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第23回定例記者会見(9月2日)

更新日:2021年9月2日 印刷ページ表示
  • 日時 令和3年9月2日(木曜日)午後3時5分~4時5分
  • 会場 記者会見室
  • 出席者 県:知事、副知事ほか
    記者:記者クラブ所属記者等 16人
  • 記録作成 メディアプロモーション課(報道係)

 令和3年9月2日定例記者会見動画(You Tube)<外部リンク>

 モニター資料(PDFファイル:748KB)

 質疑応答はこちらをクリック

知事冒頭発言

発表項目

1.はじめに
2.直近の感染状況について
3.臨時医療施設について
4.県内のワクチン接種の状況について
5.県央ワクチン接種センターの期間延長について
6.群馬県マスク地産地消推進プロジェクトについて

1.はじめに

 それでは、定例記者会見を始めさせていただきます。
 スライドをご覧ください。本日の会見の主な項目です。
 本日は、「新型コロナウイルスの直近の感染状況」、「県内のワクチン接種の状況」や「県央ワクチン接種センターの期間延長」について発表したいと思います。

2.直近の感染状況について

 それでは、直近の感染状況からご説明させていただきます。
 スライドをご覧ください。新規感染者数の推移です。
 直近1週間の新規感染者数は、本日の新規感染者数176人を含めて、1,377人となりました。先週の1,933人からは減少しているということですが、再び急拡大が起きてもおかしくない、決して油断できない状況だと捉えています。

 次のスライドをご覧ください。感染状況の客観的な数値です。
 (1)の「1日当たりの新規感染者数」ですが、219.4人ということで、先週から比べると減少していますが、依然として高い数値であることが分かっていただけると思います。
 (2)の「経路不明の感染者」は、49.1%です。基準の50%を下回っていますが、高い数値で推移していると言っていいと思います。市中感染が続いているということで、県内どこで感染してもおかしくない状況です。
 (3)の「検査の陽性率」は、17.0%で、こちらも非常に高い水準が続いています。

 続いて、新規感染者のワクチン接種状況について報告いたします。
 スライドをご覧ください。感染者のワクチン接種状況についてです。
 昨日までの1週間の新規感染者について、ワクチン接種状況を調査したところ、未接種の方が84%、1回接種のみの方が11%、2回接種済みの方が5%でした。今週も「感染の中心はワクチン接種を完了していない方」という傾向に変わりはありません。

 次のスライドをご覧ください。新規感染者の状況を年代別にまとめました。
 引き続き、20代から30代の割合が39%と高いわけですが、気を付けなければならないのは、10代以下の割合が26%ということで、4分の1を超えました。少しずつ高くなってきているということは、十分注意しなければならないと思っています。以前は見られなかった学童クラブや学習塾でのクラスターも発生しています。多くの学校で新学期が始まっておりますが、子どもの感染にはさらなる注意が必要です。

 次のスライドをご覧ください。新規感染者の状況を推定感染経路別にまとめました。
 割合としては少ないですが、学校等での感染者が50名以上いらっしゃいます。特に11歳以下のお子さんについては、何度も申し上げているとおり、ワクチンを打つことができません。子どもたちを守るためにも、周りの大人の方々に対して、これまで以上の感染防止対策、そして積極的なワクチン接種にご協力お願いします。

 続いて、医療提供体制の客観的な数値です。
 次のスライドをご覧ください。医療提供体制についての数値をまとめたものです。
 上の2段にありますが、重症例として、現在、人工呼吸器を使用している方が17人ということで、先週と変わっていません。うちECMOを使用している方が6人ということです。それから、中等症の患者が106人ということになりました。
 また、この1週間で新たに1名の方が亡くなられました。謹んで哀悼の意を表するとともに、ご遺族の方には心よりお悔やみを申し上げます。
 スライド中段の「病床の稼働率」は、69.5%ということで、先週よりも少し下がっていますが、依然として非常に高い数値で、群馬県内の危機的な状況は続いていると申し上げたいと思います。
 スライドの下段、入院以外の療養の状況については、宿泊療養者数が489人で、自宅療養者数は471人ということになっています。
 なお、宿泊療養に関しては、新たに5カ所目となるホテルを来週7日の火曜日から伊勢崎市内で稼働することといたしました。先日、太田市内で新たな施設の稼働を開始したところですが、これに加えて、さらなる宿泊療養の対象者の急増に対応するため、特に対象者の多い「伊勢崎・太田地域」に開設することとしたいと思います。ホテルの名称については稼働後に改めて公表します。
 この施設の稼働により、新たに部屋数が186室増えました。他の4カ所と合わせて1,319室となります。今後も、療養者の増加に対応できるよう、引き続き、さらなる受入体制の強化、整備を図ってまいります。

 続いて、症状別の患者状況についてもご説明いたします。
 次のスライドをご覧ください。症状別の患者状況です。
 入院患者の症状別の割合を見ると、重症が8%、酸素投与が必要な中等症が32%、軽症が60%となっております。

 次のスライドをご覧ください。重症、中等症の状況を年代別にまとめました。
 重症については、40~50代が最も多く76%となっています。また、中等症についても、40~50代が58%で最も多いわけですが、20~30代で見ても14%とということで、若い方々の割合が高いことが分かっていただけると思います。

 続いて、保健所ごとの感染者数です。
 次のスライドをご覧ください。相変わらず真っ赤です。全ての地域が赤く染まっています。県全域が感染拡大の状況にあるということが分かっていただけると思います。
 以上が、直近の感染状況になります。

 本県への緊急事態措置の適用から、およそ2週間が経過いたしました。しかしながら、依然として感染のピークが見通せない深刻な状況が続いています。
 緊急事態宣言に伴い、県では現在「外出の機会を1/2以下に減らす」ことを目標に、県民の皆さまのご協力をお願いしております。県民の皆さまにはぜひとも、外出自粛の徹底に、引き続きご協力をお願いしたいと思います。

3.臨時医療施設について

 続いて、先週の会見でご質問のありました、臨時医療施設、いわゆる「野戦病院」について、改めて、県の考え方をご説明させていただきます。
(フリップを掲げて)ひと言でいうと、こういうことだと思います。「野戦病院」は最後の手段なんです。「野戦病院」は最後の手段だということを、県民の皆さんにご理解いただきたいと思います。
 全国的な感染の急拡大に伴い、病床の不足、自宅療養者の増加が大きな問題となっています。大阪府や福井県では、こうした患者を受け入れるため、臨時の医療施設、いわゆる「野戦病院」を設置するとの発表をしております。本県においても、市長会などから「野戦病院」の設置に関する要望をいただいています。
 この「野戦病院」は、体育館など病院以外のスペースに病床を設置し、入院医療を提供するものです。一カ所に多数の病床を集中設置することで、効率的に入院医療を提供することが可能になると言われています。
 私自身、この「野戦病院」に関しては、先ほども申し上げましたが、入院、宿泊療養が機能不全に陥った場合の「最後の手段」だと考えています。確かに、群馬県においても、入院や宿泊療養の体制は、非常に厳しい、ギリギリの状態にあると言っていいと思います。しかしながら、医師会をはじめ医療関係者の皆さんの昼夜を問わないご尽力もあり、現状、群馬県では、「野戦病院」を設置するような段階には至っていないと考えています。
 「野戦病院」を設置するためには、場所の確保はもちろんのこと、医療従事者や医療資材の確保など、様々な課題があるということを県民の皆さんに分かっていただきたいと思います。例えば、他県の例では、医療機器の確保や空調整備に1カ月から2カ月かかっているということで、迅速な対応は難しいと考えています。また、プライバシーの確保、トイレや入浴設備の不足など、生活水準が低下するという問題もあることは想像に難くないと思います。
 加えて、この会見でも何度も申し上げていますが、一番の課題は医療人材の確保です。仮に人材が確保できたとしても、派遣元の医療機関の医療提供機能が低下するという問題も考えなければなりません。
 ハードだけ用意すればいい、それがあれば安心だといった簡単な問題ではないということは、県民の皆さんに正しくご理解いただきたいと思っています。
 群馬県でも、今まで経験したことのない、急激な感染拡大を受けて、新たに「自宅療養」というカテゴリを設けました。しかしながら、先週の会見でも申し上げましたが、陽性が判明したすべての人を入院させるか、そうでなければ療養施設に滞在してもらう。これが基本だと。この姿勢を諦めてはいけないと思っています。
 今後も、さらなる病床を確保、あるいは、宿泊療養施設を増やす。そして、その宿泊療養施設の機能を充実させる。さらに言うと、特に自宅療養されている方々に対するヒューマンタッチのきめ細やかなケアに力を注ぐ。こうした対応をしっかりとっていくことで、感染された方々を、入院していただくか、療養施設に滞在していただくか、しっかり振り分けさせていただく。この方針を諦めないということが、群馬県にとって何より重要だと考えています。
 実際に本県では、宿泊療養施設を順次増床しております。ホテル療養が必要な方には入所していただける状況にあるということは、県民の皆さんにお伝えしたいと思います。
 加えて、自宅療養者に対しても、健康観察センターを開設し、1日2回は連絡を行うなど、きめ細やかなケアを行っています。こうした対策をさらに強化できないかという検討は、現在も庁内で進めております。
 もちろん、今後さらに感染が拡大し、入院も宿泊療養も機能不全に陥るような状況になれば、「野戦病院」の設置を検討しなければいけない可能性はもちろんあります。ただ、現時点においては、群馬県において「野戦病院」を設置する段階にはないということは申し上げておきたいと思います。それよりも今は、病床の確保、宿泊療養施設での医療体制の強化。こういうことにしっかり力を入れるべきだと、知事としてはそう考えています。
 繰り返しになりますが、ハードだけ用意すれば安心だというような簡単な問題ではありません。逆に、そういったメッセージを県民の皆さんに発信してしまうことは、知事として不誠実だと考えています。
 県としては、今後も、医療関係団体などとしっかり連携を図りながら、宿泊療養の機能拡充等、より現実的な対応をとっていきたいと思います。この点は、県民の皆さまにご理解いただきたいと思います。
 何となく病院が足りないから新しい施設、「野戦病院」みたいなものを作ってベッドを置けば、何となく物事が解決するような、そういう不正確な感覚ではなくて、やはり、臨時の医療施設を作る際にも、医療人材を確保しなければいけないとか、そのために派遣元の医療機関の医療提供体制が厳しくなるとか、こういう様々な課題・問題点があるということは、ぜひ県民の皆さまにもご理解をいただきたいと思っています。

4.県内のワクチン接種の状況について

 続いて、県内のワクチン接種の最新状況についてご報告いたします。
 その前に1点ご報告させていただきます。
 スライドをご覧ください。モデルナ社製ワクチン異物混入に関するスライドです。
 今週29日の日曜日、東毛ワクチン接種センターにおいて、モデルナ社製ワクチンのバイアル、1瓶から異物が発見されました。このワクチンは、国が使用を一時見合わせることとした製造ロット番号のワクチンではありませんでした。
 異物が確認された瓶は使用せず、また、念のため、同じロット番号の全てのワクチンの使用を一時停止しました。なお、既にセンターでは、このロット番号のワクチンにより約4,500人の方に接種を行っておりましたが、異物の混入がないことを確認の上、接種を行っておりましたし、さらに言うと、現時点で健康被害の相談や報告もありません。
 その後、厚生労働省から、このロット番号の他の瓶の有効性及び安全性について、問題ないと発表されたため、現在は、一時停止していたワクチンの使用を再開しています。重ねて申し上げますが、ワクチンについては引き続き、変色していないか、異物が混入してないか、これは目視でしっかり入念に確認を行ってまいりたいと思います。
 今後の接種も万全の体制で進めてまいりますので、県民の皆さまには、安心して県営ワクチン接種センターをご活用いただきますよう、お願いいたします。

 それでは、県全体のワクチン接種率についてご説明します。
 次のスライドをご覧ください。県全体のワクチン接種率です。
 昨日時点で、県民全体に占める1回目の接種率は64.56%で、全国でいうと3位。全国平均の55.17%を大きく上回っています。
 2回目の接種率については49.85%で、全国平均の44.40%を上回っています。全国順位は12位ということになっています。
 なお、日経新聞社の調査による、12~64歳の1回目の接種率については、8月31日時点で51.7%。これは引き続き全国1位を維持しています。

 続いて、県営ワクチン接種センターの稼働状況についてご報告したいと思います。
 スライドをご覧ください。ワクチン接種センターの稼働状況をまとめたものです。
 昨日1日水曜日までの接種人数の累計は、県央ワクチン接種センターが42万368人、東毛ワクチン接種センターが11万2,081人、両センター合わせて約53万2千人となりました。
 直近1週間の東毛センターの稼働率は97.6%となっており、順調に稼働していると考えています。また、県央センターについては、これまで高い稼働率で推移してまいりましたけれども、この1週間を見ると稼働率は70.7%で、各曜日とも予約枠に十分な空きがあります。県民の皆さまには、ぜひ積極的に、このセンターを活用していただきたいと考えております。

5.県央ワクチン接種センターの期間延長について

 続いて、県央ワクチン接種センターの1回目接種の期間延長についてもご報告を申し上げたいと思います。
 この件については、すでに報道機関の皆さまにはお知らせをしておりますが、改めてご説明させていただきます。
 スライドをご覧ください。県央ワクチン接種センターの期間延長に関するスライドです。
 県央センターでの1回目接種に関しては、4日土曜日をもって完了するという予定にしておりました。一方で、先ほどから説明を申し上げてるように、センターは全国トップクラスの接種能力を有しており、運営面でも高い評価をいただいています。県議会をはじめ、多方面から期間の延長に関してご要望をいただいていたところです。
 このことから今回、センターでの1回目の接種の受け付けをGメッセ群馬会場の終了日である10月2日まで延長することといたしました。
 延長期間中の受け付け人数は、1日最大で1,000人を予定しています。予約はすでに、ワクチン接種LINE予約システムによって始まっております。
 また、明日9月3日金曜日の午前9時からは、希望者への確実な接種をより一層進めるため、新たにコールセンターでの予約受付も開始したいと思います。電話受け付け専用の予約枠もご用意しております。まだ接種がお済みでない方は、ぜひとも積極的なご活用をお願いしたいと思います。
 コールセンターの番号など詳細については、県のホームページの方でご案内させていただきます。

 また、延長期間中にGメッセ群馬で1回目の接種をされた方が、2回目の接種を受ける場所として、10月の1カ月間、群馬産業技術センターに接種会場を設置することといたしました。
 次のスライドをご覧ください。延長分の2回目接種会場に関するスライドになります。
 場所は、前橋市亀里町の群馬産業技術センターになります。
 前橋南インターチェンジから近くて、前橋、高崎をはじめとする県内各所からのアクセスも考え、場所を決定させていただきました。
 10月3日の日曜日から10月30日の土曜日まで、約1カ月間の運営を予定しています。
 この会場は、新規の1回目の接種は行いません。Gメッセ群馬で1回目の接種を行った方を対象とするほか、他の都道府県でモデルナ社製ワクチンにより1回目接種を行って、その後、群馬に転居した方等の2回目接種にも活用させていただきたいと思っています。
 なお、9月5日の日曜日以降にGメッセ群馬で1回目の接種を予約された方は、自動的に2回目の接種が、群馬産業技術センターでの予約に設定されることになっています。
 1回目と2回目の会場が異なりますので、この点にはご注意ください。もう1回申し上げます。1回目と2回目の接種の会場が異なることになりますので、この点はご注意をいただきたいと思います。
 今後も、県営ワクチン接種センターはしっかりと運営していきたいと思います。同時に、市町村、医療関係者の皆さんと連携しながら、希望する県民の皆さんが1日も早くワクチン接種を済ませることができるように、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。

6.群馬県マスク地産地消推進プロジェクトについて

 最後に、群馬県のマスクについて申し上げます。群馬県マスク地産地消推進プロジェクトです。
 スライドをご覧ください。マスク地産地消推進プロジェクトに関する内容をまとめたスライドです。
 先日の会見でも申し上げましたが、感染防止対策の基本であるマスクについては、不織布のマスクが最も効果的です。不織布マスクが最も効果的だということを繰り返し申し上げたいと思います。県としては、ウレタンマスクとか布マスクの使用は極力控えていただきたいと考えています。
 不織布マスクの着用を進めるために、昨年度からは、マスク地産地消推進プロジェクトに取り組んでいます。過去の会見でも何度かご説明した覚えがあります。
 本プロジェクトで取り扱うマスクは、いずれも県内企業が製造し、国内の検査機関でウイルス、飛沫、細菌、花粉、微粒子を99%カットすることが認められた品質の高いマスクです。
 これまで県民の方々から多くのご注文をいただき、330万枚以上の販売実績を上げております。

 次のスライドをご覧ください。ぐんまちゃんマーク入りのマスクについてまとめたものです。
 今回、県民の方々からのご要望に基づき、新たなラインナップとして、ぐんまちゃんマーク入りのマスクの小さめサイズというものを販売することといたしました。女性や小学生以上のお子さまが使いやすいサイズになっています。
 価格は、1セット60枚入り1,980円、90枚入りが2,500円で、9月3日の金曜日から販売の受付を開始いたします。
 ぐんまちゃんマークが入っているというところが最大のポイントですね。
 なお、すでに発売されている白十字販売株式会社の「ぐんますく」とか、設楽印刷機材株式会社に販売していただいてる「ぐんまうまれのマスク」も大変好評だということも申し上げておきたいと思います。
 本プロジェクトは、感染防止対策はもちろん、地産地消、地域企業の応援にも繋がるものです。県民の皆さまにはぜひ、この機会にご利用いただければと思っています。
 今回は少しコンパクトにまとめましたが、私からは以上です。この後は、記者の皆さんからご質問を受けたいと思います。

質疑応答

緊急事態宣言の効果について

(記者)
 群馬に緊急事態宣言が出て2週間になりますけれど、改めてこの宣言の効果をどう見ていらっしゃるか教えてください。

(知事)
 なかなか判断するのは難しいと思うんですけれども、まだ目に見える大きな効果が出てきているとは思っていません。今日も含めて、ここ4日か5日連続で、ようやく前の週の曜日を下回るということで、ちょっと下降傾向にあるように見えますが、今まで何度もここから急拡大しているので油断はできないと思っています。
 ただ、少なくとも、ここ4、5日の状況を見ると、少しずつ収まりつつあるのかなというところですが、先ほど申し上げたとおり、まだすごい高いレベルですよね。
 今日も180人ぐらい出ているということで、かなり高いレベルなので、これは全く予断を許さない危機的な状況が続いてると判断しています。

感染拡大防止のためのさらなる対策について

(記者)
 依然として、東毛など特定の地域で感染が目立っていますけれども、地域を絞った対策など、何か追加の対策の考えがあればお聞かせください。

(知事)
 緊急事態宣言を申請したときにも申し上げましたけれども、現時点では最も強い対策です。加えて、この緊急事態宣言を出すと同時に、群馬県として、さらに踏み込んだ、例えば、県有施設についての対応もそうですし、分散登校もそうですし、(外出機会を)2分の1以下にして欲しいという呼びかけ、外出自粛の徹底なんかもそうですし、県を跨ぐ移動についても、さらに強いメッセージを出していますから、現時点では、この最も強い枠組みの中で、打ち出した対応をしっかり続けていただくということが大事だと思っています。

(記者)
 それは全県的にということですね。
 やはり特定の保健所管内での感染が、第3波、第4波以降ずっと続いている印象があるのですが、そのあたりの理由については、どう捉えていますか。

(知事)
 そこら辺はなかなか分析が難しいところだと思うんですけれども、まず、基本的に経済活動が盛んなところはリスクが高いということがあると思うんですよね。
 ですから、飲食店が固まっている場所があるということも(理由として)あると思いますし、あるいは、外国籍の県民の方が多いところは、コミュニティにメッセージを伝えるのに、普通よりも少し工夫が必要だったり、いろんな原因があると思うので、一概には言えないと思います。
 ただ、県民の皆さんは、これまで頑張って県の方針にも協力していただきましたが、デルタ株に置き換わったことによって、これまでと同じやり方では防げない、こういう状況が現出していると見ています。

臨時医療施設の設置について

(記者)
 臨時医療施設、いわゆる「野戦病院」のお話がありました。
 設置は最後の手段というお話でしたが、最後の手段というのは、医療提供体制とか、感染者数などが、数値も含めてどういう段階になったら、設置が視野に入ってくるのかということを、改めてお聞かせください。

(知事)
 まず、何となくハードを整備すれば安心みたいな感じで、報道されているところがあるので、そういう誤解を県民の皆さんに与えないように、今日あえて記者会見で、このことをお話したんですね。
 「野戦病院」は、普通の病院じゃないですよね。臨時に作るわけじゃないですか。もちろん普通の病院に入れれば、一番いいわけですよね。それができない状況だから、体育館とかにベッドを並べて、おそらく仕切りもない中で、感染した人に入ってもらうということなので、これは緊急事態の対応ということを、まず申し上げておきたいと思います。
 それから、例えば自宅療養している方々で中等症の方々も多くなってきて、なかなか自宅では対応ができないということで、普通の医療機関ではないけれども、体育館みたいなところに、そういうものを整備して、そこに医療関係者に入ってもらえば、集中的に診られるみたいなことが狙いだと思うんですけれども、先ほど申し上げたとおり、生活のレベルというか、環境のレベルの問題もありますよね。
 もう1つ言うと、設備があったとしても、基本的には医療スタッフが必要ですよね。確か、どこかの地域で重症患者用の施設を作ったところがあったと思うんですけれども、結局、看護師の皆さんとかがいなくて、自衛隊とかいろんなところに応援を頼んだみたいなところがありました。要は、ハードだけ揃えても駄目だということです。
 それから、臨時施設みたいなものを作る地域は、自宅療養をされている中で、やっぱり入院したくてもできない方がいる状況なんだと思いますが、群馬県はまだそこまでいっていません。
 自宅療養についても、基本的に重症化のリスクがない方に行ってもらっているので、ここについては、とにかくしっかりと健康観察もしていくということですし、確かにここまで増えてくると、宿泊療養施設の人も増えておりますが、前よりも少し時間がかかっているかもしれませんが、今のところ、本当に入院が必要な方はちゃんと入院できる体制を維持していますから、もう1回言いますが、「野戦病院」みたいなことは、その先の最悪のシナリオとしてあることであって、できる限り知事として、こういう「野戦病院」みたいなものを作らないで済むように努力することがあるべき姿だと思っています。

(記者)
 ただ、一方で最悪の状態を想定して、やはり準備にも時間がかかるというお話もありましたので、今の時点で場所とか、地域などの想定、あるいは検討というのは始められているんでしょうか。

(知事)
 コンティンジェンシープラン(不測の事態に備えた緊急時対応計画)みたいなものは必要だと思うんですけれども、現時点では、とにかく我々は(前回8月26日の会見でお話しさせていただいた)「群馬県が諦めてはならない3つのこと」もありますし、機能不全と言っている専門家もいるので、しっかり医療崩壊にならないように全力を尽くすということです。
 状況によって、本当に最悪のシナリオに向かうようなときは、ちゃんと間に合うような対応を考えていけばいいと思っていますし、ちゃんと対応することは、今の状況だったら可能だというふうに思っていますので、現時点では、とにかくこういう施設を作らないで済むように、我々は全力を尽くしていきたいと思います。
 それから、先ほど言及しましたが、宿泊療養施設を増やしています。宿泊療養施設にいる方々が増えてきたということで、ここで、例えば症状がすごく悪化したような場合は、もちろん自宅療養も含めて、きちっと入院できるような体制を整えることと同時に、例えば宿泊療養施設に医務室を置くとか、点滴ができるようにするとか、ここである程度治療ができるような体制を作ることに、しっかりと力を注いでいく、工夫していくことの方が、「野戦病院」を作るという議論よりも先だと思います。

県央ワクチン接種センターにおける予約方法について

(記者)
 県央のセンターで電話予約を9月3日からスタートされるということですが、(県営ワクチン接種センターの接種)開始から、だいぶ時間が経っていますけれど、今のタイミングで電話予約を始められる意図を、改めて教えていただけますか。

(知事)
 今までのいろんな経緯から見て、これまでなかなか(ワクチン接種を)受けられなかった方々がいるので、そういう方々に対して、しっかり対応していこうということです。
 具体的に、大久保新型コロナワクチン接種局長から説明していただけますか。

(新型コロナワクチン接種推進局長)
 県央ワクチン接種センターで、今回、電話予約の受付を開始するということですが、1つは、国の方から、モデルナ(の供給を受けて)、職域接種等々を全国で行っていて、群馬県内でも多くの企業が職域接種を行っております。(群馬県においては)7月から始まった職域接種はすでに終了しているのですが、その職域接種で受けられない方がいらっしゃいました。そういった方については、県の方でモデルナセンターを準備して、受入れるようにということで、これまでも何件か、ご案内いただきまして、電話で受け付けし、対応させていただきました。
 今回、県営センターを新たに延長するに伴い、より確実な接種の実施という中で、1回目の接種が65%を超えた状態でありますけれども、さらなる接種を伸ばしていくために、仮に予約を受けられない方がいらっしゃるとすれば、いろいろな接種の手段・方法を増やすことが、より高い接種に繋がるのではないかと考えまして、改めて、一般の方についても電話を受け付けることといたしました。
 これまで電話受付に対する大きな要望はございませんでした。LINEによる受付で順調に進んでいたところですが、仮にそういう方がいらっしゃればというところも配慮しまして、一般の方も受け付けることとしたという経緯です。

県央ワクチン接種センターの稼働期間延長について

(記者)
 県央ワクチン接種センターのことに関してですが、期間延長が10月までということですが、それが終了するまでに、全県民の何割ぐらいの方がワクチン接種を終えられる計画というか、計算みたいなものはありますか。

(新型コロナワクチン接種推進局長)
 現時点で、1回目(の接種完了者が)65%ということですが、我々としますと、やはりできるだけ早い段階で7割を超え8割のところに、対象とする県民の方に打っていただくということが必要であると考えております。
 最近の県央センターの予約状況を見てみますと、1回目の予約について、だいぶ余裕があるという話を知事から説明しましたが、曜日によっては(予約が)1,000人を切るという状態が続いております。
 また、市町村の接種状況も考えますと、県央ワクチン接種センターの1回目(の接種)受付(期間の)9月30日までに、7割を超えて8割に近いところは目指さなければならないと考えております。

緊急事態宣言の延長について

(記者)
 緊急事態宣言についてですが、延長の公算が高くなってきたということで、延長する場合、群馬県も対象のままにして欲しいとか、あるいは外して欲しいとか、そのことついて政府に対して意思表示をするようなお考えはありますでしょうか。

(知事)
 緊急事態宣言の期間はまだあるので、これからの推移によって対応を考えていくことになると思います。
 とにかく我々としては、この緊急事態宣言という、いま認められている法律の中では最も強い措置に踏み込み、なおかつ、群馬の独自の対応も含めて県民の皆さんに呼びかけていますから、まずこのことによって、しっかりと感染を抑え、期間内に終わるように努力をしていくことだと思います。
 ただ、今後の展開によっては、県としての判断といいますか、知事としての判断が迫られる場面もあると思うので、その状況によっては、当然、続けるにしても、解除するにしても、たぶん、西村大臣に直接相談することになりますから、いろいろな全体の状況を見極めながらやっていくということだと思います。

自宅療養者への対応について

(記者)
 「野戦病院」について、先ほどお話がありましたが、「野戦病院」が必要だという話が出てくる背景の1つには、やっぱり入院したくてもできずに、たらい回しされるような方がいらっしゃるとか、自宅で症状が急変して、お亡くなりになってしまうとか、そういった方がいらっしゃるということがあると思います。
 先ほどの知事のお話ですと、必要な方は入院できる体制が現時点でも維持されているということでした。
 もう1つ、在宅で療養していらっしゃる方なんですけれども、先ほど1日2回は健康確認をされているということでしたが、どういった形で見守っていて、もし症状が悪化した場合にはどういう対応をされるのかというところをもう少し詳しくお願いします。

(知事)
 最初に武藤健康福祉部長から答えてもらいます。

(健康福祉部長)
 前回、前々回の時でしたか(記者会見で説明させていただきましたが)、(群馬県においても)いわゆる自宅療養という新しいカテゴリーを作って、自宅療養される方については、健康観察センターを作って、専門のスタッフがその方たちに電話連絡をするという形でやらさせていただいています。

(記者)
 スタッフを増やしたりとか、1日2回(確認の連絡をする)と知事がおっしゃっていましたけれども、どういった形で健康確認をされているのか、その辺を教えてください。

(健康福祉部長)
 現時点では、おおよそ20人程度の看護師を雇用しておりまして、その方たちから電話連絡をさせていただいております。自宅療養されている方だけでも470人以上いらっしゃいますから、1日2回を目標にしていますが、なかなか全員にできている状況ではありませんが、そういった形で頑張っているところです。
 基本的には、無症状でリスクがほとんどない方が対象ですので、今のところは問題なく過ぎています。これからさらにスタッフを増やして、1日2回確実に連絡がとれるような体制の整備を今進めさせていただいているところです。

(記者)
 今のところ自宅で療養されていて、悪化されたような方はいらっしゃらないということですね。

(健康福祉部長)
 はい。
 そういった状況があれば、ホテル(宿泊療養施設)に行っていただく、あるいは入院していただくという対応がしっかりとれるようにやっていますので、それは大丈夫です。

緊急事態宣言の期間について

(記者)
 緊急事態宣言について伺いますが、少しずつ患者数が減っているようなトレンドも見られますが、現状の感染者数や病床の稼働率等を踏まえると、緊急事態宣言の12日の解除が今、妥当かどうかということについて、どう考えられているかということと、12日に解除もしくは延長の判断をするにあたって、どういった指標がポイントになるのか、その辺を教えてください。

(知事)
 やっぱり警戒度も含めてですが、緊急事態宣言をどうするか、県として、どんな形で政府と協議していくかということは、これからの状況によると思います。それは総合的に判断していくしかないと思うんですね。
 先ほど、ちょっと現状の認識を話しましたけれども、ここ何日間かで言うと、前週と比べると下降傾向にありますが、まだ我々が元々基準にしていた、(新規感染者数)1日20人と比べれば相当多いので、高止まりしている状況ですので、現時点でも群馬県は危機的な状況だと思っているということは、はっきり申し上げたいと思います。
 これから、これがどうなっていくかということをよく見極めた上で、総合的に判断していくことになると思います。

宿泊療養施設における医療体制について

(記者)
 宿泊療養施設の医療体制を拡充していくという話が、先ほど知事から出たと思います。点滴室だったり、医務室だったりといったところだと思いますが、具体的に今どのような状況になっていて、今後どのようにしていきたいとか、何かプランとかあればお願いします。

(知事)
 武藤健康福祉部長からお願いします。

(健康福祉部長)
 現在、看護師は常に常駐していて、ホテルに入られている方たちの健康状態は毎日チェックしています。それを医師に少なくとも1日1回確認していただいて、このままで大丈夫なのか、ホテルから出ていって大丈夫か、あるいは入院が必要なのかみたいなことを判断しております。
 やはりホテルに入所される方のあれ(対象)を少し変えましたので、若干、症状のある方も入ってきています。
 デルタ株の場合は悪化する可能性も高いですから、そういったときのために、点滴をできるように整備したり、あるいは、今でもLINE等を使って、テレビ電話みたいな形で顔色等を見るということもやっていますが、そういったのものをシステマチックにやっていったり、今いろいろ言われている、新しい療法についても、どういった形で取り込めるかなど、いろいろ検討させていただいてるところであります。

宿泊療養施設の稼働状況及び今後の整備について

(記者)
 関連で、宿泊療養についてですが、直近のデータ等を見ると、稼働率が40%台にとどまっていると思います。
 これをもうちょっと上げる努力だったり、上げるための何か工夫などを考えていれば教えていただけますでしょうか。

(健康福祉部長)
 宿泊療養施設も、やっぱり1日に入れる人数は、どうしても上限的なものがあります。
 普通に元気な方がホテルにチェックインするみたいなわけにはいきません。こういった形でルールを守ってくださいとか、いろいろ聞き取りをしなければなりませんので、どうしても30人くらいになってしまいます。
 そういったことで、入口が詰まらないように、今たくさん増やしているところで、今週31日に1つ太田に作りましたし、来週は伊勢崎に1つ増やすので、そういった形で、とにかく増やして、目詰まりしないような形にさせていただこうと思っています。
 そして、やはり(入所しているのは)感染症にかかっている方で、次に入ってくる方もやはり感染症の方なので、通常の掃除のような形ではなく、しっかりと消毒もしなければならないので、どうしても稼働率を上げていくことが、なかなか難しいところはあります。
 ただ、やはり少しでも稼働率を上げていかなければならないので、現場とやりとりしながら、どうすれば稼働率が上げられるかということはいつも意見交換させていただいております。
 あと、やはり、いわゆるレッドゾーンとかグリーンゾーンとか聞いたことがあるかと思いますが、汚染区域とそうじゃない場所が出てくるので、なかなか100%(稼働)というのはどうしても無理で、犠牲にしなければならない部分が数十%は、どうしても出てしまいます。
 ただ、努力は続けていきたいと思ってます。

(記者)
 今40%だと思いますが、これを例えば、どれぐらいまで上げたりとか、何か数値的な目標はあったりしますか。

(健康福祉部長)
 やっぱりレイアウトもホテルごとにそれぞれ違いますので、なかなか一概には言えないですが、もう少し上げたいと思っています。

(記者)
 稼働率を上げるとともに、箱も増やすということですね。

(健康福祉部長)
 はい。
 要するに、病院のベッドを増やすことは本当に難しいですから、宿泊療養施設の方をしっかり増やして、医療的な機能も少しずつ上げるという努力をしながら、質も上げながら、量も増やしていく、そんな作戦で今進めさせていただいております。

(記者)
 来週、伊勢崎に5カ所目の宿泊療養施設を開所するということですが、今後、どれぐらいまでこれを増やしていく考えでしょうか。

(健康福祉部長)
 その辺は予算との関係もありますので、また知事、副知事、健康福祉部の方でもよく相談させていただきながら可能な限り増やしていきたいと思っております。

宿泊療養施設における滞在日数について

(記者)
 宿泊療養施設に関してなんですけれども、滞在されている日数は、平均してどれぐらいなのかというようなデータはありますでしょうか。

(健康福祉部長)
 すみません、今(データを)持ち合わせていないんですけれども、いわゆる感染してから2週間というのが1つの目安としてありまして、感染が判明したときが、感染してすぐのときもありますし、数日経過してからのときもありますので、10日間ぐらい入っていただくようなときもあれば、本当に2~3日で、宿泊療養の必要がないという状況になったりすることもあるものですから・・・
 今(データを)手元に持っていないので、分かったら報告いたします。

(記者)
 病床がひっ迫しているという話の流れの中で、早く回復されたような方については、従来よりも早く退去できるようにして、回転を高めていきたいというお話を以前されていたかと思うんですけれども、そういう意味で、滞在日数について、平均日数のデータがあるようでしたら、最近は短くなっているとか、そういうようなデータがあるのかどうかということをお聞きしたかったんですけれども・・・

(健康福祉部長)
 その辺は、はっきりお示しできるようなかたちにしたいと思います。今は手元にございません。

(知事)
 データを取りまとめて、また来週でも、しっかり報告します。

(記者)
 お願いします。

保健所の対応について

(記者)
 各地の保健所の対応と今後の対策について伺います。
 先週の会見でも出ていたかと思うんですけれども、知事がおっしゃっていましたように、ぎりぎりの状態が続いていて、まだまだ高止まりが続いているという中で、今後の対策について、どのようなお考えでいらっしゃいますでしょうか。

(知事)
 まず、先週も申し上げましたけれども、知事と保健所長の意見交換会は10回目になりました。
 ひと言で言うと、各地域の保健所は、ぎりぎりの状況だと思いますが、本当に頑張っていただいています。保健所長を含め、保健所のスタッフの人達が、先ほど言ったように、感染経路について、積極的疫学調査を諦めずに一生懸命やっています。これについても、健康福祉部の方で工夫をしてもらって、県全体で、支えるような体制を作っています。
 すでに人事でも、保健所機能のサポートについては、人を割いています。加えて、各部局も協力しながら、今、積極的疫学調査をやっているというところもありますので、何度も言いますが、例えば、今まで(感染者が)10人とか20人とか出ていた時期に比べると、現在は300人を超えるときもあるので、今までのような密度ではできなかったとしても、いわゆる積極的疫学調査、感染経路の究明、濃厚接触者の特定については、諦めずにやってもらいたいというお話をさせていただきました。各保健所は、本当に奮闘していただいているので、何とかしっかりやっていきたいというふうに思います。人的なサポートも含めて、いろいろ我々としても必要な対応をしていきたいと思います。
 武藤健康福祉部長から、もうちょっと具体的にあれば。

(健康福祉部長)
 保健所で感染症に関してやっていることにつきましては、まず感染者をしっかりと把握して、積極的疫学調査をやっていくこともございます。感染対策について、1人感染者が出れば、そのご家族の方ですとか、生徒さんなら学校、あるいはサラリーマンであれば、勤務先の会社とかいろいろなところに連絡を取らなければなりません。
 それに付随する事務は、ものすごくたくさんありまして、この方は入院がすぐ必要な方なのかどうかというようなところの見極めを、一義的には保健所でやらなければなりませんし、本当に多くの業務があります。そういったことから、なかなか今の人数で回っていないという現状がありました。
 それに対して、はじめは、比較的感染者の少ない保健所から、スタッフを忙しい保健所に派遣するとか、あるいは、専門職で、保健所に配置されていない方をそちらに派遣することもやってきました。ただ、それではもう回っていかないということもありまして、今は積極的疫学調査について、全庁的に何十人という単位で動員をかけて、疫学調査をやっています。
 また、去年は、本当に多くの市から派遣応援いただいたのですが、今年はワクチン接種もあり、なかなか難しいところが多いですが、やはり、それでもということで、保健所に対し、市から応援をいただいているところもございますし、本当にいろいろなかたちでやっています。
 知事も疫学調査についても諦めないと言っております。時間的な制約もあって、例えば、本当だったら10のところが8とか7とかしかできなかったとしても、とにかく諦めずにやっています。ただ、そこで他のところから応援することによってそこを少しずつ増やしていくとか、とにかくしっかりと囲い込んでいくのは大事なことですので、その辺しっかりやらせていただいている。そんな状況でございます。

(知事)
 記者さんが指摘された、保健所の対応は、とても大事なポイントだと思うんですよね。
 毎日大体13時30分ぐらいに、感染者の情報が取りまとめられて報告が来ます。土日も、当然ずっとテレワークやってるのと同じなので、休みのときは武藤健康福祉部長から、午後1時半に電話が来てわかるんですけれども、毎日、地域別の感染者数とか、年代別の感染者数とか頭にインプットしながら、一生懸命やっていますけれども、例えば、疫学調査についても、例えば今日は200人、300人出たという時は、感染経路不明の感染者は(感染者全体の)6割とかくるので、これだけ増えてくると、6割といっても、1週間で1000人ぐらい不明者が出ているということなんですけれども、逆に言うと、4割は追えているということです。約6割わからないとしても4割はちゃんと追えているということと、それから例えば、感染した方が、ワクチン接種を受けているかどうかという情報も、だんだん時間がかかるから、遅くなってくるわけですね。例えば200人出たうちに、「ワクチン未接種がこのぐらいいました、1回目、2回目受けて、感染した方がこれぐらいいました、今、調査中の方は何人です」というのが、どんどん増えているんですけれども、それでもやはり、半分とか、それ以上ぐらいは、データとして取っているので、スピードは少し遅れていますけれども、保健所の皆さんの頑張りで機能していると思っています。
 それから、先ほど言ったことも、とても大事なことなんですけれども、もはや健康福祉部だけじゃなくて、全庁的に応援するという体制を組んでいくので、我々はもう本当に一致団結して、全庁で当たるという体制で、しっかり県民の命を守っていきたいと思います。

(記者)
 県管轄の保健所に、全庁的に派遣をしていくということですよね。

(健康福祉部長)
 そういったこともやっているんですけれども、スペース的な問題もあるので、先ほど言った、疫学調査に全庁的に応援していただくというのは、県庁の中でやっています。

(記者)
 わかりました。

(知事)
 よろしいでしょうか。

県民へのメッセージ

 それでは、知事の方から県民の皆さまに、改めてお願いを申し上げたいと思います。
 今日の会見でもご報告いたしましたが、この4、5日ぐらい、感染者が若干減少する傾向が見られます。
 今日を含めると5日ぐらい連続で、前の曜日の患者数を下回っているということで、1週間の感染者も、先ほどグラフをお見せしましたけれども、下がる傾向にあります。
 しかしながら、まだ、1日あたり200人近いレベルの新規感染者が確認されているということで、群馬県の危機的な状況が続いているということを改めて申し上げておきたいと思います。
 群馬県の病床稼働率は、県民の皆さまのいろいろなご協力、あるいは医療関係者の皆さまのお支えもあって、何とか8割に達する前にとどまっております。今の段階で69%ぐらいだと思いますが、県民の皆さまに率直にお伝えすると、病床稼働率が100%になるまで、今ある病床を全部使えるということはありません。これは、群馬県の場合は、過去の会見でも申し上げましたけれども、新型コロナ向け病床数を増やしていくときに、健康福祉部が中心になって医療機関の皆さんとかなり丁寧に議論をして、本当に必要な数の医療スタッフを揃えられるかどうかということも含めながら、積み上げてきて、他の都道府県は知りませんけれども、結構実数に近いところを積み上げてきたんですが、それでも、今の病床を全部100%使うことはできません。
 例えば、今重症者の数、多分人工呼吸器(を使用している方)が17人か18人ぐらいおられるんですけれども、群馬県は75台の人工呼吸器があるんですが、75台同時に使えるかというと、使えません。例えば、1人の人工呼吸器を使っている重症者の方に対して、おそらく通常の病床の5倍も6倍も人がかかって、なおかつ1日に何回か仰向けになっていただいたりいろいろな作業をするので、10人ぐらいが作業するときもあるということで考えると、75台あるから、全て使えるということはありません。
 つまり、よく出てくる病床稼働率が、まだ余裕があるからということではなくて、実際は数字で見るよりも、現場は厳しいということも、正直に県民の皆さまに、お伝えしておきたいと思っています。
 その意味で言うと、緊急事態宣言のもとで、皆さんに、様々なご負担をおかけしておりますけれども、何度も申し上げますが、感染防止の徹底に、ぜひご協力をいただきたいと思いますし、外出自粛の徹底についても、外出を2分の1以下に減らしていただくということ、あるいは県境をまたぐ移動というものを極力やめていただくと、こういったことにご協力をいただきたいということを重ねて申し上げたいと思います。
 それから皆さんにもう1つ申し上げたいのは、群馬県のワクチン接種率が、今、高齢者の方々については、ほぼ9割を達成したということで、これはほぼ終わりました。それ以外の年齢層の方々でいうと、現時点で群馬県のワクチン接種率が全国ナンバーワンです。
 首都圏では、もちろん最も高いです。首都圏の他の県に比べると平均してだいたい10ポイントかそれ以上、1回目の接種率は高いという状況が続いています。全人口比の接種率も、現時点で全国3位です。これも、間もなく2位になる可能性があります。
 県民の皆さんにお願いしたいのは、群馬県ができる限り早く、希望する県民の皆さんへの接種を全国で最も早く終わらせるために、私たちはこれから努力をしていきたいと思っています。
 できるだけ早く、県民の少なくとも8割ぐらいの方々に2回の接種を終えると。そのためにしっかり接種を加速していきたいと思っています。ぜひその点について、県民の皆さまには、ご協力いただきたいと思います。
 群馬県が一番早く、県民の8割の方々に、2回の接種を終えていただいて、しっかり、この感染症の発症や重症化を防ぐような状況を作りたいと、知事として考えていることをお伝えし、その点について県民の皆さんに、ご協力をお願いしたいと思っています。
 それから今日は、臨時医療施設の問題についても言及させていただきました。
 いわゆる「野戦病院」についての議論が、最近あちこちで起こってきておりますけれども、群馬県としては、あらゆる状況を考えて、最悪の場合にも対応できるような対策をしっかりと取っていきますので、ぜひご安心していただきたいと思います。
 「野戦病院」を作ったからといって問題は解決しません。何となく、体育館とかいろいろな施設で、「野戦病院」、臨時医療施設を作ったとして、いざとなったら、ここに病床を集中させてみんなを入院させればいいというような単純な問題ではありません。
 できる限り、こういう「野戦病院」みたいな、正規の医療機関以外のものを作らざるをえなくなるような状況は避けたいと思っております。
 現時点で、群馬県では、「野戦病院」を作るような状況にはなっていません。やはり、なかなか簡単なことでありませんが、感染した方々は入院していただくか、あるいは宿泊療養施設に行っていただくか、どちらかの選択肢をとっていただけるような方針は諦めないということでやっていきたいと思っています。
 今日も説明がありましたが、群馬県として、自宅療養というジャンルを設けざるをえない状況になりました。しかしながら、自宅療養をしていただく方は、極めてリスクの低い方に限定させていただいてますし、自宅療養している方々への健康観察も、1日2回しっかりやってまいりますので、その点も、ぜひ県民の皆さんに、ご理解いただきたいと思います。
 引き続き、皆さんと力を合わせて、この新型コロナを乗り切っていきたいと思います。
 2回のワクチン接種を改めてお願いしたいと思います。
 2回の接種を受けて、2週間経った後の方で、重症化している人は、少なくとも数日前までのデータを見る限り0人です。中等症になった方も、4,5日前のデータですが、数人しかおりませんので、そういうことを考えると、とにかく1日も早く、県民の皆さんに2回のワクチン接種をしていただくことは皆さんを守ることに繋がると思っています。
 世の中の流れを見ると、アメリカではもう今月からブースターショットという3回目の接種が始まります。イスラエルは先行してやっています。もしかすると、こういう流れになっていくかもしれません。そうなると群馬県も、来年3回目のブースターショットを打たなければいけなくなると思います。
 そういう準備をしっかりしていくためにも、もう1回申し上げますが、2回のワクチン接種を、ぜひ県民の皆さまに、積極的にやっていただくようにお願いしたいと思います。
 県営の2つのセンターは、これまで8割以上の高い稼働率を誇ってまいりましたが、ここに来て、さすがに接種している方々も増えてきていることもありますが、今の稼働率がだいたい7割ぐらいになったということで、まだ、平日にも空きがありますので、ぜひ皆さん、特にGメッセの県央センターの方は、いま七十数パーセントだと思いますので、しっかり予約を取れますので、ぜひGメッセの県央センターも、より活用いただければと思います。
 ということで、県民の皆さんに、最後に知事の方からお願いを申し上げて、今日の会見を終わりたいと思います。記者の皆さん、最後まで、ご同席いただきましてありがとうございました。

(以上で終了)
文章中の()内については、メディアプロモーション課において加筆したものです。