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令和3年3月10日定例記者会見動画(You Tube)<外部リンク>
1.はじめに
2.直近の感染状況について
3.各警戒度における要請内容について
4.飲食関連事業者等事業継続支援金について
5.新型コロナウイルスのワクチン接種について
6.県民の皆さまへのお願い
7.愛郷ぐんまプロジェクト第2弾について
8.始動人Jr.キャンプ成果発表会について
9.直滑降ストリームの告知について
それでは、定例記者会見を始めさせていただきたいと思います。
明日、3月11日が東日本大震災の発生から10年ということになります。改めて、震災によって犠牲となられた方々に対し、謹んで哀悼の意を表するとともに、被災された皆さまに対し、心からお見舞いを申し上げます。
この10年の間に、被災地では、インフラ整備をはじめとした復旧・復興が着実に進んでまいりました。その一方で、今なお多くの方々が仮設住宅等での避難生活を余儀なくされており、本県にも600名を超える避難者の方々が生活しておられます。
群馬県では、これまで、県内に避難された方々への支援など、様々な形で被災自治体への支援を行ってまいりました。
「震災の記憶を風化させない」、「今後とも被災地の復興をしっかりと見守っていく」、そして、「県としてできる限り応援を続けていく」、そうした思いを新たにしております。
一方、新型コロナウイルスに関してですが、飲食店等を対象とした営業時間の短縮要請を県内全域で解除してから1週間以上が経過いたしました。
また、昨日からは、伊勢崎市と大泉町を除くすべての市町村で警戒度「3」となり、不要不急の外出自粛要請も解除されています。
詳しい数値はこれからご説明しますが、こうした中においても、県内の感染状況は、概ね抑制できており、1週間近く「1日当たりの新規感染者数を目標の20人未満とする」、このことがクリアできている状況が続いています。
県としては、社会経済活動の正常化に向けて、やり方さえ工夫すれば、積極的に動き出してもいいタイミングに来ていると考えています。
政府のGo Toトラベルについては、全国的な感染状況をにらみながらの難しい判断になると思います。しかしながら、県の観光支援策である「愛郷ぐんまプロジェクト」の第2弾については、第1弾の地域経済への波及効果が大きかったことや、明確な因果関係に基づく感染拡大があったとは認められなかったことから、条件が整い次第、開始したいと考えています。
それでは、本日の会見の主な項目、スライドをご覧ください。
本日はまず、直近の感染状況について報告をいたします。また「愛郷ぐんまプロジェクト第2弾」や、「始動人Jr.キャンプの成果発表会」についても、報告をさせていただきたいと思います。
それでは、直近の感染状況について、ご説明いたします。
これが新規感染者数の推移をまとめたスライドです。
直近1週間の新規感染者数は、本日の新規感染者数16名を含め、88名ということになりました。
先週はやや増加となり、揺り戻しが心配でしたが、今週は落ち着きを取り戻し、先々週の水準に戻っています。
次のスライドをご覧ください。客観的な数値の感染状況をまとめたスライドです。
赤枠で囲んだ部分をご覧ください。
こちらは、昨日までの1週間における各項目の最新の数値が記載されています。
(1)の1日当たりの新規感染者数は12.7人ということで、先週の18.4人から減少しています。
(2)の経路不明の感染者については31.5%で、こちらは先週の20.2%から増加していますが、低い水準で推移をしています。
(3)の検査の陽性率については、2.5%で、先週の3.3%から若干減少しています。
続いて新規感染者の状況について申し上げます。
次のスライドをご覧ください。新規感染者の状況をまとめたスライドです。
1カ月間の感染状況に比べ、この1週間では、30歳代以下の感染が増加していることがわかります。春には様々なイベントがありますが、若い方でも後遺症に苦しむ方は一定数いらっしゃいます。くれぐれも、引き続き感染対策を徹底いただくように、お願いを申し上げたいと思います。
次のスライドをご覧ください。新規感染者の状況を推定感染経路別にまとめたスライドです。
家庭内感染が最多で4割を占めているという状況に変わりありません。今週は高齢者施設で新規のクラスターは発生しませんでした。それによって福祉施設の比率は小さくなっています。
引き続き、外からウイルスを持ち込まないよう、マスクの着用と帰宅時の手洗いの徹底をお願いしたいと思います。
次のスライドをご覧ください。医療提供体制について、客観的な数値をまとめたものです。
こちらも赤枠で囲んだ部分をご覧いただきたいと思います。
上の2段にありますとおり、現在人工呼吸器を使用している方が3名、そのうち、ECMO、人工肺装置を使用してる方が1名いらっしゃいます。
また、この1週間でさらに2名のかけがえのない命が失われることになりました。謹んで哀悼の意を表するとともに、ご遺族の方には心からのお悔やみを申し上げたいと思います。
スライド中段の病床の稼働率ですが、19.3%まで減少いたしました。
これは、昨年11月以来の10%台ということになります。
スライドの一番下、宿泊療養者数は57名ということになっています。
続いて市町村ごとの感染者数をまとめたものです。
スライドは、直近1週間の人口10万人当たりの保健所ごとの新規感染者数ということになります。
すべての地域で10万人当たり2人を下回っており、落ち着きを取り戻してきているといえると思います。
警戒度移行については、来週改めて判断したいと思いますが、警戒度「2」への移行も検討できる状況になってきていると考えています。
以上が、直近の感染状況等です。
続いて、現在の要請内容について、改めてポイントを絞ってご説明をさせていただきたいと思います。現在の要請内容についてポイントを抜粋したものです。
警戒度「4」が継続されて伊勢崎市、大泉町の皆さまにおかれましては、不要不急の外出を、今しばらく自粛いただきますようにお願いをしたいと思います。
Go To Eatキャンペーンについては、伊勢崎市、大泉町を除き、ポイント・クーポンの利用が可能になっています。しかしながら、感染防止の観点から、ご利用の際には、「ストップコロナ!対策認定店」などの、適切な感染防止対策を徹底している店舗を選んでいただきますようにお願いいたします。
なお、警戒度「4」が継続している2市町においても、テイクアウト・デリバリーについては利用可能ですので、積極的にご利用をいただきたいと思います。
また、事業者の皆さまにおかれましては、数値目標を設定させていただいた上で、テレワークの促進をお願いしてまいりました。警戒度にかかわらず、テレワークを含めた新しい働き方をできる限り進めていただきたいと考えています。
さらには、事業所内でのこまめな換気とか、共用部分の定期的な消毒などを行っていただくことに加えて、休憩時など、居場所が切り替わると気の緩み、こういうことによって、感染リスクが高まります。この点にも十分ご注意いただきたいと思います。
以上が現在の要請内容となりますが、ここで1点、県内の事業者の皆さまへのお知らせがあります。
次のスライドをご覧ください。飲食店関連事業者等事業継続支援金についてのスライドです。
2月26日の記者会見において発表した、飲食店関連事業者等への支援金について、申請のスケジュールが固まりました。
支援金の申請受け付けは、来週の18日木曜日から開始いたします。
なお、16日の火曜日には、専用のコールセンターも開設予定です。
コールセンターの電話番号、対象業種などの申請に関する詳細についても、同じ頃に、県のホームページ等にてお知らせができるかと思います。
申請受け付け後は、速やかに審査を行い、4月上旬からの支給を目指してまいります。
以上、関連事業者の皆さまへの支援金について申し上げました。
続いて、新型コロナウイルスのワクチン接種についても、触れたいと思います。
次のスライドをご覧ください。ワクチン接種の今後の見込みについてまとめたスライドです。
国による医療従事者への先行接種に続き、先週末から県内の医療従事者を対象とした優先接種が始まっています。先週から今週にかけて約1万5千回分のワクチンが県内に供給され、病院で接種が行われています。
また、高齢者の方々を対象とした優先接種についても、4月の第2週から第4週にかけて、限定的ではあるものの、約1万人分が、さらには、4月の第5週には、約1万7千人分のワクチンが供給される予定になっています。
国からは先般、5月の前半までに、県内6万8千人のすべての医療従事者等が、また、6月末までには、県内58万人すべての高齢者が、それぞれ2回ずつ接種できる量のワクチンが供給される見込みが示されました。
しかしながら、こうした見込みは、あくまでEUの輸出に関する承認が得られる前提のもとであり、予断を許さない状況だと考えています。
今後も動向を注意深く見守りながら、接種体制の整備を進めてまいりたいと思います。
なお、4月の中旬に供給される高齢者約1万人分のワクチンについては、各市町村の希望も踏まえて、県において配分計画を決定をさせていただきました。
次のスライドをご覧ください。ワクチンの配分計画についてのスライドです。
昨日、高崎市から、ワクチン接種のスケジュールについて発表がありましたが、今回は、市町村に配分できるワクチンが少量であることに加え、各市町村においては、例えば高齢者施設を優先するなど、対象者を限定した接種方法を検討する必要が生じます。このため県では、各市町村の希望や高齢者の人口等を考慮した上で、今回の決定をさせていただきました。
なお、4月の第5週に、予定どおり約1万7千人分のワクチンが供給されれば、全市町村への供給が始まります。以降、6月末までに65歳以上の高齢者が2回接種可能なワクチンが供給される予定ですので、そうなれば、順次、高齢者向けの接種が本格化していく見込みです。
以上、ワクチン接種について申し上げました。
最後に県民の皆さまに、改めてお願いをさせていただきたいと思います。
これまで何度も申し上げてまいりましたが、ウイルスを根絶できない以上、新規感染者をゼロにすることは困難だと思っています。
先ほど申し上げたとおり、十分な量のワクチンが流通するまでには、まだまだ時間がかかります。これから社会経済活動が本格化していく中で、一定程度感染者数が揺り戻しになる、こういう可能性があることは、私たちは想定しておかなければならないと思っています。
当面は、この記者会見でも何度も申し上げてるとおり、平均1日当たりの新規感染者数20人未満、病床稼働率20%台以下、この2つを目安にしながら、経済活動の正常化を進めていくことになると思います。
今後も、緊急事態宣言の対象地域になることなく、さらには、時短要請を再び行う事態を避けるべく、県民の皆さまと力を合わせて、一枚岩で取り組んでまいりたいと思います。
ぜひとも、県民の皆さんのご協力とご理解を重ねてお願いを申し上げたいと思います。
続いて、「愛郷ぐんまプロジェクト第2弾」について、ご説明をしたいと思います。
冒頭お伝えしたとおり、県内の感染状況はまだまだ予断を許さないものの、総じて落ち着いてきている状況だと言っていいと思います。
他方で、長期にわたる時短要請、外出自粛要請などの措置によって、地域経済は相当疲弊しています。
この痛んだ経済を立て直すため、早期に経済支援施策を実施すべきだと考えています。
このため、県では、観光振興施策「愛郷ぐんまプロジェクト」について、第2弾の実施を検討しています。
具体的な事業内容等は検討中ですが、前回同様、県民の方の県内宿泊等に対して、補助を行いたいと考えています。
もちろん事業の実施に際しては、今後の感染状況を見極める必要があります。先週の記者会見でも申し上げましたが、県内の現在の状況は概ね、(警戒度)「3」と「2」の間ぐらいにあります。
このため、今後、このまま感染を抑え込めれば、早い段階で事業が開始できるんじゃないかと考えています。
次のスライドをご覧ください。
振り返りですが、「愛郷ぐんまプロジェクト第1弾」の実績になります。
昨年の6月、7月に実施をいたしました「愛郷ぐんまプロジェクト第1弾」は、緊急事態宣言後の地域経済の建て直しに、極めて大きな成果を上げたと考えています。
国の宿泊旅行統計によると、7月1カ月間の観光目的の宿泊者が50%以上の施設における宿泊者数の対前年比は、本県が全国第1位を記録しました。
また、2カ月の延べ宿泊者数は約32万7千人、経済波及効果は試算で約84億円に上ります。
観光産業の裾野の広さを改めて感じております。この事業を通して、観光事業者のみならず、様々な業種の方々への支援ができたと考えています。
加えて、その経済効果もさることながら、県民にマイクロツーリズムが浸透したこと、このことに、非常に大きな意義があったというふうにとらえています。
事業者の方々からも、「全国的に感染が広がる中で、県外からお客さんをお迎えするよりも、県内のお客さまを迎える方が安心だ」と、こういう声もいただいています。
また、関係団体や県議会議員の方々等からも高い評価をいただき、ご存知のとおり第2弾の実施についても、強い要望をいただいているところです。
こうした前回の実績等も踏まえながら、早急に検討を進め、感染状況を見ながら、できるだけ早く県議会に予算案を上程したいと考えています。
また、多くの方々にご利用いただけるような、わかりやすいスキームにするということも大事だと思っています。同時に、経済への波及効果をより高められるように、県議会をはじめ、できるだけ多くの方々の意見も踏まえながら、制度設計を行ってまいりたいと思います。
今後、全国の感染状況がさらに落ち着けば、国によるGo To トラベル事業の再開も期待されます。こうした国の動きも注視しながら、地域経済を早期に立て直すための検討を進めてまいりたいと考えています。
続いて、教育イノベーション事業の一つとして進めている始動人Jr.
キャンプについても、ご報告いたしたいと思います。
スライドをご覧ください。
3月13日土曜日の13時から、県庁のNETSUGENにおいて、「始動人Jr.キャンプ成果発表会」というものを開催いたします。
本事業は、10年後、20年後の主役となる中高生世代を対象にした地域課題解決型学習プログラムです。
1月30日から約2カ月にわたり、群馬大学の浅尾高行教授、高崎健康福祉大学の中村賢治講師のコーディネートのもと、人工知能などの、「先端技術に関する学習」や、民間で活躍する「ITクリエイターとの交流」、経済産業省の協力による「ビッグデータ分析」、地域・社会課題の解決策を考える「アイディアソン」などに取り組んでまいりました。
参加した22名の中高校生の方々の中には、学校のテストの合間を縫いながら、探究心の旺盛に、意欲的に取り組んでいただいたと伺っています。
発表会の当日は、私自身もコメンテーターを務めさせていただくほか、ゲストコメンテーターとしてタレントの池澤あやかさんに、ご出演いただく予定です。
「始動人Jr.」である学生たちの2カ月の成果に、ぜひご注目をいただきたいと思います。
メディアの皆さまにも、ぜひ取材していただきますようにお願いをしたいと思います。
最後に、今週の直滑降ストリームについて、お知らせしたいと思います。
先週もお伝えしたとおり、今週のゲストは平沢勝栄復興大臣です。非常にタイムリーだと思っています。
震災10年となる3.11の翌日の夜に直滑降ストリームに出演していただくことになりました。
オンラインでの出演ということですが、東日本大震災からの復興の状況、今後の取り組み、復興庁の役割、あるいは、群馬県として何ができるか等々について、平沢大臣からお話を伺い、議論させていただこうというふうに思います。
また、番組の後半では、今回も新型コロナに関する情報を時間をとって丁寧に発信をさせていただく予定です。
放送は、明後日3月12日金曜日19時から1時間程度、群馬県動画・放送スタジオtsulunosから、ライブ配信をさせていただく予定です。
県民の皆さまにも、ぜひご覧をいただきたいと思います。
私からは以上です。何かご質問があればお受けしたいと思います。
(記者)
愛郷ぐんまプロジェクトについてなんですけれども、県内の警戒レベルがどの段階になれば実施しようというお考えかお聞かせ願えますか。
(知事)
それもよくこれから、全体を見ながら判断をしていきたいというふうに思います。警戒度「2」というのが一番望ましいと思いますが、一部、例えば警戒度「3」の地域があったとしても、全体の流れを見ながら方針を決めていくことになると思います。ある程度感染状況が落ち着くということは前提だと思っています。
(記者)
今も伊勢崎と大泉町は警戒度「3」になっていますし、ちょっと県内でばらつきがあるような状況だと思うんですが、例えば、今の段階で実施するとして、伊勢崎と大泉の宿泊施設を除外するとか、そういう措置はお考えですか。
(知事)
それは、これからの改善状況をよく見極めて。実施するとしても、もう少し先になるというふうに思いますので、よく状況を見極めて決めていきたいと思います。
(記者)
愛郷ぐんまプロジェクトについてなんですけれども、感染動向との兼ね合いもあるので、いつからというのはなかなか言いづらいかもしれないですが、少なくとも何月ぐらいにはとか、そういった目安はどう考えていらっしゃるのか。
あと、前回(の愛郷ぐんまプロジェクトでは)、先ほどのスライドにもあったとおり、約30万泊ぐらいやられましたけれども、そういう規模感について、現在でどういうふうに考えているかお願いします。
(知事)
細かい制度設計は、先ほども申し上げたとおり、いろんな方のご意見を聞きながらこれから詰めていきたいと思いますが、やはり規模としては前回並みの実施が望ましいのかなというような議論が今、されているところです。
それから時期は、これはもう状況にもよると思うので、状況をよく見ながら進めたいというふうに思います。
(記者)
例えば5月の大型連休とかもありますけども、その時期と絡めてこの程度にはという言い方もなかなか難しいですか。
(知事)
そうですね。全体の状況を見ながら決めていきたいと思いますが、先ほどちょっと申し上げたとおり、ようやく感染状況が落ち着いてきてるので、それが落ち着けばですね、早いタイミングで実施するということも可能かなというふうに思っています。
(記者)
先ほど警戒度の話で、今「3」と「2」の間にあるということでした。今、伊勢崎と大泉では警戒度「4」ということなんですけれども、警戒度というのは、基本的なことで恐縮なんですが、一段ずつ下がっていくもので、一気に伊勢崎と大泉が「2」になったりすることはあるんでしょうか。
(宇留賀副知事)
警戒度はガイドラインに基づいて運営しておりますけれども、2週間ごとに判断をしていって、基本的には一つずつ下げていく形なので、「4」から「2」というふうになることはないです。
一方、「2」から「4」に上げるとか、「1」から「3」に上げるみたいに、感染が広がった場合には、一つずつ動かすということじゃなくて、上げるときには一気に上げる。ただ、下げるときには2週間ずつ状況を見ながら、徐々に下げていく。そういう運用をしています。
(記者)
愛郷ぐんまプロジェクトなんですが、予算はどういったものの活用を考えられてるんでしょうか。
(知事)
友松(総務)部長どうぞ。愛郷ぐんま(プロジェクト)の予算の話です。
(総務部長)
愛郷ぐんま(プロジェクト)の中身、事業規模等についてはこれから検討ということでありますので、財源についても、それとあわせての検討ということになりますけれども、基本的には臨時交付金を充てることを考えています。
(記者)
前回の愛郷ぐんまの時は、警戒度「2」と「1」の間の時にスタートされたと思います。前回は感染者数も非常に少ない状況でスタートしたので、先ほど知事がおっしゃっていたように、感染拡大との因果関係がなかったと思うんですけど、今回は、いまだに10人前後の感染者が県内にいる中で、感染状況もより広がって、市中感染も広がっている状況でのスタートになると思います。そこら辺で感染拡大への懸念があると思うんですが、その辺はいかがお考えでしょうか。
(知事)
リバウンドの可能性というのは常に警戒していかなければいけないと思うので、全体の状況を見た上で、愛郷ぐんまプロジェクトをやっても大丈夫だと判断すれば、やりたいと思います。
前回は前回で、新型コロナの正体とか対応策も分かっていなかった時期だったんですけど、これまである程度知見も積み上げてきて、感染対策もある程度進化してますから、そういう中で総合的に判断したいと思います。
(記者)
先ほどワクチンの配分についてのご説明があったと思います。いよいよ4月5日の週から高齢者向けの接種が始まるというところで、知事の受け止めからお聞かせいただけますか。
(知事)
細かくは武藤(健康福祉部長)さんの方からフォローしてもらいますが、ワクチン接種についてはですね、一応政府の方で、何月までにこのくらいと言ってるんですけども、これは、先ほど申し上げたとおり、ある一定の条件をクリアしたらということになっているので、あまり安心はしてません。
もちろん、そういう日程、スケジュールに従って我々も対応、準備をしていかなければいけませんが、場合によっては遅れることもあり得るので、そこはよく見極めていきたいというふうに思います。
(健康福祉部長)
基本的に知事がおっしゃられたことと同じであります。
(記者)
(事前に配布された)資料の中にも、システムの動作確認のため試行的に実施という記載があったと思います。これは部長に聞いた方がいいと思うんですけど、この辺りの実際に、何をどうしていくかというところ、この3週間でどうしていきたいかというところのお考えをお聞かせいただけますか。
(健康福祉部長)
希望される方に滞りなく、速やかに(ワクチン)打っていただけるような形で整えていくのが、何よりだと思っております。
ワクチン接種円滑化システム、いわゆるV-SYSと言われている、厚生労働省で今作っているシステムでございますけども、そういったものも使われていきます。これが各市町村でですね、あとこれは、医療機関の方々にも関係してくるものですから、ちゃんと使い慣れていただくことも必要かと思っていますので、そういったこともやっていきますし、あとは、県のLINEアカウントを使った接種予約システムも作業を進めておりますので、希望される方が速やかにしっかり打っていただけるような形で、我々とすると準備をしていきたいなと思っております。
(記者)
話題は変わるんですけれども、知事がこのところ連日ブログで、狩野県議の問題を述べられてると思います。ここ何週間か、まだご本人からの説明はない状況なんですけれども、改めてこの状況について知事の考えを教えてください。
(知事)
先週から1週間経ってるんすけど、会見でちょっと申し上げて、事務所の方にいろんな人から電話があったり、私の支援者の方々から、この問題についてどうするんだというような問い合わせとかもあるので、県民の中にはやはり、疑念を持っていたり不快感を持ってる方々がおられると思うんですね。
ですからこれは、狩野県議ご自身の判断ですが、政治家としてはしっかりと会見を開いて、説明していただくのが筋だというふうに思っています。
議運か何かでも、ちょっと謝罪の言葉を述べられたとは聞いてますが、やっぱ県民に向けてしっかり発信していただきたいなと思っています。
今、記者さんがおっしゃったブログで言うとですね、やっぱり、群馬県民とか群馬県、前橋市のイメージを非常に毀損したと思うんですね。ですから、これもブログに書いたんですが、まずは、こういうことが慣例で行われてるということはないということは、ちゃんとご本人の口から言っていただくのと、それから、もちろんないとは思うんですが、県議選とか、自らの選挙で、こういうふうにですね、例えば市議の方々にお金を配ってるようなことは断じてないと。もしそうだとしたら、本当に河井夫妻が逮捕された事件と同じになってしまうので、構図が。それはないと、こういうことはやっぱりしっかり断言していただきたいなというふうに思っています。
(記者)
自民党の関係者などに取材をすると、知事と狩野(県議)さんは、元々あまり近しい関係にないから、知事は今回これだけ言ってるんだという見方をする人もいるようなんですけども、その辺についてはどうですか。
(知事)
個人的な遺恨とかいうものは、向こうは分かりませんけども、2人の間にはないと思ってます。特に個人的な感情があってやってるというよりは、これはもう1回言いますが、群馬県にとってはものすごくマイナスなんですよ、これが報道されてるということはね。
特に先般も、まだまだ我々の目標は高いんですけども、例えば、移住したい都道府県ランキング、過去最高の10位まできてますよね。だからこそ、こういう問題というのは、一つ一つちゃんと発信してもらうことがとても大事だというふうに思ってます。
個人的な感情とかそういうことじゃなくて、どなたが同じことやっても同じことを言ったと思います。
(記者)
今日の発表とは、ちょっと異なるんですけれども、県有施設の関係についてお尋ねします。
先週に最終報告の案という形で示されまして、今後、3月中に最終報告があるというふうな流れだと思うんですけれども、そのあと進める上での知事の方針というか、考え方についてお聞かせいただきたい。
(知事)
最終報告をまとめたら、それに従って、しっかり実行すると。その最終報告をまとめて、実現する上で、しっかりと県議会の了解なければならないものがあれば、それはしっかりと了解を得ていくと。こういうことに尽きると思います。
これから、友松総務部長の方からフォローしてもらいますが、確か行革の特別委員会かなんかでまた提言が出たと。それを読ませていただきましたけど、かなり前向きな提言だったなと思うんですね。
一つは、我々の最終報告の中身というのは、県議会の決議も含めた、こういうことについて、しっかり配慮していただいているのはありがたいと思っている。ただ、引き続き、いろいろ他にもこんな点を配慮してくださいということが書いてあるんですけど、基本的には前向きだなと思いました。
それから、他の施設についても、やるべきだという一文も入っていたように思いますので、いろいろと議論する中で、特別委員会の方にもですね、県有施設改革の必要性というものは、随分理解していただいてるんじゃないかというふうに感じています。
友松総務部長から何かあれば。
(総務部長)
今回、最終報告案という形で委員会で説明させていただいて、決定はこれからになるわけですけれども、残念ながら県民会館はまだ今回ということではないのですが、(全体の)方向性は今回ある程度出せました。
それをしっかり見直しを実施していく、進めていくということが大事、執行段階のところが大事なのかなと思ってますので、そこのところをしっかりまずやっていきたいと考えています。
知事からお話ありましたが、議会からは、今これも提言案ということで伺っているところですけれども、私どもの見直しのあり方や方法につきましては、ご理解をいただけて、評価をいただけたのかなと思っていますので、議会のご提案も踏まえて、さらなる施設の見直しにも検討を進めていきたいと考えています。
(記者)
最終報告案を読ませていただくと議会の議決を配慮されたということで、そういう評価の一方、何て言うか、もっと大胆に進めて欲しいという側の意見の方からすると、もしかしたら少し不十分なのかなということも感じたんですけれども、その辺りの見解と今回議論した意義みたいなところについて、知事の考えを改めて聞きたいんですけれど。
(知事)
そうですね。いろんな評価があると思うんですけども、記者さんもご存知のとおり、やっぱり何かを変えるのは結構大変ですよね。
私の目から見ると、県民会館もそうですし、この10施設の中間報告みたいな話があったときにも、随分いろんな方々から、ご批判もいただいたんですけども、これをそのまま議論してこなかったということ自体が私はおかしいというふうに思っていたんですね。
その中で、どんな事業もそこに携わっている方々がいるので、変えるのは難しいということなんですけども、その中ではですね、ちゃんと一歩踏み出せたんじゃないかなと思います。
今回、まだ提言案ですから。提言の案かな。
(総務部長)
そうですね。提言の案をいただいています。
(知事)
提言の案から何となく読み解くとですね、もうちょっとやったほうがいいというご意見もあるのは、大変ありがたいなというふうに思っているので、しかし、これはやっぱり県議会の方のご了解をいただかなければいけないので、そういう、さらにやるべきだというような激励の部分もしっかり受け止めて進めていきたいというふうに思います。
(記者)
第1弾の愛郷ぐんまのときにですね、Go Toトラベルが始まる手前のタイミングで愛郷を打って、愛郷が終わったと同時にGo Toトラベルが始まるというような、そういう長い期間を想定されてやったということですが、今回そういう想定はあるのかお聞きしたいんですが。
(知事)
まず、政府のGo Toトラベルがいつ始まるかというタイミングがわからないので、そこはなかなか言うのは難しいと思うんですけども、いろんな選択肢を議論したいなというふうに思っています。
期間も、これからの議論ですけども、そんなに短期間じゃなくて、ある程度、やっぱりまとまった期間でやるという方向になるのかなと。
まだ詳細は決まっていませんけども、今の状況だとそのような感じだと思います。
(記者)
期間は少し長めの可能性があるという。
(知事)
どのぐらいの期間がいいのかは、まだ最終決定していないので、よく議論したいと思います。
(記者)
臨時交付金を使うということですけれども、予算、財源にも限りがありますので、第1弾のときのようにですね、補助金の幅ですね、少し小さめにするとかですね、そういうこともお考えなんでしょうか。
(知事)
そこら辺の規模感についてもまだ決まっていないんですが、私の感覚として言うとですね、とにかく第1弾がすごく好評だったということなので、仕組みもすごくわかりやすかったし、規模から言ってもですね、記者さんご存知のとおり、同じ時期にやっていた他の都道府県と数字が違ったので、第1回目で成功したということはよく分析しながら、規模も含めてよく検討したいと思っています。
(記者)
これまでの会見でですね、私の受け止めだったんですけれども、愛郷ぐんまプロジェクトそのものではなく、もう少し幅広い業種に波及効果が及ぶように、例えば飲食店も含めてですね、今回、飲食店への支援金、警戒度を下げて、時短も取り止めて、飲食店への支援というのはなくなったわけですから、愛郷ぐんまを通じてですね、飲食店の支援への波及効果、こういうものを考えているんではないかなと思っていたんですけども。制度設計の中で。
(知事)
今、記者さんがおっしゃった点も含めて検討しているので、どういう形にできるかはよく議論させていただこうというふうに思っています。
おっしゃったとおり、第1弾の非常に評判が良かったところを生かしたいのと同時に、新たにやるときにですね、記者さんの言ったような、どうやって波及効果を広げられるかみたいなことも検討していますので、そこら辺もよく踏まえた上で、どうするかということを考えていきたいと思います。
また、県といわゆる市町村との連携とか協力みたいなものもですね、何ができるかということは、我々はしっかり議論していきたいと思っています。
(記者)
知事がよく、観光のニューノーマル化を進めるというふうにおっしゃっておりますけども、今回、愛郷ぐんま第2弾をやるとすれば、そのニューノーマルということに合わせて、何らかのアイデアなりお考えはあるんですか。
(知事)
まず基本的に、この間の愛郷キャンペーンのときは、愛郷キャンペーンに参加したことによって、感染が広がったという証拠がほとんどなかったんですよね。
二百何十人の方々に聞いてみたら、そのうち、6人か7人ぐらいしか、利用している方がいなくて。その感染者の中で。しかもそこで感染したかどうかもわからないということだったので、それは観光地とか宿泊施設は、ものすごく感染対策に努力をしているということなんで。これで、もうすでにニューノーマル化の観光の一つの実践をしていただいているんだというふうに思います。
キャンペーン自体は、とにかく県民の皆さんに泊まってもらうということが主眼になるので、ニューノーマルの観光と言ったときに、一つのやっぱりコンセプトとしてですね、ローカルツーリズムってありますよね。
これはもうまさにニューノーマル。ある意味で言うと、このスキーム自体がニューノーマル。ローカルツーリズムを含めたニューノーマルを推進していくということになるというふうに思っています。
他にありますか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それではまた知事の方から最後に県民の皆さんにメッセージを送りたいというふうに思います。
皆さん、先ほど今日の会見の中でも申し上げましたが、感染状況は落ち着いてまいりました。
昨日6人、今日16人ですけども、前から申し上げているとおりですね、これまでのいろんな経験、あるいは今の状況等から考えて、新規感染者数をゼロにするのは、これは極めて困難であってですね、10人以下に抑えていくことも、なかなか大変だというふうに思っています。
ですから、20人未満に抑えることによって、病床をちゃんと450床までこれから増やしていきますけども、病床稼働率は2割台を保てると。
2割台を保てれば、県内における医療提供体制は十分機能するということで、こういう一つのですね、目安を作って、これから経済を回していきたいというふうに思っています。
今日は、愛郷ぐんまキャンペーン第2弾の可能性について言及をさせていただきましたが、こうした県として、地域への経済支援策を打っていくためにもですね、今日の何人かの記者の方からもご質問がありましたけども、まずはしっかりこの感染状況を落ち着けるということが大事です。
我々が地域経済支援をやるためにもですね、まず新規感染者の数を抑えていくことが大事なので、その意味から言うとですね、ぜひ、事業者の皆さんはもちろんですが、県民の皆さんに引き続きご協力をいただければというふうに思います。
いつも言っているように、緊急事態宣言の対象地域にならずに、何とかここまで感染者数を抑えられているというのはですね、これは県民の皆さんのご努力のたまものだというふうに思っています。
皆さんと力を合わせて、毎回言いますが、この第3波をですね、しっかりと乗り切ってまいりたいと思います。
引き続き、ご理解ご協力をお願いいたします。それを申し上げて、今日の会見を終わりたいと思います。ありがとうございました。
(以上で終了)
文章中の()内については、秘書課において加筆したものです。