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令和2年第35回定例記者会見動画(You Tube)<外部リンク>
モニター資料(PDFファイル:1.74MB)
1.はじめに
2.新型コロナウイルスに関する直近の状況について
3.全力疾走366プランについて
4.自由な発想育成プロジェクトについて
5.湯けむりフォーラムについて
それでは、定例記者会見をはじめたいと思います。
今日はですね、確か18時に菅総理大臣の記者会見が予定されていると思います。中身によっては、そのあと、ぶら下がりの取材を受ける機会を設けようと思っておりますので、その際はよろしくお願いいたします。
では、スライドをご覧ください。
本日の会見の主な項目です。
直近の感染状況、「全力疾走366プラン」の実績、「湯けむりフォーラム」について、ご報告をさせていただきたいと思います。
県有施設についての様々な解説を用意したのですが、そうするとまた長くなってしまうので、これはもう少し先に延ばさせていただこうと思います。
ではまず、新型コロナ直近の感染状況について、ご報告をしたいと思います。
先週、警戒度「3」に引き上げてから、1週間が経過をいたしました。県内の感染状況・医療提供体制は、以前にも増して厳しいものとなっています。
一昨日は過去最高となる、44人の新規感染者が確認されました。昨日も29人ということで、本日も現時点で20人を超える見込みという報告を受けています。同じぐらいのレベルか、あるいは、それ以上になる可能性もあるというふうに思っています。
直近1週間での新規感染者も195名ということになりました。10月の月間の感染者数が199人ですので、この1週間でひと月分の感染者が出たということになります。
「感染がどこで広がっているのか」、「どういう傾向があるのか」、こういったことをしっかりと分析をした上で、それに応じた対応を冷静に取っていく、このことが重要だというふうに思っています。
では、まず直近の感染状況等について、警戒度の判断基準である、「客観的な数値」から詳しく見ていきたいと思います。
スライドをご覧ください。
赤枠で囲んだ部分をご覧いただきたいと思います。
各項目の最新の数字です。
(1)の直近1週間の1日当たりの新規感染者数は27.9人で、週ごとに増加しておりまして、先々週と比べると4倍程度ということになりました。
(2)の感染経路不明の感染者については40.0%です。現在は基準の50%を下回っていますが、感染者数自体が多いということで、引き続きの注意が必要だと考えています。
(3)の検査の陽性率については、11.9%ということで、新規感染者の増加に伴い、数値の上昇が顕著で、先々週から見ると倍増してることがわかっていただけると思います。
続いて、新規感染者の状況について、詳しくご説明をいたします。
直近1週間の新規感染者について、年代、推定感染経路をまとめたものです。
年代で見ると、40代以上のいわゆる中高年の方が7割を占めています。さらに、60代以上の高齢者の方が一番多いという傾向も続いております。また、感染経路不明の内訳を見ても、60代以上の方が一番多くなっています。これは10月以前の傾向とは全く異なると言っていいと思います。
10月以前は、活動的な若い世代が外で感染し、家庭内で感染が広がるというケースが多い状況でした。これに対して今は逆に、活発な中高年が様々な活動の中で感染し、家庭に持ち込むと、こういうケースが多くなっています。
その活動の中身は、友人との会食、ドライブ、カラオケやダンスといった趣味の集まりなど、多岐にわたっています。
もちろん健康寿命の延伸のためには、外に出て仲間と活動することがとても大切です。しかしながら、今は何よりも命を守らねばならないときだと考えています。
国のデータでは、新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち、死亡する方の割合が70代で5.7%、80代になると14%です。逆に30代までは、ほぼゼロですので、年代による死亡リスクの違いが明白になっています。
また、高齢者は重症化しやすく、ECMOを使用するということになると、数十人単位の医療従事者が必要になります。
どうか、県民の皆さん、ご自身の命を守ることはもちろん、群馬県の医療を守るためにも、警戒度「3」の段階でお願いをしたとおり、高齢者や基礎疾患のある方などハイリスクの方は、通院・買い物等の日常生活に必要な場合を除き、不要不急の外出を自粛していただくように、知事の方から改めてお願いを申し上げたいと思います。
次のスライドをご覧ください。
医療提供体制についてまとめたものです。
こちらも赤枠で囲った部分をご覧ください。
上の2段にありますとおり、現在、人工呼吸器を使用している方が2名、ECMOを使用している方が1名いらっしゃいます。
また、スライド中段の病床の稼働率については、40.6%ということになりました。8月に基準の見直しをしてから、初めて警戒度「3」の基準を超えました。医療提供体制の負荷が着実に増しており、非常に強い危機感を抱いています。
スライドの一番下、宿泊療養者数についても、69人ということで増加が続いています。
以上が「客観的な数値」の最新状況となります。
加えて、「市町村警戒度」の基準となる保健所ごとの数字についてもあわせてご報告したいと思います。
直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数になりますが、桐生、伊勢崎、太田、館林保健所管内で、「市町村警戒度」の引き上げの基準である2人を超えています。
こうした中、一昨日、1日あたりの新規感染者が過去最多となりました。感染者の多い桐生、伊勢崎、太田、館林、みどり市の5人の市長の方々には、私から直ちに電話をいたしました。
昨日は夕方、緊急のWeb会議も開催いたしました。これについては、ぶら下がり取材の中でもお答えをしました。会議では、現在の各地域の感染状況およびその対応、県全体の医療提供体制の状況等について情報を共有いたしました。
それぞれの市においても、県の警戒度の引き上げを受けて、住民の方々に対する注意喚起の強化など、すでに様々なご対応いただいております。
この局面は、当然、県だけでは乗り切れません。県と市町村がしっかり連携して対応していくということをお願いをしましたし、こういう認識についても共有をいたしました。
会議の中で5人の市長さんからいただいた意見も踏まえ、群馬県では当面の対応について検討を行いました。
これから発表させていただきたいと思います。
スライドをご覧ください。感染対策強化に関するスライドです。
主な対応は、「感染者の受け入れ体制の強化」、「企業に対する働きかけの強化」、「学校での感染防止対策の強化」の3つです。
一つずつご説明したいと思います。
まず1つ目の「感染者の受け入れ体制強化」についてです。スライドをご覧ください。
先ほど申し上げましたが、医療提供体制の負荷が確実に増しています。5市長との会議の中でも、「医療提供体制を逼迫させないということが何より大事だ」という認識を共有いたしました。
病床稼働率の増加に伴って、現在、病床確保計画に基づき「フェーズ3」の体制に移行しています。医療機関での準備が整い次第、県で確保している335床すべてを新型コロナ専用の病床として運用していくこととなります。
加えて、先週の臨時会見でもお伝えしましたが、2棟目となる宿泊療養施設の運用を開始いたします。
現在、1棟150室で稼働しておりますが、今月の中旬には、追加でもう1棟の稼働が始まります。受け入れ能力は現在の倍以上ということになります。さらに、3棟目の運用開始に向けても、今準備に着手しております。
また、運用基準も見直す予定です。無症状者のほか、軽症者についても、65歳以上の方、基礎疾患がある方、妊婦の方などを除いて、宿泊療養施設への入所を基本としたいと思います。
宿泊療養施設のさらなる活用によって、病床の稼働率を抑えていきたいと考えています。
次に、2つ目の「事業者に対する働きかけの強化」について、ご報告を申し上げたいと思います。スライドをご覧ください。
ここ2週間だけでも3件、「接待を伴う飲食店」でクラスターが発生しています。
現在、産業経済部を中心に、県内の飲食店等の直接訪問を開始しております。こうした取り組みをさらに強化し、市町村とも連携しながら、特に「接待を伴う飲食店」に対しては、改めて感染防止対策の徹底を呼びかけてまいりたいと考えています。
加えて、県民の皆さまには、「ストップコロナ!対策認定店」を、飲食店選びの目安にしていただきたいと考えています。
この制度については、「認定店がどこにあるのかわかりづらい」という指摘を受けておりますので、認定店の目印となる、のぼり旗の作成もしっかりとやっていきたいと思っています。
さらに、職場での感染事例も増えているため、時差出勤、テレワークの推進と、接触機会削減に向けた取り組みについても、改めて徹底をしていきたいと思います。
これまでも、事業者や業界団体の方々に対しては、文書による依頼は行ってまいりましたが、文書の依頼はやはり限界があると思います。
このため、商工会議所、商工会、業界団体のトップに、知事である私自ら直接依頼する機会を近日中に設けたいと考えています。
なお、Go To Eatキャンペーンについては、Go Toトラベルキャンペーンと同様、今のこの時点において、発行停止等の措置は行いません。
また、休業要請についても、今日の時点では踏み込まないという方針です。
最後に3つ目、「学校での感染防止対策の強化」について、報告をしたいと思います。次のスライドをご覧ください。
学校においては、これまでもマスクの着用や検温、教室内の席の配置を工夫するなどの対策を行ってまいりました。
そうしたこともあって、これまでのところ学校内でクラスターが発生するような事態には至っておりません。
しかしながら、児童の学びを守るため、さらに対策の強化徹底をお願いしたいと考えています。
各学校においては、手指消毒、換気、マスク着用と基本的な感染防止対策を徹底していただくことはもちろんのこと、特に、ご家族を含めた検温について、改めての徹底をお願いしたいと考えています。
県内の小中学校および高校での感染事例は、昨日時点で61名確認されていますが、そのほとんどが家庭内の感染であることがわかっています。
児童に発熱の症状があったときには登校させないということはもちろんですが、児童に症状がない場合でも、ご家族の誰かが発熱の症状がある場合にも、例えばお子さんを登校させない、こういった対応を今一度、徹底していただくよう呼びかけたいと思います。
以上が、現時点においての当面の対応ということになります。
これまで何度も説明してまいりましたが、現在、感染経路不明の方の割合が半数近くになっています。市中感染が広がっていると申し上げて良いと思います。どこで感染が広がっているのか、なかなかつかみきれないと、これが正直な感覚です。
今回の3つの対応の中で、学校、企業への対応について言及をいたしましたが、感染がつかみきれない、経路がつかみきれない以上、ありとあらゆるところで、改めて警戒の意識を高めていただきたいと考えています。
コロナとの戦いが長期化し、一部で疲れ、気の緩みが出てるのではないかと感じています。実際、5人の市長からも、地域においてそうした傾向を感じるというご意見をいただいています。
県民の皆さまには改めて、気を引き締めていただきたいと思います。感染防止対策の徹底にご協力を賜りますように、重ねてお願いを申し上げたいと思います。
まさに今が正念場です。こうした認識を全県民が改めて共有することが何より大事だと思っています。
今日お集まりのメディア関係者の皆さまにもぜひご協力をいただいて、この認識を広めるためにですね、後押しをしていただきたいと考えています。
何度も言いますが、これ以上のさらなる措置、特に経済的な活動を制限する措置を取らずに済むように、この局面は「オール群馬」で力を合わせて乗り切ってまいりたいと考えています。
それでは、新型コロナの話はここまでで、次に「全力疾走366プラン」についてご報告を申し上げます。
「全力疾走366プラン」のスライドです。
知事就任後、1年間に特に集中して取り組むべき政策をまとめた「全力疾走366プラン」について1年間の実績をまとめました。
本日は、主要な事業を抜粋してご報告しますが、記者の皆さまには既に資料も配付させていただいてると思います。お配りした資料と同様のものをホームページに掲載いたしますので、ご関心のある方はそちらも確認してください。
まず366プランの「3つの英知」についてです。
スライドをご覧ください。群馬の未来を描く「3」つの英知についてです。
「3つの英知」とは、新・総合計画策定に関するものです。
総合計画の策定は、この1年間で最も知事として力を入れた取り組みの一つです。従来にない手法を取り入れて、作成してまいりました。
一つは、「新・総合計画策定懇談会」です。県内外12名の第一線で活躍する有識者の方々にご参加をいただき、10月末まで4回開催いたしました。いずれも大変中身の濃い議論をさせていただきました。
様々な分野で活躍されてる方々と、他の県にはない、レベルの高い議論を重ねてこられたと感じています。
二つ目は「外部有識者ヒアリング」です。
ヤフー株式会社のCSOで、慶応義塾大学教授の安宅和人(あたか かずと)さんを含め、6名の当代一流の有識者と最先端の話題や群馬県の目指す方向性などについて意見交換を行わせていただきました。
最後に、「地域別懇談会」です。
県内11カ所で、私自らすべて知事が出席して説明し、地域のリーダーである35人の市町村長、また、県議会議員、会派にかかわらず全員、お一人これなかった方は、後にアポを取ってご説明をさせていただきましたので、全会派の県議全員と直接意見交換をさせていただきました。
こうした過程を経て策定した新・総合計画のビジョン案を今議会に提案をしているのは皆さんご存知だと思います。
続けて、366の「6」。「6つの検討」についてご報告をします。
県民の幸福度を高めるための「6つの検討」です。
「6つの検討」とは、「幸福度」、「活力ある健康長寿社会」、「女性活躍」、「外国人との共生」、「児童福祉」、「地域との共生」、以上の6つの定義やゴールを具現化していくことです。
次のスライドでは、「活力のある健康長寿社会」と「外国人との共生」について掲載しています。
まず、「活力ある健康長寿社会」については、武見参議院議員をはじめ、第一線で活躍されている県内外10名の方で構成される有識者会議を設置し、計3回の意見交換をやってまいりました。
今後は、誰もがより長く元気に活躍できる社会の実現に向けて、ビジョンを作り、これを「群馬モデル」として、先進的な取り組みを進め、発信していきたいと思います。
続いて「外国人との共生」です。
県には、約6万人の外国籍の方々がおり、本県経済や地域の発展のためには、こうした方々との共生が極めて重要になってきます。
このため、県内で働く外国籍の県民の方々との座談会、外部有識者を招いた会議を開催し、「多文化共生・共創群馬モデル」として、取りまとめさせていただきました。
覚えてらっしゃると思いますが、市長会長、町村会長とともに、このモデルを踏まえた共同宣言も行わせていただきました。
多文化共生・共創社会の実現に向けて、今年度中に推進条例を制定すべく、現在準備を進めさせていただいています。
最後、続いて「6」、「6つの取り組み」について、ご説明をしたいと思います。
(モニターを指して)これが公約を実現するための「6つの取り組み」です。
「6つの取り組み」とは、「県GDP・県民所得の拡大」、「安心を支える社会基盤整備」、「新たな県民の誇り育成」、「行財政改革推進」、「県政の透明化・オープン化」、「自我作古チームによる『ぐんまモデル』提案」、この6つを指します。
次スライドでは、「県GDP・県民所得の拡大」と「新たな県民の誇り育成」についての実績を掲載しています。
まず、「県GDP・県民所得の拡大」に対する取り組みとして、「農畜産物の分析&PRチーム」の活動を改めてご報告したいと思います。
このチームでは、本県の農畜産物について、消費者の関心の高い「健康」をキーワードに成分分析等を行い、動画配信による販売PRや生産振興につなげる取り組みを行ってまいりました。
本県の農畜産物が、「ブランド」として評価され、生産者のみならず県民全体の誇りにつながるよう、今後も知事自ら先頭に立って、本県の農畜産物の魅力を伝えてまいりたいと思います。
続いて、「新たな県民の誇り育成」に関する取り組みとして、メディアミックスによる発信も行ってまいりました。
今年4月、県の新たな情報発信拠点「tsulunos」を県庁32階展望ホールに開設いたしました。開設以来稼働率、100%以上と言っていいかもしれませんが、100%を維持し、10月までに759本の動画を公開いたしました。総再生回数は約90万回に達しております。
この「tsulunos」を核として、SNS、群馬テレビ、県広報誌など、様々なメディアを活用し、新しいメディアミックスによる情報発信の準備を進めてまいりました。
まだ途中のプロセスにあるというふうに考えております。今後も各種メディアの特性を踏まえ、効果的な情報発信の戦略を、独自の戦略をですね、しっかり作り上げてまいりたいと考えています。
以上、主要な事業を抜粋してご報告をいたしました。
今年は新型コロナウイルスへの対応もあって、当初の予定どおり進んでない取り組みもあります。一方で、愛郷ぐんまプロジェクトによるマイクロツーリズムの浸透とか、1人1台のパソコン、これは宇留賀副知事のいろいろなサポートも得てですね、5年前倒しでの整備ということを行うなど、新たな動きもこの間生まれたと言っていいと思います。
今後は、現在策定中の新・総合計画の基本計画にこれを引き継ぎ、県民の幸福度向上のため、引き続き全力疾走で取り組んでまいりたいと考えております。
続きまして、「自由な発想育成プロジェクト」の取り組みについてご説明をさせていただきます。スライドをご覧ください。これが「自由な発想育成プロジェクト」です。
現在、新・総合計画ビジョンで掲げる、新たな時代を切り開く「始動人」を育成するために、教育イノベーションの事業を進めています。これは、そのプロジェクトの一つとして実施するもので、中高生を対象とした新しい教育プログラムになります。
題して、「始動人Jr.キャンプ」です。10年後、20年後の将来を見据え、その主役となる子供たちの、「自由な発想で新たな価値を生み出す力」を育むことを目的に企画をさせていただきました。
子供たちが自ら地域社会における身近な課題を見つけ、それを最先端のデジタル技術で解決する「地域課題解決型の学習プログラム」と言っていいと思います。
具体的には、AIのプログラミング体験とか、AI等で地域課題を解決する方法を考えるフィールドワークとか、解決策を出し合うアイデアソンとか、成果発表とか、こうした子供たちの自主性を尊重したプログラム構成となっています。
1月下旬から3月下旬までの間、6日間実施したいと考えています。子供たちにとって、プログラミングの基礎が身につくだけではなく、未来の社会と群馬の将来を考えるきっかけとなる、非常に濃密な中身になっていると思います。
経済産業省が運営している「未踏人材育成事業」というのがありますが、この中でメディアアーティストの落合陽一さんとか、今、時価総額が日本一のベンチャー、プリファードネットワークスというのがありますけども、西川徹さんとか、数々の人材を輩出しています。そうしたプログラムに繋がっていくものにしたいと考えています。
明日、12月5日の土曜日から、インターネットで受け付けを開始します。応募方法などの詳細は、県のホームページから、本事業の特設サイトにアクセスできます。そちらをご覧いただきたいと思います。ぜひ皆さん、奮ってご応募いただきたいと思います。
最後に、「湯けむりフォーラム」について、12月の配信情報を発表させていただきたいと思います。スライドをご覧ください。湯けむりフォーラムのトークセッションをまとめたものです。
先週11月28日には、落合陽一さん、夏野剛さん、今日本で最先端の論客と言っていいと思うんですけども、このオピニオンリーダーを迎えて、「地方におけるデジタル化」をテーマに議論を行いました。知事との3人の議論ということで、私が司会を務めましたが、非常に有意義な対談でした。
来週の12月13日も素晴らしいゲストをお迎えしています。
「シン・ニホン」の著者で、ヤフー株式会社CSOの安宅和人(あたかかずと)さん。
元総務大臣補佐官で、地方創生の第一線で活躍されている、株式会社New Stories代表の太田直樹(おおたなおき)さん。
メガネブランド「JINS」を展開する、ジンズホールディングスの代表取締役CEOを務める傍ら、ライフワークとして前橋のまちづくりに深く関わっている、地元出身の田中仁(たなかひとし)さん。
この3名をお迎えし、「可能性を解き放つ Withコロナ時代の地方論」というものをテーマにセッションを行います。
新・総合計画ビジョンの策定にも深く関わっていただいた3人です。群馬の未来について存分に語り合いたいと思います。ぜひご期待をいただきたいと思います。
続いて、エンターテイメント関連の企画についてもご報告をしたいと思います。次のスライドをご覧ください。湯けむりフォーラムはいろんなことをやるので、これはどちらかというとエンタメ系の企画です。
若者に大人気のライトノベル、「ソードアート・オンライン」の作者の川原礫(かわはられき)さん。そしてアニメ「アイドルマスター」シリーズなど数多くの作品を手がけるアニメーションプロデューサーの福島祐一(ふくしまゆういち)さんをお招きしたトークショーを、12月18日に配信する予定です。
この2人は、まさに第一線で活躍しているクリエーターですが、実は2人とも群馬県出身だということなんですね。トークショーでは、作品の話はもちろん、将来を考える若者に向けて、「先行きの見えないWithコロナ時代を生き抜くヒント」を伝えてもらいたいと思っています。
プレゼント企画もございますので、湯けむりフォーラム公式ホームページ、SNSをチェックしていただきたいと思います。
また12月28日には、FM群馬との連携企画というものも放送いたします。昨日、FM群馬の塚越社長さんと「直滑降ストリーム」で対談をさせていただきました。コンテンツ愛のあるこの社長がですね、FM群馬を今、とってもいい状況にしてるんじゃないかというふうに思っております。
群馬県に縁のある3人のミュージシャン、TOSHI-LOW(としろう)さん、DÉ DÉ MOUSE(デデマウス)さん、mabanua(マバヌア)さん。こうした方々をゲストに迎えて、「群馬の音楽シーンの現在と未来」ということをテーマにトークセッションを行う予定です。
Withコロナの中で、音楽を心から楽しめるようにするにはどうしたらいいのか、いい音楽が残り続けるような社会にするにはどうなるべきか、語り合ってもらいます。
この企画は、メディアミックスの最初の試みとして、FM群馬でラジオ番組として放送した後、翌29日は、フルバージョンを「tsulunos」のチャンネルで配信予定です。どうぞ、この企画についても、ご期待をいただきたいというふうに思います。
私からは以上です。何かご質問があればお受けしたいと思います。
(記者)
まず、新型コロナのことについて伺います。病床の稼働率が40%を超えてきたということなんですが、実際、医療現場においては、この40%というのはどのぐらい緊迫してる、大変な状況なのか、少し分かりやすく教えてください。
(知事)
これは武藤健康福祉部長の方から答えていただきたいと思います。
(健康福祉部長)
40%という数字は、かなり厳しい数字でございます。新型コロナは、かなり感染力が強い病気でございますので、感染症ではない患者さんをケアするよりも人手がかかってきます。ですので、かなり病院の方にも負担をかけるような状況でございまして、病床がまだ40%しか埋まってないというような感覚で見ていただくのではなくて、40%も埋まっているという感覚で見ていただければと思います。医療機関の方には、かなりプレッシャーがかかっている状態でございます。
(記者)
入院の基準を見直されたところですが、高齢者の方の感染が多いということで、どうしても病床は逼迫する状況にあると思います。軽症の方であっても65歳以上の人は入院してもらうということは変更する予定はないのでしょうか。
(健康福祉部長)
そこもこれからの状況によってくるんですが、基本的には、ベッドの稼働率が厳しくなりますので、なるべく、状況によってですけれども、高齢者の方でありましても、無症状等であればホテル療養というふうに、どこかのタイミングでスイッチを切り換えていかなければならないと思ってます。
(記者)
昨日のぶら下がり(取材)のところでも、知事は、警戒度を引き上げた効果が今後出てくるかもしれないので、その対応をまだ見極めたいとおっしゃっていましたが、次の状況というのはいつぐらいに考えなければならない状況なんでしょうか。
(知事)
それは、何度も申し上げますが、総合的に見ていくしかないと思うんです。まず、今日の感染者がどのくらいになるのか。昨日程度なのか、それ以上なのか、一昨日ぐらいまで戻るのか、これをまずよく見極めたいと思います。
明日、明後日もずっとこの流れを見て、またものすごく増えるようなら、何らかの対応が必要になるかもしれませんが、それはやはり、全体のいろんな状況を見て考えたいと思います。
一応警戒度については、2週間ごとにある程度判断をするということなんですけども、今日もご紹介しましたけども、結構急激にいろんな値が上がってますから、そういうことも全部見極めた上で、総合的に判断したいというふうに思います。
(記者)
病床の稼働率なんですけども、県全体で40%ということなんですが、例えばどこか特定の地域だけを見るとかなり逼迫してるとか、そういう地域的なバランスとかはあるんでしょうか。
(知事)
武藤健康福祉部長、どうでしょうか。
(健康福祉部長)
基本的には、全県的に運用させていただいております。
やはり、それぞれの病院によって受けられるキャパシティがありますので、こちらの方の地域で発生したからその地域の病院だけでというような運用ではなくてですね、県下全体で、オール群馬で支えていただいてるような状況でございます。
(記者)
例えば、特定の地域で(病床が)埋まっているから他のところに(感染患者を)持ってこうということなんですけども、埋まってしまっている地域で、他の救急の方に影響が出てしまうとか、そういった可能性というのはないのでしょうか。
(健康福祉部長)
なるべくそういうことがないように、今、病院間調整センターというもので運用させていただいておりますけれども、県全体を見ながら、バランスよく利用していただくような形で考えております。
(記者)
今のところまだ、そういう意味での支障が出る状況ではないということですか。
(健康福祉部長)
そうですね。
(記者)
ちょっと話題が変わりますが、県有施設の見直しの関係なんですけれども、本日の前橋市議会の総括質問で、県民会館について山本龍市長が、会館機能が維持できるように知事に要請していきたいという発言をされたようなんですけども、これを受けて知事の受け止めをお願いいたします。
(知事)
県有施設のあり方については、群馬県と前橋で話し合う枠組みを作りましたから、その中でいろいろなお話を進めていけばいいと思います。 山本市長がそういう方針であるということは、恐らくそこでおっしゃったのでそういうことだと思いますが、それを受けて、我々としても、いろいろこれからどういう形にするかということを、これから具体的に協議していくということだと思います。
(記者)
先ほどフリップでですね、コロナ対策で三つほど項目をあげておられましたけど、これは全県を対象とするのか、それとも5市を対象としてるのか、いずれなんでしょうか。
(知事)
全県です。
(記者)
承知いたしました。
(知事)
事業者への呼びかけも全県を対象としています。
(記者)
県有施設なんですけれども、議会の方でですね、慎重な検討であるとか、あるいは綿密な協議を求めるというふうな話でですね、これはもう本議会で決議を求めるという、決めるという方向に今なっているようです。
決議の提言案とか拝見しますとですね、行財政改革の意義とか問題意識というのは共有しているというふうにとれるわけですけれども、一方で総論賛成、各論反対に見えなくもないというふうにも受け取れます。
最終報告は来年2月ですので、まだ時間があるわけですけど、気が早い話かもわかりませんが、議会の意思を尊重しつつ、どういった方向になりそうかという知事のお考えを現時点で。
(知事)
まず中身についていろいろ報道が出ているのは承知しておりまして、もしかすると大きな方向はそういうことなのかもしれませんけど、まず正式な報告書が出るのは確か12月10日かなんかですよね。
それまでは、いろんな議論もあると思うので、それをまず見極めていきたいと思います。
ただ、今まで出ている方向性からいくとですね、これは議会の方でもいろいろと配慮していただいているんじゃないかという感じがいたします。
ですから、決議になるのかどうかわかりませんが、おそらくなるんでしょうが、その決議の中身、これは県議会の決議はもちろん重みがありますので、それも踏まえた上で県として最終方針を決めていくということだと思います。
(記者)
その提言案の中でですね、今まだ決まっていないものを聞くのは重々承知しておりますけれども、180度違う内容も含まれている、つまり、廃止しないでほしいという趣旨のことも入っておりますけれども、そうなると180度、結論が変わってくるわけですが、この点についてのコメントは可能でしょうか。
(知事)
これも最終の提言というか、決議案を見ないとよくわからないんで、その点はコメントしにくいんですけども、まず報道ぶりから見ると、これをやめてくれみたいな話じゃないと思うんですよね。
慎重に検討してくれと。こういうところもあるので、県としてさらに検討してくれというのが、やはり普通のトーンじゃないかというふうに思っていますので、そこら辺はよくまず、もう1回言いますが、最終的な文言をよく見て趣旨も理解した上で、県議会の決議という重みも受けた上で、しかしながら、これはそれを受けて、県として最終判断をしていきたいというふうに思います。
(記者)
今週の日曜日に草津町で、新井町議のリコールをめぐる住民投票がありますけれども、知事は一度、審決を出されて、復帰ができたわけですけれども、こういう住民投票の状況になっていることについて、知事はどう受け止めていますか。
(知事)
これは民主主義で定められたルールによって、町民の皆さんの意思で行われるということですから、これは粛々となさればいいんじゃないかということに尽きると思います。
何度も言いますが、私は個人的には黒岩町長は100%無実だというふうに確信しています。
(記者)
セクハラ問題の真偽は置いておいて、今回のようにリコールという形で、選挙で選ばれた議員が、ある意味、数の力で議席を剥奪されかねない状況にあると思うんですけれども、こういった制度について知事は何か考えがありますか。
(知事)
それは民主主義の中で決められているリコールという制度を住民の方々が活用することについて、それは何の問題もないと思います。
それだけ多くの住民の方々が問題意識を持っているからこそ、おそらくこれが行われるということなんで、もちろんその民意で選ばれた方ですけども、やっぱりその民意で場合によってはリコールがあるというのは、これは民主主義システムの一部なので、それについて私が何かとやかく言うことはないと思います。
(記者)
コロナの関係で何点かお尋ねしたいんですけれども、(病床)稼働率が40%を超えたというところで、日増しに上昇しているわけなんですけれども、あまり考えたくはないシナリオだとは思うんですが、これがさらに上昇するのに備えて、例えば病床を新しく確保するような働きかけだったりとか、そういった計画などは何かありますでしょうか。今の時点で。
(知事)
それは武藤健康福祉部長の方からどうぞ。
(健康福祉部長)
はい。健康福祉部長でございます。
これまでもですね、今日のところで説明させていただいた中では、今、全体で335床というふうに説明させていただきました。
ついこの間までは327床だったと思うんですけども、そういった形でですね、増やす努力は、いつもさせていただいてるところではございます。
ただ、先ほども申し上げましたとおり、増やそうと思えばすぐに増やせるかというと、決してそんなものではないので、他の医療への影響なんかも考えていかなければならないところもございますので、我々としては必要な方に必要な医療が提供できるように、なるべく病床を増やしていく努力をさせていただくんですけれども、とにかく、いろいろ感染対策をしっかり取っていただいてですね、防御に努めていただくことが一番何よりかと思っておりますので、ぜひともご協力をよろしくお願い申し上げます。
(記者)
もう一つコロナの関係で、事業者の方に呼びかける取り組みでテレワークの強化というのが出ていたと思うんですけど、その中でスライドの中だと県庁としても取り組みを強化というふうにあって、現状のテレワークの取り組み、現状が県庁だとどうなのかというのと、あと強化というのはどういうふうにしていくのかという部分がわかればお聞きしたいんですけど。
(知事)
どうぞ、田子知事戦略部長。
(知事戦略部長)
知事戦略部長です。
現状でですね、テレワークについてはガイドラインを制定しておりまして、そういう中で、警戒度2の場合はですね、テレワークについては「3割をめど」にということでやっていまして、今回、警戒度3になりましたので、ここにも書いてありますけども、スライドにもありますけども、テレワークは「5割を目標」にということで、県庁の方も進めるような形で今、総務部の方とですね、知事戦略部の方で連携をして、その辺の対応を職員の方に周知するような形で進めております。
あとノート型のパソコンもですね、今年度、3,000台導入いたしまして、本庁ですと基本的に2,000台入れてですね、全職員、ノート型のパソコンになっております。
地域機関については、1,000台導入していますので、基本的にすべて同じ形でですね、できる形ではないですけども、そのノート型パソコンを在宅にですね、自宅に持ち帰って使えるような形でもありますし、さらにルーターも導入いたしまして、これは各所属2台ずつなんですけども、そのルーターについては、つなぐことによって、県庁と全く同じような形でテレワークができる、そんな形に進めているところです。以上でございます。
(記者)
これをさらに強化する。今回のこの(感染)拡大状況を受けてというふうなことになるんですね。
(知事戦略部長)
はい。その辺をまた総務部と連携しまして、職員の方に周知するような形で進めております。
(記者)
366プランの関係で、最後に知事がおっしゃった、コロナの関係もあって、まだできていない部分もあるというふうなことだったんですけれど、例えばこれはどういったところができなかったと思っておられるのか。
あと、全体的に進捗については、知事はご自身でどういうふうに評価されているのかというところを。
(知事)
できなかったということで言うとですね、やはり知事のトップセールスというのをかなり打ち出していたんですが、コロナの影響でこれは十分にやはりできなかったかなと、個人的にはそう思っています。
それからやはり、知事として大きな目標として掲げた県民の幸福度向上。この基準はもうちょっと早く整備するはずだったんですけども、これもまだできていませんから、これも作業を急いでいますが、こういうことには、なかなか手がつかなかったかなと思います。
全体として言うとですね、これだけコロナ禍があった中では、それぞれ少し作業は遅れているんですけども、それなりの成果は、それぞれ県庁のスタッフに頑張ってもらって出ているんじゃないかというふうに思います。
昨日の一般質問で、「随分いろんなチームを作りましたね」と言われたんですが、粗製乱造ではなくて、それぞれのチームがちゃんと実績を上げているというふうに評価しています。例えば自我作古チームはですね、もう三つか四つ、予算編成の弾を自ら作りましたので。実は自我作古チームの提言で予算になったものもありますし、熟慮断行チームもですね、津久井副知事を中心に、今回の県有施設10施設の見直しもやってもらっていますし、Gアナライズ&PRチームもですね、この間、上州地鶏で、すごい良い結果が出たんですけども、きちっと成果を挙げてくれていますので、そういう意味ではこういう中でもかなり頑張ってくれたなというふうに、県庁職員の皆さんには非常に感謝していますし、評価をしてます。
ただ、今のこういう段階の中で、もう1回、366プランのパートツーを作るみたいなことではなくて、やはりこれから新しい総合ビジョンもできますから、基本計画の方にですね、やはり引き継ぐという形が一番ナチョラルかなというふうに思っています。
他によろしいでしょうか。
それでは、最後にまた県民の皆さんに知事からお呼びかけをさせていただきたいと思います。
新型コロナウイルス感染症の状況はですね、かなり厳しくなってまいりました。医療提供体制に対する負荷も随分上がってまいりました。
先週の会見でシミュレーションを発表させていただきましたが、40人ぐらいの規模のレベルの感染が2週間続くと、医療提供体制は本当に逼迫してしまいます。
それを防ぐためには、県民の皆さんのご協力をお願いするしかありません。
いろいろ今、この感染が広がっている現状を分析しているんですけども、もしかすると、少し温度が下がってウイルスが活性化している等々もあるかもしれませんが、やはり県民の皆さんにですね、ここで何度もお示ししている五つの場面みたいなところで、本当に注意していただいて、新しい生活様式に協力していただければ、この感染拡大を防げるというふうに思っております。
ここからが正念場です。ぜひ皆さんのお力を借りて、もう1回言いますが、休業要請とか外出自粛みたいなところに踏み込まずにですね、何とか乗り切っていきたいと思います。
重ねて、新しい生活様式に対する県民の皆さんのご協力、ぜひですね、こういう対策を徹底していただくようにお願いを申し上げたいと思います。
同時に申し上げておきたいのは、先ほど記者の方からも質問がありましたが、このまま大きく感染が広がる、止まらないみたいなことがあったときには、これは知事として皆さんを守るために、なかなかバランスが難しいんですけども、必要な行動は躊躇なくとらせていただきたいというふうに思います。そのときは、またそれでご理解をいただければというふうに思います。
ということで今日の会見はこれで終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
(以上で終了)
文章中の()内については、秘書課において加筆したものです。