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令和6年度第15回定例記者会見要旨(7月25日)

更新日:2024年7月25日 印刷ページ表示

■日時    令和6年7月25日(木曜日)14時04分~14時47分
■会場    記者会見室
■出席者  県:知事、副知事ほか
      記者:記者クラブ所属記者等14人
■記録作成 メディアプロモーション課(報道係)

 令和6年7月25日定例記者会見動画(You Tube)<外部リンク>

 モニター資料 (PDF:398KB)

会見項目

■知事冒頭発言

 1.はじめに

 2.感染症の予防

 3.新財務会計システムの不具合

 4.PoliPoliGovによる意見募集

■質疑応答

■知事メッセージ

知事冒頭発言

1.はじめに

 それでは定例会見を始めたいと思います。現在、山形県に大雨特別警報が発表されるなど、今東北地方を中心に非常に激しい雨が降っているということです。住民の皆様のご無事と、これ以上、この東北の今豪雨に見舞われている地域で被害が大きくならないことを心からお祈り申し上げたいと思います。(群馬)県民の皆さんにおかれましては、これからいよいよ台風シーズンを迎えますので、日頃からぜひ災害への備えをしていただくように、改めて知事の方からもお願いをしたいと思います。

 話は変わりますが、先週末に1泊2日で、群馬が誇る自然の宝庫、尾瀬国立公園にプライベートで行ってまいりました。知事就任後、実は何度も尾瀬訪問の計画を立てておりましたが、その度に新型コロナウイルスの感染状況等(の事情)からキャンセルになっていたんですけれども、今回やっと念願かなって、尾瀬に、五十何年ぶりになりますが、足を運ぶことができました。片品村の鳩待峠、八幡太郎義家が鳩を飛ばしたとかいう伝説からこういう名前になっているらしいんですけれど、この鳩待峠から出発して、1時間かけて尾瀬の山小屋に到着いたしました。

 ブログにも書いたんですけれど、山小屋では料理がとても美味しかったというのも大変印象的で、このことも尾瀬の魅力の1つとして、もっと知事としてPRしていきたいと感じました。

 それから翌日、尾瀬ヶ原の雄大な景色を見ながら、あるいは涼しくて澄んだ空気を楽しみながら、3時間ほどかけてこの尾瀬を散策させていただきました。晴天というよりは、半分曇りで時々晴れて、ちょっと霧雨が降るみたいな、はっきり言って、もう最高の散策日和だったんですけれども、湿原にちっちゃい花が咲いているんですよね、時々このちっちゃな花とか、あるいは遠くに見える山々の景色とか、本当に美しいと感じました。

 県民の皆さんは、尾瀬の美しさが歌われている、日本で最も有名な童謡の1つである「夏の思い出」という歌をご存じだと思います。以前は、中学校の音楽の授業で使われていたということで、おそらく知らない日本人はいないほど有名だったんですけれども、今の若い世代は、おそらくもう、中学校とかの音楽の教科書に使われてないんだと思うんですよね。今の若い世代の人は、実はこの歌を知らない、知らない方が大多数だということが分かりました。今回思ったことは、今回の尾瀬訪問で感じたんですけれど、「夏の思い出」をもっともっと多くの人に聴いていただきたいなと、そんなことを改めて強く感じた次第です。

 なお、道中では中国などアジアからの観光客を見かけることは何度かあったんですけれども、欧米からの観光客を見かけることはほとんどありませんでした。今回誘った友人の1人は、スイスで育っているので、子ども時代、欧州のことよく知ってる人なんですけども、彼がとにかく欧米人は、特に山登りというか、ハイキングが好きな人がすごく多いということで、実は欧米と尾瀬というのは親和性が高いと話していました。今後、尾瀬の魅力を海外に発信することで、群馬県のインバウンド増加にも繋がるんじゃないかということも感じました。ただ、インバウンドを受入れるとなると、木道の整備とか、取り組むべき課題はやっぱりまだまだあるなと感じました。今回の尾瀬訪問で感じたことはメモにして、早速担当部局に検討を指示しました。先般の庁議でも、メモを作ってもらって、少し皆さんにそういうことをお伝えしたんですけれども、今まで尾瀬の振興に力を入れるということを、あちこちで発言してきましたし、そもそも群馬県知事は尾瀬保護財団の理事長なんですよね。ただ、尾瀬に行ったのは子どもの頃なので、木道から落ちて母親に叱られた思い出しかないんですよ。何度も落ちたんですよ、元気だから。でも今回改めて行ってみて、やっぱり尾瀬の自然のすばらしさに本当感動しました。これからはより一層、尾瀬の自然保護と、それから観光振興のバランスが必要だと思いますが、より一層力を注いでいきたいと思っています。

 それでは会見の中身に移りたいと思います。スライドをご覧ください。本日の会見の主な項目になります。「感染症の予防」、それから「新財務会計システム不具合の対応」、先週の会見で確か記者さんからも質問が出ていましたけれども、ちょっと今現在の状況をしっかりご報告したいと思います。それから「PoliPoliGovの意見募集」、これも14回目ということになりましたけれども、これも今日発表させていただければと思います。

 

2.感染症の予防

 まず、「感染症の予防」についてです。現在、もう皆さんもお感じになったと思いますが、新型コロナウイルスの感染者数が増加しています。今の群馬県内の感染状況についてご報告したいと思います。スライドをご覧ください。

 こんな感じなんですよ。今、県の新規感染者は4週連続で増加しています。直近の定点医療機関当たりの新規感染者数は10.21人ということになっています。先週の全国平均が11.18人ということなので、群馬県は全国平均よりは少し低い状況になっています。昨年同時期も同じような傾向で、8月の最終週まで増加が続いていたということを記憶しています。加えて、現在新型コロナウイルスだけではなくて、夏風邪と言われている、手足口病とか、あと咽頭結膜熱、こういう流行も報告されています。こうした感染症を予防するために、私から県民の皆さんに改めてお願いをしたいと思います。スライドをご覧ください。

 もう言うまでもないことですが、こまめな手洗い、手指の消毒をお願いしたいと思います。食事の前とか外出先から帰ってきた際には、特にこのことを忘れないようにお願いしたいと思います。それから、定期的に換気を行っていただくということもお願いをしたいと思います。暑い日が続いて、日中閉め切った部屋でエアコンを使用することも多いと思います。私もそうなんですけれども、時々窓を開けて換気をするように心がけております。自宅はもちろんのこと、勤務先なんかでも気がつけば、時々換気をやっていただければと思っています。

 それから、最後ですけれど、病院に行くときとか高齢者の方に会うみたいなときは、咳エチケットやマスクの着用、これは改めてお願いをしたいと思います。もちろん、体調が悪いときなどは、人と会うのは控えるようにするというのも、頭のどこかに置いておいていただければと思います。

 なお、屋外では熱中症のリスクがありますので、マスクの着用は控えましょう。屋外はできるだけマスクをしないほうがいいと思います。県民の皆さんには、ただいま私が申し上げた対策をしっかり実施していただいて、体調管理に十分気をつけていただきたいと思います。

 

3.新財務会計システムの不具合

 続いて、群馬県の「新財務会計システムの不具合」について、ご報告したいと思います。7月12日の知事会見で、新財務会計システムの不具合で県民、事業者の皆様、指定金融機関である群馬銀行などに対してご迷惑をおかけしていること、さらには群馬県の令和5年度の決算が確定しないという状況を正直に報告させていただきました。その後、総勢23人の県職員を会計局に追加で配置しました。力を合わせてシステム上の銀行の支払い記録等の照合といった対応をずっと行ってまいりました。

 これによって、本日の朝、令和5年度の決算について、決算額の確認が完了しました。すなわち、7月末までの監査委員への提出に間に合わせることができたということです。予定どおり議会へも付議できる見込みです。決算が遅延することによる悪影響も何とか回避することができたと。このことを皆さんにご報告しておきたいと思います。

 しかしながら、決算確定に向けた点検作業の中で、財務会計システムに新たな不具合が判明しましたのでこのことも正直に今日ご報告したいと思います。スライドをご覧ください。

 先日の記者会見でご報告したものに加えて、新たに計57件の所得税の控除漏れが判明しました。控除漏れの総額は19万3,378円です。ご迷惑をかけた皆様に改めて知事としてお詫びを申し上げたいと思います。控除漏れについてスライド記載の不動産鑑定料を例に、少し具体的にどういう不具合があったのかを説明させてください。県の業務で不動産の評価が必要となった際には、不動産鑑定士に評価を委託することがあります。この際、不動産鑑定士に対して県から支払うのが不動産鑑定料です。不動産鑑定料は、鑑定対象の不動産にもよりますけれども、1件当たり概ね40万円から50万円となっています。この不動産鑑定料については、基本的に支払う金額の10.21%を所得税として、源泉徴収してから支払うということになっているんです。この源泉徴収が、システム不具合でできていなかったということなんですね。その他の講師謝金とか会計年度任用職員の給与でも、同様の控除漏れが発生していたということが分かりました。これらの不具合については、所得控除の金額を支払いデータに反映させるためのプログラムにバグがあったということが原因だと、これは判明しています。こちらはすでに修正済みということで、これについては今後同じ原因の不具合は発生しない見込みになっています。なお、現在もシステムは完全なものではなくて、この不具合は完全には改修できておりません。引き続き原因について、しっかり調査を進めてまいりたいと思います。

 群馬県としては、システムが安定して稼働できるように、システムの受託者と協力して、引き続き全庁を挙げて対応を進めていきたいと考えています。

 

4.PoliPoliGovによる意見募集

 最後に「PoliPoliGovによる意見募集」についてです。もう何回もこれをやっていますが、スライドをご覧ください。群馬県では令和4年度から政策形成や地域課題の解決に多様な意見を取り入れ、官民共創により取り組むためのオンライン上のプラットフォーム、PoliPoliGovというものを活用しています。これまでに13回、群馬県の政策に関するテーマを提示し、オンライン上で幅広く県民の皆さんの意見を募集しました。こうやってちゃんと丁寧に実績を積み重ねる中で、しっかりと情報収集をしているというのも群馬県の姿勢としてはいいんじゃないかと思っています。その結果、昨年度の意見投稿件数2,131件ということで、前年度に比べても3倍以上になっていると、正確に言うと3.2倍、つまり大変多くの方々から意見をいただけるようになってきているんですよね。いただいた意見は群馬県が策定する新しい子ども計画、県土整備プランなどの政策形成の参考にさせていただいております。そしてこの度、第14弾の意見募集を行うこととしました。今回のテーマは、「あなたが思う『クリエイティブなくらし』のイメージを教えてください」というものです。

 「クリエイティブなくらし」とは、日常生活に個性的な発想ができることとか、独創性を持つことを意味するクリエイティブが融合して、人々がワクワクするようなくらしを送るということなんですよね。例えば、街中などで身近にアートが感じられるくらしとか、ストリートでスピーカーからではなく生の音楽が聞こえてくるくらし、って何か自分のこと言ってんのかみたいな、66歳で初めて、なんかストリートライブやったから言うわけじゃないんですけど、こうしたクリエイティブなくらしが県内に浸透していくことによって、群馬県が近未来構想の1つに掲げる、「クリエイティブの発信源」の位置付けに一歩近づくと考えております。そこで、皆さんにもクリエイティブなくらしについてぜひ思いを馳せていただき、ご意見を寄せていただきたいと思います。

 意見募集は既に開始しておりまして、9月16日月曜日まで受け付けています。スライドに記載されているQRコードとか、このPoliPoliGovのサイトから簡単に投稿できます。皆さんからのご意見、群馬県の政策検討の参考にさせていただいています。皆さんのご意見で、実は政策の方向性が決まったりしたことも実際にあるので、ぜひたくさんのご意見をお寄せいただければと思います。

 ちょっと最後に申し上げておくと、「クリエイティブなくらし」、これは私が以前から言っていたことなんですけれど、本当はですね、クリエイティブな「人生」と書いて、そこに一応「くらし」と読むということなんですけども、今回「クリエイティブなくらし」になってますが、知事が考えてるイメージは、「クリエイティブな人生」、群馬県にくらすことで、クリエイティブな人生を送れると、その「人生」を「くらし」と読むと、こんなイメージだということもちょっと付言をしておきたいと思います。

 ぜひ県民の皆さんの考えているクリエイティブなくらしのイメージをですね、ぜひどしどしご意見としてお寄せいただければと思います。私からは以上です。皆さんから何かご質問があればお受けしたいと思います。

質疑応答

●尾瀬の木道整備について

(記者)

 知事のお話の中で1点質問です。尾瀬のインバウンド増加を目指すにあたって、尾瀬の木道整備などの課題があるというお話でした。先週だったでしょうか、尾瀬の観光ツアーなどのお話の中で、木道を整備するに際して重機が入れないことから非常に多額の費用がかかるというお話などもございましたが、木道の整備に向けて何か、現時点でどういったことをやったらいいというお考えを・・・

 

(知事)

 まず担当者の方から説明していただけますか。

 

(尾瀬保全推進室長)

 木道の整備について現在の取り組みとしましては、国の交付金を受けて整備している箇所があり、先日記者発表させていただきました民間の活力といいますか、民間の旅行会社と登山道ツアーというのを造成しまして、簡単な補修、作業とかを、尾瀬について歴史やその自然環境などを勉強しながら、登山道の整備に実際に参加していただくというような事業を今年度から開始しています。

 

(知事)

 今みたいなことも、これも確か記者発表した覚えがあるんですけど、こういういろんな知恵で木道整備に対する意識も高め、なおかつ、木道整備を進めるってことなんです。私、実際に(尾瀬に)行ってみて、しっかりと木道が整備されている場所、例えばね、去年、TEPCOかなんかが入って整備したところはかなりきちっと整備されていると。古いところは穴がちょっと空いていたり、ちょっと崩れかかったりしているところがあると。これは県の事業でやったのか、ボランティア(が整備した)のかわかりませんけども、赤いリボンがついていて、ここら辺気をつけてくださいみたいなところがあったんですけど、やっぱいくつかのところは直さないといけないと。

 でもね、例えばちょっと板を置くだけでも随分安全になるところもあったりするので、それはちょっと改めて少しまた室長ともお話をしながら、今、我々としては、新しい発想から、尾瀬の自然のすばらしさを知っていただくと同時に、木道整備もやってもらうっていうのを立てましたが、いろんな形でちょっと木道整備については、より今までよりも少し真剣に考えたいと思います。

 他県にもまたがっているじゃないですか尾瀬って。群馬県は比較的整備がいいっていう人もいるんです、ただ、まだ確かめていないのでわかりません。みんなの努力はすごく感じられました。ただいくつかのところはやっぱりちょっと穴が空いていたりするところもあるので、これは少し丁寧にどうするかっていうのはよく担当部局とも相談しながら、尾瀬への対応は今まで以上に真剣に考えていきたいと思います。

 

●県営住宅の家賃等誤徴収について

(記者)

 先週の会見での発表がありました県営住宅家賃の過大徴収の件で、昨年度以前については調査中とのことでしたが、その後わかったことなどがあれば教えてください。

 

(知事)

 まず担当者の方から説明してください。

 

(住宅政策課長)

 先週の7月18日以降ですね、7月分の家賃につきまして調査を進めておりました。それで7月分の家賃について、ほぼ調査が終わったところなのですが、先週発表させていただきました35世帯以上の誤りはなく、35世帯について引き続き7月も誤りがあったことを確認しております。今後、正しい家賃の通知等含めて手続きを進めてまいりたいというふうに考えております。

 

(知事)

 広がりについてはどうだったんですか。つまり、前年度から(遡って)どこまで広がっているかっていうのを少し確認するっていうことで、その作業を今やっている最中ですか。

 

(住宅政策課長)

 とりあえずですね、現在(入居中の方)の家賃の、正しい家賃を算出すること、それと、8月から正しい家賃にすることを最優先に作業を進めておりましたので、過去に遡ってはこれから調査を進めていきたいと考えております。

 

(記者)

 時期の目処とかも含めて、今後調査していくということですか。

 

(住宅政策課長)

 はい。

 

●新財務会計システムの不具合について

(記者)

 財務会計システムの不具合の関係なんですけれども、令和5年度の決算額確認は取れたということで、対症療法としてはやってらっしゃるようなんですが、システムの正常化の見込みなどをわかるものがあれば教えてもらえれば。

 

(知事)

 会計管理者の方からどうぞ。

 

(会計管理者)

 今、原因究明をさせていただいておりまして、現時点では見込みはまだ未定というところでございます。一刻も早い正常化に向けて今努力しているところです。

 

●国立公園へ高級リゾートホテルを誘致する国の方針について

(記者)

 先週末、(知事が)尾瀬国立公園に行かれたということに絡んでなんですけれども、政府が全国35カ所にある国立公園に高級リゾートホテルの誘致など、魅力向上に努める方針を明らかにしました。この点について知事の受け止めと対応を伺えればと思います。

 

(知事)

 それではまず担当者の方から。

 

(尾瀬保全推進室長)

 先週の岸田総理の発表を受けての受けとめということですが、群馬県内には尾瀬国立公園をはじめ、日光白根山を含む日光国立公園、草津、万座、浅間地域や谷川岳を含む上信越国立公園、この3つの国立公園があります。

 今回の議論では、単にリゾートホテルの誘致というのではなくて、地域の理解を得ながら、各公園の特性に合わせて、民間の活力による魅力向上の取り組みを展開するというふうに聞いています。その一方で、尾瀬国立公園は、尾瀬ヶ原を含む地域は、国立公園の中でも最も規制の厳しい特別保護地区になっています。開発から厳しく守られた地域であります。政府に対しては、自然環境にも、地域の人の暮らしにも配慮しながら、保護と利用が好循環する仕組みづくりを進めていただければというふうに考えています。

 

(知事)

 今、室長の言ったことに尽きるんですけども、尾瀬に行って思ったことは、まず、子どもの頃のイメージがちょっとあったんだけど、本当にすばらしい自然なんですよね。季節によって、すごく装いが変わるっていうだけじゃなくて、もうその日の時間によっても、光の加減によっても、やっぱり変わっていくんですよね。残念ながらこの時期だったので、水芭蕉の花は見られなかったんですけども、春先とかはいかに綺麗だろうとも思ったりとか、鴨とかもいるところがあったりとか。我々は3時間しか散策しなかったんですけど、もっと奥深い、つまり山にも行けるし、これからまた行こうと思うんですけど、コロナの時に比べると観光客が少しずつ戻ってきていると。かつての尾瀬、「夏の思い出」をほとんどの日本人が知っていた頃の尾瀬に比べると、まだまだですけど(観光客は)戻ってきていると。結構ね、尾瀬学校の生徒だけじゃなくて、子どもを連れた一行にも会ったし、親子連れもいたし、カップルもいたし、結構人がいたんですよ。だから、誰もいないところも、見晴らしのいいところもあるんだけど、木道がずっと続いてる中で、もちろん人がポツポツといたり、休むところに人が座っていたりするのはいいんだけど、これすごい人が増えたらどうかなって思ったりとかね。

 まだまだもっと大勢の人に知ってほしいし、群馬県の観光拠点にも十分なり得る魅力はあるんだけど、やっぱり環境保護とのバランスっていうのは確かに大事だなと。尾瀬ファンの人たちからすれば、木道に原宿みたいに人が並んでいるみたいなことは、ちょっとやっぱり違うんじゃないかと思うので、そこまで人が来るかわからないんだけど、やっぱりこれから観光振興、尾瀬を中心にすごくやらなければいけないっていうことと、やっぱりあまり手のついてない自然を守るっていうことのバランスがとても大事かなと思いました。

 それから今、室長から話のあった岸田総理のお話、リゾートホテルの誘致だけじゃないってことだったんだけど、例えば東武鉄道がすごく力を入れている日光があるじゃないですか。あそこの中禅寺湖のほとりに(ホテルの)リッツ・カールトンがあるじゃないですか。リッツ・カールトンは中禅寺湖のところに建っていて、あそこも国立公園かもしれないけど、尾瀬はもうとにかくご存じのとおり特別保護区って言って、国立公園の中でも多分最も厳しい規制がかかっているんですよね。だからそこに何かを誘致するっていうのはどうかなと思うけど、例えば、今回(知事が)使った片品村から入る鳩待峠のルートがあるじゃないですか。あのあたりも全部(特別保護区に)かかっているから。だけど鳩待峠まで行くバスの出発するところまで20分ぐらいだから、そういうところとかだったら例えばね、例えばですよ、リゾートホテルみたいなことだったら可能なのかなと思うし。いずれにせよ、観光振興と尾瀬の環境保護のバランスっていうのはうまく考える中でやっていくべきだと。

 ただ、岸田総理がこういうことを、もうちょっとナショナルパーク・・・今度9月に、日本と(アメリカ)中西部の人たちの会議に行くんですけど、今年の開催地はオハイオ州のコロンバスなんですよね。アメリカってやっぱりイエローストーン公園じゃないですか。やっぱりそういうことも、世界水準のナショナルパークにするってことは、やっぱりちょっともう民活を利用してもっと魅力を向上させるってことは大事だと思うので、そのバランスの中で考えていけばいいのかなと、そういうふうに思いました。

 

●最低賃金について

(記者)

 もう1点、昨日国の審議会で県の最低賃金の上げ幅の目安が50円と決まりました。この通り決定すると群馬県の最低賃金は985円に上昇します。一方で、栃木県、茨城県は1,000円を超える見込みになります。最低賃金の上昇と隣県との比較でまだ(群馬県は)低い状況にあるということについて、知事に伺えればと思います。

 

(知事)

 どうぞ担当の方から。

 

(労働政策課長)

 隣県との差というお話なんですけれども、我々の方で確認しているところといたしましては、まず地域別最低賃金の決定基準には3つほど要素がございまして、1つ目が労働者の生計費、2つ目が労働者の賃金、3つ目が通常の事業の賃金支払い能力といったものがございます。その中で群馬県は、皆さんご存じかもしれませんけれども、消費者物価水準が低いというところがございます。そういったところもですね、決定要素の中に入ってございますので、隣県に比べて低いということがあるのかなというのが1つございます。

 2つ目の理由といたしましては、国が示す目安のランク区分というのがございますけれども、こちらは、群馬県は令和4年まではC区分でした。その間ですね、栃木県も茨城県もB区分になってございました。中央審議会が示す改定の目安がランクごとに、今年はたまたま全部同一で50円という水準でしたけれども、例年ですと、ランクごとに差がありまして、ランクが高いというか、BランクとかAランクの方が、Cランクよりも高い数字が示されているところがございます。これが歴年で積み重なってきたことも影響しているのかなというふうに考えているところでございます。

 

(知事)

 今ちょっと話があったんですけどね、最低賃金の水準、なんか群馬県が北関東、関東でちょっと低いんで、これをなんか引き上げるように、みたいな話があるんですけど、ピントが違うと思うんですよね。ピントが外れていると。申し訳ないけど。だってそもそもこの最低賃金って、なんか宇留賀さんにフォローしてもらうところとかあれば、少し追加で説明してもらおうと思うけど、基本的に国が決めるわけですよ。中央最低賃金審議会だっけ。厚労大臣の諮問機関で労使も入っている中で決めているわけじゃないですか。今課長の方から説明があったんですけれども、いろんな要素を勘案して国が決めるわけですよね。特に群馬県の場合は、物価の水準が低いんですよ。そういうことも含めて、この全体からこれを判断しているってことであって、過去に例えば、自治体の方からいろいろクレームした例もあるのかもしれないけど、私は最低賃金、国が決める最低賃金の水準がちょっと他より低いから、これを何とか国に頼んで上げろっていうのは方向性が違うと思います。

 そもそも記者さんもご存じだと思うんですけども、県内の中小企業について言うとですね、やっぱりね、賃金上げるのって大変なわけですよ。やっぱり賃金を上げるのはどうするのかっていうのは、基本的には、産業競争力を上げていく中で、生産性を上げていく。例えばいろんな作っているものの付加価値を上げていくみたいな中で、やっぱり上がってく、上昇するっていうのが一番自然な流れなんだと思うんだけど。そうじゃなくても中小企業の人たちはですね、よく防衛的な賃上げって言葉があるけど、他の理由ね。例えば、人を集めなきゃいけないとか、いろんな理由でそもそも賃上げの圧力を受けてやっているわけであって、だからこれいずれにせよ、こうやって決定をしたってことであればですね、やっぱり労働者、労使もそうですし、しっかり議論してですね、労使双方関係者がみんな納得できるような答申にしていただきたいなというふうに思っています。

 群馬県としてはこれからもやはり、今回デジタル・クリエイティブ産業も1つの産業として作りたいって話もしていますけども、こうやってクリエイティビティみたいな、さっきクリエイティブな暮らしみたいのがあったんですけど、それぞれの産業の競争力を上げることによって、その中で、やはり産業が強くなって付加価値の高い産業が展開していくっていう流れの中で、県民の所得水準が上がってですね、それで賃金も上がってくっていう。これがやっぱり一番自然な流れだと思うので、そういう中でやっぱり県民の幸福度向上を目指していければというふうに思います。

 

(宇留賀副知事)

 今、知事が最後に言った点が一番ポイントだと思っていて、群馬県は製造業が非常に強い産業であるんですけれども、やっぱりそこだけでは賃金が上がっていくという好循環ができていないところがあると思うので、デジタル・クリエイティブや、その他いろんな産業の可能性があると思うので、観光業ももっと賃金を上げていかなければいけないというところがあると思います。そういう形で、全産業的に賃金が上がっていく、その時にある意味、生活保障に近いような、この最低賃金というところの水準もついてくると思いますので、しっかり産業を活性化させていくことが一番肝かなと。

 

(記者)

 最低賃金の関係で、お考えは分かったんですけれども、今回はともかくとして、今後1,000円超えが望ましいというお考えなのかどうかという点を確認したいのですが。栃木、茨城が1,000円を超えて、関東7都県の中で、群馬県が唯一900円台になるということで、企業誘致などにはプラスな面もあるとは思うんですけれど、最終的には、先ほど副知事がおっしゃったように、全産業が高水準になっていくことが望ましいとすると、将来的には1,000円超えを期待するということなのかどうか、そこら辺を教えていただけますか。

 

(知事)

 1,000円かどうか分かりませんけれども、やはり賃金の上昇は、当然好ましいことなので、そういうサイクルになるような努力は、もちろん続けていくということです。

 

(記者)

 何となく関東は東京や神奈川が1,100円超えで、全国的に最も高いところがいくつかあるので、その中で唯一の900円台というのが、ちょっとインパクトが出てきてしまうような気がするんですね。今までは栃木、茨城と横並びだったわけですけれど、いかがでしょうか。

 

(知事)

 それは、栃木、茨城の政策というよりは、今ちょっと申し上げたとおり、様々な手法をもって、国が判断していると。その中には、先ほど言った物価水準の話もあるし、課長が説明したような事情もあるので、最低賃金の水準が関東でちょっと低いからといって、特にそれを問題視するつもりはありません。これはやっぱり自然に産業力を強くしていく中で、賃金が上がっていくというのがあるべき姿だと思うし、もう1回言いますけれども、この中央審議会には労使が入って、しっかりと様々な手法から判断していることなのであって、それについて群馬県がちょっと関東で低いからといって、問題だと思っていません。宇留賀さん何かありますか。

 

(宇留賀副知事)

 少し議論が違うかもしれませんが、最低賃金については、知事からもあったとおり、徐々に上がっていくものだと思います。我々が意識しているのは、平均賃金じゃないですけれども、群馬県の賃金を上げていくという、まずこれを総論として進めていきたいと思っていますし、そこは産業活性化させること、今比較されていた埼玉、栃木、茨城など、こういったところよりも、群馬県が5年後、10年後に賃金を上げていく。こちらがより我々が追いかけている大きな目標かなと。

 

●新財務会計システムの不具合について

(記者)

 新財務会計システムの不具合についてお伺いしたいんですけれども、前回もちょっとご説明がありましたが、知事のところに不具合の報告があったのが発表の2日前だったかと思います。担当の部局に聞くと、6月ごろから不具合に気が付いていてということで、副知事に上がったのが7月4日で、知事に上がってきたのが7月10日ということでした。こういうものは早め早めの対応が望ましいのかなと考えるときに、今回の件、知事としてはどのように受け止めておられますでしょうか。

 

(知事)

 その点は前回の会見でも言いましたが、やはりもうちょっと早く知らせてほしかったというのはあるんですけれども、まず1つはですね、会計管理者も含めて、この問題にものすごく一生懸命対応していて、対応を進めよう、できるだけ早く解決策を見出そうということに集中していたということと、それからもう1つは、前もこの会見で記者さんに申し上げたんですけれども、各部局はどの時点で知事に上げるかということを結構迷うんですよ。私はとにかく忙しいとみんなが思っているから、何か起こったときに、いつ上げるか、もし知事に上げるということであれば、ある程度状況を把握して、何となくその対応の目処がついたら上げようと、何でもかんでも持っていくというのが、(タイムスケジュールが)ぎちぎちで仕事をしている知事に対して申し訳ないという感覚があるから、なかなかいつの時点で上げるかというのが難しかったので、そういうことがちょっと重なって、報告が遅れてしまったということです。これはもちろんもっと早く上げてほしかったんですけれど、あのときも言いましたが、基本的には私の監督責任なので、担当部局を責めるつもりはありません。もうちょっと早く知らせてほしかったんですけれど、結局は、知事が日頃からしっかりと(こういう問題をすぐに)上げてもらうような、十分な指示がなかったところがあるので、結局は私の監督責任だと思います。記者さんの言うとおり、こういうことはもうちょっと早く上げてほしかったので、こういうことがないように、そこら辺の意識はより強く持ってもらうように、庁議でも各部長にお願いしたというところです。

 

(記者)

 ただ、今回は副知事まで上がっていて、よりコミュニケーションが密に取れる関係のあるところまで届いていて、それから1週間ぐらい遅れたというのを聞いていて、どうしたのかなと感じたんですけれど。

 

(知事)

 副知事に届いたのは一週間前だっけ・・・

 

(宇留賀副知事)

 僕は知事と同タイミングなので、津久井副知事に相談があったのかもしれません。

 

(知事)

 多分津久井さんに相談があったということですよね。宇留賀さんは私と同じ時に聞いたんですよね。そこは津久井さんも知恵のある人ですし、非常にしっかりした方なので、聞いてみないと分かんないけれど、知事に上げるためには、もう少しトラブルの原因をもうちょっと見て、どんな対応するかということを整理してから上げたほうがいいんじゃないかと言ったんだと思うんですよね。当時、そのことで日々担当部局は本当に精一杯だったと思うので、おそらくもうちょっと様子を見ようというところが、そういうタイムラグになったのかなと思います。知事と副知事のコミュニケーションは、もう十二分に取れていると思っているので。(副知事の二人は)日々あらゆる協議に一緒に参加していますし、100%信頼もしているので、もし津久井さんのところで少し遅れたということがあれば、津久井さんの方でもうちょっと中身が分かってからにしようということで、1週間ぐらい遅れた原因になったのかなと思います。

 

(記者)

 私もシステムの絡みなんですが、県が、先ほどお話ありましたように、デジタル産業を盛んにしたいと言って、旗を振っているところで、こういうシステムトラブルが起こったことについて、見解を教えていただけますか。

 

(知事)

 それは、前回の会見で申し上げましたけれども、実際に、関係者、銀行も含めて、県民の皆さんにもご迷惑をかけているので、この点は率直にお詫びしたいと思いますし、反省をしています。今、記者さんおっしゃったように、とにかく我々はデジタルの先進県を目指すということで、(先日)MM総研大賞まで取ったので、群馬県のデジタルの事業は、かなり評価が高いんだと思うんですよね。ただ逆に、デジタルのもろさとまで言うことはないんですけれど、私は専門分野じゃないんだけど、やっぱりシステムの不具合というのは常にリスクとしてあるんだということを学びました。だから、こういう経験を通じて、今回、県民の皆さんにご迷惑をかけることになってしまったんですけれども、こういうトラブルをみんなでしっかり解決してくことによって、レジリエンスを高めて、さらにデジタル先進県への道に繋げられるような形にしていければいいと。いつも言っているとおり、「災い転じて福となす」というのが群馬県の一応、基本姿勢なので、このこと自体は反省し、しかし、しっかり原因を究明し、二度と起こらないようにする、(一方で、)ある意味こういうトラブルについてのレジリエンスも高めると、こういう流れになっていけばいいかなと思っています。

知事メッセージ

 それでは最後に、知事の方から県民の皆さんにお話をさせていただければと思います。

 今日もちょっとご報告をしましたが、コロナがここに来て、結構増えています。その他にもいろんな感染症のリスクのお話をしたんですけれども、ぜひこまめな手洗い、これはコロナの頃からずっと皆さん(の習慣として)身についていると思うので、言わなくても大丈夫だと思うんですけれども、コロナが少し流行ってきたということや夏の感染症にも注意をしていただきたいと思います。特に高齢者の方に会うときは、咳エチケットのためにマスクをするということも心がけていただきたいと思います。それから今日もちょっとあったんですけれども、最近暑いので、私も寝るときにクーラーをつけているんですね。できる限り冷房にしないで、除湿ぐらいにして我慢していたんですけれども、少し前まではつけないで寝てたらもう無理だということが分かって、ついにつけ始めたんですが、やっぱり考えてみたら、換気をあまりしていないことに気付いて、この間から時々窓を開けるようにしています。換気をするということはとても大事らしいので、今日申し上げたことは、ぜひ県民の皆さんにも実践していただいて、この暑い夏も体調を崩さずに、過ごしていただければと思います。

 それから今日も財務会計システムの不具合についてのご報告を申し上げました。おかげさまで、担当部局にもすごく努力してもらって、とにかく県庁をあげて、今回の最大の危機を乗り越えたというところなんですけれど、まだまだシステムの不具合が完全に直ったわけではないので、こういうことが二度とないように、しっかりと今、原因を究明していますし、こういうことが起こらないように対策を講じていきたいと思いますが、その過程で、今日もちょっと申し上げたとおり、不具合が見つかって、さらに皆さんにご迷惑をかけてしまったということもしっかりとご報告をします。この問題についてはシステムの不具合の原因もわかったんですけれども、何度も言いますが、都合の悪いことも隠さず、しっかり皆さんにご報告をして対処していくという県の姿勢を今後も貫いていきたいと思います。今回のことでいろいろご迷惑をおかけしましたが、この不具合を含めて、県の対応も反省して、こういうことが起こらないように、県庁一丸をあげて、努力をしていきたいと思います。

 これからも、群馬県は県民の皆さんの幸福度を上げるために、もう一丸となって努力していくことも皆さんに最後にご報告をして、今日は(会見時間が)45分ということになりましたけれども、今日も最後まで大勢の記者の皆さんに、記者会見に残っていただいたことを感謝申し上げ、今週の定例会見を終わりたいと思います。ありがとうございました。

( 以上で終了 )
文章中の()内については、メディアプロモーション課において加筆したものです。