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第2回定例記者会見要旨(4月13日)

更新日:2022年4月14日 印刷ページ表示
  • 日時 令和4年4月13日(水曜日)午後3時00分~4時10分
  • 会場 記者会見室
  • 出席者 県:知事、副知事ほか
    記者:記者クラブ所属記者等 16人
  • 記録作成 メディアプロモーション課(報道係)

 令和4年4月13日定例記者会見動画(You Tube)<外部リンク>

 モニター資料(PDFファイル:1012KB)

知事冒頭発言

発表項目

1.民間ノウハウを活用した選挙授業について
2.定例記者会見発表項目について
3.直近の感染状況について
4.愛郷ぐんまプロジェクトについて
5.八ッ場発電所の一般見学開始について

質疑応答はこちらをクリック

1.民間ノウハウを活用した選挙授業について

 それでは、定例会見を始めさせていただきたいと思います。
 本日は、会見に先立ち、群馬の未来を築いていく若い世代に、もっと政治や選挙に関心を持ってもらうための取り組みを発表させていただきたいと思います。

 民間企業と連携をして、そのノウハウを活用した選挙授業を群馬県で実施することになりました。
 題して「笑える!政治教育ショーin群馬」ということになります。本日は、この授業を行う「株式会社笑下村塾(しょうかそんじゅく)」を設立した「たかまつなな」さんにオンラインでご参加いただいております。また、共同代表を務める相川美菜子さんには、今日会場にお越しいただきました。相川さんありがとうございます。
 たかまつななさんは、皆さんご存知のとおり、お笑い芸人です。それと同時に、時事YouTuberとして、今若者に社会問題を分かりやすく伝える活動を続けているジャーナリストでもあります。

 スライドをご覧ください。
 たかまつななさんが設立したこの笑下村塾ですが、お笑い芸人による主権者教育とかSDGsなどの授業や研修を全国で展開されています。前回の参議院議員選挙のときに発信した投票啓発動画「若者よ、選挙に行くな」という作品がSNSで話題となるなど、主権者教育について豊富な実績とノウハウを持つ団体だと認識しています。
 昨年12月には、実はたかまつさんと直接お会いし、意見交換させていただいたんですけれども、その際、笑下村塾が行う主権者教育の理念とか活動に対して、たいへん私は感銘を受けました。
 群馬県では、私が知事に就任して以降、教育イノベーションプロジェクトを推進しております。自らの頭で未来を考え、動き出し、生き抜く力を持った、いわゆる始動人の育成に取り組んでおります。笑下村塾が行う若者の主権者意識を高める活動は、群馬県が目指す始動人の育成と同じ方向性を持っていると捉えています。
 こうしたことから、今年度県内の高校3年生を対象に、選挙出前授業を笑下村塾と連携して実施させていただくことにしました。

 次のスライドをご覧ください。
 実施内容の詳細は、この後たかまつななさんからご説明いただきますが、コミュニケーションのプロであるお笑い芸人の皆さんが講師となって、高校生が政治社会問題を自分ごととして考えるきっかけにしたいと考えています。
 具体的には、ロールプレイやクイズを通じて楽しみながら学習することで、若者の政治参加の意識を高めていきたいと考えています。その先が、始動人の育成にも繋がっていくのではないかと感じています。
 初回ですが、4月21日に、利根実業高校で授業を行います。その後、県内すべての高等学校での実施を目指していきたいと考えています。
それでは、たかまつななさんからご説明いただきたいと思います。今日は、モニターでご登場いただきますが、それではたかまつさん、よろしくお願いいたします。

(たかまつさん)
 皆さまごきげんよう、たかまつななです。よろしくお願いします。
 山本知事から、昨年末に電話をいただきました。「YouTubeを見ました。主権者教育に力を入れていきたいから、今後力を貸して欲しい」そう言われて、私自身驚きました。
 それからすぐに、群馬県庁に行ってお話させていただきました。群馬県では、人口減少していたり、課題が山積するなか、今も群馬を変えるための人材育成が欠かせない。そのために、自ら考えて行動する始動人を育成したいというお話でした。
 それは、まさに社会課題を解決する変革者を作りたいと考えている私達笑下村塾にとって、目指す未来は同じということで、今回タッグを組ませていただくことになりました。

 私たち笑下村塾は、日本で唯一の主権者教育を専門とした会社です。私が大学院生の時に18歳選挙権が導入されたことをきっかけに会社を作りました。それから6年が経ちました。出張授業を、私たちは全国で6万人以上の方に実施してきました。
 主権者教育の現場の課題、どうすれば効果的なのか、海外視察や取材、各省庁とか政治家の方との意見交換など、様々なことを私たちはしていきました。ノウハウが笑下村塾にはたくさんあります。
 ですが、このようなNPOや株式会社も主権者教育は、なかなかお金にならないという理由から、撤退していきました。ついに笑下村塾が日本で唯一の主権者教育の会社になってしまいました。全国規模で行っているのが、弊社だけになってしまいました。日本から主権者教育を閉ざしてしまっては駄目だ、そう思い、私たちはがむしゃらに動いてきました。
 例えば、若者の政治参加が高いスウェーデンでは、国が若者団体に、年間37億円ほど支援し、主権者教育を支えています。主権者教育が盛んな国では、税金が使われ、主権者としての意識を育成することが大切だという理解が社会にあります。このように、主権者教育においては、行政と民間の大規模な連携が少ない中、本プロジェクトは、日本での先駆けとなります。このように、民間企業と行政が連携して、県内の全部の高校を対象にするというものは今までで初めての取り組みになると思います。
 このままでは、子供たちにツケをたくさん回してしまう。だからこそ、今の社会課題を解決していく、変えていくことが大切だと私たちは考えています。まさにこれは、始動人の育成です。
 今、私は海外の主権者教育の現状を取材するためにイギリスに来ているんですけども、それがヨーロッパでも重視されていることを知りました。OECD(経済協力開発機構)では、エージェンシー教育という、「変化を起こすために行動する力の育成」が注目されています。日本では、4月から高校で「公共」が必修化されました。主権者教育の実施が注目されています。そのような「公共」の先行モデルにもなれるように頑張りたいと思っています。「笑える!政治教育ショーin群馬」が、日本を先駆けするような主権者教育の成功モデルとなり、それが他の自治体に広がり、全国に広がること、世界でも参考にされるようになるように、努力いたします。

 また、主権者教育は、何が効果的なのかという計量分析の研究が少なく、アカデミックアプローチも少ないのが現状です。今回は、研究者を交えて効果検証を行うことで、今後の日本の主権者教育にも役立てると考えています。
 ぜひ、日本の先行モデルとなるような主権者教育を群馬から作り出す。このことを応援していただければと思っております。どうぞよろしくお願いします。

(知事)
 たかまつさんありがとうございました。
 先ほど、たかまつさんが「知事から連絡があった」という話をしたんですけども、実はたかまつななさんと竹中平蔵先生の対談のYouTubeを見て、こんなに元気でこんなに意味のあることをやっているたかまつさんに会いたいと思って、すぐこちらから連絡をさせていただいたら、ご本人がすぐ電話に出て、しかもものすごいスピードで群馬県にも来ていただいたということで、ぜひたかまつさんと協力して、相川さんとも協力して、このプロジェクトを、これだけの規模でやるのは全国で初めてですけれども、成功させたいと思っています。
 今年は7月に参議院選挙があります。また来年には、地方統一選挙があります。高校生が、やはり自分と社会との関わりを考える第一歩として絶好の機会になるんじゃないかと思っています。この取り組みが、選挙での若者の投票率向上に繋がることを期待しています。

 それでは、今回の事業に関する質問を一旦受けさせてもらいますが、その前に(相川さんから)何か一言ありますか。

(相川さん)
 皆さま本日はありがとうございます。このような場が持てたことを本当に嬉しいと思っております。今のお話の中で、主権者教育という少し難しい聞き慣れない言葉も、何度かさせていただいたんですけれども、実際の高校での授業は、我々の授業の最大の特徴でもある、お笑い芸人さんが授業を行うというところにあります。
 なので、難しい言葉は極力使わず、分かりやすく、自分ごとにできるような、楽しい政治の授業、選挙の大切さを知ってもらえる授業をさせていただきます。
 実際にテレビに出ているような芸人さんが、自分の学校に来て、政治の授業をやってくれることは、なかなかない経験だと思います。そういった、ドキドキわくわくするような思い出に残るような授業を通して、たくさんの高校生に、社会問題を自分ごととして考えてもらって、そして社会の課題解決のためのアクションをとってもらうようなことが実際にできればいいなと思いますので、精一杯サポートしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

(知事)
 ありがとうございました。
 それでは、今回の事業に関する質問をここで一旦受付させていただきたいと思いますが、たかまつさんまたは相川さんに何か質問のある方はいらっしゃいますでしょうか。

(記者)
 今回、効果検証の実施というところの欄も拝見したんですけれども、まず初めてされるというところの学生さんのアンケートなのか、それを元にどういった形で最終的にこの効果を見ていくのかという点を教えてください。

(知事)
 これは、たかまつさんからお願いします。

(たかまつさん)
 今回、効果検証は関西学院大学の法学部教授の善教将大(ぜんきょうまさひろ)さんにお願いします。お願いさせてもらった理由としては、政治意識調査の計量分析の専門家であること。あとは行政との連携を、すでにたくさんされていて知見があるので、善教先生にお願いさせていただきました。
 主権者教育の今までの先行研究としては、こういうことをやっていますというような、実践の事例紹介は非常に多くて、計量分析をしているというものが、日本国内ではものすごく少ないということから、今回は統計的に数字をもとにそれを見ていくことが大事だと考えて、私たちはそのような大規模調査をします。
 やり方としては、4回ほど調査をします。まず5月ごろ、1回目の意識調査をさせていただき、ちょっと時期についてはずれ込む可能性があります。7月の前までに、できる限り授業を実施して、授業実施数日後とかに、また調査をします。そして、選挙後に、また(調査を)実施して、秋頃にもう1回(調査を)実施するというような形で、合計4回ほど(調査を)実施して、(授業を)実施していない学校、選挙後に(授業を)実施した学校、選挙前に(授業を)した学校でどのぐらい、例えば差異分析ですね、差を出して、効果があるのかということを研究したりですとか、そのような形で考えております。
 善教先生に、実際にそれがどのような効果があるのかということを、年度末までにまとめていただき、関西学院大学と私たち笑下村塾と群馬県でシェアして、今後の主権者教育の改善につなげていくということをさせていただきたいと思っています。
そこまで大きいものは善教先生によると、世界的にも少ないんじゃないかというような、効果検証としては、そのようなものになる予定です。

 質問の方法としては、QRコードを生徒の皆さんにお渡しして、それをタブレットから読み込んでいただいて回答していただきます。個人情報が分からないような形で回答をしていただくというような予定です。生年月日は、18歳以上かどうかという判断をするために、教えていただく予定なんですけれども、個人情報は一切分からないような形で、今まで選挙に行ったことあるかとか、どのような学習を受けてきたかということですとか、それで政治的意識の関心とかが高まったのかということなどを、質問を踏まえて、それを選択していただくような形で回答していただくという予定です。

(記者)
 対象となる学生の方なんですけれども、高校生は1年生から、すべての学年が対象になるのでしょうか。

(たかまつさん)
 高校3年生です。

(記者)
 例の中で、1つ挙げていただいているんですけれども、授業で実際に使われる教材としてというところで、1つ具体的な例などを挙げていただけると幸いです。

(たかまつさん)
 私たちは、楽しく授業するということを心がけています。
 中でも1つ「逆転投票シミュレーションゲーム」というものをやります。これはロールプレイングゲームなんですけれども、各世代、例えば、あなたは高校生役ですとか、あなたはおばあちゃん役です、みたいな形で役割になりきっていただくということをします。その役割になりきっていただいた上で、最初はみんな同じ100ポイントなんですけれども、その後、それぞれ人口のポイントに変わって、最後に選挙に行くかどうか、各世代が影響力ポイントで計算をし直します。そうすると、結果が逆転してしまうことがよくあるんですけれども、それを体感していただいて、やはり選挙に行くか行かないかというので「自分の1票なんて意味がない」と感じる方もたくさんいらっしゃると思うんですけれども、その1票の積み重ねというものは、大きな力があるということを実感していただくゲームです。
 あるいは、私たちが社会を変えるためにはどういうことをすればいいのか、これは群馬県と今回一緒にやるにあたって、新しく開発したものなんですけれども、やはり政治参加とか社会を変えるということは、選挙だけではありません。なので、ワークショップですね、今まで10代で社会を動かしてきた人の事例をいくつか見ることによって、皆さんに、今どういうことを自分の中で変えたいと思っているのか、そのためにどういう方法があるのか考えてもらい、それを宣言してもらう。「私が社会を変えるには」という宣言をしていただくことも考えています。
 (選挙授業が)90分の学校では、悪い政治家を見抜く人狼ゲームというゲームもあります。これは、子供たちで大人気の人狼ゲームをモチーフにしていまして、悪い秘書役という人がいるんですけれども、その人が世論を誘導していくというようなゲームになっていまして、悪い政治家が誰かということをみんなで見抜くというようなゲームとなっています。
 これは人狼の心理戦を用いたようなゲームでして、実際の選挙のときも、政治家の人柄と政策の2つを見ると思うんですけれども、人狼ゲームは、やはりそういうもので、論理的に見ていく人と、何かあの人怪しいよねという人が両方いるんですけれども、そんな子供たちが話すことによって、政治を話すことを楽しいと思っていただくことをとても大事にしているのと、政治の知識がない人でも話せる、普通の学校のディスカッションとかだと、意見を持っている、例えば優等生で知識を持っている子が多く話し、そうでない子は話しにくいというのはあると思うんですけれども、人狼ゲームを使うことによって、皆が政治について話す敷居を下げることを意識しています。
 だいたいこのようなゲームやワークショップを組み合わせて、45分から90分の授業、学校によってそれはカスタマイズして実施させていただきます。

(記者)
 知事にお伺いしたいんですけれども、今回の実際の授業を通じて、例えば群馬県としての数値目標ではないですけれども、少なくともこれぐらいは実際に変わっていく、もしくは意識として上げていきたいというようなものの目標値はありますでしょうか。

(知事)
 とにかく初めてのことなので、いろいろこれからご相談しながら、連携しながらやっていくんですが、基本的には、例えば投票率がどのくらい上がるかとか、いろいろな指標もあると思うので、笑下村塾の皆さんやたかまつさんや相川さんともよくご相談しながら、考えていきたいと思います。

(記者)
 相川代表と山本知事に1つずつお聞きしたいんですけれども、まず相川代表(からお願いします)。
 先ほど、テレビに出ている芸人さんが学校に直接行ってというお話だったんですけれども、笑下村塾には、今何名ほど芸人さんがいらっしゃって、群馬の全高校目指すということなんですけれども、内容だったり、来てくれる芸人さんは、同じ方なのかそれとも毎回違う方が来てくださるのか、今のお考えをお願いいたします。

(相川さん)
 弊社に所属している芸人さんというのはいらっしゃらなくて、うちは吉本さんだったりとか松竹さんみたいな、いろいろな芸能事務所さんとやりとりをしていて、そこに所属している芸人さんに(高校へ)行っていただく形になります。
 今のところ、10組から20組ぐらいの方に(高校へ)行っていただく予定です。ただ、他にも、いろいろこれから今後声かけをさせていただいて、新たに、初めて参加するような芸人さんがいらっしゃったりということはあると思います。

(記者)
 どの芸人さんが来るかというのは、その時の楽しみにしていただいてということですか。

(相川さん)
 楽しみにしてもらえるとうれしいです。

(記者)
 知事に1つ伺いたいんですけれども、県の選挙管理委員会の方も10年ぐらい前から、主権者教育にすごい力を入れていて、コンソーシアムを立ち上げたりだとか模擬投票をやったりだとか、すごい分かりやすく出前授業をされていると思うんですけれども、改めてこういう専門の笑下村塾のような民間業者に委託して主権者教育をするということについて、決断したお気持ちというか、経緯について、もう一度お願いいたします。

(知事)
 県の方でも、例えば今言った選管も、随分一生懸命主権者教育に取り組んでいただいているし、それから県議会の方も「GACHI高校生×県議会議員」みたいなことをやって、若い世代からいろいろな意見を聞いて努力をしていただいているので、それはそれで、もちろん意味のあることだと思うんですけれども、本当に若者の政治参加意識を上げ、投票率を上げるということで言うと、やはり、たかまつななさんがやっていることは、とても画期的だと思うんですよね。
 彼女の書いた本を読ませていただいたんですけれども、SDGs等も含めて、分かりやすく若者に伝えるということについて言うと、コミュニケーションのプロであるお笑い芸人の皆さんが直接参加することによって、選管がやっているのとはまた違う効果があると感じました。
 それから、知事として、やはり投票率を上げたい、特に若者の政治参加をもっともっと増やしたいと。これはもう当選した直後から思っていたことなので、そういう意味では、先ほど言ったように、たかまつななさんのことは知っていましたが、YouTubeでたかまつさんの対談を見て、この人の力を借りたいと思って、今回のプロジェクトが実現したということです。

(記者)
 たかまつさんにお伺いします、今回その都道府県と連携するのは初めてということで、普段、ご自身たちの笑下村塾で活動するだけではなく、今回のように、行政と連携することでしかできないことだったりその意義みたいな部分について教えていただきたいです。

(たかまつさん)
 主権者教育とか若者の投票率を上げたいと思って本気の自治体だとか、政治家の方、政党の方も含めて私たち本当にいろんな方と意見交換してきたんですけども、山本知事がここまで本気なのに正直驚いています。
 というのは、やはり若者投票率が上がっても、実質、すぐに得しないからですよね。自分が選挙でそれですごい受かりやすくなるわけでもないですし、若者の人口が少ない中で、直接的なメリットを受ける人というのは実は政治家の方はほとんどいなくて、そんな中、若者の投票率を上げたいというふうにまず同意してくださったという方が、私たちはもうずっとやりたかったんですけども、本当にそういうことを本気で考えていらっしゃる方というのが、なかなかいらっしゃらなかったというところが1つあります。
 そんな中やっぱり全体として協力し、実施できることで、効果検証をここまで大規模にできるというのは、これ本当に、結果によっては、世界的なデータを見れるというところを事業分析をここまでやるというのは、たとえ上手くいかなかったとしても、若者の政治意識をここまでしっかりと取るということは、ないので、日本全体の主権者教育の向上に繋がるというところがやっぱり大きなところとしてあります。
 あとはですね、私たちは、これまでボランティアで行ったりすることもあったんですけど、なかなか持続可能性というものが、今まで、正直なかったんですけども、やっぱり予算がつくということで、持続可能的に。やっぱり地方の県立高校って、お金がないということを理由に、私たちとしてもできる限り行けるようにクラウドファンディングとかを実施したりしてたんですけども、一部お断りしていたのが実情ですが、本当は地方の、そういう主権者教育とかがあまり受けられないような、外部講師とかが来ないような学校にこそ、私たちはやっぱり届けたいと思っていたので、今回その心配をすることがなくなったっていうのは、1つ大きなところだと思います。
 やっぱり私たちは1回の授業で、茨城県の学校なんですけども、投票率が84%に90分の授業で上がったという実績を持っていまして、幅広くやればそこの自治体の投票率を上げるということは、今までずっとできると考えていたので、今回、日本の先行モデルとなるような、数値の結果が出たら、他自治体とか、日本全国でもこれをやろうという動き、機運というのは絶対出てくると思うので、私は、群馬から若者投票率とか若者政治参加が日本一を目指して、それを全国に広げるというようなところまで持っていけるといいなと考えています。
 ただ、子供の主権者教育っていうのはすごく時間もかかることなので、これは1年で結果がどうのこうのというよりも、7月時点で誕生日を迎えてる人って高校3年生でも、3分の1とか4分の1ぐらいしかいないので、投票率という目に見える形では少ないと思うんですけども、5年後とか、やっぱり群馬ってずっと若者の政治参加に力を入れてきて、始動人の育成という教育イノベーションをすごいやってきたから、だからこんな効果が出たよねというようなもので、やっぱ教育はこのくらい時間がかかるものだと私は思っています。
(知事)
 せっかくですので最後に写真撮影をさせていただきたいと思います。
―写真撮影―

 これでこの笑下村塾の部分を終わりたいと思いますけども、たかまつさん、わざわざありがとうございました、イギリスから。

(たかまつさん)
 ありがとうございました。皆さんありがとうございました。

(知事)
 群馬の独自モデルになるようないいプロジェクトにしたいと思うので、よろしくお願いします。楽しみにしてます。

2.定例記者会見発表項目について

 笑下村塾のことについて、記者の皆さんにもずいぶん興味を持っていただいたので、思ったより長くなってしまいましたが、ここからですね、定例会見の発表項目に移りたいと思います。

 スライドをご覧ください。主な項目です。
 新型コロナの直近の感染状況、愛郷ぐんまプロジェクト、それから八ッ場発電所プロジェクションマッピングについて、今日は発表したいと思います。

 3.直近の感染状況について

 まずは、直近の感染状況です。スライドをご覧ください。
 直近1週間の新規感染者数ですが、本日の583人を含めて、3,592人ということになりました。
 先週の3,845人から減少していますけども、依然として高止まりの状況が続いています。

 続いて、客観的な数値です。スライドをご覧ください。
 まず上段の感染状況ですが、1日当たりの新規感染者数は517.6人ということで、前回値よりやや下がっているぐらいです。
 それから(2)の経路不明の割合は56.5%ということで、前回値とほぼ同じ。
 それから(3)の陽性率、検査の陽性率は40.7%で、これもほとんど同じです。
 (4)の今週先週比ですが、1.0を下回っているということです。

 続いて、下段の医療提供体制についてご報告いたします。
 (1)の病床使用率は30.8%ということで、前回よりちょっと下がったんですがなかなか3割を切らない状況が続いています。
 (2)の重症病床使用率は、前回の5.4%から減って、0%というところまで下がりました。

 なおこの1週間で新たに9名の方が亡くなっております。謹んで哀悼の意を表するとともに、ご遺族の皆さまに心からのお悔やみを申し上げたいと思います。

 続いて感染者の年代です。スライドをご覧ください。
 学校の新学期が始まって、11歳以下の割合がやはり増えております。子どもから家庭内に感染が広がる事例も多数見られますので、学校でも引き続き感染対策の徹底をお願いしたいと思います。

 続いて感染者の推定感染経路です。スライドをご覧ください。
 感染経路不明が最も多く、調査中も含めると56%、次いで家庭内感染が32%ということになっています。
 家庭内感染を防ぐことは非常に難しいということで、家庭内にウイルスを持ち込まないよう、大人も子どもも家庭外での感染対策の徹底をお願いしたいと思います。

 続いて感染者のワクチン接種状況です。スライドをご覧ください。
 新規感染者のワクチン接種状況は、未接種の方が36%、2回接種済みの方が43%ということでした。
 スウェーデンの研究だと、新型コロナに感染すると、軽症でも数カ月間は、血栓症のリスクが高くなるということが分かっています。ワクチンの必要性も強く示されておりますので、何度も申し上げますが、未接種の方は、今からでも接種の検討をお願いしたいと思います。
 またワクチンを2回接種していても、6カ月を過ぎると、発症予防効果が大きく低下いたします。この点は知事自身のデータも、お示しをしたところですが、県民の皆さまにはぜひ早めの3回目接種にご協力をお願いしたいと思います。

 続いて療養者の状況です。スライドをご覧ください。
 昨日時点の療養者数は4,572人ということで、若干ですけども減少しています。

 続いて入院されている方の症状です。スライドをご覧ください。
 入院者の症状ですが、今重症の方はおりません。中等症の割合もですね、減っております。

 続いて入院されている方の年代についてもご報告します。スライドをご覧ください。
 入院者の数は若干減少していますが、やはり年代を見ると60代以上の高齢者の割合がですね、やはり増えてきていることが分かります。

 以上が、直近の感染状況です。

 4月の年度替わりはですね、研修、会議、人が集まる機会も多いと思います。軽い発熱や倦怠感など、少しでも体調が悪ければ、外出を控えていただきたい。かかりつけ医等に電話でご相談をいただきたいと思っています。引き続き、感染防止対策の徹底をお願いしたいと思います。

4.愛郷ぐんまプロジェクトについて

 続いて愛郷ぐんまプロジェクトについてご報告をいたします。
 地域ブロック単位への対象拡大について、新たに対象地域が増えました。この点、ご報告を申し上げたいと思います。

 4月11日の月曜日から、栃木県・長野県にお住まいの方も、愛郷ぐんまプロジェクトの割引対象に追加をさせていただきました。これで、隣接県及び地域ブロック内の8県との相互利用が可能となったということです。

 次のスライドをご覧ください。
 割引内容については変更ありません。
 なお、今回追加となった県が実施を予定している県民割の事業については、それぞれの県のホームページをご確認いただきたいと思います。
 以上が愛郷ぐんまプロジェクトについてです。

 NHKが毎日発表している、都道府県別の直近1週間の人口10万人当たりの感染者数というのがありますけども、これによると、12日時点での群馬県の全国順位は36位となっています。お昼ぐらいに書いたブログでもちょっと触れたんですが、(本県は)首都圏では最も低い位置を維持しております。
 一方全国の状況を見ると、過去最高の感染者数を記録している都道府県もあります。
 今後、第7波にさらされたとしても、前回の会見で申し上げましたが、私としては極力地域経済を回し続けたいと、このように考えております。
 愛郷ぐんまプロジェクトについても、前回も記者の方々からご質問ありましたが、最後までやり遂げられるように、今取り組んでおります。
 昨日ですが、斉藤国交大臣が記者会見で、都道府県内などの旅行代金を割り引く県民割について、期間の延長ができるように調整を進めているというご発言をされました。
 一部報道によると、今月28日の宿泊分までとなっている利用期限を、5月末まで延長する方向だと言われております。
 県への通知など具体的な話はまだ来ておりませんが、それをよく踏まえてですね、今後県としての対応を検討してまいりたいと考えております。

5.八ッ場発電所の一般見学開始について

 最後に、八ッ場発電所の一般見学開始についても、報告をしたいと思います。
 八ッ場発電所は、吾妻郡長野原町にある八ッ場ダムの放流水を利用したダム式発電所です。再生可能エネルギーの導入促進と、県内エネルギー自給率の向上を目的に、群馬県企業局が建設し、昨年4月に運転を開始しています。
 こうした重要な施設を県民の皆さまにも知っていただくために、4月22日の金曜日から、八ッ場発電所の一般公開を開始することといたしました。
 公開にあたってはここにありますが、実際の発電機にプロジェクションマッピングを投影し、水力発電の仕組みを分かりやすく解説しております。
 これ水力発電としては全国初の取組です。

 続いてですね、見学の方法等についてもご説明させてください。スライドをご覧ください。
 まず、見学の対象は小学生以上ということで、所要時間は約30分ということになります。1日当たり5回実施をいたします。
 見学ができる日は、毎週金曜日から月曜日までの4日間と祝日ということにさせていただきます。なお年末年始は除きます。
 入場は無料です。
 事前の予約は不要ですので、当日に現地でですね、受け付けをいただきたいと思っています。
 施設には段差などもありますので、歩きやすい靴、服装でお越しいただければ幸いです。
 また、新型コロナの感染状況によっては、見学を中止する場合もあります。
 詳しくは群馬県企業局のホームページをご覧いただきたいと思います。

 今回、八ッ場ダムの周辺観光を進める上で、新しいツールが加わりました。
 私も事前にですね、宇留賀副知事と一緒にプロジェクションマッピングを見てきたんですけども、なかなか見る価値のあるプロジェクションマッピングだなと思っています。
 こうした取り組みによって、さらにこの地域が活性化していくように、今後も努力をしてまいりたいと思います。
 加えてですね、ダム本来の役割はもちろん、群馬県企業局の役割もまだまだ県民の皆さんに伝わっていないところもありますので、この役割、あるいは群馬県吾妻地域の重要性、こうしたものも併せてですね、しっかり発信していければと考えております。

 私からは以上です。
 ここからは記者の皆さんのご質問をお受けしたいと思います。

質疑応答

ワクチン接種の進捗度合いについて

(記者)
 ワクチンに関してというところで大きく3点聞かせていただきます。まず先ほどスライドでもあったんですけども、県内での3回目の接種率というのが51%というのが出ておりましたけども、現状の進捗度合いなどに対して知事としての受け止めというところをお願いいたします。

(知事)
 まずは、山田局長の方から。

(新型コロナワクチン接種推進局長)
 県内の(3回目)接種率については、全国と比べても、かなり高いところに来ていると思います。
 ですが、やはり全国の状況と同じように、なかなか若い人たちの接種が加速度的に増えているというわけではなく、最近、ちょっと増え方がなだらかになっている状況でございます。
 このため、もう一度、広報ですとか、「追加接種促進プロジェクト」などを実施しておりますので、それをもう一度よく周知して、多くの皆さんに(ワクチンを)打っていただけるように、取り組んでまいりたいと思います。

(知事)
 今、山田局長からも話があったんですけど、群馬県の3回目のワクチン接種率は、これはもう全国でもトップクラスだと思うんですね。
 ただ若者の接種率が、やはり2回目と比べてもかなり低い感じで、これはどこの都道府県でもそうだと思うのですが、今、これをとにかく引き上げられるように我々としても努力もしてますし、(本県は)全国に先駆けて、いわゆる「接種インセンティブ」の第2弾の事業も打ち出しておりますので、こういうものを通じて、若者の接種率を上げられるように努力をしていきたいと思います。

(記者)
 今のいただいたお話の中にも若者というお話がありましたけども、例えば20代30代というところの接種率というのは年代別で出てはいらっしゃいますでしょうか。

(新型コロナワクチン接種推進局長)
 4月11日時点の数字ですけれども、20代は33.0%。30代は34.2%ということになっておりまして、20代は全国1位で、30代ですと全国で3位になっております。

(記者)
 重ねて、こちらも分かればというところで教えていただきたいんですが、県営の大規模接種センターの方の最近の稼働率というのは、先ほどなだらかというお話がありましたけどもいかがでしょうか。

(新型コロナワクチン接種推進局長)
 週末、金曜日土曜日が、最も接種される方が多く、県央センターでは、(稼働率について)大体6割ぐらいの稼働率です。
 東毛の方はですね、規模もそんなに大きくないということもあって、8割9割という状況です。
 一方、平日については、3割くらい、あるいはもう少し低い日もある状況です。
 接種者がだいぶ減ってきているなというような印象を受けております。

(記者)
 平日の3割というのは県央、東毛ともに3割ほどということでしょうか。

(新型コロナワクチン接種推進局長)
 大体同じような感じです。

(記者)
 今やはりなかなか若者っていう点であったり、平日と休日でなかなか動きが鈍い点もあるということがありましたけども、3回目のインセンティブというところに関してなんですが、今応募の事業というのをしてらっしゃいますけども、1回目と2回目の事業を比較して、その応募状況というのがどのような状況であるか、またさらなる今後の対応というところで考えてるものがあればお聞かせください。

(新型コロナワクチン接種推進局長)
 3月31日現在の状況は、既にリリースでお示ししたんですけど、また近々に中間集計したいと思っております。
 3月末時点の状況は、3月17日から応募受け付けを開始したこともあり、それでも6万417人の方から応募がありました。3回目接種者のうちの16.8%(正しくは14.3%)に上っております。
 昨年のですね、9月末までの2回接種分(前回のインセンティブ)についてなんですけれども、応募数が11万1,283件でした。(応募対象者の)37.8%の方々から応募いただきました。
 ですから今回もですね、既に16.8%(正しくは14.3%)の方から応募いただいていますが、まだ4月30日までに接種された方を対象に、5月末まで応募を受け付けておりますので、まだまだこれから(増加が)期待できるかと思います。
 また(応募者に)アンケートをとってみたところですね、この取り組みによって(接種を)後押しされたという方がだいたい70%ぐらいおりましたので、(この事業が接種率向上に)結構な効果があったかなと思っております。
 具体的な効果については、今後ですね、集計してまた皆さんにご報告したいと思います。

(記者)
 今後のさらなるインセンティブに向けた取り組みに関して、知事の方はいかがでしょうか。

(知事)
 さっき言ったように、また追加でいろんな発表をしていこうと思うんですけども、ここまでかなり頑張ってきたと思うんですよね。
 群馬県が今回第2弾のインセンティブを開始したのも全国に先駆けてのものですし、しかもこれは、ほとんど企業の協賛でやっているというところもポイントで、応募者も増えてますので、この効果をしっかりまず見極めたいと思います。
 ちなみに、既にご存知だと思うんですけども、前回のインセンティブ施策を実施したときには、例えば去年の10月ぐらいの時点で20代から50代まですべて接種率全国1位でした。
 今も20代(の接種率が全国で)1位ですから、若者層にとにかく接種してもらえるように、群馬県が本当にトップを走れるように、しっかりとこの必要性を訴えていければと思っています。

愛郷ぐんまプロジェクト期間延長について

(記者)
 愛郷ぐんまプロジェクトの延長の関係で先ほど今後検討していきたいというお話でしたけれども、基本的には、感染の急激な拡大とかなければ延長、政府が延長するんであれば延長するという方向でよろしいんでしょうか。

(産業経済部長)
 愛郷ぐんまプロジェクトの延長についてはですね、先ほど知事の方からも説明あったとおりですね、まだ全体の枠組みというのが、よくはっきりとこちらも把握できてないんですね。ゴールデンウィークの部分をどうするかとかですね。
 期間は5月中というような新聞報道がありますけれども、開始の時期ですとか、予算の話ですとかですね。そこら辺が、ちょっと状況、いろんな条件がまだない中でですね、現段階では、これとはっきりとしたことはお答えできないんですけども。
 ただ非常に大事な取り組みとしてこれまで群馬県は、愛郷ぐんまプロジェクトを進めてきましたので、県としてもできる限りですね、やっぱり地元、地域の声も聞きながら検討していきたいというふうに考えております。

(知事)
 とにかく、国の枠組みっていうか、国がどういうふうな、制度の話もよく見極めていかなきゃいけないんで、いろいろ総合的に今部長が言ったような形で検討したいと思います。とりあえず今の、再開した部分をしっかりまずはやり遂げたいなと思ってます。

参院選について

(記者)
 あと1点、夏の参院選の関係で先日、連合の候補が立候補を表明してですね、野党系候補、与党系候補と大体構図が固まったような状況ですけれども、参院選に対しての知事の態度なり、考え方をお聞かせください。

(知事)
 参院選についての。国政選挙だから、これはやはりそれぞれの党の候補者の方が、それぞれの政策を訴えて、民意を問うということなんで、これも正々堂々とやっていただければいいんじゃないかということに尽きると思います。

(記者)
 自民党の候補を押したりとか、そういうような、はっきりとした態度を示すようなお考えは今のところないという。

(知事)
 全体の流れで決めたと思いますけど、そうですねいろいろ全体の流れを見て決めたいと思いますが、基本的に私自身が生まれた経緯とか、そういうことをよく考えていただければ大体分かると思うんですけども。
 よく全体を見極めて、行動したいと思います。

新型コロナ感染による死亡者の増加について

(記者)
 感染者の死者数が300人になったということで、最初の100人までは1年ぐらいかかって、次の200人までに9カ月ぐらいかかって、今回2カ月強(の期間)で300人ということで、(死亡者の増加が)加速してる状況があると思うんですが、オミクロン株(の影響)もあるとは思うんですけれども、300人になったということについて受け止めがあったら教えていただけますか。

(知事)
 歌代健康福祉部長から少し分析をお願いします。

(健康福祉部長)
 亡くなられた方が、このところ多くなっている要因としては、やはりオミクロン株の影響で感染者が多くなってるということがございます。
 また、高齢者で基礎疾患をお持ちの方が、感染をきっかけに基礎疾患等も悪化して亡くなるといったケースがございます。
 ですから、今のところ決して、(ウイルスが)強毒化しているということではないんですけれども、やはり基礎疾患のある方など、感染するとかなりリスクが高くなりますので、そういった方の感染をなるべく少なくしていかなければいけないと思ってます。

(知事)
 おっしゃったように、亡くなった方が増えているのは事実なので、今よく健康福祉部に分析をしてもらっていますけども、今のところはまさに歌代部長が言ったとおりで、基礎疾患の多い方がやはり重症化しやすいということなんですけども、ちょっとそこら辺をよく我々もまたフォローしてですね、原因を分析しながら、必要な対応があればしっかり取っていきたいなと思います。

参院選について

(記者)
 先ほど質問のあった夏の参院選に関して、4人の方が立候補の意欲を示してるということで、そうすると、群馬選挙区では、2013年の4人乱立した選挙以来かなと思うんですけれども、その時(知事も)立候補されていたかと思うんですね。
 それで、4人いうのは9年ぶりのことですので、候補者が多数出ることで、票が分散するとか、あるいは野党同士で分裂して、政権批判票が分散するというような、いろんなことがあると思うんですけれども、その当時のことを振り返って、ご所見があったら教えていただけたらと思います。

(知事)
 参議院選挙の情勢について、知事として申し上げるのは適切じゃないと思っています。
 先ほど別の記者さんからどういう対応をとるのかと聞かれましたが、知事として今、どこかの政党に所属しているわけじゃないんですけども、参議院の先輩でもあり、私自民党すごく長かったですから、自公の推薦もおそらく取って出馬される中曽根弘文先生がおられるので、基本的には弘文先生を応援したいと思っていますが、全体の情勢をよく見極めながら、最終的に自分の行動を決めていきたいなと思っています。
 選挙区情勢みたいなことについては、知事として言うのはあまり適切じゃないかなと思っています。

八ッ場発電所プロジェクションマッピングについて

(記者)
 プロジェクションマッピングについてお伺いします。お話を伺った感じだと、何をどこに映し出すのかがよく分からなかったんですけれども、これはどういう形でやられるんですか。

(知事)
 どうぞ、企業管理者から答えてもらいます。

(企業管理者)
 水力発電所の発電機と水車あるいは鉄管の部分のエリアがあるんですが、そこにそれぞれ、例えば鉄管には水が流れ込む映像。水車のところは水車の羽根が回る、水が水車に入って行って回るところ。それと発電機が動くところ。それによって電気が作られると。
 私もその30年弱、電気事業をやってますけども、電気はやはりプロダクトが見えないものですから、なかなか分かりにくいというものを、またその製造課程であまり見えるものじゃないので、そこを可視化したと、そういう内容になってます。

(宇留賀副知事)
 (スライドを見ながら)ちょうどここが、プロジェクションマッピングが出る部分で、これ、水車なんですよ。こっちは発電機なんです。前のページにしていただくと、そこが水が流れてきて水車が回るのと、その水車の動きに応じて発電機が回るというところ。またその奥の方に街があって、この発電機が動くことによって光が灯るような、そういった水車の基本的な原理から発電して街に電気が届くというところを、非常にコンパクトに分かりやすく作られていると思います。

(記者)
 外見で見て分からない内部の動きとかそういうものをプロジェクションマッピングで映し出すことによって、役割がより分かりやすくなるみたいな感じですかね。

(宇留賀副知事)
 おっしゃるとおりです。

(知事)
 それからもう1つは、ダムツーリズムみたいなことも考えています。宇留賀副知事と見てきたんですけども、中島企業管理者に案内してもらって、かなり素晴らしいんですね。
 もちろん今言った、水力発電の役割とか、このダムの役割みたいなものも分かってもらいたいと思うんですけども、ここにね、例えばさっき言った条件のもとで、いろんな人に訪れてもらうことで、いわゆるダムツーリズムの活性化になればと思っているので、そこはいろんな制約があるんですけど、知事として言ってるのは、ダムツーリズムという点で言うと、できる限り、みんなが来たくなるような工夫をこれからやっていって欲しいということをお願いしてます。

豚熱対策について

(記者)
 他県のことで大変恐縮なんですけれども、3月末に栃木でCSFが1件起きて、今日もニュースでやったんですけど、茨城の方でまたCFSがあったと。当然殺処分などのしかるべき処理をとられていると思うんですけれども、群馬県も、知事も何度も会見でおっしゃってますが、非常に養豚県であり、去年何度か案件が発生したところであります。
 それに関連してちょっと質問するんですけれども、県内でも野生イノシシのCSF感染例がいくつか出ているようなんですが、それに関してですね、現在の対策といいましょうか、確か新年度の予算で、緩衝帯を設けるとおっしゃったと思うんですけれども、その対策の現状についてお伺いしたいのと、現状を踏まえてですね、知事のお考えというか受け止めというか、どういうふうに今後していきたいかということについてお聞かせください。

(知事)
 抜本的な対策については過去の会見でもかなり詳しく言ってると思うんですが、それは改めて農政部長から説明させますけれども、今記者さんの言った流れは非常に警戒しています。
 栃木県で、少し前に、1,000頭か1,200頭くらいですよね。今日の茨城が1,000頭ですよね。茨城は初めてですから、やっぱり北関東でこれだけ出ているといういうのは、やはり緊張感を持って受け止めているので、この会見の後に担当部局との会議を緊急で招集したいと思ってまして、現状を把握して、これからさらにどういう対策をやっていったらいいかということは考えますけれども、群馬県は、飼養豚の頭数も、この北関東でというか、本州では一番多いですし、なおかつ赤城南麓に集中しているということでリスクも高いですから、ここはしっかりと気を引き締めていかなければいけないと知事としては感じています。
 畜産課長の方から、対策の中身だけざっと。

(畜産課長)
 昨年度末に抜本的な対策ということで(説明しましたが)、まず1つはですね、農場の衛生管理を向上するということで、防疫についてアドバイスいただける民間の獣医師さんを派遣いたしまして、農場のバイオセキュリティーの向上を図っていきたいと思っております。
 また、2点目はですね、やはりワクチンの関係で、農場の抗体状況をよく把握しまして、農場の方にワクチンの徹底をしていただくということで、そういった農場指導もワクチンの方でもしていきたいと思っております。
 また、3点目は緩衝帯の関係です。これにつきましてはですね、新たに今回、予算を設けまして、農場周辺の地帯に、市町村と相談をいたしまして、イノシシが隠れることができないような緩衝帯をつくりまして、イノシシが農場に近づかないような対策をしていくということになります。

(知事)
 加えて言うと、この間の会見で触れた覚えがあるんですけども、先般、金子原二郎農水大臣にお目にかかってきてですね、特に子豚のワクチン接種については、ワクチンの適切なタイミングというのは農水省もいろいろ研究をされて、一生懸命やっていただいてるんですけども、まだまだ明確な指針が出ていないところがあるので、これをしっかり引き続きご努力をいただきたいと。ぜひ明確な指針を出してくださいということとですね、それから子豚のワクチン2回接種についても、これも科学的にはいろんな見方があるかもしれませんが、これはやっぱり地域によって事情も違うのでね、やはり県の事業によって、少し柔軟に運用させてもらいたいと、このこともですねよくお願いしてきました。
 プラスアルファ、特に群馬県は赤城南麓に集中しているということで、なかなか野生動物の侵入を防ぐのは難しいんですが、例えば小動物が入るとか、そういうことを考えてみると、施設改修するのは大変なんでね、こういうことについても県として、新たな予算の枠組みを考えてくれないかと、こういうこともですね、金子大臣に直訴してまいりました。
 大臣の方からは、前向きに検討したいという、大変力強いお言葉をいただいてます。

障害者福祉について

(記者)
 一昨日ですね、ご病気で全身が動かなくて車椅子で生活されている男性が、前橋市を相手に提訴するという案件がありました。要は、埼玉の所沢市では24時間のヘルパー、介護を受けるための給付金がもらえたのに前橋市ではもらえないという裁判でして、県は裁判の当事者ではありませんので、そこは別として、他の県では望みどおり生活ができていた方が、今、群馬県でそれができないと訴えられていることに関しての受け止めをお聞かせください。

(知事)
 これは、歌代健康福祉部長の方から。

(健康福祉部長)
 この方のサービスの受けられる量については前橋市で決定しておりまして、県の方が、この決定に関与できる仕組みとなっていないんですけれども、市から1度、相談(状況報告)はあったと聞いております。ただ、その後は特に動きもなく、今回訴訟に至ったという状況のようです。
 ですから、現状では市町村の状況に応じて基準があるということだと思います。

(記者)
 知事からもひと言、受け止めをいただいてもいいですか。

(知事)
 実は、あまり(現状では)細かい報告を受けてないんです。このことについて。ちょっとまた改めて、少し事情も確かめたいと思いますけど、今歌代部長の言ったことに現時点では尽きると思います。

(記者)
 県内の障害者福祉に対して、山本知事は、現状から改めたい点とか、何か今、考えていらっしゃることはありますでしょうか。

(知事)
 改めたいというか、バリアフリーというのはものすごく大事なことで、もう記者さんもご存知のとおり、群馬県の「ビジョン」の中にも、「年齢、性別、障害等の有無等にかかわらず、それぞれが思い描く人生を生きて、幸福を実感できる社会」ということを掲げていますので、これは当然、障害者福祉に対してものすごく高い関心を持っておりますし、群馬県でも足りない点はありますから、そういうところを少しでも進められるように、雇用なんかも含めてですね、しっかり注力していきたいと思っています。

定例記者会見のあり方について

(記者)
 以前からお伺いしたいと思っていたことなんですけれども、知事は、この定例記者会見の場をどのような場だとお考えになっていらっしゃいますか。

(知事)
 この定例会見の場はいつも言ってるように、私にとっては真剣勝負の場所だと思ってます。
 それは、知事になったときに、記者クラブの代表の方が会いに来て、記者会見があまりにも少ないと。記者会見をきちっと定例でやって欲しいという申し出もあって、その時にも言ったんですけども、特にこうやって危機が続いてリスクコミュニケーションが重要な状況にもありますから、定例会見はもちろん記者クラブからの要請があってやっていますが、必要に応じてしっかり臨時会見もやらなければいけないと思っていますので、ここは何度も言っているように、私にとっては真剣勝負の場所です。
 ここに集まっている記者の方々の後ろには県民の方々がいると思っていますので、他の都道府県は分かりませんけども、相当きちっと対応しなければいけないとみんなに言ってますし、記者会見の時間もですね、どれだけ時間かかってもこうして、知事として、真剣に、いろんな質問についてお答えをしているし、その場で答えられないことは、後で確認して、必ずしっかりと質問してきた人に伝えようということでやってますし、それから各担当部長も、ここで答えられないことがないように待機してもらっているということなので、ここはやはり県民に対して、県として必要な情報を発信するための真剣勝負の場所。それから基本的にメディアの役割というのは、行政をチェックすることですから、メディアの皆さんの質問をしっかりと受けて、それについてここで説明責任を果たす場所だと思ってます。

(記者)
 記者クラブの申し入れに応じてくださって、たくさん会見を開いていただいて、質問にもいつも丁寧に応じてくださっていることはすごく感謝しているんですが、知事会見の場ですと、知事であったり、県の幹部の方に対して、県の政策とか、県内外で起こっていることについて、こちらが質問したり、それに対しての考えだったり、意見だったりを言っていただく場なのかなと私は思っているので、そういう意味では今日みたいな形で、県庁外の方をゲストとしてお招きしてやるというやり方、私が参加している会見の中でこれが2度目だったんですけれども、そういったやり方で発表するのは、知事会見の場でやる必要があることなのかなと疑問を感じてます。
 もし、興味がある社があれば別で記者会見を開くなり、ユーチューブで配信されたいということであれば、直滑降ストリームでやられたらいかがかなと思うんですけども、いかがでしょうか。

(知事)
 今の記者さんのお考えはちょっと頭に置いて、少しやり方を検討してみたいと思いますけども、でもね、ここはやっぱり県民にとってものすごく興味のあること発信する場所なわけですよね。しかも令和4年度予算で、たかまつななさんたちの事業をやる予算を付けているわけですよね。それについてやはり記者の皆さんに知ってもらいたい。
 例えばこれからの県民の生活とか、あるいは教育政策にも影響のあることだから、そこは重要だと思って、ここで発信するということは私はおかしくないと思っています。
 それから、この間来ていただいた関口さんの場合も、やはり群馬県で、ネット上の誹謗中傷に対して被害者を支援する条例を初めて作ったわけであって、これはものすごく県民にとっても関心の高いことだから、それについて連携して、一般の県民の皆さんが誹謗中傷に対していろんな対応ができるようなことを考えているということを伝えるということは、十分この知事会見でやる価値があると思ってます。
 今日もやる価値があると思ったからわざわざイギリスから参加していただいたので、私自身は全然おかしいとは思っていません。ただ、記者さんのような見方もあるので、それについてはまた内部でも検討させていただきたいと思います。
 それから、これ(定例記者会見)は記者クラブが主催していることなので、そこら辺は代表の方とも相談させていただければと思います。

(記者)
 取材時間にも限りがありますので、もし、会見中にやられるということであれば、会見の最後にやっていただければ、ちょっと(時間的に)難しいという社は退出できるのかなと思いますので、ご検討いただければと思います。

(知事)
 分かりました。そうですね。もうちょっと短く終わると思っていたので。結構皆さん関心が高くて質問も集中したというところもありますけども、ちょっと考えてみます。

知事メッセージ

 今記者さんからお話がありましたけども、今日もまた長くなってしまいましたが、会見の場で私が申し上げることは、やはり今、県民の皆さまにしっかり分かっていただきたいことを考えて発信しているつもりなので、今日もちょっと長くなってしまいましたけども、記者の皆さまには最後までお付き合いいただいてありがとうございました。
 県民の皆さまに最後にまた、知事からお願いをさせていただきたいと思っています。
 今日も発表したように、なかなか第6波が収まらない状況で、高止まりが続いています。
 他方でですね、やはりこれからは先ほど申し上げたとおり、感染者の数ももちろん見ていきますけども、やはり重症化する方の数とか、やはり病床使用率というものをよりまた重視していかなければいけないと思っております。
 引き続き、県としても感染防止対策をしっかり努力していきたいと思いますが、県民の皆さまにはこれまで大変いろいろなご苦労をかけていますけども、ここからまた、人出が多くなる時期でもありますので、ぜひですね、感染防止対策にご協力をいただければと思っています。
 皆さまと力を合わせて、このコロナをしっかり乗り越えていきたいと思いますので、その点最後に、県民の皆さまにそのことをお伝えを申し上げ、ちょっと長くなりましたが、今日の定例会見を終わりたいと思います。最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

(以上で終了)
文章中の()内については、メディアプロモーション課において加筆したものです。