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第21回定例記者会見要旨(8月20日)

更新日:2021年8月20日 印刷ページ表示
  • 日時 令和3年8月20日(金曜日)午後3時20分~4時50分
  • 会場 記者会見室
  • 出席者 県:知事、副知事ほか
    記者:記者クラブ所属記者等 17人
  • 記録作成 メディアプロモーション課(報道係)

 令和3年8月20日定例記者会見動画(You Tube)<外部リンク>

 モニター資料(PDFファイル:1.4MB)

 質疑応答はこちらをクリック

知事冒頭発言

発表項目

1.はじめに
2.直近の感染状況について
3.人流の分析結果について
4.マスクの適切な着用について
5.患者療養の新方針について
6.健康観察センターについて
7.県営ワクチン接種センターの稼働状況について
8.県全体のワクチン接種率について
9.感染者のワクチン接種状況について
10.若年層への接種促進、正しい情報の周知について
11.豚熱(CSF)の対応状況について
12.県民栄誉賞の贈呈について

1.はじめに

 それでは、定例記者会見を始めたいと思います。
 今日も盛りだくさんですので、最後までお付き合いいただければと思います。
 まず、本日の臨時議会を振り返ってみたいと思います。
 今回、緊急事態宣言の適用に伴う補正予算措置については、県議会に議決をいただきました。
 これまで過去に緊急事態宣言の適用を受けた都道府県の前例を調べてみたんですけれども、実は、緊急事態宣言を開始するに当たって、臨時議会を開いてるところの方が少ないことは分かりました。だいたい専決か、あるいは、これまでの既決予算で対応しているところが多いということなんですけれども、特に群馬県はですね、この緊急事態宣言の開始に合わせて臨時議会をやったと、これは群馬県だけです。
 それはですね、知事と県議会の方でしっかり連携して迅速に対応できたということと、やはり知事として、県議会の議決というものを非常に重視している。そういう気持ちの表れだということは、県議会の皆さんにもちろん伝わってると思いますし、県民の皆さんにもご理解いただきたいと思っています。
 毎回、こうやって補正予算を臨時議会を行って通すときには、記者会見は臨時議会の本会議の質疑の後にセットすることにしたので、毎回、簡単にですね、臨時議会での質疑の所感を述べることにしたいと思っています。

 今日、8月20日の県議会本会議の質疑では3人の県議が質問に立たれました。自民党からは金井康夫議員。金井さんは自民党県連の政調会長でもあります。令明(会派)からは、あべともよ議員、日本共産党からは伊藤祐司議員が質問に立たれました。
 金井政調会長は非常に勉強熱心で、政策通ですから、常に非常に鋭いことを指摘されますし、前向きな提言・提案をいただいていますが、今回、特に緊急事態宣言に踏み込むという決断をしたことについてはですね、大変力強いご支持をいただいたと思っています。特に金井県議が質疑中で、年代別のワクチンの接種率と年代別の感染者数のグラフを引用して、ワクチンの効果について強調していただいたというのは大変ありがたいと思っています。
 今朝、高崎駅の西口付近で街頭に立ちました。その時にも、ワクチン接種の効果、特に重症化を防ぐ効果について訴えたんですけれど、その時に示したグラフでは、これまで群馬県でワクチン接種した人の総数が約74万人です。この74万人のうち、2回接種をし、2週間経った状況で重症化した人は実は1人もおりません。
 現時点で、群馬県の重症者、すなわち、人工呼吸器やECMOを使っている方、ICUに入っている方を合わせると17人ぐらいだと思いますけれども、この方々のほとんどがワクチン未接種か、あるいは、ワクチン接種後2週間が経っていない方ですから、そういう意味で言うと、今後も県民の皆さんに対して、ワクチン接種による重症化を防ぐ効果というものは、しっかり訴えていきたいと思ってます。

 あべともよ議員からは、これまでの県の対策について、どう評価しているかという質問がありました。
 第2波、第3波、それなりにしっかりと抑えてきたと思いますし、第4波については、皆さんご存知のとおり、まん延防止等重点措置を適用したことで、1カ月近く、人口比で言うと、首都圏では断トツに低い感染者数を維持してきたということがあります。
 今回は、デルタ株のまん延ということで、どうしても緊急事態宣言を要請せざるを得なかったのですが、あべともよ議員からはですね、もちろんデルタ株のまん延は大きな原因かもしれないけれど、本当に県のメッセージが県民に伝わっているかどうか、こういうことは不断に検証していくべきだというご指摘ありました。これは大事な点ですから、我々としても、今回急増している原因、もちろんデルタ株が主な原因だと思いますけれども、そういうところをしっかり点検しながら、対応を進化させていきたいと思っています。

 日本共産党の伊藤祐司議員からは、緊急事態宣言慣れの問題についてご指摘がありました。
 東京都は緊急事態宣言をずっと適用していますけれども、あまり効いていません。全然、歯止めがかかっていません。実はこれ、とても大事なポイントで、今日もお答えしたのですが、現行の法律では緊急事態宣言が最も強い措置なので、この現行の枠組みの中で、できることを我々はしっかりやっていくと。でも、それだけでは、第5波を抑えられないだろうということで、今日も街頭で訴えてまいりましたけれども、いわゆる不要不急の外出自粛を徹底していただく、県を跨いだ移動を緊急事態宣言が出ている間は控えていただく、特に保護者の皆さんに、お子さんを守るために積極的にワクチン接種していただく、こういうメッセージも、あわせてしっかり発信していかなければならないと思っています。
 さらに、今、自宅療養をされている方々が群馬県でも増えています。群馬県でも、自宅療養という枠を設けざるを得なくなったんですけれども、我々の感覚としては、入院調整を今している方々ということであって、あくまでも、群馬県は現時点では、陽性になった方は、入院していただくか、宿泊療養施設に入っていただくか、こういう振り分けをする。しっかり振り分けをするという、こういう哲学を維持していきたいと思っています。
 ただ、私のところにも、いろんな情報が入ってきますが、さすがに毎日200人、300人と増えて、調整中が1,000人となってくるとですね、(調整に)時間がかかる面も出てきますので、こういう方々については、しっかり現場の声を聞いて、我々も十分な注意を払っていきたい。こういうことを感じたということを申し上げておきたいと思います。

 今日、時間はあまり長くなかったんですけれども、それぞれ大変意味のある質疑をしていただいたと思います。
 今後、こうして記者会見の前に臨時県議会を行う場合には、質問者の方々との、特に知事答弁をめぐる質疑については、こうして所感を述べさせていただくことにしたいと思います。

 それでは、ここからが本番です。新型コロナに関しては、先日の臨時会見でも発表いたしましたが、本日から本県において緊急事態措置が適用されました。
 また、昨日の全国の新規感染者数は、初めて2万5,000人を超えました。本県を含む22府県で過去最多を更新したということで、全国的に歯止めがかからない状況が続いていると認識しています。
 こうした危機的な状況について、あらゆる手段を通じて、県民の皆さまに伝えていかなければならないと思っています。
 先ほども申し上げましたが、私自身、今朝の8時から高崎駅前の街頭に立ちました。久々の街頭演説でしたが、コロナ禍で不要不急の外出自粛を徹底していただくことや、ワクチン接種を積極的に受けていただくこと等について、知事から直接県民の皆さまにお願いさせていただきました。
 街頭演説は密が発生する場合もありますので、これが起こらないように十二分に配慮させていただきましたし、朝ということもあって、聴衆に密が生まれるようなことはありませんでした。また、時間は15分で区切ってやらせていただいたということは、申し添えたいと思います。
 さらに、先ほど申し上げましたが、本日の県議会で補正予算について全会一致で議決をいただいたことに、この場を借りて、県議会の皆さまに改めて感謝申し上げたいと思います。
 県としては、今回議決いただいた予算を早期に執行し、県民の皆さんの命と健康、暮らしを守るために、全力で取り組んでまいりたいと考えています。

 県民の皆さん、事業者の皆さんには、度重なる要請で大変なご迷惑、ご負担をおかけすることになります。この点は、知事として大変申し訳なく思っておりますが、まさにここが正念場です。もう1回言いますが、群馬県は危機的な状況にあると言っていいと思います。
 今回のこの爆発的感染拡大、第5波を封じ込めるためには、この会見でも何度も申し上げましたが、県民の皆さん、事業者の皆さんのさらなるご協力をいただくことが不可欠です。
 県としても、引き続き全庁一丸となって対策を講じてまいります。毎回申し上げているとおり、県と市町村の連携をしっかり深めていく。そして、県政の両輪の1つである、県議会のご理解もいただきながら、オール群馬で立ち向かっていく。これしか、この試練を乗り切る方法はないと思っています。
 県民の皆さま、ぜひとも、この試練を乗り切るために、お力を貸していただきたいと考えています。

 それでは、スライドをご覧ください。会見の主な項目です。
 今日は、この3つをご報告したいと思います。新型コロナウイルスの直近の感染状況、県内のワクチン接種の状況、豚熱の対応状況について発表いたします。結構中身があるので、少しいつもより早口に説明させていただきたいと思います。

2.直近の感染状況について

 直近の感染状況からです。スライドをご覧ください。新規感染者数の推移です。
 急激に右肩上がりになっています。直近1週間の新規感染者は、本日の新規感染者304人を含め、1,686人ということになりました。3日連続で300人を超えているということで、桁違いなレベルだと言っていいと思います。今までと比べると桁違いのスピードで、感染拡大が続いてるということが分かっていただけると思います。
 一昨日行われた厚労省の専門家組織アドバイザリボードで、全国の感染状況について、「今後も増加の増加が続く見込みである」、「災害レベルと言ってもいい」、こうした発言がありました。
 本県においても、週を追うごとに感染者が急増しています。このままでいくとですね、保健所や医療提供体制は機能不全に陥る可能性もありまして、まさに災害レベルの危機的な状況、群馬県はこういう状況に陥っているということを、改めて県民の皆さまに、ご認識いただきたいと思います。

 スライドをご覧ください。毎回発表しておりますが、感染状況の客観的な数字です。
 (1)の「1日当たりの新規感染者数」は、233.4人ということで、過去最多です。
 まん延防止措置が効果を出していたころの1日の新規感染者数は10人とかでしたが、それが(今は)200人を超えているということです。
 (2)の「経路不明の感染者」は、50.4%ということで、これは(前週と比べて)あまり変わってないんですけれども、とにかく感染者数が増えていますので、実数にすると、1週間で800人を超える方々の経路が分かっていないということになります。
 まさに市中感染が広がっている。県内どこで感染してもおかしくないという状況を分かっていただけると思います
 (3)の「検査の陽性率」は19.1%です。少し前までは7%下回っていたということを皆さん覚えてらっしゃると思いますが、今20%近くなっているということで、非常に高い水準で推移してることが分かっていただけると思います。

 続いて、新規感染者のワクチン接種状況です。スライドをご覧ください。
 昨日までの1週間の新規感染者1,634人のワクチン接種状況について調査いたしました。未接種の方が1,433人、1回接種のみの方が145人、2回接種済みの方が56人となっています。
 感染症の約9割弱はワクチン未接種の方だということで、感染の中心はワクチン接種を完了していない方という傾向に変わりはありません。
 前もこういう表現を使いましたが、「デルタ株はワクチン未接種の人たちを狙い撃ちにする」、こういう傾向があるということです。

 次のスライドをご覧ください。新規感染者の状況の年代別のスライドです。
 引き続き、20代、30代が一番多く、感染者の50%近くを占めていることが分かっていただけると思います。10代以下が24%ということで、かなり増加傾向にあることを、しっかり注視しなければならないと思います。

 次のスライド、新規感染者の状況を推定感染経路別にまとめました。
 家庭内感染の割合が増えていることが分かっていただけると思います。20代、30代の感染者が増えるにつれて、妊婦の方々の感染も増加している。こういうことは申し上げておきたいと思います。
 18日時点で、新型コロナに感染した妊婦の方が6人入院されています。最近では、帝王切開が必要になるケースもありました。
 妊婦の方々の感染の8割は、夫やパートナーの方々から移っているということが分かっています。妊婦の方々、特に妊婦の周りの方々は、一層の感染対策と早期のワクチン接種を改めてお願いしたいと思います。

 続いて客観的な数値のうち医療提供体制です。スライドをご覧ください。
 上の2段にありますが、重症例として、現在、人工呼吸器を使用してる方が13人、うちECMO、人工肺装置を利用してる方が2人いらっしゃいます。
 なお、中等症の患者の方、今回からはじめて(人数を)出しますが、中等症で入院してる方が82人となっています。
 スライド中段の病床の稼働率は69.7%です。70%前後で推移しているということで、極めて、群馬県にとっては危機的な状況だということです。
 このままでは、何度も言いますが、医療提供体制が機能不全に陥る可能性もあり、深刻です。医療体制のひっ迫はもちろんですけれども、我々が常に避けなければいけないと言い続けてきた、医療崩壊のシナリオも現実の可能性として浮上していることも、重ねて県民の皆さんにお伝えしたいと思います。
 コロナ専用病床については、8月18日に2床追加いたしました。現在、472床での運用を行っております。
 今後も医療機関と連携し、少しでも多くの病床を確保できるように、努力を重ねてまいりたいと思いますが、とにかく今は、人流を抑制して、新規感染者数を抑えることが最優先であり、これが不可欠だと考えています。
 繰り返しになりますが、県民の皆さん、外出機会の半減に何卒ご協力をお願い申し上げます。

 最後の一番下の宿泊療養者数ですが、428人ということで、先週に比べて倍近くになっているということです。

 続いて、先週の会見で記者さんからご質問があった思いますが、症状別の感染状況について、早速まとめましたのでご説明させていただきたいと思います。
 スライドをご覧ください。
 入院患者の症状別の割合を見ると、重症が5%、酸素投与が必要な中等症が25%、軽症が70%となっています。

 次のスライドをご覧ください。重症、中等症の状況を年代別にまとめてみました。
 重症については、40代、50代の方が最も多くて53%、20代、30代の方も23%いるということがポイントだと思っています。
 また、中等症についても、40代、50代が60%ということで、最も多いんですけれども、ここでも20代、30代が19%を占めており、若い方々の割合が高いということを分かっていただけると思います。
 なお、これらの方全員がワクチン未完了です。重症、中等症患者は、今この段階で、ワクチン未完了の方ということは強調しておきたいと思います。
 もう1回言いますが、今日の街頭でも、県民の皆さんに訴えさせていただきましたけれども、ワクチン2回接種して、2週間経過した方のうち、今のところ重症になっている方はおりません。中等症に陥ってる方もおりません。これは、改めて県民の皆さんにお伝えしたいと思います。
 こうしたデータからも、若年層で重症化するケースが増えているということ、それから、ワクチン接種によって重症化のリスクは抑えられる。こういうことが裏付けられると私たちは考えています。
 ぜひ積極的にワクチン接種をお願いしたいと思います。

 続いて、保健所ごとの感染者数。これも毎週説明しておりますけれども報告したいと思います。すべての地域が真っ赤になりました。感染が県全域でさらに拡大していることが分かります。
 以上が、直近の感染状況になります。

3.人流の分析結果について

 続いて、県内主要スポットの人流に関する分析結果もご説明したいと思います。スライドをご覧ください。
 調査地点は、本県の玄関口であるJR高崎駅周辺、それから主要観光スポットである草津温泉、伊香保温泉の周辺、計3カ所になります。
 スライドでは、まん延防止等重点措置が適用される直前の8月1日日曜日と、適用直後の8月8日日曜日、さらにお盆期間中である15日日曜日について、1日の平均人口を比較いたしました。
 3カ所いずれについても、県内居住者については、2週連続で減少していることが分かります。
 外出自粛にご協力いただいている県民の皆さまに、改めて、知事として感謝を申し上げたいと思います。今後も、引き続き外出機会を2分の1以下に減らすという目標に、どうか県民の皆さんのご努力をお願いしたいと思います。
 県外居住者に関しては、15日日曜日では、草津、伊香保温泉では減少しているものの、JR高崎駅では増加に転じております。
 改めて、県外にお住まいの方々にお願い申し上げたいと思います。これまで本県を訪れていただいたことに本当に感謝しております。群馬県としては、皆さんに来ていただくことは、本当にうれしいことだし、群馬県の魅力を知っていただきたいと思いますが、今は極めて深刻な状況です。緊急事態宣言が発令されている今は、大変申し訳ありませんが、群馬県への来県は、ぜひお控えいただきますように、知事からもお願いを申し上げたいと思います。

4.マスクの適切な着用について

 また、人流の抑制に加えて、感染防止対策の基本中の基本であるマスクについても、ぜひお願いをさせていただきたいと思っています。
 次のスライドをご覧ください。マスクの適切な着用についてまとめました。
 これもとても大事なことなので、ぜひ県民の皆さんにご理解いただきたいと思います。
 最近、若い方を中心にウレタンマスクを着用している方が多いと、こういう話をよく耳にします。今は様々な素材のマスクが販売されていて、安価でおしゃれなマスクを利用されている方も多いと思います。
 しかしながら皆さん、マスクの素材によって効果が大きく異なるということは、ご存知でしょうか。
 この表は、理化学研究所が示した、様々な市販マスクの性能の結果の一覧です。
 飛沫の吹き出しについては、正しく装着した使い捨ての不織布マスクでは約8割カットできます。これに対して、ウレタンマスクだと5割しかカットできないことになります。
 また、飛沫の吸い込みに関しても、不織布は、7割効果があるということですが、ウレタンマスクでは2割しかカットできないということになっています。
 感染力の強いデルタ株に対しては、不織布のマスクが最も効果的だということを分かっていただけると思います。もちろん特殊な素材によって、効果を高めている商品もあると思いますが、一般に市販されているウレタンマスクや布マスクは極力控えていただいた方がいいと思います。
 ぜひ、不織布のマスクに切り換えていただくのがいいと。ぜひこの表をよく見ていただいて、使い捨て不織布マスクをご利用いただきますようお願いいたします。
 なお、県では県産の高品質マスクの販売を行う「群馬県マスク地産地消推進プロジェクト」というものも実施しています。ぜひこの機会に、県民の皆さまには、ご活用いただきたいと考えています。

5.患者療養の新方針について

 続いて、先週の会見で発表した患者療養の新方針について、改めて、より具体的にご説明させていただきたいと思います。
 スライドをご覧ください。はじめに宿泊療養です。
 これまでは、患者の症状が軽症または無症状であっても、重症化リスクが中程度以上の方を入院とさせていただきました。
 今後は、軽症または無症状で、重症化リスクは中程度の方は、宿泊療養での対応を基本とさせていただきます。
 例えば、症状が咳・味覚障害のみ、または倦怠感のみの方で、年齢が75歳未満、または肥満度が一定程度以下の方は、従来の入院から宿泊療養に変わります。

 次に、新たな療養形態となる自宅療養です。
 症状が無症状で、重症化リスクが小さく、さらに家庭内感染の恐れがない方を対象とさせていただきます。
 例えば、発熱や呼吸苦がない、食事がとれている、2回のワクチン接種を受けている。基礎疾患があっても安定している方等が対象になります。
 また、家庭内感染の恐れのない方というのは、前回もご質問がありましたが、一人暮らしの方、同居家族がいても患者専用の個室が確保できる方等が対象になります。

 次のスライドをご覧ください。重症化リスクをまとめたスライドです。
 重症化リスクに関しても、より詳しくご説明させていただきます。
 スライドは、入院等の必要性を判断する際に目安としている「重症化リスクの評価項目」について、一部抜粋をさせていただいたものです。
 例えば、重症化リスク「大」は、年齢75歳以上、極度の肥満、悪性腫瘍で治療中の方、こういう方々がリスクが大きいというジャンルに当てはまります。
 重症化リスク「中」は、65歳から75歳の方、38度以上の発熱が続いている、糖尿などの持病をお持ちの方などが当てはまります。
 重症化リスク「小」は、基礎疾患があっても安定している、コントロールされている方などが、当てはまります。
 あくまで、これは目安です。最終的には患者の方々の状態の全体像を評価し、保健所長が判断することとしていますが、これまでの県内の症例をもとに、重症化リスクについて知見を積み重ね、より現場で使いやすくしたものになります。
 繰り返しになりますが、重症・中等症の方はもちろん、軽症であっても重症化リスクの高い方に対しては、これまで通り入院していただきますので、その点は安心いただきたいと思います。
 その上で、限りある医療資源を有効に活躍するため、引き続き医師会、医療機関とも連携して対応していきたいと思います。
 県民の皆さまには、ぜひ、この点についてもご理解、ご協力をよろしくお願いいたします。

6.健康観察センターについて

 続いて、健康観察センターについても、具体的な役割・業務内容を、改めて報告いたします。
 スライドをご覧ください。
 新方針の導入によって、新たな療養形態となる「自宅療養者」に関しては、療養中におけるきめ細かいケアが大事です。
 このため、新たに健康観察センターを新設し、疫学調査や入院・宿泊療養の調整等を行う保健所とも連携し、自宅療養者のケア等に努めてまいります。

 センターの役割は主に3つです。
 1点目は、自宅療養者や入居待機中の方などへの健康観察です。
 センターに配属された看護スタッフが1日1回を目安に、患者に電話し、体温、血中酸素濃度、咳、息苦しさ、その他の症状、服用している薬、食事がとれているかなどを聞き取り、日々の健康状況を把握してまいります。
 あわせて、自宅療養者からの療養相談にも24時間体制で対応します。容態が急変した場合には、センターから保健所へ連絡、保健所が直ちに受診・入院等の必要性を判断し適切に医療に結びつけてまいります。

 ここから少し、しゃべる速度をゆるめたいと思います。考えてみたら、手話通訳者の方も入っているので、少し時間を短縮しようと思って、しゃべるスピード速くしましたけれども、大変ご苦労をおかけしていることに今気がついたので、いつものペースに落とさせていただきたいと思います。大変失礼しました。

 2点目ですが、自宅療養者や入居待機者への資材貸与です。
 具体的には、パルスオキシメーター及び体温計を患者世帯に1台ずつ貸し出したいと思います。健康観察に不可欠な資材を貸与し、健康観察の実効性を担保してまいりたいと思います。

 3点目、これは希望者の方々への生活物資の提供です。
 自宅療養者の方々には、自宅等から外出しないよう協力を求めていきます。従って、食料品や日用品の備蓄がない。あるいは、家族や友人に生活物資の手配を頼めない。
 こういう場合は、療養どころではなくなってしまいます。こうしたときには、センターから患者の皆さんに対して、必要な食料品、使い捨マスク、トイレットペーパー、乳児のいる家庭にはオムツ等の日用品を配送いたします。
 なお、機材の貸し出しや生活物資の提供に関しては、これまでも、宿泊療養施設への入居を待機されてる方等には、保健所等を通じてお配りしておりました。
 今後はセンターの業務として、よりきめ細やかな対応を行ってまいりたいと思います。

 センターは、本日から業務を開始いたしました。実施体制は、県職員3名と看護師3名で、まずは入居待機者への健康観察を行っております。
 来週以降、看護師を順次確保・増員いたします。保健所単位で自宅療養の実施区域を拡大していく予定です。今後400人以上の対象者を想定し、十数人規模の体制で業務を進めていきたいと考えています。

 なお、先週の記者会見では、1日200人の患者や感染者を想定し、今回の新方針の適用に至ったという旨をお伝えいたしました。
 しかしながら、皆さまご存知のとおり、県内で連日300人を超える感染者が確認されています。先週の段階で発表した想定をはるかに上回るペースで感染が急拡大しています。
 県においては、急激な感染拡大を受けて、改めてシミュレーションを見直すとともに、さらなる対応の検討も行っております。この検討を早急に進めておりますので、決定次第、改めて記者会見等を通じて、県民の皆さまにもお伝えしていきたいと思います。

7.県営ワクチン接種センターの稼働状況について

 続いて、県内のワクチン接種状況についてご報告をさせていただきます。
 まずは、県営ワクチン接種センターの稼働状況です。スライドをご覧ください。
 昨日19日木曜日までの接種人数の累計は、県央ワクチン接種センターが32万7,281人、東毛ワクチン接種センターが8万4,315人、両センター合わせて41万1,596人。こういう数字になりました。
 直近1週間の1日当たりの接種人数は、県央が約7,800人、東毛が約1,700人、両センター合わせて9,596人になります。両センター合わせた稼働率は91.4%、順調に稼働しているものと捉えています。
 なお、県央センターに関しては、10月2日までの運用ということにさせていただいています。2回目の接種が1回目の接種から4週間空ける必要があることから、実質的には1回目接種の予約受け付けは9月3日の金曜日で終了する予定になります。
 現在の予約状況ですが、来週の前半の方にまだかなりの余裕があります。接種を検討されてる方は、ぜひ、県営接種センターへの予約をお願いしたいと思います。

8.県全体のワクチン接種率について

 続いて、県全体のワクチン接種率についても、最新状況をご報告いたします。
 スライドをご覧ください。
 昨日時点で、県民に占める1回目の接種率は56.37%に上昇いたしました。県の全人口の約5割が、1回目のワクチン接種を終えたことになります。
 全国平均の48.20%を大きく上回って、全国順位は、先般の6位から5位なりました。いよいよ全国で5つの指に入るところまではやってきました。この数字はもっと上がると考えています。
 当然、首都圏では一番高い接種率ですし、関東地域の他の都県に比べると、前回の会見で申し上げましたが、10ポイント近く、あるいは、それ以上の高い接種率になっていることが分かっていただけると思います。
 2回目の接種率に関しても、42.05%ということで、全国平均の37.76%を上回っています。
 全国順位も先週から順位を上げました。一時、20位過ぎだったんですけれども、16位まで上がってまいりました。当然、これも首都圏では最も高い接種率ということになっています。
 なお、日経新聞社の調査によると、12歳から64歳の1回目の接種率、皆さんに申し上げてるとおり、高齢者の方々に対する接種については一応完了しましたので、9割、8割後半ということで、この数字はあまりここからはフォローしなくてもいいと思いますが、その点で言うとですね、もう1回言いますが、12歳から64歳の1回目の接種率は、山口県、熊本県に次いで群馬県は全国3位となっています。
 これも首都圏で断トツの順位であることは言うまでもありません。
 現在のペースで接種が進んだ場合、12歳以上の県民のうち2回目の接種を完了した方の割合が、今月末には5割後半になると思います。9月末までにおよそ7割に達するという見込みになっています。
 県民へのワクチン接種の加速化は極めて重要だと考えています。群馬県が首都圏で最も接種率が高い。今朝の街頭でも、そのことに言及いたしましたが、さらに今後も積極的にワクチン接種を進めていく。こういう事実は、後々大きな意味を持ってくると私は確信しています。

9.感染者のワクチン接種状況について

 次のスライドをご覧ください。続けて、感染者のワクチン接種状況についてもご報告したいと思います。
 ご覧のとおり、直近2週間の感染者2,583人のうち、未接種の方が2,255人おられます。
 1回接種の方が249人、2回接種した方が79人となっています。
 2回接種の方が感染する割合は、1回接種の方の9分の1です。未接種の方と比べると、22分の1ということになります。
 加えて、重症者について見ても、未接種の方は14人となっていますが、1回接種の方は3人、2回接種の方は0人ということです。
 こうしたデータからも、ワクチン接種による発症予防効果、重症予防効果というものを分かっていただけると思います。

 次のスライドをご覧ください。ワクチン接種と感染者数の比較に関するスライドです。
 今日、金井政調会長も臨時議会の本会議の質疑のところで、使っておられた表です。
 スライドを見て分かるとおり、ワクチン接種率の高い高齢者ほど、感染者数が少ないということは、一目瞭然だと思うんですね。接種率が低い若年層の感染者が高くなっている、こういうことです。

10.若年層への接種促進、正しい情報の周知について

 何度も申し上げておりますが、県民の皆さん、今後いかに若い方々に接種をしていただくか、若い方々の間の接種率をどう高められるか、これがですね、今後の感染防止対策の大きな鍵になってまいります。
 この若い方々のワクチン接種に関しては、8月6日の定例会見において、県の対策としてインセンティブを導入することを発表させていただきました。
 この件に関しても、その概要がより具体的に固まってまいりましたので改めてお知らせしたいと思います。

 次のスライドをご覧ください。若年層への接種促進、正しい情報の周知に関するスライドです。
 若年層の接種を促進するためには、まずワクチンのメリットとリスク等の情報を正確に知っていただくことが大事だと思っています。
 特にSNSでは、ワクチン接種で不妊になるとか、科学的根拠に基づかない情報、誤った情報、こういうものがあり、若年層の方々がその影響を受けている可能性があります。
 そのため、今回、科学的知見に基づく正しい情報、すでにワクチンを受けた同世代の声を動画や紙面にして、県のホームページやtsulunosに掲載するほか、LINEやツイッター等を活用して、若年層に広く周知することといたしました。
 市町村や大学・専門校、業界団体にもご協力をいただきながら、より多くの方々に情報が届くよう積極的に発信をしてまいります。

 次のスライドをご覧ください。若年層への接種促進、抽選による特典付与に関するスライドです。
 前回もご説明させていただきましたが、様々な媒体による情報発信を通じて、多くの皆さんに正しい情報を知っていただいた上で、それでも接種を迷っている若年層の方の背中を押す効果を期待して、このインセンティブ特典というものを導入したいと思います。
 対象者は、令和4年3月31日現在で20歳から40歳の方で、県内に住民票がある方。さらに9月末までに2回接種を完了した方、以上3つの条件をすべて満たす方といたします。すでに接種を終えている方も対象とし、もちろん医療従事者の方も含めます。
 抽選のお申し込みは、群馬県デジタル窓口で、9月15日の水曜日から10月末まで受け付ける予定です。詳細は、ホームページでご確認をいただければと思います。
 若年層の皆さん、県のホームページや動画を見て、ぜひ新型コロナ感染症に対する正しい情報を知っていただきたいと思います。特にワクチンをめぐる正確な情報を掴んでいただいて、その上でぜひワクチンを接種していただきたいと思います。
 ワクチンを接種した方に対してもですね、ぜひこの事業に応募いただきたいと思っています。

11.豚熱(CSF)の対応状況について

 次いで、豚熱の対応状況、桐生市内の農場ににおいて、今月7日に発生した豚熱の対応状況についてご報告いたします。
 スライドをご覧ください。防疫措置の進捗状況です。
 7日から開始した防疫措置は、17日に殺処分が完了いたしました。現在、農地及び施設の清掃等の作業を実施しています。26日にはすべての防疫措置が完了する見込みになっています。
 殺処分した頭数は6,068頭で、殺処分終了時点での従事者数は、累計で2,476人となっています。
 防疫作業にあたっては、県職員はもちろんのこと、国、桐生市及び近隣の前橋市、伊勢崎市、太田市、みどり市、JAグループ、建設業協会、トラック協会、バス事業協同組合、民間防疫業者の方々にご協力をいただいています。加えて、今日の全国知事会の場でお礼を申し上げたんですけれども、全国の19都県から獣医師の応援をいただきました。
 ご協力をいただいているすべての皆さまに、知事として重ねて感謝を申し上げたいと思います。

 次のスライドをご覧ください。疫学調査チームの現地調査概要をまとめたスライドです。
 国と県の獣医師で構成される疫学調査チームが実施した飼養衛生管理状況、感染経路に関する現地調査の概要が13日に公表されています。
 報告によると、飼養衛生管理の状況及び農場の周辺環境について、評価できる点と、いくつかの問題が指摘されています。
 評価されたのは、飼養衛生管理について、車両消毒、畜舎ごとの長靴・衣服交換を実施していたほか、豚の豚舎間の移動通路の消毒も実施していただいたということで、この点はきちんと管理ができていた点です。
 一方で、問題とされたのは、畜舎内でネズミが確認されたということ、農場周辺で豚熱に感染したイノシシが確認されていたことなど、農場外からウイルスが持ち込まれた可能性があるという点です。

 こうした指摘を踏まえ次の対策を講じることといたしました。
 スライドをご覧ください。3回目の豚熱発生を踏まえた今後の対応・対策の中身に関するスライドです。3つあります。

 1点目が、飼養衛生管理のさらなる遵守徹底です。
 今回、疫学調査チームから指摘のあった農場内におけるネズミなどの小動物の対策指導というものを強化したいと思います。
 また、今年5月に県が開発した飼養衛生管理基準の自己点検アプリというものがありますが、これを今以上一層普及させたいと思います。それによって現場からの意見をいただき、より実効性のあるものとしていきます。
 養豚農家の皆さんにおかれましても、飼養衛生管理のさらなる徹底を改めてお願いしたいと思います。

 2点目、野生イノシシ対策の強化です。
 緊急捕獲エリアにおける市町村・猟友会と連携した、捕獲戦略会議を通じて、データと経験を加味した捕獲の強化を実施していきます。
 また、経口ワクチンについても、11月以降、赤城南面地域を中心に2回目の散布を行う予定です。

 3点目が、リスクレベルの分析とアラートの発動です。
 野生イノシシの捕獲状況や感染イノシシの発生状況等のモニタリングを強化・分析し、リスクの高い地域に対しては、自己点検アプリを活用して、農場にアラートを発動して、注意を喚起してまいります。

 養豚農家の皆さんにおかれましては、3回目の豚熱発生を受けて、大きな不安を抱えていることと存じます。これまで、養豚農家の皆さんには大変な努力をしてきていただいたということを考えると、前回の会見で申し上げましたが、知事としては申し訳ない気持ちでいっぱいです。
 県としては、今後発表される疫学調査チームの詳細な調査結果も踏まえながら、国とも連携し、対策に取り組んでいきたいと考えております。
 また、市町村、養豚協会等とも連携し、本県の主力産業の1つである、この養豚業を守るため、引き続き全力で取り組んでまいります。

12.県民栄誉賞の贈呈について

 最後に、県民栄誉賞の贈呈です。もう少しお付き合いいただきたいと思います。
 県民栄誉賞をソフトボール日本代表の群馬県勢に贈りたいと思います。
 先に開催されました東京2020オリンピックにおいて、金メダルを獲得したソフトボール日本代表の群馬県勢の皆さまに対して、県民栄誉賞を贈呈することといたしました。
 北京オリンピックに続く金メダル獲得という快挙は、このコロナ禍で、スポーツの域を超えて、群馬県民に夢と希望、エネルギーを与えてくれたと思います。
 まさに、群馬県民の誇りです。知事として、県民栄誉賞をお贈りし、この方々の偉業をたたえたいというふうに思っています。

 スライドをご覧ください。ソフトボール日本代表・群馬県勢についてのスライドです。
 ソフトボール日本代表選手団には、群馬県内のチームに所属している8名の選手の方々、監督、コーチ、トレーナー、総務、そして本県出身のチームリーダー、合わせて13名の群馬県関係者の皆さんがいらっしゃいます。
 今回の金メダルは、この13人の皆さんがチームを牽引し、さらにチームをサポートして一丸となって成し遂げた快挙だと考えています。従って、群馬県勢という形で県民栄誉賞の贈呈を決定いたしました。
 県民栄誉賞を贈呈する顕彰式の時期については、できるだけ早くやりたいという思いもありますが、この新型コロナウイルス感染拡大状況も勘案しながら、ソフトボールの後期リーグが終わる11月以降に実施したいと考えています。

 冒頭の説明がもう1時間になりました。ちょっと長くなって申し訳ありませんでしたが、私からは以上です。何かご質問があればお受けしたいと思います。

質疑応答

ソフトボール日本代表の住民票所在地について

(記者)
 細かいところではありますが、県民栄誉賞を受賞される方々の住民票の所在地を確認できればと思います。いただいている資料によると、チームリーダーの方が群馬県出身という表記をされているので、この方は、今は厳密に言えば、群馬県民ではなくなっているという理解でよろしいでしょうか。

(総務部長)
 お話のとおりです。
 チームリーダーの矢端さんにつきましては、群馬県ではなくて北海道にお住まいと聞いております。

(記者)
 それ以外の方は、住民票を県内に移されて、県民であるという理解でよろしいですか。

(総務部長)
 個人情報なので、明確にお答えはできないですけれども、そういった理解でよろしいかと思います。

若年層への接種促進策について

(記者)
 若年層への接種促進策についての発表もありましたので、こちらも細かい点なんですけれども、確認させていただければと思います。
 ワクチンのクイズに正解することが、応募できる条件になっているということでしたが、このクイズは、厳密に1回だけ実施して、駄目だったら応募できないものなのか、それとも若年層の方々への知識を付与することを目的として、何回でも受けられるような設計にするのか、その辺り伺えればと思います。

(知事)
 大久保ワクチン接種推進局長からお願いします。

(ワクチン接種推進局長)
 クイズについては、再度チャレンジが可能です。
 クイズに挑戦する前に、しっかりとワクチンに関する情報をご覧いただこうというところで、見ていただいた内容をクイズにしたいと思っていまして、仮に間違えた場合は、もう1回最初からやっていただくかたちで考えております。

酸素ステーション、抗体カクテル療法の拠点の整備について

(記者)
 コロナウイルスの重症患者増加への対応策について伺えればと思います。
 他の都道府県の動きを見ますと、最近は、酸素ステーションですとか、抗体カクテル療法の拠点を作るような動きになっております。群馬県でも、こういった医療拠点を新たに整備する考えがあるのかどうかその辺りをお願いします。

(健康福祉部長)
 現在のところ、酸素センターのようなものをすぐにつくるような具体的な動きはしておりません。現在のところ、基本的には、これまでどおり入院が必要と判断された方につきましては、一両日中の入院が可能になっておりますので、そういった状況もありますので、今すぐということではないんですけれども、また今後の大きな動きの中で考えていかなければならない課題にはなるかと思っております。

(知事)
 今のお話で、他県もいろいろな試みをされていると思います。
 前回の記者会見で、どなたかから、ある県の例を出して、体育館に緊急の病床を設置したというお話があって、群馬県としてはこのような策は考えていないのかという話がありました。
 それぞれの県で事情も違うし、もちろんそれには理由がある話なので、それについて批判をする気はないんですけれども、いわゆる、病床をつくればいいということじゃないんです。例えば、ベッドがあって、部屋があればいいということではなくて、武藤健康福祉部長からもよく説明してもらっているんですけれども、要は、コロナに感染した患者の方に対応する医師の方や看護師の方をどうやって確保するかということが大事な問題なんですね。
 病床数だけ確保することは、誰でもできるので、我々は、今のところは必要なお医者さんと、それから看護師の方、医療スタッフをしっかりと確保できるというめどに基づいて、病床を積み上げているので、他県は他県の事情があるので、きっと理由があると思うので、その点について、批判するつもりはないんですけれども、その点は、県民の皆さまにも分かっていただきたいなと思います。

 この前、前橋赤十字病院を視察しました。新型コロナ病棟で防護服を装備しましたが、これだけでも相当ストレスがたまるし、手術にも使えるようなマスクは大変で、1時間とか2時間着けていたら、呼吸困難になりそうな感じでした。
 その時に分かったことは、いわゆる我々が重症者と考えている、人工呼吸器を使っている方々は、本当に症状の重い方々なんですよね。意識がないですし、1日に何回か、体を動かして、うつ伏せにしたりしなければならないという話だったんですけれども、いろいろなところに必要な管がありますので、これが外れたら大変なことになるので、それだけでも6~7人必要だと言っていました。患者の体が大きな方だと、本当に10人ぐらい必要なんです。それを1日何回かやらなければいけないということなので、要は、人工呼吸器がどのくらいあるかとか、病床がどのぐらいあるかということも、もちろん大事なんですけれども、実は、それを本当に運用できるだけの医師の方、看護師の方、医療スタッフを確保できるかどうかということが、実はものすごく大事だということは、ぜひ県民の皆さまにもご理解いただきたいと思います。

入院・宿泊療養調整中の方の人数について

(記者)
 まず、今日現在の入院・宿泊療養調整中の方の人数が分かれば教えてください。

(健康福祉部長)
 今日現在ではなく、昨日の夜の時点になるんですけれども・・・

(知事)
 最新情報で。

(健康福祉部長)
 現在、いわゆる調整中にさせていただいてるのは1,186人です。

(記者)
 先週の記者会見で、健康観察センターができたら、随時、自宅療養というカテゴリーもつくっていくという話だったと思うんですけれども、自宅療養の人はまだいないという認識でいいですか。

(健康福祉部長)
 今日から、県職員3名と看護師さん3名で、健康観察センターをスタートさせていただきました。
 今の時点で何人が(自宅療養か)というのは、まだ把握していないんですけれども、「あなたは自宅療養してください」というような形で動いております。

(記者)
 そうしますと、来週からは、調整中の人数のうち、入院、宿泊療養の調整中の人なのか、自宅療養の人なのかという数字も示していただけるようにはなるんでしょうか。

(健康福祉部長)
 そうですね。
 その辺は、基本的には出せると思います。

妊婦の方への対応について

(記者)
 冒頭の知事のご発言で、妊婦の感染者の方が6人入院されているというお話がありました。
 妊婦の感染者の方で、自宅待機されている方ですとか、宿泊療養施設に入っていらっしゃる方というのはいないという認識でよろしいですか。

(健康福祉部長)
 妊婦の方で入院されている方は、先ほど知事からお話があったと思うんですけれども、6人の方が入院されていて、自宅療養の方とか宿泊療養の方はいないです。

(記者)
 他県で、妊婦の方が自宅療養していた際に生まれた赤ちゃんが亡くなってしまったという事案があったので、そういった恐れがないかなと思って確認しました。

(健康福祉部長)
 本県の場合には、基本的には、妊婦の方については入院という形で進めさせていただきました。
 ただ、この後、妊婦の方でも、無症状でリスクのない方については、ホテル療養ということは考えておりますけれども、妊婦の方が自宅療養という選択肢は考えていないです。

全国知事会議での山本知事の発言について

(記者)
 今日、この知事会見の前に全国知事会議でご発言をされました。
 特措法の改正の必要性にも触れていらっしゃいましたけれども、改めて、発言された内容の簡単なまとめと、その意味を教えていただければと思います。

(知事)
 現行の特措法の改正の必要性については、昨年の5月ですかね、すでに群馬県独自の特措法改正案というものを作成して、西村大臣にはお出ししているんですね。
 私自身、立法府に20年以上いたのですが、例えば、今回のまん延防止等重点措置が制度として法制化されるときにも、中途半端じゃないかと思っていました。
 おそらく、政治の状況もあるのかもしれませんが、もちろん実効性がないとは言わないんですけれども、もう少し強力なものになるんじゃないかと思っていたので、その点は少し残念でした。
 今日も申し上げたのですが、ぜひ立法府の皆さんに考えていただきたいのが、昔、映画でもあったように、事件は会議室で起こってるのではなく、現場で起こっているわけであって、つまり、現場では、ワクチン接種をしていない人たちを狙い撃ちにするようなデルタ株という恐ろしい強敵が出てきているわけですよね。
 なおかつ、今日の知事会の中では、何人かの知事から、もちろん法改正は必要だけれども、とにかく日々、感染者を減らすということに、しっかり全力を注がなきゃいけないんだというご意見も出て、そのとおりなのですが、私の感覚だと、新型コロナとの戦いというのはさらに続くと思います。このままデルタ株を抑えたからといって、新しいミュウテーション(突然変異)が起きて、さらに強力な変異株が出てこないとも限らないですよね。
 アメリカのバイデン政権は、CDC(米国疾病予防管理センター)の新しい分析結果を見て、8カ月ぐらいで免疫力が落ちるということで、すでに3度目の接種、いわゆるブースターショットを前向きに検討しているわけじゃないですか。
 大きな流れとしたら、日本も3度目の接種みたいな話になってくるし、場合によっては、毎年接種しなければいけないということもあるかもしれない。私は基本的には、前向きだし、楽観的なんです。そうは言っても、こうやって知事として現実に向き合った時に、これだけのスピードで感染者が増えたら、実際に病床がひっ迫する、一般の医療にも支障が出てきて、救えない命も救えなくなるという現状を見れば、やはり最悪のケースは、常に想定していかなければならないと思います。
 だから、今日言ったのは、法制化には時間がかかるけれども、一刻も早く知事会としての意向を伝えて、政府与党に対しても、それから立法に対しても、ぜひ、飯泉会長と平井代行から働きかけていただきたいというふうにお願いしました。
 微力ながらお手伝いしますと。菅総理には常に連絡できますし、河野大臣にも常に会いに行けます。与党の国会議員を20年以上やっているので、微力ながら、そういうところは、しっかりとお支えするので、本当に知事会の意向として、「もっと現場の状況を熟知した知事のことを信頼してくれ」と思っています。少し厳しい制度を作ると、権利を濫用するんじゃないかと言うんですけれども、知事は、その制度を濫用するようなことはありませんから。ぜひこれは強く政府・与党にも、それから立法府にもお願いしたいと思います。

入院・宿泊療養調整中の方への対応について

(記者)
 先ほどの記者さんの質問とも関連するんですけれども、まず、入院等調整中の方々は、昨日時点で1,186人いらっしゃるということなんですけれども、これは、入院とか宿泊施設に入るというところに少し時間がかかっているような状況なんでしょうか。

(健康福祉部長)
 基本的には、先ほども申し上げましたが、入院が必要だと、適切だと判断された方につきましては、一両日中に入院していただくようにしております。それは実現できていると認識しております。
 ただ、ホテル療養の方につきましては、3日ぐらいのタイムラグがある方もいらっしゃいます。

(知事)
 群馬県の場合は、調整中というジャンルで今1,000人以上の方がいるわけですよね。
 自宅療養というジャンルを設けることになったので、これは武藤健康福祉部長が言ったように、健康観察センターもできたので、たぶん(自宅療養者の)数字が出てくるんだと思うんですね。
 ただ、基本的に言うと、群馬県は基本線を諦めていません。1,000人になっても、基本的には、陽性になった方は、できる限り入院してもらうか、宿泊療養施設に行ってもらうか、こういう振り分けを基本にするという基本線を諦めていません。これを変えないでいきたいと思って努力しているということです。
 ただ、こういう状況の中で、自宅療養みたいなジャンルも設けなければいけないということなので、、明日あたりから数字が出てくると思いますが、基本的には、できる限り入院していただくか、あるいは宿泊療養施設に入っていただくか、こういう方針で群馬県は行きたいと思っています。

(健康福祉部長)
 先ほどの、別の記者さんの質問(●入院・宿泊療養調整中の方の人数についての質問)とも関係するんですが、訂正させてください。
 今日から、健康観察センターができたのは間違いないんですけれども、まずは、看護師3人と県職員3人で、ホテル入所を調整させていただいている方、あるいは先週お話させていただいたように、「ホテルも回転を早くして、本当に全く症状がなくなった方には、少し早く、ホテルから自宅に帰っていただける方がいらっしゃいます」という話をさせていただきましたが、そういった方について、フォローを始めたというところでございまして、はっきりと、「あなたは(はじめから)自宅療養ですよ」というようなカテゴリー分けにつきましては、来週ぐらいからになる予定でございます。
 謹んで訂正させていただきます。

(記者)
 そうすると、健康センターは今日からできるけれども、自宅療養として開始するのは、来週ぐらいからということですね。

自宅療養中に症状が急変した方への対応について

(記者)
 おそらく県民として不安なのは、やはり急変のリスクをどう察知していただくかということだと思うんですけれども、都内では、先ほど妊婦の話もありましたけれども、軽症・無症状の方でも、デルタ株の特徴だと思うんですけれども、急変して重症化し、亡くなってしまうというケースが出ています。
 それをどのように、県として、早期に察知して、適切な医療体制につなげていくかというところについては、県としてどういうふうに考えていらっしゃいますか。

(健康福祉部長)
 まさに、そういった心配があるものですから、今回の健康観察センターをつくらせていただきまして、1日に少なくとも1回は必ず報告をさせていただきますし、ホテル調整中の方も含めて、皆さんにパルスオキシメーターをお配りして、数値は見させていただくようにしますので、ご心配の方は、保健所または健康観察センターにご連絡いただく、こちらからも療養されている方に連絡をさせていただくという形で、常に連絡がとれるようなことに配慮させていただいて、重症化する前にしっかりと対処できるようにやっていきたいと思っております。

(記者)
 療養相談としては、保健所の方が毎日自宅療養者の方に確認をするようなイメージですか。

(健康福祉部長)
 来週以降については、順次、健康観察センターが、自宅療養の方につきましては、連絡を取りますが、完全に移行するまでの間は、保健所の方でさせていただきます。

入院調整中の方の年齢層について

(記者)
 先ほど、入院調整中の方が1,186人いるということですが、どの年代の人が多いのかということを聞かせてください。というのも、これだけ感染者が増えているんですけれども、死亡率が少なかったり、病床稼働率も70%というのは高いんですけれども、これだけの感染者がいる割には、相対的に高くないのかなとも思えるような数字なので、やはり、ワクチンを打っている、打っていないとか、若年層が多いとか、そういう証左になるんじゃないかと思うんですけれども、その辺の数字は・・・

(健康福祉部長)
 まず、誤解していただきたくないのは、入院調整中の方が1,186人いるというわけではないということです。何度も申し上げますが、入院が必要だという方につきましては、一両日中に入院していただいておりますので、ある意味、1,186人のうち、何十人かは、入院がもう決まっていて、入院のための準備をしているような方もいらっしゃいますので、そういった方も含まれております。
 それから、先ほど申し上げた、入院ではなくて、ホテルに入っていただく方で、調整をしている方もいらっしゃいます。その他にも、いろいろな事情の方がいらっしゃいまして、そういったカテゴリーで1,186人の方がいらっしゃるということをまずご理解ください。
 それから、冒頭の知事の発言の中でもありましたけれども、新しい療養の方針の中でも、年齢層の高い方につきましては、リスクの高い方ですから、こういった方々については、入院していただく、あるいはホテル療養していただくという方がいらっしゃいますので、その方たちというのは、74歳以上、いわゆる後期高齢者の方は完全にリスクが高い方ですから入っていますし、年齢層的には若いわけではないですけれども比較的若い人がほとんどです。

(知事)
 今の話だけれども、1,100人ぐらいの年代の内訳はどんな感じになったのですか。

(健康福祉部長)
 正確なところは出してないんですけれども、感染された方の年齢層を出していますので、それに準じたようなかたちだと思います。

(記者)
 やはり若い方が多いという・・・

(健康福祉部長)
 圧倒的にそうですね。

(記者)
 やはり、重症化するのは高齢者の方が多くて、ワクチン接種が進んでいるのは高齢者ですから、高齢者は重症化しにくいのかなという印象も受けているんですけれども。

(健康福祉部長)
 それは、知事がこれまでも何度も申し上げているとおりだというふうに私は理解しています。
 今日見ていただいた中で、重症の方の年齢層、あるいは中等症の方の年齢層、その他になってくるんですが、入院されている方の中でも、重症の方も本当にごく一部ですし、中等症の方もそれなりに少ないですので、圧倒的に軽症の方が多いわけでして、それ以外の方が待機されている方ですので、そういった意味でも、症状の出てくるリスクが低く、若い方たちが1,100何人の中にほとんどが含まれているというご理解いただければと思います。

入院中の妊婦の方について

(記者)
 妊婦の方が6人いらっしゃるということで、これは柏市の例を受けて、改めてデータを見直したような感じなのでしょうか。

(健康福祉部長)
 入院していただく段階、あるいは感染が分かった段階で、保健所の方でチェックしますので、千葉県の例とは関係なく把握しておりました。

群馬県内の救急搬送困難事案について

(記者)
 各地で問題になっているのは、フォローアップ体制で、症状が急変した時の救急体制がかなり問題になっていて、パルスオキシメーターで計ったら酸素飽和度が80%台という方が結構いらっしゃったり、そういう報道がなされてるかと思うんですけども、容態が急変した時の救急体制ですね。各地で救急搬送困難事案が増えているんですけれども、県内の状況について(データを)取っていたりはしますか。

(危機管理監)
 県内の救急搬送の状況ですけれども、コロナに限りますと、8月1日から19日までの状況では、259件ございます。先月の7月は、208件ありましたので、かなり高いペースで、搬送自体は増えております。
 困難事案件数につきましても、7月は4件だったものが、8月は19日までで、11件です。このベースでいけば、3倍~4倍ぐらいになる可能性もあります。
 ただ、現時点で著しい支障が出ているという話は上がってきていません。
 今後、こういった事案が増えることも予測されますので、各消防本部の考えも聞きながら、健康福祉部ともよく検討していきたいと思います。

健康観察センターと中核市との連携について

(記者)
 自宅療養の関係とセンターの関係でお尋ねします。
 今回、県に健康観察センターをつくるということですが、保健所を持つ前橋と高崎の中核市の対応について、決まっていたら教えてください。

(健康福祉部長)
 基本的には、入院ですとか、ホテルの運用につきましては、中核市の皆さま方とも連携しながら、一緒に運営させていただいております。
 そういったことから、健康観察センターにつきましても、基本的には一緒にやっていくという認識を持っております。

(記者)
 先ほどお示しいただいた、新しい区分けも前橋とか高崎の患者さんにも、同じように適用するということでよろしいでしょうか。

(健康福祉部長)
 細かいところを言いますと、入院勧告は保健所長が持つ感染症法上の権限になってくるので、そういったところはありますけれども、基本的には目線を合わせてやっていきたいと思っています。

生活物資支援に係る市町村との連携について

(記者)
 生活物資を支援するというようなこともあったと思いますが、一部の市では、自宅療養者に対して、物資をお届けするといったような市もあるかと思います。市町村との連携についてはいかがでしょうか。

(健康福祉部長)
 市町村さんの状況も改めて確認させていただきながら、やっていきたいと思っております。

健康観察センターから療養者への連絡回数について

(記者)
 先ほどから、若くても急変されるというお話がいくつか出てるかと思うんですけれども、センターからの連絡というのは、1日1回の電話で足りるという考えなのでしょうか。

(健康福祉部長)
 これから、運用していく中で、それでは足らないということになれば、当然増やしていくことも考えています。
 ただ、今自宅療養していただこうと思っている方につきましては、感染は確認されたけれども、重症化リスクのない方ということで考えておりますので、そういったこともあって、今のところ大丈夫じゃないかなと思っております。
 これまでも、感染は確認されたけれども全く症状がなくて、重症化リスクのない方がほとんど問題なく過ごしてきたこともあるものですから、そういった経験則に基づいて、まずはここからスタートしたいと思ってます。

東京五輪におけるソフトボール日本代表について

(記者)
 ソフトボールのオリンピックの関係でお尋ねするんですが、もし試合をご覧になっていたら、印象的なシーンとかあれば教えていただければと思います。

(知事)
 息をのむような展開でしたよね。最初に上野投手が投げて、1回かな、結構なピンチがありましたよね。やはり、あそこを乗り切ったのがすべてかなという感じがしています。それから、2回登板したというのも、本当にすごいなと。上野選手が、いかにチームの信頼を得ているのかが分かると思いました。
 上野選手には、とても思い入れがあります。群馬県のチームであるビックカメラの主力選手ということもあるんですけれども、直滑降ストリームにも出ていただいたので、あの時まだ、東京オリンピック開催は非常に難しい状況であったんですが、上野選手がそこを目指して本当に頑張っておられるのを感じましたので、とても思い入れがあります。直滑降ストリームを昨日見直してみたんですけれども、やはり上野選手の情熱とか、お人柄が伝わってきて、すごくファンなので本当に嬉しかったですね。
 それから、もう1回言いますが、今回、群馬県勢ということにしましたけれども、やはり群馬県出身の選手とかコーチとか、そういう方々が活躍して、2度目の金メダルを取られました。全国民、特に群馬県民に大きなエネルギーを与えていただいたことに、大変感動しました。
 だからこそ、優勝した直後に、ぜひ県民栄誉賞をあげたいということを、関係部局に相談をしました。

3度目のワクチン接種について

(記者)
 先ほど、3度目の接種のことで少し言及がありました。
 以前に、河野大臣が、3回目接種に非常に前向きな発言もありまして、これは現実にあるのかなというふうに見ていたところです。
 もし必要となれば、毎年、接種もあり得るんじゃないかという知事のお話でしたけれども、一方、県がやるとなれば、会場の確保について、市町村がやるのか分かりませんけれども、どういう見通しとか、心構えとかありましたら、お聞きしたいのですが。

(知事)
 これは、はっきり分からないところです。私は専門家でもないので。
 ただ、毎日欧米のニュースを欠かさずフォローしている中で言うと、アメリカでは、ブースターショットの流れができつつあるということですし、先ほど申し上げたとおりCDCの最新の知見でいうと、8カ月ぐらいで免疫が低下してくるとのことでした。さらに、ブースターショットによってかなり免疫が一気に跳ね上がるみたいな結果も出ているので、大きな流れからすると、日本もそういうことになっていくんじゃないかなという気がしています。
 以前から言っているように、コロナとの戦いは、かなり続くと思っていまして、さっき申し上げたとおり、私は基本的に前向きで楽天的なんですけれども、例えば、デルタ株よりも感染力の高い変異株が出てくると、ある日報道された時のことを思うと、やはり気が気ではないです。重症化率もすごく高い変異株が出たときに、ワクチン接種をしていなかったら、非常に不安が高まると思うんですね。
 ただ、その時の状況を考えて、今はとにかく、希望する県民の皆さんにできる限り早く2回の接種を終わらせたいというのがありますが、これももちろん大きな流れの中の予想ではあるんですけれども、こういう状況を考えると、もしかすると、このCDCの最新の知見が正しければ、時間によって免疫が落ちるのであれば、毎年接種を受けるということも、もちろんあり得るんじゃないかと、専門家の方でそんなことを言っている方もおられます。
 今の時点で、毎年接種を受けることを前提に何か対策をしてるかということは、まだこれから世の中の流れも見ていかなければいけないと思いますが、しかしながら今、記者さんが言ったような状況はあり得るかもしれないので、そういうところに向けたブレインストーミングみたいなものは始めてます。
 ただ、それはどういう形で、どういう対応すればいいのかという具体的なところにはまだいってないということです。

アストラゼネカ製ワクチンについて

(記者)
 3度目接種とは別に、緊急事態宣言の対象区域に対しては、アストラゼネカ製のワクチンも使えるようになったというふうに、一部ですでに報道されていますが、群馬県に対しては、その後、何か連絡があったのでしょうか。

(知事)
 特に、連絡がきていることはありません。
 いろいろな状況を見ながら、群馬県民にとってベストの選択、県民を守るために、何が最良かということを考えて、その都度判断していくということです。
 せっかく記者さんにこういうご質問していただいたので申し上げると、先ほど、法律改正が必要だと思うと言ったのですが、政府を批判してるわけではないんですね。
 いつも言っているように、政府は未曾有のこの状況の中では、精一杯やってきていただいてると思うし、批判するよりも、しっかり連携しようというのが群馬県の姿勢なんですね。
 ただ、今の状況を見ていると、緊急事態宣言が精一杯の対応じゃないですか。欧米はロックダウンという強い手段があるわけですよね。
 こういう中で言うと、都道府県だけじゃなくても、政府のことを考えても、菅政権のことを考えても、これ以上強い措置を取ろうと思っても、今の法律ではできないわけなので、国に対しても、都道府県に対しても、本当に状況が悪化した時に、有効な手段を打てるような、ある意味で言うと、舞台装置みたいなものを、しっかり立法府が主導してつくっていただきたいなという意味なので、そこは誤解のないように、良い機会ですから申し上げておきたいと思いました。

自民党総裁選について

(記者)
 自民党総裁選について、29日を軸に調整されているとお聞きになってると思います。すでに高市早苗元総務大臣が、出馬に意欲を見せているというのも報道されてますが、昨年は、菅総理の誕生に向けて、全面支援するというふうにお話になりましたが、今回の自民党総裁選については、どのような立場でいらっしゃいますか。

(知事)
 知事として領海侵犯になるんですけれども、それを承知の上で申し上げると、下村政調会長が出馬したいという意向を表明されてます。高市早苗さんも、月刊文春(正しくは、文藝春秋)か何かで、総理を目指すという宣言をされています。お二人とも、個人的にすごく親しいんですね。森元総理が非常に苦労されてた時に、「勝手補佐官」というものを作って、私がお2人に声をかけて、もう1人は世耕幹事長なんですけれども、4人でグループを組んだ時から、同じ派閥でしたし、親しいし、特に下村さんは、高崎出身ですから、そういう意味で言うと、下村さんにも高市さんにも本当に頑張って欲しいとは思います。
 それはそれとしても、何度もここで申し上げているとおり、知事になってから2年間、菅官房長官、それから菅総理には本当に助けてもらいました。豚熱でもそうですし、新型コロナ対策もそうです。本当に忙しい時でも、必要なときはちゃんと時間を作って耳を傾けてくれています。
 ただ、何度も言うように、大変難しい状況であるんですが、私としては、菅総理にここを乗り切ってもらって、しっかり続投してもらいたいという強い思いを持っています。
 もう1回言いますが、自民党総裁選挙のことはもう言いませんけれども、菅総理にはぜひこの困難を乗り越えてもらって、しっかりとこの新型コロナを克服し、その後にはデジタル化とかですね、グリーンエコノミーとかいろんな課題もあると思うんですけれども、ぜひ志を遂げていただきたいなと思いますし、群馬県の方から、もちろんエールを送りたいと思っています。

モデルナ製ワクチンの優先配分について

(記者)
 今ワクチンの話が出たのですが、アストラゼネカの話もあるんですけれども、今日、河野大臣が、モデルナ製ワクチンも緊急事態宣言が出されている13都府県に優先配分するというようなことをおっしゃったんですけれども、その見通しというか、何か聞いていることはありますか。

(ワクチン接種推進局長)
 モデルナにつきましては、国の方からご連絡をいただいておりまして、今行っている大規模接種会場の中で、さらに期間の延長ですとか、新しい大規模接種会場、分室的な設置についての希望調査、意向調査というものをいただいております。
 群馬県につきましては、もともと、大規模接種会場2カ所の接種会場でモデルナ製ワクチンを予定通りいただいておりますけども、それに加えた、また新たな措置ができるのかなということで受けとめております。

(知事)
 よろしいでしょうか。

県民へのメッセージ

 それでは最後に、県民の皆さまに知事の方から、改めてお願いを申し上げたいと思います。
 今日から、群馬県で緊急事態宣言が適用になります。9月12日まで、群馬県は緊急事態宣言の対象地域ということになります。
 朝、高崎駅の街頭に立ちました。県民の皆さんに直接お願いをさせていただきましたが、群馬県は今、危機的な状況にあります。特に群馬県の医療提供体制は、非常に厳しい状況にあります。
 県民の皆さまには、度重なるご不便ご負担をおかけすることになりますが、ぜひとも、この緊急事態宣言のもとで、県民の皆さん事業者の皆さんに要請するこの方針に、ぜひご理解、ご協力をいただくように、重ねてお願い申し上げたいと思います。
 何度も申し上げますが、知事として、緊急事態宣言を政府に要請するというのは簡単な決断ではありませんでした。
 私は基本的に地域経済を制限するような対策はとりたくないと、ずっと言ってきましたし、これは今でも変わりませんが、さすがに今日もご説明したとおり、今度の第5波は桁外れの波です。やはり、これを乗り切っていくためには、あらゆる手段を使わなければいけない。今の現行の法律では最も強い手段である緊急事態宣言を適用してもらって、この中で、県民の皆さんのご協力をいただいて、感染拡大を抑えていく以外の方法はないと思っています。
 今日も街頭演説で申し上げましたが、最後にもう一度、県民の皆さんにお願いしたいことを、お伝えしたいと思います。
 緊急事態宣言のもとで様々な要請をさせていただきますが、それに加えて、皆さんに、ぜひお願いしたいことは、4つあります。
 1つは、県境を跨ぐ移動は、今まで慎重な表現を使ってきましたが、他県との往来は極力控えるようにしていただきたいと思います。少なくとも緊急事態宣言が続いてる間は、他県との往来というものはできる限り控えていただくようにお願いしたいと思います。首都圏でも市中感染が広がっておりますので、大変リスクが高い行動だと思います。
 そして2点目ですけれども、これまでの不要不急の外出自粛というものを、また皆さんにお願いするわけですが、この外出自粛の徹底をお願いしたいと思います。
 夜8時以降、外出するのはよほどのことがない限りは、ぜひやめていただきたいと思いますし、ましてや混雑している場所に行くとか、いわゆる渋滞するような、混雑するような時間に行くとか、どこかに移動するとか、こういうことも極力避けていただくように、お願いしたいというふうに思っております。
 それから今日もちょっと言及しましたが、10歳未満の若い人たち、お子さんの感染が増えています。1割から2割ぐらいに増えてまいりました。
 10歳未満のお子さんはワクチン接種はできません。子どもたちを守るためには、周りが気を付けるしかありません。保護者の皆さんに、努力していただくしかありません。そういう意味で言うと、保護者の皆さまには、感染対策を徹底していただくと同時に、ぜひ2回のワクチン接種を受けていただいて、コロナに感染しない、このことをぜひ実践していただきたいと思っています。
 小さなお子さんの感染経路は、8割が家庭内感染で、なおかつ幼児・児童について言うと、ほとんど親御さん、保護者の人たちから感染しているというデータがあります。ぜひ、大事なお子さんを守るためにも、ご家族のワクチン接種を、重ねてお願い申し上げたいというふうに思います。
 4点目は、3点目とも関係しますが、とにかく2回のワクチン接種を行うことによる効果、これはですね、毎週申し上げてるんですけども明らかです。
 今日、街頭演説でも示したデータをもう1回言いますが、今群馬県で、これまで新型コロナワクチンの接種を受けた人は約74万人います。その中で、重症化した人は1人もおりません。0なんです。2回の接種を受けて、2週間経った方で、重症化した人は1人もおりません。中等症になった方もほとんどいないことを今日ご報告いたしました。
 やはり、ワクチン接種は非常に効果的だということで、ぜひ、2度のワクチン接種をできるだけ早くやっていただきたいと思いますし、特に20代、30代の若い方々の接種率が、低いものですから、ぜひ我々が打ち出したこの抽選、特典、インセンティブの政策も活用していただいて、ぜひワクチン接種を受けていただきたいと思います。
 おかげさまで、群馬県の2つの県営ワクチン接種センターは稼働率9割以上です。非常に安全でスムーズだというご評価もいただいています。18歳以上で接種券のある方は、誰でも予約できますので、もちろん地域の医療機関とか、地域で受けていただいてもいいのですが、この2つのセンターを最大限に活用して、できるだけ早く2回の接種を終えていただきたいと思います。
 前回と同じことを申し上げますが、今日も300人を超えるということで、今まで本当に経験したことのないような状況が続いています。いつピークアウトするか分からない状態です。これを乗り越えていくためには、何度も言いますが、県民の皆さんお一人お一人のご理解とご協力をいただくしかありません。苦しいですけれども、みんなで力を合わせて、この危機を乗り越えていきたいと思います。
 群馬県なら必ず乗り越えていけると確信しています。知事が先頭に立ちます。もう1日も休んでいませんけれども、県職員も不眠不休で頑張ります。県と市町村も連携していきます。さらには、県議会もこういう危機の時代ですから、是々非々で議論しなきゃいけないんですけれども、毎回全面的なサポートをいただいてます。力を合わせて、この危機をぜひ乗り越えていきたいと思います。
 最後に、改めて、皆さんのご協力とご理解をお願いしたいと思います。
 今日も相当長い会見になってしまいましたが、記者の皆さんには最後までお付き合いいただきました。本当にありがとうございました。
 そのことを申し上げて、今日の定例会見を終わりたいと思います。ありがとうございました。

(以上で終了)
文章中の()内については、メディアプロモーション課において加筆したものです。