをいち早く取り入れるということは、群馬県にとってはとても意味があると。それからもう1つ言いますけど、群馬県の未来は外にあるので、グローバルに。そういう意味でも、このネイチャーポジティブが群馬県の存在感を上げ、しかも地球環境を守りながら成長させていくという世界の流れにもすごく合っているということで、今宣言することは、あらゆる意味で理にかなっていると感じています。

 

(記者)

 関連して先ほど検討中というお話でしたが、具体的にどのように企業を支援していくイメージをお持ちなのか、現状をお聞かせいただいてもよろしいですか。

 

(環境森林部長)

 はい。来年度予算要求の中でいろいろ詳細についての検討を進めているんですけれども、啓発支援の内容については実効性のあるものを今、担当部でもよく考えていますので、また詳細については発表できるときが来ればリリースさせていただきたいなと思っております。

 

(記者)

 様々な形でということですね。

 

(環境森林部長)

 そうですね。

 

●2024年を振り返って特に力を入れたこと

(記者)

 それから今日2024年の振り返りがありましたので、知事にお伺いしたいんですが、先ほど印象に残った出来事いろいろ挙げていただきました。特に力を入れて取り組んだなと感じていらっしゃることを改めてお伺いしてもいいですか。

 

(知事)

 各部局は本当に一生懸命なので、全部力を入れて取り組んできたと思います。本当にそんなに自分の能力が高いと思わないんだけど、全力疾走してきたんで。何かね、そういういろんなご指摘を受けて、我々も改善していかなきゃいけないと思うんだけど、何かそういうふうに思っている人がいないと思いつつですね、やっぱり議会でこんな出張に何度も行って、何かこんなにヨーロッパとか行って何だとか言われると、心の中ではいろいろ言いたいことがありますよね、一緒に来てみろと。どれだけ死に物狂いでやっているかっていうのが分かってないんじゃないかと思ったりするんだけど、それはやっぱり我々の説明が足りないのかなと思うんですが、もうあの事程左様に全力疾走でやってきました。それから、各部局、結構目立つことやっている部もあれば、会計責任者みたいに地道な仕事だけどとっても大事なことをやって、難関を乗り越えてきてくれているところもあるので、ただ何か1つこれはっていうよりは、知事としてはすべての事業に、あと部局が出してくるいろんな提案については、最大限応えてきたつもりです。

 

●県政運営の自己評価について

(記者)

 ありがとうございます。全力疾走というお話もあったのでお伺いしたいんですが、今年の県政運営の知事ご自身の評価を、例えば100点満点で言うと、何点ぐらいとかいかがでしょうか。

 

(知事)

 そうですね。そこあんまり低くつけちゃうと、県庁職員が仕事してないみたいだから、80点とかいうとちょっとなんか調子に乗ってるんじゃないかなとか言われるんで、75点ですかね。

 

(記者)

 去年75点だったような。

 

(知事)

 それじゃあ80点。ちょっと県議会にご迷惑をかけたことはいろいろあっても、だけど初めて真剣にぶつかり合ったんで、ある意味で言うと、いい刺激になったと思うし、雨降って地固まるっていうことを考えれば、80点。県庁職員の頑張りを考えて、80点。

 

●年収の壁の影響について

(記者)

 ありがとうございます。最後に少しお話が出ていましたが、税制改正大綱では、所得税の年収の壁の103万円から123万円というものが示されましたが、知事の受け止めと県の税収への影響について教えていただけますか。

 

(知事)

 税収への影響については、私のところにもメモがありますけど、せっかく総務部長がいるので、正確にちょっと話してください。

 

(総務部長)

 県への影響なんですけれども、詳細な計算はできないものですから、国が示している影響額から機械的に算出した場合でございますけれども、地方税、県民税につきましてはですね、約6億円の減収が見込まれます。もう1つ前回、地方交付税の影響ということもお示ししましたけども、これにつきましては約17億円の減収が、機械的に算出した場合でございますけれども。

 

(記者)

 123万になった場合という理解でいいでしょうか。

 

(総務部長)

 おっしゃるとおりです。123万円の場合ですね。

 

(知事)

 これね、ここの123万円まで非課税とする大綱が取りまとめられたということで、これ今総務部長からお話をしていただいたとおりですね、これ私のメモを見ても、県税収入への影響は6億円ぐらいという感じなんですね。ただどんな状況であっても、やっぱり恒久的な財源にしてもらわなきゃ、これはやばいなと。何か上振れみたいな話はちょっと困るなと思っているので、それはまず申し上げておきたいし、今回例えば123万円で決まったことは一応継続する物価高に対応しつつ、地方の税財源にも大きな影響が及ばないように、いろいろ配慮していただいたんだなと思いますが、ただ知事として、これが今の話だったら、123万円だと対応可能みたいな話はあるかもしれませんけど、これはこれで1つの考え方だけど、どこまで上げたらいいかっていうのは、それはしっかり国会で決めていただくってことだと思うんですよね。今回、森山幹事長と、それから小野寺政調会長を訪ねて、本当に当たり前ですけど、決死の覚悟で仕事をされてますよね。税源の問題についても、いろいろ悩まれながらやっているところの真剣さがすごく伝わってきたんだけど、国民民主党だって、多分、国のことを考えてやってるんで、玉木さんのことはよく知らないけど、榛葉幹事長のことは個人的に好きなんで、来年どこかでちょっと1回会いに行こうと思ってるんだけど、国民民主党は国民民主党で、やっぱりいろいろ国民の声も受けて、一生懸命やっているので、これが何か知事としてベストですとかいうことは言いたくないんで。これはこれで随分配慮の上で決まった数字かもしれませんが、どこまで上げていくかっていうのは、これはやっぱり国会の方でしっかりと各党に議論して決めていただければいいんじゃないか。ただ、もう1回言いますが、知事として言えば、地方財政、本当に予算が組めなくなるような事態だけは、これは何としても避けていただきたいなということです。

 

●県政運営の自己評価について

(記者)

 それで先ほどの点数の話なんですけれども、80点のうち、マイナス部分については先ほどおっしゃっていた県議会との関係性みたいなところになるんでしょうか。

 

(知事)

 あんまりマイナスだと思ってないんですけどね。結果としては、むしろ雨降って地固まるになるんじゃないかと思いますが、やっぱり常に反省点がないと、進歩もないんで。80、90とかいったら本当に傲慢でしょう。だから、ちょっと75にしようと思ったけど、去年75って言うから、80と。これもう本当に県職員の皆さんと、2人の副知事とかアドバイザーも含めた県職員の皆さんの頑張りが大きいと思っています。私はもう何度も言いますが、群馬県庁職員ナンバーワン説というのを唱えているんで、これちょっと世の中に広めていこうかなと思ってます。

 

(記者)

 分かりました。じゃあ、その5点加点分はそういう去年からの頑張りの分ということですね。

 

(知事)

 そうですね。

 

●年収の壁の影響について

(記者)

 103万円の壁の関係なんですけれども、その税収で23億円ぐらい交付税も含めて減収になってしまうというところなんだと思うんですけど、これかなり県財政としても厳しいと思うんですが、そこら辺は。

 

(知事)

 もちろんこれも厳しいんですけど、税収って全体の流れの中で決まっていくことなので、一応流れのところだけ説明してみてください、少し気をつけながら。

 

(総務部長)

 今回、103万円から123万円に引き上げるということにつきましては、地方の継続する物価高に対応しつつも、地方の税財源に大きな影響が及ばないように配慮されたものであるというふうには考えております。そして、県民税につきましては、具体的には前年の所得に課税されるものですから、実際に影響が出るのは8年度ということです。そして昨日25日に、財務省と総務省の間でなされます地方財政対策におきましては、地方の一般財源総額、これもしっかりと確保していただいているということでございますので、その点では、国において、ある程度地方が必要な一般財源を確保できるように措置しているものというふうには考えております。

 

(記者)

 ちょっと理解があれなんですけども、交付税をしっかり確保できているという、来年度予算でという、そういう話になるんでしょうか。

 

(総務部長)

 そうですね。基本的には、今回103万から123万円に引き上げたというのは、物価調整によるもので引き上げたというふうにされてございます。そのことからですね、特段の財源措置、国から地方への財源措置というのは特にございません。ただ、123万円からさらに引き上げるということになりますと、これは物価調整によるものではございませんので、そこについては、しっかりと国によって、地方の行財政に支障が生じないような財源措置をしっかりと確保していただきたいと考えます。

 

(知事)

 最後の部分が非常に大事だと。

 

(記者)

 物価高に対応、物価が上がった、そういうことで所得も上がったり税収も上がったりする部分も含めて影響を配慮して、この数字に落ち着いたということで、県としても受け止めているということでよろしいですかね。

 

(総務部長)

 はい。

 

(記者)

 総務部長に引き続きお伺いしたいんですけれども、先ほど県への税収入の影響について教えていただき、以前、知事がヨーロッパから会見したときは県内市町村への影響も試算されてましたけど、今回市町村分はいかがでしょうか。

 

(総務部長)

 本当に機械的な試算でございますので、ちょっとそこはご承知いただきたいんですけど、県内市町村の機械的な試算でいくと、市町村民税の影響額は約9億円で、地方交付税による影響額は約13億円というふうには試算しております。

 

●政治とカネの問題について

(記者)

 知事にお伺いしたいんですけれど、政治とカネの、企業献金の関係で、企業献金なくせというのは乱暴な議論とは思わないというような言い方を先ほどされていたのですけれど、これ知事は、昨日いろいろ考えて、こういう表現はされてなかったんですけど、企業献金なくすべきという考えになったとまでは言わないということでしょうか。

 

(知事)

 それは企業献金なくせっていう考え方はあるし、実は結構以前から議論されてる問題でもあるんですね。正直言うと、これまでは自分はちゃんとルールを守ってやってきたっていう自負もあるから、それは何か急にやめるっていうのはちょっと乱暴じゃないかと思ったんだけど。昨日改めて自分が書いた論文、相当前に書いた、このみんなと一緒に書いた論文を見ながら、企業献金廃止って、そういう声が国民の中で多いじゃないですか、これ当然のことだなと。やっぱりこれは不信を招いてきた政治家のサイドに責任があるんだなと思ってるんで、企業献金廃止っていう選択肢もあるのかなと、私が決めるわけじゃないですよ。これは、やっぱり政府で決めていただくっていうか、国会で決めていただく話だと思うんですね。ただ、企業献金を廃止するっていう考え方もあるんだと思うけど、例えば透明性を担保するっていうときは、さっき言ったように、もし企業献金続けるんであれば、データベース化っていうか、法案見てたら、政党本部それから国会議員の政治団体だけだったような気がするんですけど、それは地方も含めてすべてやっぱりちゃんとデータベース化して、だってもうみんな一応ちゃんと出てる情報なんだから、それはちゃんと、そういうやり方でやれば、もっと政治資金についてもタックスペイヤーはチェックしやすくなるから。だから少なくとも、もし企業献金を続ける、透明性を担保するっていうんであれば、今みたいな仕組みは欠かせないんじゃないかなというふうに感じてます。

 

(記者)

 データベース化について、県選管っていうのは県の話なので、それは何か県選管の、その政治資金収支報告書のデータベース化っていうのは県が予算付けたらできるかもしれないですけど。

 

(知事)

 それはだから全体のこの石破内閣の動きを見ながらですが、いずれにせよ、しっかり透明化してくれっていう声は、もし企業献金を続けるのであれば、必ず多くなってきますから。もう1回言いますけど、諸外国では、アメリカもイギリスもちゃんと企業の政治活動は禁止されてないっていうか、企業も社会の一員として、政治活動、政治に参加するっていうコンセプトだから。だけどやっぱり日本の場合足りなかったのは、私の拙い記憶でいくとね、やっぱり今言った、きちっとした公開の仕方と、あと第三者委員会ですよね。第三者委員会、今度できるわけじゃないじゃないですか。そうだとすれば、透明化を図って、いわゆる過剰な影響力みたいのを排除するってことであれば、もう1回言いますけど、政治資金の透明化っていうので、メディアの皆さんがあちこちからPDF引っ張ってきて、分析しなくてもちゃんと分かるような仕組みを作った方がいいと思います。

 

●年収の壁の影響について

(記者)

 私もまずちょっと総務部長に、先ほどの影響額の関係でお尋ねしたいんですけれども、地方税と地方交付税というのがありますけれども、地方交付税については、県の場合17億円の影響がある試算でしたけれども、これは来年度からということでよろしいでしょうか。

 

(総務部長)

 基本的にはそのように考えてます。

 

(記者)

 県民税と市町村民税に関しては、前年度の所得に対して課されるものであるので、再来年度からの影響額ということでよろしいですか。

 

(総務部長)

 はい。

 

●政治とカネの問題について

(記者)

 知事は先ほどの企業団体献金のところで、廃止という選択肢はあるというふうにおっしゃったんですが・・・

 

(知事)

 それはあくまでも私が決めることじゃないけど、今までは正直言うと、昨日この論文もう1回読み返すまでは、やっぱりその廃止は結構乱暴だと。だって、どう考えても政治活動にお金がいるから、それだったらお金のある人しかできなくなっちゃうから。ただいろんな集め方って多分、個人献金とかね、今言ったそのネットを使った資金調達とか、いろいろあるかもしれないし、いずれにせよ、この議論が起こってくるっていうのは今までのこの流れを見れば当然だなと思ったので、それは今の段階で言うと、それは続けることも1つあるかもしれませんけど、ここですっぱり企業献金を廃止するっていうことも1つの選択肢かなと、1人の政治家としては思ってます。ただ企業献金をもし続けるんであれば、いわゆる透明性を担保する、ちゃんとした規制をかけるっていうのが、やっぱり有名無実にならないように。もう1回言いますけど、わざわざメディアの人が、記者さんがあちこち飛び回って選管とかからPDFファイルみたいなのを引っ張ってきて、何かこの政治家はこっからこれだけもらってるとか、いちいち分析しながらやるようなやり方じゃなくて、やっぱりちゃんとみんながいつでも見られるようにすると。それは私もそのつもりでちゃんと政治資金団体を持ってきたわけであって、全部出てますんで、名前で。どこからどのぐらいいただいてるかっていうのが出てますから。だから、そこで見ていただければ、山本一太の政治活動って、あと有権者に判断してもらえばいいんで、こういうところからちゃんと献金をいただいてますっていうことを全部明らかにして、その上で判断していただければいいっていうことです。今の段階だと、もう1回言いますが、大変ですよ。1人の政治家の政治献金の中身を調べるのって、収支報告書調べるって大変ですよ。それ違うと思うんですよね。

 

●県民会館の存廃について

(記者)

 県民会館の関係でちょっと2点だけ質問させてください。18日に県民会館をめぐって、知事、小川市長とトップレベルで協議されました、前回の会見でも(話が)ありました。そこで、知事は費用負担も含めた相当な関与を求める対応を取られました。これ、今後、本当に知事が前橋市に対して本気で費用負担を求めていくお考えなのか、その辺り伺えたらと思います。つまりですね、地方財政法上、その都道府県の建設事業の一部を市町村に負担してもらうためには、そもそも限定的な解釈をしなきゃいけないですし、プロセスも必要です。前橋市に対して、他の自治体にはない特別な受益があるというのを示して合意形成をしないといけないですし、議会の県議会の議決も必要だという条文もあります。その辺り含めて本当に、その費用負担を前橋市に求めていくという考えなのか、お聞かせください。

 

(知事)

 まずね、この問題については、私の感覚で言うと、小川市長の主張っていうのは最初から結構一貫してるんですよね。つまり、(今までは)この間会ったときほど、はっきりと私には言ってなかったのですけれども、一応県の施設として続けていただけるんだったら、それは望ましいと。ただ、前橋市内の人(申請者)が65%使っていて、(前橋市以外の)県内に所在している人(申請者)が利用しているよっていうのは10%ぐらいしかなくて、これからの人口減少社会の中での見込みとか、巨額の負担とか、多分作り直したって駐車場の問題も残るので、そんな考えから、県がこれを県有施設として残すかどうかっていうのは、これは県の判断でしょうと、こういうことだったんですよね。それはやっぱり小川市長はある意味論理的で頭脳明晰な人だから、そこのところは、もうはっきりそうおっしゃっていると。ただし、ここでも言ったように、前橋の経済人とか、いろんな関係者の人が県民会館存廃の判断をする前には、前橋市長と腹を割って話してくれということだったので、ほかのいろいろ確認しなきゃいけないこともあったんですけども、市長のところに行って、お話をしたと。基本的に市長の言っていることは変わらなかった、ちょっとニュアンスは何か残してほしいっていうのがやや強くなってる感じがしましたけど。基本的には、別に県が廃止するのは絶対反対とかいうのもないし、もう1つは、例えばこれを続けるために、今記者さんが言った費用負担っていういろんなやり方が考えられるんで、必ずしも今言ったようなルールに従わなくても、できることもいっぱいあるし、あるいはやり方もあるんですよ、やるようにちゃんとやれば。少なくとも分かったことは、県民会館は県有施設として残してもらうっていうのがやっぱり望ましいけど、前橋市としてそれについて費用を負担したりとか、前橋市が何か負担をして、これを残すことについて協力するというところまでの熱意はないっていうことなんですよ。流れとしてはそういうことだと思うので、それはどちらかと言えば前橋が決めることであって、今例えば市長が、特に前橋市としてはそういう負担は考えてないと言うのであれば、それは前橋市の判断であって、だって県がものすごく、どうしても残さなきゃいけないと思ってるわけじゃないんで。まだこれは廃止するって決めたわけじゃないですよ。でも県はどうしても残したいから、とにかく前橋に助けてくださいっていうものじゃないんで、それは前橋市のご判断も見ながら、全体を決めようと、こういうことです。

 

(記者)

 そうすると、費用負担に関しては明確には求めてないということになるんですかね。

 

(知事)

 いや、求めるっていう言葉の定義にもよるけど、こちらからこれを続けるためにやってくださいって言ったことは1度もないんで。ただ我々の判断基準として、もう1回言いますけど、あの建物を50億円以上かけて直して、そのあともずっと多分赤字が続く可能性もあって、駐車場も整備しなきゃいけないということを考えると、やっぱり前橋市がどういうふうに絡んでくるかっていうのも、1つの判断基準だということで、それについて市長に無理やり費用負担しろというつもりはないんで。ただ、こういうことも1つの考えですよ。だって前橋の市民の一部の方は残してくれって言ってるわけじゃないですか。前橋の経済界の中でも、やっぱりノスタルジーを感じてる方がおられるじゃないですか。でも我々が前橋の意思を考えるときは、それ市長の感覚っていうのは大事じゃないですか。だからそれをお聞きしたので、こっちから何か残すためにお金出してくださいとか、そんな高圧的なことを言う理由もないし、そういうことをするつもりはありません。

知事メッセージ

 今日もちょっと1時間超えちゃったんですけど、1時間超えちゃったことは結構何度もあるんですが、今日は今年最後ということで長い演説になってしまって、メディアの皆さんには最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。2024年もいろんなことがあったんですが、県庁一丸となって1つ1つ乗り越えて、何とか年の瀬を迎えることができました。今、一番心配しているのは、豚熱と鳥インフルの発生なんですよね。2年連続で大晦日に起こったっていう恐るべき事件があったので、それだけは担当部も努力しているし、養豚農家あるいは養鶏農家の皆さんも頑張っていただいてるんですけど、それだけはないようにと思っていて、県庁職員の皆さんにはですね、やっぱり年末年始はゆっくり休んでほしいなというふうに感じています。今、インフルエンザが流行っているっていうことで、ちょっと周りでもインフルエンザになる人が増えてきてですね、なんかみんなから「そういえば、知事風邪ひかないですね」って。風邪ひかないですよ、私、基本的に考えてみたら。それでもちょっとインフルエンザは気を付けなきゃと思うんですけど。考えたら、最後に風邪ひいたの、何かコロナにはなったけど、最後に風邪ひいたのは随分前なんで。そういう意味では、本当に丈夫な体に生まれてよかったと思っているのですが。特に年末年始はいろいろ移動も多いですし、ご家族やご親戚に会う機会も多いと思いますので、ぜひ県民の皆さんには、インフルエンザ、風邪には気を付けて、本当にいい年末を過ごし、そして本当にすばらしい新年を迎えていただければと思います。この記者の皆さんとのやりとりも県政のまさに大事な一部だと思っていますので、もちろん県議会で答弁するっていうことには全力を尽くしているんですが、実は、この記者会見は相当の人に見られるようになってきていて、(会見の映像が)切り取られ(て拡散されることもあ)ると。50万回とか100万回とか(切り取られた映像の視聴回数が)いくようになって、いいことだと思うんですけども、その分ちょっと気を付けなきゃいけないと思いつつですね、つい大演説になっちゃうんですが、でも、皆さんとのやりとりはものすごくやっぱり県政にとっても大事だし、やっぱりメディアの皆さんにちょっと至らない点とかですね、問題点を指摘していただくっていうことは県政にとっても大事なことだと思いますので、何度も言いますが、この1年間は本当にこの会見にはみんな時間を使って備えてまいりました。細かいことがあれば、ちゃんと部長が出てくるって、これ実は群馬県だけだと思うし、ここまで細かくやっているのは。ということで、来年もですね、この会見には真剣勝負で臨んでいきたいというふうに思います。皆さんもいろいろ1年お忙しかったことと思うので、私もなんか若気の至りで、数カ月だけ新聞記者になっちゃったっていう黒歴史があるんで。黒歴史じゃありません、すいません、そういう経験もあるので、いかに大変かっていうこともちょっとだけ分かっているんですが、ぜひ皆さんにもいいお正月を迎えていただければと思います。またニューイヤー駅伝で、1日はこんな(スタートの号砲を鳴らす)ことをやんなきゃいけないんで、そこに来る皆さんは大変だと思うんですが、ニューイヤー駅伝の方も、群馬県にとっても、1年の最初に群馬県がばーっと映し出されるイベントなんで、そちらもぜひ取材報道していただければと思います。本当に1年間、ありがとうございました。大演説になったことを再びお詫びを申し上げて、今年最後の会見を終わりたいと思います。ありがとうございました。

 

( 以上で終了 )
文章中の()内については、メディアプロモーション課において加筆したものです。