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■日時 令和6年6月27日(木曜日)14時02分~15時11分
■会場 記者会見室
■出席者 県:知事ほか
記者:記者クラブ所属記者等14人
■記録作成 メディアプロモーション課(報道係)
令和6年6月27日定例記者会見動画(You Tube)<外部リンク>
■知事冒頭発言
それでは、定例の会見を始めたいと思います。一昨日25日の火曜日に、群馬県庁32階の官民共創スペースNETSUGENで行われた、「EIT・欧州イノベーション技術機構」との交流会に出席させていただきました。EITはハンガリーのブダペストに本部を置く、欧州最大のイノベーション機構です。今回の交流会は、EITが群馬県を「イノベーションの創出が盛んで、高い技術力を持つ企業との連携が期待できる地域である」と評価していることに加えて、以前から群馬県と交流のあったEIT関係者の後押しもあって、実現いたしました。
交流会には、英国、スペイン、クロアチア含む12カ国から、新進気鋭の起業家など約30名が参加いたしました。交流会では、冒頭私の方から約10分間にわたって、群馬県の魅力や投資環境の素晴らしさについて、英語でプレゼンをやらせていただきました。また、EITが日本において拠点の設置を検討する際には、ぜひ群馬県を候補として考えてほしいと、このこともお伝えをしました。EITの方々は非常に積極的でした。今回、デロイトトーマツが全体をマネジメントしているんですけれども、東京のいろんな一流企業とか、いろんな所を回ってやっておられるようですが、EITの人たちは非常に日本に興味を持っていると。特に、群馬県にも非常にいい印象を持っていただいたということを同行している方々からお聞きしたんですけれども、EITとの交流会の終了後は(参加者の)ほぼ全員と名刺交換をしました。なかなかこういう交流会をやっても全員来ないんですけれど、(交流会が)終わった後、みんなそれぞれ名刺を持って、私の所まで来て、意見交換をしたんですが、例えば、水資源、森林資源、あるいは農業みたいなことについても、だいたいイノベーション関係者というのはスタートアップの方が多かったんですけれど、群馬県に注目をしていただいていて、何かここから面白いことが生まれるんじゃないかなと、こんな予感もいたしました。これは、皆さんと名刺交換をして、いろんな話をする中でも言ったんですけれど、東京だけじゃなくて地方にもよく目を向けてほしいと申し上げましたけれど、今、G7の商工会議所にもいろいろ講演に行っています。宇留賀さんにも一緒に来てもらっているんですけれど、だんだん海外の目も東京から日本の地方にも向いてきていると、こんな感触も改めて持った次第です。同時に、群馬県みたいな首都圏から近くて、こんなに東京に近いのに、東京とは違う魅力を持つ地域というのは、欧米企業の投資を呼び込むという点ではですね、大きな可能性があるということを感じました。
群馬県としては、今後も欧州との関係を大事にしていきたいと思います。嬉しかったのは、もう1回言いますが、同行している関係者から聞いたんですけれど、「とにかく群馬県はすごく面白い」と言ってくれて、サントリーも確か視察していると思うんですが、「知事の熱意が尋常ではない」と言う人が多かったと。「あんまり会ったことのない日本人だ」という話があったことを、昨日ちょっとメールで伝えてくれた人がいたので、良くも悪くもブロークンなイングリッシュでしたが、熱意だけは伝わったんじゃないかと思っていますので、こういう形でどんどんトップセールスを通じて、外資の企業の皆さんにも群馬県に投資いただくように頑張っていきたいと思っています。
次に、デジタルクリエイティブ人材育成施設「TUMO Gunma」についても、ご報告をさせていただきたいと思います。一昨日の25日、Gメッセ群馬で、アルメニアのデジタル人材育成機関「TUMOセンター」と群馬県との間で、TUMO Gunma設置に向けた調印式を行いました。TUMOセンターを代表して、アルメニアからマリーCEOとペゴールCDOら3人の方々に来庁していただきました。TUMOセンターは、国際的に高い評価を得ています。パリやベルリンなどの施設に加えて、現在、ハリウッドでも設置の準備が進んでいます。昨年、アメリカに行ったとき、建設現場、設置場所を我々は視察させていただいています。今回、TUMOセンターを高く評価する、日本のデジタル庁の協力も得て、アジアで初めてとなるTUMO Gunmaを設置することに成功いたしました。この調印式を契機に、来年夏のTUMO Gunmaオープンに向けて、準備を進めていきたいと思います。TUMO Gunmaについては、詳細が決まったら、改めて発表させていただきたいと思います。
また、昨日26日水曜日には、TUMOセンターのマリーCEOらと一緒に上京して、協力いただいた河野デジタル担当大臣を訪問いたしました。私の方からTUMO Gunmaの設置に向けて、TUMOセンターとフランチャイズ契約を締結したことと、あるいはTUMO Gunmaのロゴ、空間デザイン、プログラムの内容などについて、大臣に直接報告をさせていただきました。河野大臣からは「ぜひ群馬でTUMOの取り組みを成功させてほしい。中学生、高校生の天才を生み出してくれたらいい」と、こんな期待の言葉を頂戴いたしました。河野大臣への報告を終えて、TUMO Gunmaは群馬県が目指すデジタルクリエイティブ産業の創造、それからデジタルクリエイティブ人材の育成に大きな力を発揮してくれるだろうと、そのことを改めて確信いたしました。群馬県としては、TUMO Gunmaから世界で活躍するような人材を輩出できるように、引き続き政府と連携しながら、様々な取り組みを進めてまいりたいと思います。
ちなみに、このTUMO Gunmaのことを、テレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」で取り上げていただいて、結構長い特集だったんですけれども、ここに来る間に、録画を見たんですけれど、もしご興味ある方がいれば、このワールドビジネスサテライトを見ていただけたらいいかなと思います。いずれにせよ、メディアの皆さんには随分ここ(記者会見)でデジタルクリエイティブの話をさせていただきましたけれども、群馬県がこれからデジタルクリエイティブ産業を、全国で初めて作っていくという中でいうと、やはりtsukurunとTUMO、これは群馬県にしかありませんから、まさにTUMOはデジタルクリエイティブ人材を育てる養成機関としては最適だと思うんですよね。つまり、プログラミングとか、そういう分野だけではなくて、映画制作とか、映像制作とか、アニメーションまでありますので。それからマリーCEOが言っていたように、今ここにはないんですけれども、近い将来AIも加えていくということで、本当に群馬県がやろうとしている取り組みにぴったりの素晴らしいパートナーを見つけることができたなと思っています。ぜひ、メディアの皆さんにもこれからのTUMOの展開に注目していただければと思います。
前置きが長くなりました。それでは会見の中身にいきたいと思います。スライドをご覧ください。今日の会見の主な項目です。今日は「GunMaaSのMM総研大賞受賞」、「敷島公園新水泳場」、それから「熱中症対策」等について発表させていただきます。
まず、「GunMaaSのMM総研大賞受賞」です。群馬県では、デジタルによって地域課題を解決する、その取り組みの1つとして、ここでも何度も言及していますが、昨年3月から次世代交通サービス「GunMaaS」というものを開始しています。現時点の利用者数が約1万5000人となって、大変多くの方にご利用いただいていることを感謝申し上げたいと思います。このGunMaaSについて、昨日非常にうれしいニュースが入ってきたので、ご報告をしたいと思います。
せっかくなので、フリップで紹介します。この度、GunMaaSがICT関連の民間の表彰制度「MM総研大賞2024」の「スマートソリューション部門MaaS分野」で最優秀賞に選出されました。MM総研大賞を受賞するというのは、都道府県では群馬県が初めてです。実は結構すごいことなので、パネル(フリップ)まで作ったということです。ぜひメディアの皆さんにも注目をしていただきたいと思っています。
MM総研大賞は、次世代のスマート社会を支える技術やサービスを表彰する制度なんですね。ICT産業の発展の一助となることを目的として、2004年に創設されました。今年で21回目という歴史のある大賞です。ICT産業界では大変権威のある賞なんですよ。今年度の大賞には、マイクロソフトの生成AI「コパイロット」が選ばれています。過去にはタクシーアプリの「GO」もここで受賞していますし、実は国内でも知名度の高い技術やサービスがこのMM総研大賞を受賞しているということです。また審査員は、日本のインターネットの父と言われ、デジタル庁の顧問を務める慶應義塾大学の村井純教授、私も特命担当(大臣)として、ICTをやっていたときに、何度も懇談会でお目にかかりましたが、村井先生をはじめとする各界を代表する有識者が務めているということです。
今回の選考にあたって、GunMaaSが評価されたポイントをちょっとお話しさせてください。経路検索から予約決済などといったMaaSの基本機能はもちろんなんですけれど、そこに加えて、マイナンバーカードを活用した住民向けの割引制度を展開していると。ここが非常に先進的だと高く評価されたということです。こうした評価をいただいたことは、デジタルを活用して、地域課題の解決に取り組む群馬県にとっては大変喜ばしいと捉えています。まさにデジタル先進県にふさわしい賞を受賞できたと考えています。群馬県としては、今回の受賞を励みに、GunMaaSの群馬県全域への普及拡大を進め、誰もが安全で快適に移動できる社会の構築に向けて、これからも様々な取り組みを進めていきたいと考えています。
続いて、「敷島公園新水泳場」についてご報告します。群馬県では現在の敷島公園水泳場について、施設の老朽化、最新の公認施設基準への不適合、こういう課題を解決するためにですね、前橋市と連携して、現地建て替えを行うという方針を定めています。また、今年の3月には、群馬県が主体となり、前橋市と共同で敷島公園周辺エリアのあるべき姿をまとめた「敷島エリアグランドデザイン」、ここでも記者発表させていただきましたが、これを策定しています。このグランドデザインに基づく新水泳場の整備に向けて、入札手続きを進めてまいりました。本日は、その結果、選定した新水泳場の整備プランについて皆さまに発表したいと思います。
これもせっかくなのでパネルを使いたいと思います。こちらが敷島公園新水泳場の外観ですね。敷島エリアグランドデザインを反映した、初の施設になります。まさにこれが敷島エリアの新しいシンボルと言っていいと思います。施設には環境に配慮して、エネルギー効率を重視した設計とか、多様な人々が集まって、地域の交流拠点となるような空間、こういうものが取り入れられております。また、整備にあたっては、民間事業者の創意工夫とかノウハウを活用できる、PFI方式を県有施設で初めて採用しました。開業は令和10年11月を予定しております。それでは新水泳場の主な特徴をご説明したいと思います。スライドをご覧ください。特徴は大きく分けて3つです。
1つ目はこの建物の構造です。イメージを見ていただくとわかるように、今回は群馬県の県産木材を活用した屋内プールとして、国内最大の純木造屋根架構を採用しています。群馬県の伝統である絹織物の、繊細で柔らかな表情をデザインに生かしました。いい感じでしょ。構造の合理性も兼ね備えた、純木造の木編み架構ということになってます。純木造屋根架構の面積は約4,500平方メートルで、屋内プールとしては全国一の広さになっています。また、50メートル公認プールで、純木造屋根架構が活用されるのは、この水泳場が全国で初めてだということも申し上げておきたいと思います。加えて、建物全体において、高断熱化などの様々な環境負荷低減技術を活用しています。これによって、国内50メートル公認プールでは、全国で初めて、省エネ建築物の指標である「ZEB Oriented」(ゼブ・オリエンテッド)を達成する予定です。
続いて2つ目、交流拠点となるような空間の工夫です。敷島エリアグランドデザインを反映して、施設内部や周辺に複数の交流スペースを設けたいと思っています。公園を訪れる人に開かれた空間として、敷島公園全体に新しいにぎわいを創出するということになっています。
そして、3つ目は競技力の向上と選手育成のサポート環境です。新水泳場では利用者のニーズやレベルに合わせた多彩なイベントや教室を開催いたします。加えて、泳法・映像解析システムなどを導入して、国際基準の設備を備えた練習環境を提供したいと思います。主な特徴は、以上です。新水泳場整備についての詳細は、スライド記載のこのQRコードから、県のホームページで確認いただけます。
最後に、費用についてですが、整備費、運営費など、令和25年度までの約20年間で総額231億円を見込んでおります。今回、新水泳場を多くの方に利用いただける、魅力的なものとするため、一般的な鉄骨造りではなくて、県産木材を多く取り入れた、群馬県ならではのものとさせていただきました。このことによって、多額の予算の増加が見込まれたんですが、そこはPFI方式を採用することで、官民の知恵を結集し、負担を抑えながら最大限の成果を追求いたしました。まさにこれも私が常に申し上げている、ワイズスペンディングな取り組みと言っていいと思います。さらに今回、地元である前橋市にこの取り組みをご理解いただき、整備費用について多額のご支援をいただくことになりました。これによって、世界に誇れる、群馬県ならではの新水泳場を整備できる目処が立ったと思います。前橋市をはじめ、整備にあたって、ご理解、ご協力をいただいた皆さまに、知事として感謝を申し上げます。なお、新水泳場については、9月に開かれる第3回の前期定例県議会において、契約に関する議案を提出し、県議会でもご審議をいただく予定になっています。この新水泳場は、令和11年に群馬県で開催予定の「湯けむり国スポ・全スポぐんま」において、水泳競技の会場となる予定です。私としては、この施設で練習を重ね、群馬県から全国そして世界に羽ばたくアスリートが生まれることを、大変強く期待をしております。県民の皆さんから長く愛され、そして世界に誇れる施設になるように、今後しっかりと整備を進めてまいりたいと考えています。
続けて、「熱中症対策」について、申し上げたいと思います。間もなく本格的な夏を迎えますが、すでに今月に入ってから全国各地で猛暑日を記録しています。ここのところ熱中症になる方が急増しているという報告を受けています。こうした熱中症を予防するため、群馬県では新たな取り組みを始めました。その点を今日はご報告したいと思います。スライドをご覧ください。
この度、群馬県では「熱中症予防サポーター企業」登録制度を開始しました。この制度は、企業と行政が連携して、熱中症予防の啓発を行うことで、県民の熱中症予防につなげるということを目的にしています。登録の対象は、群馬県が進める熱中症予防対策に賛同し、協力をしていただける企業です。そして、サポーター企業と群馬県が行う熱中症対策、第1弾の中身についてもご紹介をしたいと思います。大塚製薬とファミリーマートの2社と連携をして、熱中症予防を呼びかける動画を作成いたしました。動画は、デジタルサイネージのある、群馬県内すべてのファミリーマートで放映させていただきます。期間は、7月2日火曜日から15日月曜日までの2週間です。
また、群馬ヤクルト販売とも連携します。熱中症警戒アラート等が発令された際に、群馬県が情報を提供して、ヤクルトの販売員が高齢者宅を訪問時に、直接熱中症予防の呼びかけを行っていただくという仕組みです。第1弾の対策は以上です。
今後とも、様々な企業と連携し、第2弾、第3弾と熱中症対策に取り組む予定にしております。サポーター企業については現在も絶賛募集中です。群馬県の熱中症対策に賛同、ご協力していただける企業の皆さまには、スライド記載のQRコードから申し込みができますので、ぜひご参加いただきたいと思います。
最後に、熱中症を予防するために、知事の私から県民の皆さまにお願いをさせていただきたいと思います。次のスライドをご覧ください。まず、当たり前ですが、「Water」、こまめな水分補給をお願いしたいと思います。喉が渇いていなくても、適切なタイミングで水分を取るように、心がけてください。これはとても大事です。次に、我慢せずに「Water」の次は、「Cool」ですよね。エアコンや扇風機は我慢せずに使ってもらうと。特に、高齢の方はエアコンや扇風機の使用を我慢しがちだと思いますが、ご家族に高齢の方がおられる場合は、ぜひ我慢せずに使うことを呼びかけていただきたいと思います。それから最後に「Condition」ですね。休憩や十分な睡眠を取って、体調を整えてください。私も十分に気を付けなければいけないと思いながら、これを見ているんですが、体調不良のときは脱水を起こしやすくなるということです。また、夏を迎える前に、適度に運動して、体を暑さに慣れさせていくということも大事だと言われています。県民の皆さんには、ただ今お伝えした3つのことに十分気をつけていただければと思います。
次に、「SSES回答データの不適切な掲載事案」についてご説明したいと思います。スライドをご覧ください。OECD経済協力開発機構が実施する、社会情動的スキルの国際調査「SSES」に、群馬県が日本から唯一参加していることは、皆さんご存じだと思います。この調査に参加した国や都市の生徒の、全回答のデータファイルについて、OECDがホームページに必要な処理を行わず、掲載していたことが判明いたしました。具体的には、発表イベント当日の4月26日、Web上に生年月日や保護者の職業に関する回答など、本来削除すべき項目を含めたまま、回答データが掲載されたことが判明しました。群馬県はこの問題を発見後、速やかにOECDに連絡し、同日中に掲載は停止されています。発表イベント開始直前に、掲載は中止されましたが、OECDの調査によると、掲載されていた17時間の間に4ヶ国の7者が、合計で9件のデータをダウンロードしていたということが判明しました。
OECDの見解としては、現在、個人情報の侵害が発生していない、また回答者が匿名化されているので、今後も個人情報の侵害が起こる可能性は極めて低いという話でした。そのため、OECDは今回の事案に関しては公表しないと判断をしました。しかしながら、群馬県としては、本来であれば公開されない県民の情報が掲載された事実を重く受け止め、今回の事案を公表したいということで、OECDにかけあっておりました。そして先日、OECDから各国や都市ごとの社会的習慣を考慮して、それぞれで公表を行って構わないという連絡があったので、この度、群馬県として公表することにしたということです。
今回、OECDがこのような事案を起こしたことは、群馬県知事としては大変遺憾に思っています。この事案を受けて、群馬県としては、ダウンロードされたファイルの拡散や悪用を防止するため、OECDに次の3つを要請しました。1つ目はダウンロードした者を特定し、データの削除を要請すること。2つ目は、違法性の高いデータがやりとりされることが多いダークウェブというものをしっかり監視してもらって、データの悪用を防ぐこと。3つ目は、今後データを公開する際には適切に再処理し、ダウンロード手続きを厳格化するということです。今後もダウンロードされたファイルの拡散や悪用が起こらないよう、群馬県からOECDに対して適切な措置を講じるように求めてまいります。そして、群馬県も引き続き個人情報の管理を徹底してまいりたいと思います。
それから最後に、何度もここでご質問が出ておりました、「駐日韓国大使との面談」について、ご報告をしたいと思います。3月末に駐日韓国大使より公式な面談の要請がありました。皆さんご存じだと思いますが、これまでいろいろと大使館側と調整を進めてまいりましたが、面談の実施は断念することとなりました。これまで事務方で面談実施に向けて、調整を続けてきたと。このことも、毎回ここでご報告をしてきたことです。群馬県からは誤解が生じないように、また、意図しない形で面談の内容が伝わらないように、面談をすべて公開して実施することを希望しておりました。しかしながら、面談時の報道機関への公開範囲について、駐日韓国大使館側の同意を得ることができませんでした。なお、この面談については、駐日韓国大使から公式な要請をいただいておりましたので、実施の断念については、一昨日25日に群馬県からも公式な書簡でご連絡をしております。以前から申し上げているとおり、日韓の友好関係は群馬県にとっても大事だと。これは当然、日米関係も日欧関係もそうですけれども、群馬県にとっては非常に大事だと思っています。面談実施に向けて調整の過程では、群馬県の考え方を大使館側にも丁寧に説明してまいりました。群馬県としては、今回実現しないことは残念ですが、面談を実施しないことによって、韓国との関係が悪化することはないと考えております。私からは以上です。皆さんから何かご質問があればお受けしたいと思います。
●敷島公園新水泳場について
(記者)
敷島のプールの話なんですけれど、これ(費用が)230億円というのは20年間でとおっしゃったんですけれども、運営費用なども含んでいらっしゃるのでしょうか。また、建設費用が個別で出るのであれば、それも教えていただければ・・・
(知事)
県土整備部長から答えてもらいます。どうぞ。
(県土整備部長)
今ご質問のあったように、運営費用も含んでということになります。これから正式な契約というのは、議決を経て、その後となるんですけれども、それから26年の3月、25年度までということになりまして、運営の期間が15年と数カ月、その前にオープンしてということを全部含めてであるということでございます。それから、今回230億円強ですけれども、我々の方が今回公募するにあたって、入札公告の中で230億円強の額を提示しております。また公表されますので、確認いただきたいんですけれども、それに対して、ほぼ同額の230億円で、端数はありますが、今回応札があったということです。
(記者)
建物の価格は具体的に取り出して、いくらというのは言えないものなんでしょうか。
(県土整備部長)
ちょっと確認しておりますので・・・
(知事)
時間かかるようだったら、後で。確認させて、報告させます。
(記者)
にぎわいを創出する交流拠点となっているんですが、これは具体的にはどういうものを作るというイメージなんでしょうか。
(県土整備部長)
今回、敷島公園全体を対象としているのではなくて、あくまで水泳場の敷地の周辺ということで、まず建物の周辺に広場を設けてあるということです。また、2階にテラスがあって、3方向全部行き来できるということで、このオープンスペースとして使われるということです。また知事からもご説明ありましたけれども、事前に策定した敷島エリアグランドデザインでもシームレスな空間ということで、建物の中と外でよく交流ができるようにというところがあります。例えば、1階の窓の部分を全部連ねて、広い開放的なイメージの空間にしてあって、中で何をしているのか、外でどんなことがあるのかということをシームレスに繋いでいるということで考えております。
●SSES回答の不適切掲載について
(記者)
SSESの関係で、生徒の全回答データということなんですけれども、何人分のデータとか、具体的にどういうものが流出したのか教えてもらえればと思います。
(知事)
どうぞ。
(学びのイノベーション戦略室長)
今回OECDが掲載いたしましたのは、SSESに参加した、全16カ国・都市の生徒のデータで、データ自体は約6万人分になります。そのうち、群馬県の参加した生徒につきましては3,528人のデータということになります。データにつきましては、知事の方から発表したとおり、名前(の記載)はないんですけれども、生年月日であったり、あるいはSSESの方で社会情動的スキルに関する質問を行っておりますので、それらのデータ、家庭の状況等を生徒が回答したものが、すべてそのまま掲載されていたというものでございます。
(記者)
では、名前(の記載)がないので、特定しにくいといいますか、できないんですけれど、回答は丸々見れたということで、学校名とかも、さすがに変えて・・・
(学びのイノベーション戦略室長)
そうですね。学校は番号になっておりますが、通常使っている番号はそのままだったので、本来はランダム化という形で、ランダムに組み替えるはずだったのがそのままだったということになっております。
(記者)
悪意を持って特定しようと思えば、特定できてしまうという点はあるというところですかね。
(学びのイノベーション戦略室長)
そういうことです。
(記者)
でも、現状では9件のダウンロードで、ダウンロード先は全部確認されているということなんですか。
(学びのイノベーション戦略室長)
いえ、ダウンロード先についてはOECDが現在も調査していますが、9件のうち3件については、すでにダウンロード先を特定しており、残りについては特定できていないところでございます。ただ、知事の方が発表したとおり、こちらからの要請も踏まえて、いわゆるwebの監視のようなことをOECDにしていただいておりますので、そのあたりはご心配なく、と考えております。
(記者)
さらされた時間が17時間になると、いつごろからいつごろという言い方ができますか。
(学びのイノベーション戦略室長)
日本時間で言いますと、当日の4月26日の0時ちょうどから17時12分までの17時間ということになります。
(記者)
群馬県の方で気づいたということになるんでしょうか。
(学びのイノベーション戦略室長)
そうですね。時差の関係で、我々が全世界で最初に発表させていただいたということでありまして、そのあと我々の方でOECDのホームページ等を注視していたということです。
(記者)
すぐ取り下げてということですね。今のところ、ダークwebとかに掲載されてる形跡はないということですね。
(学びのイノベーション戦略室長)
はい。
●駐日韓国大使との面談について
(記者)
先ほどの韓国大使の話なんですけれども、県としてはフルオープンでの要請をしていたけれども、先方の方がフルオープンでは受けることはできないという・・・
(知事)
先方は、フルオープンは困ると。基本的に外交の面談において、面談というか分かりませんけれど、なかなかフルオープンというケースは、普通はないので、フルオープンでなくて、おそらく冒頭(のみ報道機関の取材を許可する)ということだったと思いますが、そこで我々の完全公開と合わなかったということだと思います。
(記者)
条件が折り合わずに・・・
(知事)
知事戦略部長が一応正確に、経緯だけ説明してもらって、そのあとコメントします。
(知事戦略部長)
まず先ほど知事からもお話がありましたとおり、面談の実施にあたって、日程と合わせて、実は条件面につきまして、何度も先方とやりとりをしておりました。最終的に6月20日の16時に一応中止が決定したという形になります。
(記者)
それは当然、双方合意の上でということですよね。
(知事戦略部長)
事務レベルで6月20日の16時に中止が決定しまして、中止の最終判断も、当然知事の方とちゃんと協議をさせていただきました。最終的に、先ほど知事からお話があったとおり、先方から正式な書簡をいただいていますので、きちんとこちらも知事名の正式な書簡を作成して、それをお送りしたのが6月25日だと思います。
(記者)
それは、断るということになるのでしょうか。それとも面談ができないということを通知するような内容なんでしょうか。
(知事戦略部長)
いや、こちらとしては先ほど知事がおっしゃったとおりで、こちらとしてはちゃんと全公開の条件でぜひ面談を行っていくというスタンスで行っておりましたので、こちらから断るというよりはお互いの条件が一致できなかったということで中止ということで、どちらかが断るとかそういうものではないです。
(記者)
条件が折り合わなかったので、中止しますということで、書簡を送ったということになりますでしょうか。
(知事戦略部長)
はい。
●新プロジェクトXについて
(記者)
せっかく古仙さん(知事戦略部長)が来ているので、ちょっと案件外ですが、先週の土曜日にNHKの新プロジェクトXでアイサイトの開発に絡んで、窮地に陥っていたSUBARUの補助金の獲得を古仙さんが獲得に向けて支援されたというお話が出てきました。アイサイトの開発を続けるためにSUBARUにとって非常に重要な補助金の獲得だったようなんですが、当時の開発秘話みたいなものがあれば、お話伺えればと思います。
(知事戦略部長)
そうですね、当時はですね、今の山本知事のもとでは基本的にはそんなことはありえないんですけれども、県庁の中では、この仕事は県のする仕事ではないということで、組織的にはなかなか認めていただけない状況でやっておりました。テレビ番組の中ではSUBARUさんの方に私が行って、すぐこれならという感じでしたが、あの間も約数カ月、SUBARUさんと東大や東工大の方に一緒になって、まず行って、シーズを持っている先生に産学連携をお願いしました。それから申請書が本当にいわゆる理科系の論文のような状態だったので、誰が読んでも分かりやすいような、要は交通事故低減という形から、そこに向けて、最初は警報システムだったんですけれど、やるからには止まるところまでやりましょうというところで、申請書の方を練り直したりしました。あとは当時の関東経済産業局の担当者の方にも大変お世話になったんですけれど、実は柴田さんと2人で、関東経産局の方に行きまして、その際いわゆる千本ノックを2人して受けまして、テレビの中で「ちくしょう、なんとか絶対とってやる」と言ったのは、実は私が言ったのではなくて、関東経産局の千本ノックを受けたときに、「2人で頑張りましょう」と言ったところです。そんな形でやりとりをしておりました。
(記者)
新プロジェクトXを見た感想、知事いかがでしょうか。
(知事)
前から言っているように、県庁職員が頑張ってる姿が報道に乗るというのは、群馬県にとって、とてもいいことだと思うんですよね。去年ぐらいだったでしょうか、ぐんまちゃんがアメリカ進出を目指して渡米したときに、NHKが特集番組を作ってくれたと。その時に、ぐんまちゃんを盛り上げるために現場で頑張っていた係長(等)にスポットを当ててもらって、本当によかったと思うんですよね。あれも、もちろん動画で録画して、とってあるんですけれど、あのように本当に現場の県庁職員が頑張っているということにスポットが当たるというのは群馬県としては非常にありがたいと。
今回、古仙さんが(主演した)新プロジェクトX、視聴率が高い番組ですし、この中で群馬県がそのアイサイトの開発に一定の役割を果たした、しっかり我々も支援する形になったということが、彼がインタビューに出たことで、世の中に広まったというのは、とても嬉しいし、いろいろ古仙さんの努力をみんなよく知っているので、今回取り上げてくれてよかったなと思っています。だから、私も新プロジェクトXのことをあちこちで宣伝しました。(古仙部長は)何時間も取材を受けたけれど、別にNHKを責めるわけじゃないですが、(古仙部長の出演箇所は)ぎゅっと(短く)なっちゃったけれど、それでもやっぱり凝縮された彼の言葉の中に、苦労がにじみ出ていると。
もう1つだけ言うと、せっかく彼がいるので、記者さん、意外と象徴的なんですよ。県庁の文化は変わってきたわけですよ。こうやって、担当部でも本当にいいことを県庁でやろうと思って、SUBARUの若い技術者さんに頼まれて、一緒に県も応援しようと思って頑張ってきたら、干されるわけだから。何で余分なことやっているんだと、こんな新しいことやるなみたいな感じで。彼はさんざん上司に怒られながらも、経産局に何度も何度も出てきた技術者と一緒に通って、補助金を取るために努力をしたわけですよね。結局、SUBARUがこの補助金を取れて、アイサイトがうまくいった後で、SUBARUの方から、前の知事を批判するわけじゃないですよ、知事にお礼に行きたいと言ったら、それは実現しないと。だって、知事まで上がってないから。多分、担当課長かなんか分かりませんけれど、そんな必要はないという話でしょ。だから、山本県政においては、こういう古仙さんだけじゃないですよ。やっぱりやる気を持って、いろいろ新しいことをやっている人を止める文化じゃない、とっても象徴的だと思うんですよ。こういう人が結構いっぱいいるからね。だから、そこは山本県政になって、知事は欠点だらけだけど、県庁の雰囲気はそういう意味で言うと、良くなったんじゃないかなと思うし、もうこれ以上は止めますけれど、例えば若手職員のプレゼンも、知事がほとんど聞かないで、最後にコメントするみたいな、ボコボコいじめられて、(意見が)何一つ通らなかった時代から、もう(今では)6時間、7時間もやるわけだから、両方の副知事が入って、外部有識者まで来て。それが1つ1つ実現していくと。こういう文化は山本県政で起こった良いことなんですね。しっかり私は進めていきたいと思いますし、ある意味で言うと、古仙さんにこのエピソードはとても象徴的な出来事なんじゃないかなと思っています。
(宇留賀副知事)
一個だけ追加で、昨日のWBSでもTUMOとの調印のときに、先方からも話があったんですけれども、去年私が(アルメニアに)行ってきたというのは1つ加速化したところの1つのタイミングではあるんです。その前に、担当の鈴木さんという方が、本当にあちら側からも友人だよと言われるぐらい頑張って、粘り強く交渉もするし、譲歩もするし、ということをやっています。昨日のWBSでも、名前が「担当者」としか出ていなかったんですが、実際は彼が本当に頑張ってやってくれて、そういう担当の職員がいいものを作ろうと、群馬県のためにいいものを作ろうと、そういうふうにしているのが徐々にこう見えてきたというのも、この新プロジェクトXもそうですし、WBSでも取り上げていただいたのが非常によかったなと思っています。
(知事)
WBSでも結構長く、その担当の職員が東京の企業にアプローチする姿を撮ってもらって、すごくうれしかったですね。とにかくアルメニアに行った彼は、最初は訳も分からず行って、大変だったんですよ、「え、アルメニア!?」みたいな。30時間ぐらいかけて行って、てんてこ舞いして、「何だかTUMO見てきました!」みたいな感じで。すごい苦労してたけれど、やっぱりアルメニアの人は、ちょっと日本に文化が似ていると思うんだけど、こうやって汗をかいてくれた人をとっても誠実に評価してくれるのね。だから、彼の名前が何度も出たのは、記者さん、とってもうれしかったですよね。今や、彼は本当にTUMO側から信頼されてね。県庁職員は優秀ですよ、特に若い人たちのやる気が生きるような県庁にしていきたいなと、この話を聞きながら、そう思いました。
(記者)
WBSも見たいと思います。
●障害者グループホーム運営会社「恵」について
(記者)
次の案件でですね、障害者グループホームを運営する「恵」に関連して伺いたいと思います。厚生労働省が連座制を適用して、県内の事業所5施設についても2027年から29年にかけて事実上運営できなくなるような方針です。県内の利用者からは「代わりの施設が見つかるのかな」と心配の声も上がっています。県としての対応を伺えればと思います。
(知事)
まずは唐木健康福祉部長の方から。今日は多分最後の会見です。
(健康福祉部長)
今記者さんからお話いただきました事案なんですけれども、厚労省での記者発表資料にも書かれておりましたように、組織ぐるみで行われた不正行為でありまして、障害者の方の人格を尊重する義務に反するもので、極めて不適切であり、遺憾であるというふうに考えております。連座制の適用によりまして、おっしゃられましたとおり、本県の事業所も指定期間の更新というのができなくなりまして、現在の利用者にも影響が及ぶものでございます。
県としましては、まずは利用者の保護が最優先であると考えておりまして、国や市町村等の関係機関との連携や情報共有を緊密に行いながら、利用者が安全で安心な地域生活を継続できるような対応をしてまいりたいと思っております。
今後の具体的な方針ですけれども、国主導での関係自治体の連絡会議が明日にも開催される予定でありますので、そういったところを通じて情報収集をしながら、具体的な対応策というのをしっかり検討してまいりたいと考えております。
(記者)
今後、個別の利用者なんかにもアプローチしてというようなことになってくるんでしょうか。
(健康福祉部長)
今後という意味ではそういう形になろうかなというふうに思います。
●自民党総裁選について
(記者)
先日国会が閉会して、9月の総裁選に向けた発言が多くなっています。河野太郎デジタル担当相が出馬を麻生さんに打診したというような報道もあります。まだ総裁選まで時間ありますが、河野さんの出馬意向を含めて、自民党総裁選への所感があれば伺いたいと思います。
(知事)
前回ここで発言した東京都知事選挙の話が相当なんか波紋を呼んで、何かネットでも相当バズったので、本当に気をつけなきゃいけないと思ってるんですが、言葉を選んで言うと、河野大臣はもう30年を超える盟友であり親友ですし、デジタル担当大臣としても本当に、群馬県は河野大臣にお世話になりました。ワクチンのときもですね、彼が担当大臣だったんですけども、群馬県の大規模接種センターの開設に本当に力を貸してくれたということで、知事としては恩人の1人だと思っていますし、私は以前から日本を立て直すためには、河野太郎大臣のような、突破力と非常に常識にとらわれない感覚を持った人が必要だと思っているので、河野大臣がもし総裁選挙に出られるということであれば、これは知事としては応援せざるを得ないだろうと思っています。
あとは自民党も、いろいろ立派な方々おられるので、堂々と総裁選を行って、何度でも言うように、ちゃんと国民の信頼を取り戻していただきたいと思います。まだいろいろ言いたかったんですけど、もうこのぐらいにしとかないと大変なことになるんで。河野大臣がもし出るってことであれば、もちろん河野大臣を応援したいなと思っています。
(記者)
もうこれくらいとおっしゃったんですけれど、菅前総理は刷新感みたいなお話もされてましたけれども、そこら辺についてはいかがでしょうか。
(知事)
兄貴とはですね、ごめんなさい、菅の兄貴とは1カ月前ぐらいだったかな、2人だけでご飯食べたんで、そのときもいろいろ総裁選の話が出たんですけれども、そのことはあまり触れないようにしたいと思いますので、とにかく、この総裁選を通じて、きちっと国民の信頼を取り戻すような形を作っていただければありがたいと思っています。
●敷島公園新水泳場について
(県土整備部長)
すいません、先ほど保留となった質問に回答させていただきます。230億円の内訳ということで、整備費が約159億円、運営・維持管理費が71億円という内訳でございます。
(記者)
水泳場についてなんですけれども、先ほど概要が発表されました。当初発表していた2028年11月に計画どおり開業予定だというところで今進んでいるということで、知事の受け止めをお聞かせいただければと思います。
(知事)
非常に良い計画がまとまったと思っています。当然、これは県議会でも議論してもらいますけれども、もちろん以前から説明を受けていますし、今日も改めてコンセプトを聞きましたけれども、非常にバランスが取れていると思います。この水泳場自体が、ある意味、日本で初めての水泳場ですし、とにかく周りとの環境といいますか、新しいデザインに沿ったまちづくり(の1つ)みたいな・・・ここから、にぎわいが生まれるようなモデルになっているということで、非常にすばらしいプログラムができました。これをしっかりと県議会で説明して、ご了解を取れるように努力したいと思います。
●障害者グループホーム運営会社「恵」について
(記者)
先ほどの障害者向けグループホーム「恵」の関係で、部長からもお話がありました。この事案を聞いたときの知事の受け止めと、県としてどういうふうに対応していきたいかという知事の思いを聞かせてください。
(知事)
県としては、唐木さんが言ったとおりなんですけれども、あってはならないことですよね。といいますか、非常に強い怒りを感じますね。本当にひどいなという感じです。
(記者)
利用者の方の今後の対応というのが注目されるところなんですけれど、改めて知事から・・・
(知事)
先ほど唐木さんも言ったように、よく状況を見極めながら、県としてできる対応をしていきたいと思います。
(記者)
把握されている範囲でいいんですけれども、県内の対象となる施設の箇所数と入所者といいますか、そこの辺りの数字を教えていただければと思います。
(健康福祉部長)
群馬県内で、株式会社「恵」が運営するグループホームですけれども、全体で5つです。そのうち2つは、前橋市、高崎市が所管するような形になっておりますので、県としては3つです。名前を申し上げますと、「グループホームふわふわ渋川」が定員20名、「グループホームふわふわ伊勢崎赤堀」が定員10名、「MGK Style太田」が定員20名という形になっております。
●桐生市の生活保護受給の問題について
(記者)
桐生市の生活保護についてです。先週21日に県は特別監査の結果を公表して、市に指導されたというところで公表されたと思います。改めてこの特別監査の結果を受けての知事の受け止めからお願いいたします。
(知事)
もうこれ何度も申し上げているとおり、あってはならないことだというふうに思っています。群馬県としては法令に基づいて特別監査をやりましたし、改善が必要な事項についてはしっかり指導を行っています。昨日も例のR高校の話で荒木市長に会ったんですけど、荒木市長も非常に心を痛めてましたし、しっかり対応したいというふうに再三おっしゃってるので。今、第三者委員会できたんですよね、桐生市でね。だからここもしっかり全容解明してもらわなければいけませんけれども、県としても、これからはちゃんとその生活保護業務が適正に行われるように桐生市とも連携しながら、しっかりと指導してまいりたいと思います。
(記者)
今回明らかになった事案の中で個別のことについてお聞きしたいんですけれども、福祉施設に入所する女性をめぐって、施設の職員さんが行方不明の長男の代筆をした上で、扶養届をもとに申請したが却下されたという話っていうのも出てきたと思います。こちらについて書類の偽造というところで、何か違法性とかも指摘されている部分もあるかと思いますのでそちらについては・・・
(健康福祉部長)
今お話いただいた件につきましては、特別監査の中で書類の確認と、現職員へのヒアリングにより実施をしているところでございますけれども、代筆した施設職員を特定できるような記録はなく、桐生市から指示して行ったといったそういった証言というのは得られませんでした。桐生市に対しては金銭的援助の実現性ですね、いくら援助可能なのかというようなことを確認していないという部分は明らかに不適切であるというふうに認められたため、是正改善を求めたところでございます。
(記者)
こちらの個別の事案に対して、知事はいかがでしょうか。
(知事)
今唐木さんが言ったような対応をしていくということだと思います。
(記者)
今回の特別監査というところではですね、例えばあるかどうかは置いといて、桐生市の組織性だったりとか常習性の有無っていうところが肝心なところではあるんですけれども、まだ明らかになっていない部分っていうのも往々にしてあると思います。その調査っていうのが、一応これで一旦一段落ってところだと思いますけれども、それが十分だったのかどうかも含めて今後の県としての対応は・・・
(健康福祉部長)
現時点ではですね、追加の調査を行うというのは予定ではございませんが、今回の特別監査の結果、是正改善を求めた部分につきましては、桐生市には、8月30日までに是正改善報告というのを求めているところでございまして、その是正改善の状況というのを確認しながら、必要な指導というのを行ってまいります。
また、新たな事案が出てくるようであればですね、特別監査の実施を検討いたします。
(記者)
知事は・・・
(知事)
もう今言ったとおりで、まずはちゃんとこの報告を受けてからだと思うんですけども、一応今の時点で唐木さんが言ったように、第2弾やるって決めてませんけど、場合によってはだから、本当に必要があれば、そういうことも検討せざるを得ないと思います。
●敷島公園新水泳場について
(記者)
敷島の水泳場について、ちょっと細かいところなんですけれども、先ほどスライドで純木造という言い方をされていて、この「純」というのは何か定義があるのかその辺りのことと、あと国内最大とおっしゃっているのは、木材の量なのか、規模なのか、そのあたりちょっと丁寧に教えていただけますか。
(県土整備部長)
今回、純木造ということで、屋根架構っていうのがですね、一番上の屋根の部分を支える構造として設けるものなんですね。そこが純木造ですので、今までですと鉄骨なんかも使いながらハイブリットみたいな形で木材を使った建物あるんですけども、この規模の大きさのプールですと、全国初ということです。もっと小さい25メートルプールのようなところではですね、純木造の屋根架構というのが存在してるというところで、今回4,500平米ぐらいの面積になりますので、これはもう日本一っていうことになります。
(記者)
あと、国内最大と言っておられるところも、今の回答で対応できるんでしょうか。要するに、使っている木材の量が多いのか、(それとも)いわゆる規模感なのかっていうところの確認・・・
(県土整備部長)
面積の部分ですね。4,500平方メートルっていうところです。
(記者)
要するに木材を楽しめるというのは、屋根のところっていう、見えるところではですね・・・
(県土整備部長)
今回ですね、1,000立方メートルぐらいの木材を使う予定になっておりまして、屋根の部分に特に900立方メートル。あと100立方メートルはですね、全体の構造といいますか、内壁の部分に木材を使うというところで、100を使うということでトータル1,000立方メートルという数字になります。
(記者)
あと先ほどのご説明で、木材を使うと少し予算規模が上がるかなというお話があったかと思うんですけれども、その辺り何ていうんでしょう、木材を使ったゆえにちょっと(予算が)アップした部分というのはどの程度なんでしょうか。
(県土整備部長)
その部分については明確に申し上げられないんですけども、やはり林業振興ですとか、脱炭素社会の実現というところを我々思っておりまして、このプールの計画で議会等で説明するときもそういうところを目指したいというところと、県産材を積極的に活用したいというところでこういう計画に最終的に落ち着いたと。それで、応札があった社から、純木造というところでかなり我々が思っていた以上の提案があったということであります。
●駐日韓国大使との面談について
(記者)
韓国大使館との面談の件なんですけれども。先ほどご説明であったんですけれども、6月の25日に群馬県の方から韓国大使館の方にお返事をされたということですか。
(知事)
はい。一応向こうから会いたいという正式なご連絡をいただいたので、いろいろと調整をしたけれども結局条件が合わなかったので、それについては、この話をずっとやっていても調整がつかないので、今回は一旦区切りとしましょうという手紙を、やはり向こうからいただいたように、こちらからも出したと、こういうことです。
(記者)
手紙を知事のお名前で出したと・・・
(知事)
私の名前ですね。はい。私の名前で大使あてだと思います。
(記者)
それで、調整がつかないということなんですけれども、何事も対話を重ねていくには、歩み寄ったりしていくということが必要になるのかなと考えているんですけれども。今回、群馬県側がフルオープンにこだわった理由というのはどういった理由なんでしょうか。
(知事)
それはやっぱりフルオープンにしないと、いろんな憶測を呼ぶ、例えばここでも記者さんから「言ったのか、言わないのか」みたいな話が出てくるわけで。この問題のいろいろ経緯等々考えたところで言うと、やっぱりフルオープンでやりとりをさせていただくっていうのが一番誤解がないんじゃないかと思っています。例えば、(報道陣の取材は)冒頭だけで、あとはクローズにして、そのあとこういう話をしましたということが、正確に向こうから発信されるのかということがちょっと確信が持てないので、そういうことであれば、誤解を受けないようにフルオープンでお話をさせていただくと、このことについて何ら私はおかしいことはないと思っています。群馬県には群馬県の立場があり、大使にはおそらく、大使の立場もあるということで、それをしっかりと県民や国民の前でオープンにやりとりをするというのが、最も私は健全じゃないかと思っています。
(記者)
ただ、いろんなやり方があるのかなと考えるんですけれども、例えば冒頭だけオープンで、あとの話し合いはクローズで、そのあとにその共同宣言のような形で、どこまで発表しましょうということで2人で記者会見をするとか、そういうやり方だとかもあったのかなあと。要するに群馬県が他の外国の大使との面談については、そこまでこだわっていないわけですけれども、今回に限ってこだわっておられるというのは、どうしてなのかなというのをもう一度。
(知事)
それは、これまでの経緯があって、例えば外交という分野で言ったときは、非公式のことは外に出ないことになっているわけですよね。私はここで非公式な、例えばその打診があったとか、向こうから話があったということはここで言っていないですし、公式なことを発表するというのが筋であって、非公式なことは普通外に出ないわけですよね。ただこの間、非公式であったかどうかということは明らかにしていませんし、これからも明らかにするつもりはありませんが、そうしたことが本当に守られるかどうかという、残念ながら、確信がないんですよ、これまでの経緯からすると。つまり、非公式なことであっても、外には出てはいけない話が出るとか、あるいはそこで記者さんがおっしゃったように冒頭だけお話をさせていただいて、後でそれぞれ発表すると言ったときに、本当に正確な事実が伝わるのかどうかというところに、残念ながら確信が持てないと。先ほど申し上げたとおり、私は歴史修正主義者でもないし、日韓関係も大事だと思っていますけれども、少なくとも今までのこの問題をめぐるいろんな経緯から考えて、残念ながらクローズにして、本当にこちらの意図が伝わるのかどうか、そういう確信が持てないと。そうであれば、しっかりオープンの場でお互いの意見をちゃんと交わすと。これが最も分かりやすいやり方だと思ったので、そのやり方でぜひやらせていただきたいということをずっと申し上げたんですけれども、相手側はフルオープンは困るということだったので、そこはなかなか調整がつかないということで、一旦区切りをつけましょうということにしたということです。
(記者)
そうすると、あれですかね、そのなかなか信頼を結べなかったということですか。
(知事)
信頼というか、この問題について、例えば、どういう情報が出るかということについて、そこを外交の世界だったら話し合っておくわけですけれど、それについては正直言って信頼が持てませんでした。
(記者)
信頼が持てなかった・・・
(知事)
信頼が持てないというか、そこについては確信が持てなかったんですよ。また不正確な情報が出て、ここで言った言わないみたいな話になるというのはよくないことなので。それならばちゃんとオープンな場でこの話を議論するということについて、おかしい点は全然ないと思うんですよね。県民の声を受けて、国民の声を受けて取材するメディアの皆さんに対してもそうだし、やはり県民や国民に対しても、知事がこの問題でどんな発言をしたのかというのは正確に知ってもらいたいと思いますし、相手側に主張があるんであれば、それもちゃんとオープンに言っていただくというのが最も健全だろうなと。今までのこの問題についての経緯を踏まえて、それが最適だという判断をしたので、それでやらせていただけないかということを丁寧に説明してきたんですけれども、残念ながら、そこで合意ができなかったということです。
(記者)
韓国大使の方なんですけれども、現在のユン大使の交代が言われていまして、ちょうどそのタイミングに重なるわけですけれども、その人事は影響してるんでしょうか。
(知事)
それは全く影響していません。まず、今の韓国大使が代わられるということは全然知らなかったし、最近報道で新しい大使になるということを知ったので、そのこととこのことは関係ありません。
(記者)
知事としてはということ、群馬県側としては・・・
(知事)
群馬県としても、知事としても、この判断について今の大使が代わられるからみたいなことが影響したということはありません。
(記者)
1月末に行政代執行で朝鮮人追悼碑を撤去した前後からの話になるわけですけれども、韓国大使館の方から正式にお話が来て、話し合いをしたいと言うことを結果的にその話の内容をお聞きできなかったということについてはどのように受け止めておられますか。
(知事)
それは、ちょっと何を意図してそれをお聞きになっているのかというのが分からないのですけれども、それはご主張があるんであれば、ぜひご主張していただければと思いますが、それをクローズにする必要はないと思います。もし向こうも伝えたいことが大使としてあるのであれば、オープンな場で誤解のないようにしっかり伝えていただければよかったんじゃないかなと思っています。
(記者)
今の質問が少し足りなかったようなので補足しますと、つまり結局、大使館側が何をお伝えしたかったのかということを聞かずじまいで、この問題、交渉が終わってしまうことについて知事としてはどのように受け止めておられますか
(知事)
それは先ほど申し上げたとおり、今の大使に残念ながらお目にかかれないということが、これからの群馬県と韓国の関係に影響を与えると私は思っていません。
(記者)
大使の関係でのやりとりの中で、県の立場は冒頭から説明があったんですけれど、もし面談した後に、向こうの韓国大使館側のブリーフや情報提供に、ちょっと信頼が持てなかったというところは、もしかすると礼を失するような指摘になるんじゃないかと思ったんですけれど、そこら辺は、韓国大使館側のメディアへの情報提供が不透明な部分があるということでいいのでしょうか。
(知事)
それは礼を失するという話ではないと思います。知事として、この問題の経緯をずっとウォッチしていく中で、その点については残念ながら確信が持てなかったということを申し上げたのであって、それを言うことが別に外交的に礼を失しているということは思えません。この問題は、今までの経緯もあって、記者さんもここでいろいろとご質問をされていましたけれども、この問題について、知事として発言するときには、やっぱり県民の皆さんに誤解があってはいけないわけですよ。知事としての立場、県としての立場を正確にしっかり伝えたいという中で、その情報をちゃんと県民の皆さんに伝えるためには、やっぱりオープンなのが一番いいし、あるいは韓国大使の方でご意見があるならば、そこはオープンの中でやっていただくのが、私は一番いいと思っています。
●自民党総裁選について
(記者)
河野太郎大臣の関係で、もし出馬する場合には応援するし、菅前総理と総裁選について何らかの話をやりとりされたということで、知事と河野大臣との間では、総裁選について何か、最近(お話されたことは・・・)
(知事)
まずは記者さんに正式に申し上げますけれど、菅前総理と総裁選挙について話をしたとは言っていないので、菅前総理といろいろとお話をしたというのは、別に総裁選挙のことではないですから、それはまず訂正させてください。いろんなことについて意見交換をしたという話をちょっとしただけなので、そこは別に総裁選挙について話をしたというわけではありません。河野太郎大臣の場合は、先ほどふわっと言ったんですけれど、まだよく状況もわからないので、これからどうなるかということもわからないんですが、万が一、河野大臣が自民党総裁選挙に出るということになったときは、やはり私の盟友で、親友ですから、しかも、彼にはやはり日本のリーダーになってほしいと思っているので、そういう意味で言うと、政治家としては応援したいという、そういう強い気持ちを持っているということです。そのことについて、河野大臣と話したことは1回もありません。
●障害者グループホーム運営会社恵について
(記者)
恵グループの関係で、部長に再度お尋ねできたらと思うんですけれど、まだいらっしゃったら・・・
(知事)
唐木さんいますか。
(記者)
そうしましたら、後で結構です。
(知事)
いや、何かあったら言っていただければ、ちゃんと唐木さんに伝えて、担当部から答えさせますから。唐木さん、次の公務が入っちゃったみたいなので、申し訳ないです。
●駐日韓国大使との面談について
(記者)
韓国大使の話なんですけれども、今回その大使との面談というところに一つ区切りを設けられたという、面談をしないということで、(韓国大使側にも)お伝えになったということで、今後、何か別の形で、どのようにコンタクトを取られるかというのは現時点で決められていますか。
(知事)
よくわかりませんけれど、さっきお話があったように、報道によると、ご本人が離任されるということなんですけれども、これは将来にわたって、例えば韓国大使と会わないとか、韓国大使館と知事が会わないということではありません。今回のことについては、先ほど申し上げたとおり、今までのいろんな経緯を踏まえて、お互いに会談をすることの方法について、調整がつかなかったということで、これは一区切りつけましょうということになったということで、別に未来永劫韓国大使に会わないということではありません。
何度も言うように、日韓関係は大事だと思っていますし、また何か機会があって、新しい韓国大使が来られるみたいなことがあって、お目にかかる機会があれば、また会うこともあるかもしれません。
(記者)
今後、韓国との関係に、今回のことが悪影響を及ぼすことはないと考えるというお話だったんですけれども、それはどういったところからそのようにお感じになられていますか。
(知事)
特に外交問題にもなっていませんし、お互いに韓国大使館と群馬県側で、どういう形で会うかということに合意をすれば、会ったわけなので、だから、それそれでちょっと立場の違いがありましたけれども、先ほど申し上げたとおり、韓国との関係を軽視しているということではありません。ですから、特に問題はないと思っています。
それでは最後に知事の方から、県民の皆さんに少しお話をさせていただければと思います。今日ですね、熱中症対策のことをお話しました。皆さん、もう毎年、毎年、何て言うんでしょうか、猛暑がひどくなってくるみたいな、これも地球温暖化の影響があるかどうかわかんないんですけども、我々はこの夏も大変心配をしています。今日申し上げたんですけども、こまめな水分補給、エアコンを使わないっていうか、我慢するというのをやめていただくとか、ちゃんと休憩と睡眠をとっていただくっていう。これですねぜひ県民の皆さん、これ頭に置いていただいて、熱中症に気を付けていただきたいというふうに思います。急に暑くなると本当に、特に高齢者を中心に熱中症が増えるので、少しでもそういうことがないようにですね、県としてもこれからもいろんな呼びかけをしていきたいと思いますが、そのことだけあらためて最後に知事としてお願いをしたいと思います。
今日もちょっと最後の質問が長くなったので、1時間過ぎてしまいましたがメディアの皆さんには、最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。これにて定例会見を終わりたいと思います。
( 以上で終了 )
文章中の()内については、メディアプロモーション課において加筆したものです。