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■日時 令和6年12月19日(木曜日)13時58分~14時34分
■会場 記者会見室
■出席者 県:知事、副知事ほか
記者:記者クラブ所属記者等15人
■記録作成 メディアプロモーション課(報道係)
令和6年12月19日山本一太群馬県知事×萩原睦男長野原町長合同記者会見動画(You Tube)<外部リンク>
(知事)
それでは群馬県と長野原町の合同記者会見を始めたいと思います。記者の皆さまには、お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。本日は、長野原町の萩原町長にご同席いただいております。萩原町長には、お忙しいところ群馬県庁まで来ていただきまして、ありがとうございます。萩原町長には後ほどご説明をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
さて、群馬県では、未来を担う子どもたちの「自ら考え、判断し、行動することができる力」の育成のために、「SEL教育の群馬モデル」の検討を進めています。認知能力に加えて、非認知能力の育成を重視するということで、2026年度末までの確立を目指しています。そのため、これまでOECDが実施する社会情動的スキルに関する調査「SSES」に日本で唯一参加したり、これもよく皆さんご存じだと思いますが、ここで何度も申し上げていますので、SEL教育の先進地であるスコットランドとの共同研究なども進めてまいりました。今回、長野原町において、SEL教育の市町村における展開事例とも言える、注目すべき動きがありますので、今日ここでご報告をしたいと思います。
この度、12月17日付けで、長野原町が内閣府より構造改革特別区域法に基づく教育特区の認定を受け、株式会社立による学校設置が可能となりました。このことをご報告します。今後、旧北軽井沢小学校の跡地に、非認知能力の育成とか英語を使って教科を学ぶイマージョン教育に取り組む学校が、新たに設置されることになります。県内市町村で、株式会社立による学校設置が可能となる教育特区の認定を受けるのは玉村町に続いて2例目ということになります。長野原町は、群馬県と同じように、非認知能力の育成を重視しています。町の教育ビジョンにも非認知能力の育成を掲げておられます。ビジョンの実現に向けて、長野原町は、英語を使った学習とか非認知能力の育成で、長年の実績をもつ株式会社が運営する「LCA国際学園」の誘致を計画していました。しかしながら、株式会社立による学校の設置は通常認められていないということで、設置にあたっては内閣府に教育特区の申請を行い、認定を受ける必要があったということです。そこで群馬県はSEL教育の県内展開の流れを加速させるために、内閣府への申請段階から長野原町をしっかりサポートさせていただきました。知事である私と萩原町長とで自見はなこ前地方創生担当大臣を訪問し、直接長野原町の取り組みというものをPRしてまいりました。
教育特区の認定を受けるには、1年以上かかることもあるんですが、今回は9月に申請してから、3カ月、もしかしたら新記録じゃないでしょうか、3カ月で認定となっています。これは群馬県のサポートによる効果ももちろんあったと思いますが、やっぱり長野原町がですね、萩原町長の強いリーダーシップのもと、明確な教育ビジョンを描いていたからに他ならないというふうに思っています。群馬県としては、長野原町に、非認知能力の育成に取り組む学校が新たに設置されるということで、長野原町の教育の今後の展開に大いに期待しているものです。それでは、ここで、萩原町長から、教育に対する考え方、教育特区のねらい、今後の方針などについて、ご説明をお願いしたいと思います。萩原町長、よろしくどうぞ。
(長野原町長)
長野原町長の萩原睦男でございます。まずはお忙しい中、こうしてお集まりいただきましたこと、山本知事はじめ皆さまに心から感謝申し上げたいと思います。私の方から簡単に説明させていただきたいと思います。長野原町では私が町長になってから「生きる力を育む町」という言葉をスローガンに掲げて、「人を育てる」ということを私の最大の目標にしてこれまで歩んできた経緯があります。一方で、北軽井沢の素晴らしい環境、あるいは自然のもとで子どもたちを育てていきたい、先ほど知事からおっしゃっていただきましたが、LCA国際スクールの理事長の熱い思いと、私が非認知能力やコミュニケーション能力を育むことのできる教育環境を創出したいという思いが合致して、この事業に取り組むこととなりました。本町では教育大綱において、「自立と共生」を理念に掲げ、教育行政を推進しております。多様化する社会の中で将来を担う子どもたちが、予測困難な時代を生きていくには、学力だけではなく、課題を発見して解決する能力やコミュニケーション能力、相手の気持ちを理解しサポートできる協調性などが重要な要素になるというふうに感じています。それは、群馬県の教育ビジョンでも示されている内容であります。すでにそのような方針で子どもたちを教育している学校を誘致して、地域人材の育成に取り組む決意を致しました。この計画において、長野原町が目指すところは、LCAのアクティブイマージョン教育の実績と特徴的な教育課程を生かし、公教育の枠を超えた教育のあり方を発展させて、地域の教育力を新たな視点で高めていくことにあります。
一方で、当町の自然豊かな環境と新たな学校の特徴的な教育方針を求め、全国からの教育移住も想定されていることから、人口減少対策や交流人口の増加による活性化も大いに期待されるところでございます。地域の方々は、統合により学校がなくなった寂しさを抱えておりましたが、これまでと同様に、子どもたちの賑やかな声が聞こえることで、教育施設として空き校舎が利活用されることへの喜びを感じていただけるものと思います。地域との関わりなどについても、LCAとともに取り組んでいくことになります。もっと踏み込んで言うと、町づくりの在り方や考え方もこれから大きく変わっていくのではないかと私は信じております。次のスライドをお願いします。
今回設置される学校の名前は「きたかる森のインター」、あくまでこれは決定ではなく、仮称ですけれども、1学年から6学年までの小学校に3歳から5歳児までのプリスクールを併設する計画で、1クラス15から20名程度、約40名(正しくは約140名であり、質疑応答時に訂正をしています)を予定しており、段階的に充足させていく予定でございます。英語教育を中心に、国際社会で活躍できる人材を育てるとともに、学力だけではなく、学校生活の中で考え、感じる力やコミュニケーション力を養い、一人一人の個性を生かした教育を行う学校です。多彩な個性を持った子どもたちを受け入れ、非認知能力を伸ばす教育に重点を置き、地域の人々とともにウェルビーイングに向き合う教育、アクティブイマージョン教育を中心に展開するとともに、新たに「ふるさと科」「生き方科」という科目を含めることで、我々の思いをカタチにすることも考えていただいております。地域に根ざしたグローバル人材を育成するとともに、町外から来る子どもたちのためだけの学校ではなく、地域住民にとっても大いにプラスになる、地域に開かれた学校にしていきたいというふうに思っております。なお、開校は2026年、令和8年の4月を予定しております。次のスライドをお願いします。
今回の学校誘致計画が長野原町に好循環をもたらすように、具体的な取り組みはこれからとなりますけれども、学校間の連携や地域コミュニティーの拠点として定着していくことを期待しているところでございます。そして、将来をたくましく生き抜く子どもたちを育てる町として先進的なモデルとなるよう、SEL教育を推進する山本知事の思いを受け止めて、町としてもまずはその礎をしっかりと築いてまいりたいと思いますので、どうぞ引き続きご指導を賜りますことをお願い申し上げます。私からは以上でございます。
(知事)
萩原町長ありがとうございました。今回新たに設置される学校はですね、地域交流や長野原町との連携も行っていくということです。長野原町における教育、ひいては町全体の地域活性化に良い影響を与えるものだというふうに、知事としても、県としても期待しております。SEL教育の群馬モデルとしては、当面、小・中学校とか高校での展開を想定していますが、SEL教育はですね、未就学児にも実施することが効果的だと言われています。長野原町に新たに設置される学校には、未就学児が対象のプリスクールも併設されるというお話だったので、幼児教育における非認知能力の育成という点でもこの学校には注目していきたいと思います。そして、群馬県におけるSEL教育をよりよいものとするため、引き続き、長野原町長とも連携、協力をしながら進めてまいりたいと考えております。また、教育環境は、移住を考える子育て世帯の方々の大きな関心事の一つです。長野原町という自然豊かな地域に、英語教育とか非認知教育を実践する学校が新たにできる、これは、全国の移住希望者にとって大きな希望に繋がるというふうに考えています。移住促進の観点でもですね、長野原町の取り組みに注目し、先ほど申し上げました、萩原町長としっかり連携してまいりたいと思っております。発表内容は以上です。皆さんからのご質問を受ける前に萩原町長とのフォトセッションを行いたいと思います。
~知事と長野原町長とのフォトセッション~
(知事)
よろしいでしょうか。それでは、この件について記者の皆さんからご質問があればお受けしたいと思います。
(記者)
ちょっと細かい事務的な質問からしたいんですけれども、まずプリスクールというのは幼稚園とか保育園とかそういう分類の一種なのか、不勉強なんですけど教えていただけますでしょうか。
(知事)
プリスクールのことは、まずはうちの知事戦略部長から。
(知事戦略部長)
小学校あたりを基本的には想定しているということで考えておりますが、(長野原町長に向かって)よろしいでしょうか。
(長野原町長)
はい。小学校を想定していますが、さっき申し上げたように3歳から5歳児まで、まさにだから幼稚園という枠組みとして考えていいと思います。
(記者)
幼稚園の一種・・・
(長野原町長)
幼稚園の一種と考えていただいて。
(記者)
学校の中に、幼稚園の一種であるプリスクールと小学校が入っているっていうことですか。
(長野原町長)
おっしゃるとおりです。
(記者)
株式会社立が県内2例目ということですけれども、これもちょっと不勉強なんですけど、これは私立の一種なんでしょうか。
(知事戦略部長)
知事戦略部長の方からお答えさせていただきます。私立というのはいわゆる学校法人(が運営する学校)でございまして、今回、この特区では株式会社が行う学校ということで、通常ですと、株式会社は学校運営をすることができませんので、それで今回のこの特区を申請して認定することによって、株式会社でもこの学校運営できるという、この特区を認められたということになります。
(記者)
はい、すいません。いろいろ不勉強で。あと町長から教えていただきたいのは、想定する子どもなんですけれども、国内の英語を学びたい日本人、あるいは外国人の子どもとか、(仮称名である「きたかる森のインター」の)「インター」ってなんかインターナショナルスクール的なインターなのか、どういう子どもたちを想定しているんでしょうか。
(長野原町長)
基本的には、日本人の子どもたちを受け入れる想定ですけれども、しっかりとその枠を決めているわけではありません。ただ、非認知能力というのを申し上げましたけれども、例えば、計算がすごいとか、音楽のピアノがすごいとか、そういういわゆるギフテッドとか、そういうふうに言われる子どもたちも積極的に受け入れたいと考えております。
(記者)
分かりました。ギフテッドの能力を持つ子どもだったり、別にそれは全然関係なく幅広く学びたいというお子さんだったり、いろいろ幅広く考えているということですかね。
(長野原町長)
はい。リーダーになれる人材だとか、サポートできる人材だとかが求められていますけれども、そればかりじゃなくて、例えば、人と対面して笑顔で話すことができるとか、逆に人を笑わせることが得意だとか、そういう個の力をですね、引き伸ばせるような学校になったらいいなというふうに私は思っています。
(記者)
あと細かいことを1点で、さっきあの1クラス15から20人で、40人程度って。
(長野原町長)
140です、すみません。全校で140。
(記者)
全校で140、なるほど。これつまり何クラス程度かというと、小学校は1年から6年までの通常の学年の仕組みは取るんですか。
(長野原町長)
そうです。
(記者)
1学年何人程度・・・
(長野原町長)
1学年が15名から20名程度という、すいません私の説明が。
(記者)
1学年1クラスを想定していて、それで6学年プラスプリスクールで、140人程度。
(長野原町長)
はい。まだちょっと決定はしていないんですが、段階的に充足をすると申し上げましたけれども、スタート時点では、小学校1年生から3年生とプリスクールは、幼稚園でいうと年中年長の方を募集かけまして、それからだんだんに充足させていくという計画で考えております。
(記者)
話がちょっと変わるんですけれども、次期町長選のことについて町長がお話されている関係で、今回の学校というのは開校して終わりというのではなくて、今後地域との連携で町の役割が続くと思うんですけれども、その意味で26年の任期満了後をどう引き継いでいくお考えかっていうような・・・
(長野原町長)
もう一度、すみません。
(記者)
任期が26年で終わると思うんですけど、そのあとに町と学校の関係といいますか、連携についてはどう引き継いでいかれるおつもりでしょうか。
(長野原町長)
ちょっと何とも言えませんけど、私でなければ、この事業というのは多分スタートすることはできなかったというふうに思っております。ただ、私がいなくなったから、この事業がなくなるという考えは全くありません。ちょっと、事件のことをここで言うつもりありませんでしたけれども、事件があると悪いところばかりクローズアップされてしまうようなことがこの世の中多いですけれども、わが町の役場、私が町長になってからこの10年間で、町の職員もかなり意識も変わってきておりますし、仕事もできるようになってきておりますので、私は先鞭をつけようと思ってましたけれども、この1年間でしっかりと礎を築いて、その後にバトンタッチをしたいというふうに考えております。
(記者)
まず町長にちょっと今回の内容についてお尋ねしたいんですけれども。細かくて恐縮なんですが、全校で140人というのは、これはプリスクールの3学年と6年生まで合わせて140人っていう・・・
(長野原町長)
はい。
(記者)
全部で、各学年1クラスで、9クラスで140人という理解でいいですか。
(長野原町長)
そういうことです。
(記者)
分かりました。あと募集はこれ全国からという理解でいいんでしょうか。
(長野原町長)
全国からという、そういうことです。
(記者)
寄宿制とかそういったことは考えていらっしゃるんですか。親御さんとかそういったところですが。
(長野原町長)
先ほど申し上げたように、教育移住というのが発生するだろうと思います。ただ、そうなったときに、住む場所というところが、長野原町、これ並行してやっていかなくてはならないだろうけれども、そのあたりのところを、例えば空き家というか、空き別荘とかたくさんある町ですから、そのあたりのリノベーションどうやっていこうかとか、そのあたりのところも並行してやっていかなければならないというふうに考えております。
(記者)
分かりました。あと、将来的な構想のところで将来的にバイリンガルコース(中・高)というのが資料の中に書いてありましたけれども、これは「きたかる森のインター」、今回プリスクールと小学校で始まりますけれども、将来的にはこの中に中学校あるいは高校を設置してもらいたいという、そういう構想でいらっしゃるんでしょうか。
(長野原町長)
これは断定的なことは言えませんけれども、あちらの責任者の方、トップの方とお話をしている中で、例えば教育移住をしてきた人が、小学校で終わってしまうと、また移住を考えなくちゃいけないという状況になると思うんですね。なので、中学校、高校までというのは思いとしては、私もLCAの理事長も、構想とか考え、思いの中ではもちろん想定しております。
(記者)
今後の検討課題ということで。
(長野原町長)
おっしゃるとおりです。中学校、そして、県立の長野原高校というのも、わが町にありますので、そのあたりの連携とか協力というのも非常に重要なポイントになってくると思いますので、知事のお力を借りながらですね、ご指導いただきながら、その辺りも考えていきたいなと思っています。
(記者)
分かりました。あと今回、直接の学校の設置主体はこのエデューレエルシーエーという会社だと思うんですけれども、この会社に対して、町としては資金面含めてどういう支援をしているのか、ちょっと教えていただければと。
(長野原町長)
12月の議会でですね、北軽井沢小学校の空き校舎を利活用するわけですけれども、多少古くなっているとか老朽化している部分があったりだとか、あと先ほど地域に開かれた場所も用意するつもりなんですが、それが放課後カフェだとか、ちょっと決定しているものではないですけれども、そのあたりがありますので、町としても積極的にそのあたりは協力していこうということで、先月の議会でその改修工事の設計費用を議決していただいているところです。
(記者)
最終的にはこの建物を、北軽井沢小学校の校舎と敷地があるわけですけど、これは町から、決まっていればで構わないんですが、その株式会社さんの方に貸し出す形になるんですか。
(長野原町長)
はい。これはですね、特区以前の段階で、北軽井沢小学校の利活用するためのプロポーザルをやらせていただきまして、何社か参加した中にそこにLCAも参加していただいて、LCAが決定したという状況になっています。賃貸借契約を結ぶ予定でございます。
(記者)
分かりました。あと、英語教育と非認知教育というところなんですが、非認知教育と英語教育は関連性があるものなのか、それとも二本立てのものなのか、そこをどういうふうに理解されているのか、ちょっと教えていただいていいですか。
(長野原町長)
関連しているといえば関連はしているんでしょうけれども、やはり、英語を普通にしゃべれるというのは、これからの時代、当たり前のような時代になってくるというふうに思っているので、相模原にLCAという学校はあるんですけれども、そのあたりを率先してやっている学校だったので、私もその辺りで胸に響いたというか、この方たちとやっていきたいという思いに至りました。
(記者)
分かりました、ありがとうございます。あと知事に最後にお伺いしたいんですけれども、取り組みとしてはかなり町が主体になっている取り組みだとは思うんですが、今後先ほどもちょっと一部お話ありましたけれども、県としては資金面的なところがあるのか、あるいは他のところになるのかもしれませんが、どういう支援をされていくのかというのをちょっと改めて。
(知事)
まずですね、今回特区の申請にあたっては、県は担当部も含めて、長野原町に全面支援をしました。相当、かなり力を入れて応援をしたというふうに思います。これは、今回こうやって特区が認められたのは、さっきも言ったように、群馬県も相当応援したんですけど、やっぱりね萩原町長の熱意ですよね。これがやっぱりすばらしかった。これが響いたんだというふうに思っています。なんかここから、さっき記者さんからご質問があったんですけども、ご本人がいろいろとご決断をされて、2年で勇退をされると。個人的にはとても残念に思っているんですけども、それも町長のご決断で、少しいろいろとすっきりさせて、とにかくいいことに全力を上げようということですから、それをちょっとしっかり踏まえて、県としてできるいろんな支援を考えていきたいというふうに思います。今言ったように、例えばいろんなその政府との連携の繋ぎとかもあると思うし、その他、ほかにもいろいろできることがあれば考えていきたいです。
(記者)
町長にまずお伺いしたいんですけれども、ちょっと先ほどの質問に関連するんですが、その費用的な面で、親御さんというかですね、実際に通われる生徒さんが負担する授業料とかですね、そういった面では、今相模原でこの会社さんがやっているものと同じような授業料とかそういった水準になるんでしょうか。それとも、その町なり県なりがですね、いろいろサポートして、もう少し安く進学できるような形に配慮されようとされているかその辺を教えてください。
(長野原町長)
私がそれを申し上げるのはちょっと違うかもしれませんけれども、今、相模原でやっているような授業料と同等程度、それ以上になるということを想定しております。ですから、株式会社立だと補助とかそういうものがないので、そうなってしまうんですけれども、そのお金を持っている方だけなのかということを考えたときに、ちょっとまだこれも断定的なことではないんですが、企業版ふるさと納税で支援していただく企業とかを探したりだとか、それは、私は任期中にそういうところもやっていかなければならないなと思っています。もっと言うとですね、奨学金制度みたいなのを創設して、それに賛同していただけるような企業ですとか、そういうものを探して連携することができたら、それはすばらしい構想になっていくのかなというふうに思っています。
(記者)
例えば町民の方とかですね、県民の方は少し安くは入れるとかですね、何かそういった費用面でのことは考えていらっしゃるんですか。
(長野原町長)
そういうことも必要だろうと思っています。そのためにやっぱり、先ほど言ったように、奨学金の制度とか、そういうことがいいのかなというふうには考えております。断定、決定したものではないです。
(記者)
あとそもそも論ですけれども、学校法人でない、学校法でない学校を作ると、今おっしゃったように、補助金がないとかですね、あるいは株式会社立になると法人税がかかるとかですね、いろいろあったかと思うんですけども、なぜそもそも株式会社立でやらなきゃいけないのか、例えばその県内でしたら太田市なんかですね、イマージョンスクール、ぐんま国際アカデミーとかありますけれども、そういう形でなく、株式会社立で今回設立する理由というか背景を少し教えてください。
(長野原町長)
今、相模原でやっている、LCA国際スクールとの出会いがまずはスタートだったんですけれども、そもそもそこがですね、日本で初めての株式会社立で認められた学校なんですね。何がいいのかというと、縛りもあるんでしょうけれども、特区を取らなければいけないとか、でも自由度もかなりあるんだろうというふうに思います。このカリキュラムをやらなくちゃいけないとかというところの自由度が増すんではないかというところで、この株式会社立で北軽井沢もいこうという形で決定しました。
(記者)
分かりました。あと北軽井沢、軽井沢エリアですと、例えばイマージョンスクールとかインターナショナルスクールですと、アイザックとかですね、軽井沢にありますけれども、そういったこの会社とは別の系列の学校と例えば連携をするとか、交流をするとか、そういったことも考えておられるんでしょうか。
(長野原町長)
すいません。そこまでちょっと私には考えがありませんでしたけれども、まずはスタートを切ることが一番重要だと思っていますので、その上で、そういうことを模索していった方がいいのかなというふうに今、感じました。
(記者)
太田の例とかを見ると、その教員の確保ですとか、実際に外国人の先生が実際に地元に住む上でもいろいろとこう横でのノウハウの共有とかですね、やっておられるみたいなので、多分そういうのも必要になってくるのかなというふうに思いました。
(長野原町長)
ありがとうございます。そういう面で言いますと、軽井沢町は隣ですとか、草津町が隣ですということを考えますと、いろいろな連携というのは考えられると思いますので、それは立地に今感謝をしているところなんですけれども、いろんな連携、協力は、模索していきたいと思っています。
(記者)
ありがとうございました。あと、知事にもう1点、県内の例えば太田のGKA(ぐんま国際アカデミー)とかですね、ああいったところとの連携を促すとか、そういったことは考えておられるんでしょうか。
(知事)
こことですか。
(記者)
はい。
(知事)
それは新しい学校の判断だと思います。それと少し直接は関連しませんけど、太田のやっぱりぐんま国際アカデミーというのは、これは清水市長さんの先見の明もあってですね、すばらしい学校になったと思いますよね。前もちょっと話しましたけど、東京のIT企業の経営者が密かに子息をですね、ここに通わせていると。何で密かになんだって。群馬に行っていると言ってくれればいいのになと思うんだけども。やっぱりこれはこれで1つの成功例ですから、こういうのはきっと、分かりませんけど、長野原町長もそうですし、あるいは今度の学校もいろんな形で参考にしていくんじゃないでしょうかね。
(記者)
町長にお伺いします。まず、ふるさと科、生き方科かというお話がありましたが、これは課外活動ではなくて、国語とか算数とかと同じ教科という位置付けになるんでしょうか。
(長野原町長)
おっしゃるとおり、そういう想定です。
(記者)
そうすると、これは学習指導要領とかだと多分位置付けられてないものになると思うので、特別の教育課程などを編成する形になるんでしょうか。
(長野原町長)
おっしゃるとおり、特例校としての文科省に対する申請を行っていくことになると思います。
(記者)
ふるさと科と生き方科の中身、どんなことを想定しているのか、簡単にで大丈夫なので教えてください。
(長野原町長)
まさにふるさと科っていうのは、長野原町のことを学んでいただくということを想定しております。なぜかというと、全国から集まってくる子どもたちも、長野原町に対する愛着を身につけていただきたいんですよね。いずれその子どもたちが大人になったときに、長野原町に、ふるさとに帰って来るという思いが芽生える、(必ずしも)帰って来なくてもいいと思っていますが、そういうことを育んでいくとかですね。もっと言うと、子どもたちに長野原町のことを知っていただいて、環境だとか自然だとかというのをSNSとかでネイティブの英語を使った発信をどんどんしてもらおうかなということを考えております。
生き方科というのは、私が生きる力を育むということを言い続けていたので、そのあたりのところを、理事長、学園長がですね、その思いを拾っていただいて、それを何とか形にしていこうということで、動いてくださっているところです。
(記者)
ありがとうございます。最後に1点、SEL教育を前面に打ち出している小学校というのはこれ全国的に珍しいと言っていいんですかね。前例みたいなものっていうのは把握なさっているんでしょうか。
(長野原町長)
申し訳ありません、把握しておりません。
(記者)
町長さんにちょっとお願いしたいんですが、この株式会社エデューレエルシーエーさんというところが、例えばどういう教育に強みを持ってらっしゃっていて、どういうところに町長が感銘を受けて、どういうカリキュラムを提供していただくことを期待しているというようなところをちょっと聞かせていただいてよろしいですか。
(長野原町長)
まさに、先ほど申し上げたようなアクティブイマージョン教育というのを前面に出している学校だと私は認識しているんですが、私も10年町長をやってきましたので、人脈は結構大きなものになってきて、ある方の紹介で学園長とお会いしたのがきっかけだったんですけれども、お会いした翌週にその学校を見に行ってまいりました。その時私が印象に受けたのが、ちょっと幼稚な言い方になるんですけれども、「こんな学校を、僕も出たかったな」という思いが先に出たんですね。そこが本当にまさにスタートです。私も大学卒業後すぐに、海外10数カ国を放浪していた時期があったんですけれども、その中で、英語はできる方だったんですけれども、全くしゃべれなかったっていう、しゃべれないとコミュニケーションも取れないので、その辺りでマイナスの部分を感じたので、やっぱり英語というのは当たり前にしゃべれた方がいいんじゃないかという感覚もありますので、その学校では、小学校でも当たり前のように英検2級をみんな取れるぐらいの英語力がつくらしいです。小学校で1級を取っても、あまり驚かないぐらいの教育を行っているところも、私はすごく魅力を感じたところです。
(記者)
例えば、英語教育というようなところ以外に、長野原でこういう教育を展開してほしいみたいなのが具体的にあれば教えていただきたいんです。
(長野原町長)
もう先ほど言ったように、ふるさと科とか生き方科というのは、まさに私の思いを汲んでいただいた科目だというふうに思っていますので、そのあたりは、例えばふるさと科、特例校申請するところでできるかどうかというのは別ですけれども、例えば地域の高齢者の方が、地域の文化を子どもたちに教えていくとか、そういう場面ができたらとても素晴らしいなと思っています。
(記者)
例えば相模原で展開しているところで、一番こういうところがこんな学校で学びたかったなと思った点だったというのがちょっとあれば。
(長野原町長)
何ていうんですかね、子どもたちの目の輝きが、こんなに輝いているんだ。ちょっとこれ、すごく低レベルな回答になってしまうんですけども、そのあたりが本当に響きました。
(知事)
わざわざ今日は、萩原町長に来ていただいて、こんなに大勢の皆さんから質問いただいて、メディアの皆さんに関心を持っていただいているのは嬉しいです。ぜひですね、群馬県もしっかりこの流れに期待しながら、我々としてもできる応援をしていきたいと思いますので、この長野原町の挑戦、皆さんこれからも関心を持っていただければと思います。
( 以上で終了 )
文章中の()内については、メディアプロモーション課において加筆したものです。