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令和2年9月26日臨時記者会見動画(You Tube)<外部リンク>
それでは、臨時記者会見を始めさせていただきたいと思います。
本日の17時に、高崎市内の農場において、豚熱・CSFの患畜が確認をされました。陽性が疑われた時点で急遽、本部会議を午前11時に開催し、対応方針を確認いたしました。
ただいま、この臨時記者会見において、現状のご報告と今後の対応等について、知事から報告させていただきたいと思います。報道機関の皆さまには、休日にお集まりいただいたことを感謝申し上げたいと思います。
豚熱・CSF対策については、国内有数の生産県である群馬県の養豚業を守るため、知事就任直後から、国及び市町村と連携し、最重要課題として取り組んでまいりました。
昨年の9月には「緊急総合支援」ということで、野生イノシシの侵入防止柵の設置費用を県議会の全面的なご支援をいただき、市町村と協力して支援する仕組みを構築いたしました。
また、豚熱・CSFウイルスが入り込まないための消毒ポイントの設置なども行ってきたところです。さらには、農水大臣、当時の江藤大臣にも直接お会いして、野生イノシシに対する経口ワクチンの散布や飼育豚に対するワクチン接種を要望し早期に実施していただくなど、できるだけの対策を県知事として先手先手で行ってきたつもりです。
農家の皆さんも、相当な緊張の中で、これまで頑張って対策に取り組んでいただいてきました。にもかかわらず、今回こうした事態に至ってしまったことは、知事として、まさに痛恨の極みです。
しかしながら、発生してしまった以上は、冷静に、これ以上感染を広げないための対策をしっかりと取ってまいりたいというふうに考えています。
新型コロナウイルス感染症の収束がなかなか見えない中で、さらなる緊急事態が発生し、県職員も休日返上で対応させていただいております。
今回の事態に対しても、畜産農家の方々や関係者の皆さんと協力して、しっかり押さえ込んでまいりたいと思います。
ご存知のとおり養豚業は、群馬県の農畜産業の中でも、2割を占める主要な産業です。皆さんと協力して、この群馬の養豚産業をしっかりと守ってまいりたいと思っています。
それでは、まず、豚熱・CSFの発生状況について、ご説明をさせていただきます。スライドをご覧ください。豚熱の発生状況について、まとめたスライドです。
昨日25日の12時25分に、今回、豚熱・CSFが発生した農場から、県西部家畜保健衛生所に対して、豚の死亡が増加しているという第一報がありました。これを受け、16時55分に県家畜衛生研究所において、検査を開始いたしました。
そして、本日の未明、午前4時25分に遺伝子検査の結果、豚熱・CSFの感染が疑われる旨の結果が出ました。その後、国に検体を送付し、遺伝子解析を行ったところ、17時に豚熱・CSFの患畜であることが判明いたしました。
以上が県に第一報があってから、患畜確認までの大まかな流れとなっております。
今朝、農政部長の方から、午前5時過ぎに知事のところに電話が入りました。それを受けて、私の方から、秘書課、そして両副知事とも情報を共有させていただき、その後の対応を議論させていただいたということです。
では、第一報が県に届く前、つまり、豚熱・CSFの発生に至る経緯について、農場への聞き取りを行いましたので、説明させていただきたいと思います。次のスライドをご覧ください。経緯を時系列でまとめたスライドになります。これまでの経緯、第一報から要請確認までの経緯をまとめたスライドです。
当該農場においては、9月の初旬から、離乳舎で子豚の下痢を主徴とした症状が見られ、その後、散発的に子豚が死亡し、連日の死亡事例が発生したことで、昨日、西部農業事務所の方への通報を行ったということです。
次に、今後の対応について、ご説明させていただきます。次のスライドをご覧ください。明日以降の当該農場に対する対応についてのスライドです。
当該農場における飼育豚については、ワクチン接種の有無にかかわらず、全頭を殺処分いたします。殺処分後は、農場近くの農場主の所有する私有地に埋却いたします。
処分に際しては、県外の獣医師や自衛隊に協力を依頼するとともに、農政部を中心に1日あたり380人の県職員を動員し作業に当たらせていただきます。1日あたり2,000頭の処分を行う予定です。3日間かけて行います。
県として、迅速な防疫措置というものを徹底してまいります。
大変失礼いたしました。最初の冒頭のところでですね、読み忘れた発生状況の部分がありますので、ちょっとそこに戻らせていただきたいと思います。大変失礼いたしました。
発生状況をまとめたスライドにもう一度戻してください。すみません。
今回、豚熱の感染が確認された農場は、高崎市に所在する農場です。豚の飼育頭数は、(約)5,390頭ということになります。この農場の3キロメートル圏内には、他の農場はありません。家畜伝染病予防法に定める家畜の移動制限の対象となる農場はないということです。
また、10キロメートル圏内には、他に18の農場がありますが、すべてワクチン接種済みであることから、これらの農場における搬出制限もありません。
なお、農場の持ち主のお名前や農場の所在地等の情報については、県の防疫マニュアルに基づき、風評被害防止や部外者等の立ち入りによる感染拡大防止の観点から非公表とさせていただきますので、ご了承をお願いいたします。
次に、県に第一報があってから、豚熱・CSFの患畜判明までの経緯について、ご説明させていただきます。この部分ちょっと先ほどの説明で抜けていました。大変申し訳ありません。
昨日25日の12時15分に、今回、豚熱・CSFが発生した農場から、県西部家畜保健衛生所に対し、豚の死亡が増加している旨の第一報がありました。これを受け、16時55分に県家畜衛生研究所において検査を開始したということで、本日の未明、先ほど申し上げましたが、4時25分に遺伝子検査の結果、豚熱・CSFの感染が疑われる旨の結果が出たということです。大変失礼しました。
それでは、明日以降の当該農場に対する対応のスライドに戻りたいと思います。当該農場における飼育豚については、ワクチン接種の有無にかかわらず、全頭を殺処分いたします。
殺処分後は先ほど申し上げましたが、農場近くの農場主の所有する私有地に埋却いたします。処分に際しては、先ほど申し上げましたが、もう一度申し上げます。県外の獣医師、自衛隊に協力を依頼するとともに、農政部を中心に1日当たり380人の県職員を動員し作業にあたります。1日当たり、これも先ほど申し上げましたが、2,000頭の処分を行う予定で、3日間かけて行います。
県としては、迅速な防疫措置というものを徹底してまいります。
次に、今後の豚熱・CSF対策について、ご説明をさせていただきます。次のスライドをご覧ください。今後のさらなる発生を防止するための対策について、まとめたスライドです。
冒頭申し上げたとおり、これまで豚熱・CSF対策については、隣県で発生事例が散見された直後から、県の最重要課題と位置付け、ワクチン接種の早期実現はもちろんのこと、考え得るあらゆる対策を講じて、本県における発生防止に全力を尽くしてまいりました。
今回、豚熱・CSFが発生した農場では、野生イノシシの侵入防止柵もいち早く設置し、相当な注意を払って飼養にあたっておられたというふうに聞いております。
それでもこうした状況に至ってしまったということで、改めて、できる得る限りの対策を実施し、豚熱に立ち向かっていく、これが大事だというふうに考えております。
今後は、国とも連携し、侵入経路の究明と疫学調査を行ってまいります。先ほど、私の方からも、野上農林水産大臣と直接連絡を取らせていただきました。この問題では、しっかり連携をしていくということで、農水大臣との間で一致をしています。
県内の農場主の皆さんに対しては、群馬の養豚を守るために、これまで以上の日々の飼養衛生管理基準の遵守をお願い申し上げたいと思います。皆さん力を合わせて、この難局を乗り切っていきましょう。
私からは以上です。何か皆さんからご質問があれば、お受けしたいと思います。
(記者)
確認したいんですが、今回、豚熱が確認された豚は何頭ですか。
(畜産課長)
検査に供しました豚は3頭になります。
(記者)
3頭とも陽性ですか。
(畜産課長)
はい。
(記者)
農場への聞き取りの中でお話がありました9月初旬から子豚が下痢の症状などを発していたということです。子豚だけに限らないんですかね。豚の死亡が確認されたということですけども、これまでに何頭死亡してるかわかりますか。
(知事)
畜産課長の方から正確な数字をお願いします。
(畜産課長)
9月の初旬からですね、下痢の症状が一番目立つ症状でございまして、日によってですね、死亡した頭数というのは違うんですが、数頭からですね、多いときで20頭強というような形で、今まで確認がされてきています。
(記者)
それは1日にということでいいですか。
(畜産課長)
そうですね。
(知事)
全体は。
(畜産課長)
全体がですね、約200頭強ということになります。
(記者)
全体が5,000頭ぐらいいるので、それがどれくらいとらえたらいいのかわからないんですけれど、200頭というと、結構の数字かなと思うんですけれども、9月初旬からそういう症状が出始めて、それまで、相談はされていなかったということですか、農場の方は、9月25日までは・・・。
(知事)
記者さんがおっしゃった点は非常に大事な点だと思うんですけども、とりあえずまだきちっとした調査が行われていないので、そこら辺のコメントは少し慎重にさせてください。
おっしゃったとおり、9月の初旬からかなり多くの飼養豚が死亡したということは事実なので、ただここら辺については、まだしっかりとした聞き取りができてないので、そこはよく事実関係を確認してから、ご報告をさせていただきたいと。なぜ、こういう形になっているのかというのは、そのときにまた改めてご報告をさせていただければと思います。
(記者)
ちなみに県のマニュアルとかで、例えば何頭以上死亡したら報告をしてくださいとか、そういったものはありましたか。
(知事)
そこはどうでしょうか。
(畜産課長)
県のマニュアルというわけではないんですけれども、今、こういう病気、CSFとか伝染病が発生した、未然にですね、できるだけ早く収束させるために、異常があったら早期発見、早期通報というような形で、家畜保健所の方にご連絡をいただくと。もしくは、かかりつけの獣医師に報告、通報するというような形になってございます。
(記者)
何頭死亡したらとか、そういうことではなくて、異常があったら、早期にというような通達だったということですね。
イノシシの感染も何頭か確認されていました。昨日も感染が発表されていたと思うんですけれども、全体でイノシシは県内で何頭確認されてましたか。
(知事)
そこはわかりますか。今、正確な数字がわかるでしょうか。大体どのぐらいでしたかね、今まで。
(畜産課長)
52例かと。
(記者)
イノシシが52例。
(農政部長)
55例だと思います。
(畜産課長)
そうですね。申し訳ございません。
(記者)
去年9月が最初だったと思うんですけども、去年9月から昨日までに55頭ですね。市町村も発表されていると思うんですけれども、高崎市内ないしは、今回感染が確認された農場の10キロ圏内ですとか、近いところで確認された例はありましたか。イノシシの感染です。
(知事)
そこら辺は少し正確にお願いします。どうぞ。
(畜産課長)
今回の農場から直線距離にして約5キロのところで陽性のイノシシが見つかってございます。
(記者)
それはいつ、何頭ですか。
(知事)
事実関係は正確にわからなければ、調べてお答えしますが、今わかりますか。わかれば。
(畜産課長)
9月23日に1頭でございます。(正しくは、7月3日の35例目)
(記者)
今年の今月の23日で大丈夫ですかね。
(畜産課長)
はい。
(記者)
県内の飼養豚のワクチン接種は、いつ終了していて全部で何頭やられました。60何万頭でしたか。
(知事)
そこはいかがでしょうか。
(畜産課長)
終了ということはございません。今、野生のイノシシがですね、感染拡大している中では、打ち続けていくと。月にですね、約10万頭に接種してございます。
(記者)
これまでに全部で何頭ワクチン接種が終了しているという言い方ができますか。豚ですね。
(知事)
それはわかりますか。ずっと続けているので、どのぐらいになっているかって。わからなければ、ちょっと確認しますけど、今の時点でちょっとわかれば。
(畜産課長)
確認させていただきたいと思います。
(知事)
正確な数字は確認して、またご報告します。
(記者)
いただいていた資料でちょっとわからなかったところがありまして、全国でどこの県で感染しているという資料もいただいていますが、大阪と滋賀が、これは、この府県で確認されたというふうに見ていいんでしょうか。愛知1例目関連農場とあったので。大阪での感染も確認されて、全国でこれまでに何県で確認されていると言いたいんですけども、大阪と滋賀は含んでいいんでしょうか。
(知事)
それはいかがでしょうか。
(畜産課長)
詳しいカウントの仕方につきましては、申し訳ございません農水省の方にお問い合わせいただきたいと思います。
(記者)
県内の飼養頭数ですけれども、全国4位でお間違いないでしょうか。
(畜産課長)
はい。
(記者)
市町村別でも飼養頭数を出していると思うんですけれども、高崎は前橋、渋川などに次いで何番目とか、そういうのがわかりますか。
(畜産課長)
今、統計数字はですね、市町村別というのが出てきてないんで、正確な数字をここでお答えは難しいと考えてございます。
(記者)
当該農場の豚の出入りなんですが、子豚で下痢等の症状が目立ったということなんですが、そもそもこの子豚はここで繁殖したものなのか、あるいは外から持ち込まれていたりするものなのかということを教えていただきたいのと、逆に、普通に出荷する以外にこの農場から豚が外に出ているのか、そこを教えてください。
(畜産課長)
まず、子豚の関係ですが、すべて自農場で生まれた子豚でございます。それと外に出ていく豚につきましては、肉豚としてですね、食肉センターの方に出荷する豚でございます。
(記者)
ワクチンの接種状況なんですが、ワクチン接種のタイミングがいろいろあるんだと思うんですが、そのあたりは、当該農場は、まだ接種しないうちのものが発症していたのか、それとも接種していたものが発症していたのか、その辺りはいかがでしょうか。
(知事)
そこはどうでしょうか。
(家畜防疫対策専門官)
畜産課の小渕です。今回、残念ながら発症してしまったのは、ワクチンを未接種の豚です。本来であれば、接種している日齢ということで、こちらの農家さん、こまめに接種が滞ることなく行われていたんですけれども、先ほど申し上げましたように、下痢の症状が出てた場合、いろいろワクチンを打つと、リアクションといって、反応が出てしまって、よい影響がない場合があるので、少し様子を見たというだけでありまして、それほどワクチン自体はスムーズに行われていた農場ですが、今回の3頭はすべて未接種の豚になります。
(記者)
今の発症の3頭というのは、検体として使ったものであって、その前に死んでいたものは発症していたかどうかはわからないわけでしょうから、その辺りはどうでしょうか。それもやっぱり、未接種のものが死んでいたのかどうかわかりますか。
(家畜防疫対策専門官)
それははっきりはわからなかった感じです。打ってないのが死んだかというと、そこまではっきりは農家さんわからないというような印象だと思います。
(記者)
発症が確認された検体の3頭は、どのくらいの歳といいますか。
(家畜防疫対策専門官)
約70日齢です。
(記者)
3頭とも。
(家畜防疫対策専門官)
そうですね。
(記者)
70日ぐらいとおっしゃいましたけど、それはいわゆる子豚という認識でいいんですか。
(畜産課長)
大体ですね、離乳をして約1カ月ぐらい経った豚なんですけれども、大枠でひっくるめますと、子豚の方に入ります。
(記者)
死んだ豚ですけども、全部ワクチン未接種の豚ばかりということなんですね。基本的には。
(畜産課長)
はい。未接種と言いますか、お母さんからですね、移行抗体という免疫をもらいまして、抗体がですね、徐々にこう下がってくるんですが、70日ぐらいになると抗体が落ちて、感染の機会がゼロではないと。
(記者)
要は未接種ってことでよろしいんですよね。
(畜産課長)
はい。
(記者)
ここの農場さんは、今、豚の盗難とか相次いでいますけど、そういうとこ、被害者になったとこなんでしょうか。
(畜産課長)
盗難という話は聞いてございません。
(記者)
国内で豚熱感染は久しぶりかと思うんですけども、確か去年の12月、最後なんてわかりますか。群馬県での発生というのは。
(知事)
群馬県では発生していません。
(記者)
初めてなんですけど、他県では確か去年。
(畜産課長)
最後は沖縄県でございます。
(記者)
12月でしたっけ。
(畜産課長)
本州では12月ですね。
(記者)
当該の農場のことでお伺いしたいんですけれども、5,390頭の飼養というのは、1カ所で5,390頭を飼っているのか。何カ所かに分かれて飼っているのか教えてください。
(畜産課長)
農場はですね、この高崎のところで繁殖豚と子豚とそういった形で農場自体はですね、道を隔てたりしていますが、全体から見れば1農場というカウントなります。
(記者)
同じ場所で、棟はいくつかに分かれているけれども、1カ所で飼っているってことですね。
(畜産課長)
はい。
(記者)
資料の今後の対応のところの3キロ圏内と10キロ圏内のそれぞれ意味の違いというのを教えていただきたいんですけど。
(畜産課長)
3キロ以内につきましては、通常はですね、移動制限区域といいまして、出荷したり、あるいは導入したりすることがストップして、できなくなると。搬出制限については、出荷ができなくなるというような形でございます。それは3キロ以上10キロ未満ということになります。
(記者)
3キロ圏内は移動が全部できなくなる。10キロ圏内は入ってくるのは大丈夫だけど、搬出ができなくなるということ。
(畜産課長)
はい。
(記者)
だけど今回の場合は、10キロ圏内でもワクチンを接種しているので、そういう制限がかからないということなんですかね。
(畜産課長)
はい。
(記者)
あと感染経路は今後調べていくということだと思うんですが、考えられる可能性というのは現状でどういうものがあるのかというお考えをお伺いしたいです。
(知事)
今の段階では、これからね、疫学調査というか、これは国の方でしっかりやってもらうということになって、明日からやって、ある程度時間がかかると思うんですけども、あんまりこう今の時点で確定的なことは言えないと思います。
その疫学調査をちゃんと見た上で、原因を調べるというのはものすごく大事なことなので、これはしっかり国にやってもらうということで、今の時点で、いろいろね、憶測はあるかもしれませんけど、現時点では、それはちょっと控えさせていただいた方がいいと思います。
どうぞ。何かありますか。
(家畜防疫対策専門官)
やはり時間が経ってしまいますと感染経路の解明って大変難しくなりますので、今現時点でも確定前から、いろいろな豚舎周りの環境物質とか、あと、飼っている豚の中から、感染経路がわからなくなる前に、いろいろな採材をしているところです。また明日、それに引き継ぎまして、疫学チームが入りましていろいろな検討が続けられるというふうになっております。
あとですね、先ほどご質問いただいた件なんですけれども、国内での発生状況なんですけれども、本州で最後の発生となりましたのは、12月17日の愛知県が最後となっていました。そのあとが、沖縄県での発生が続きまして58例目までということになりまして、本州では、昨年末以来ということになると思います。
(記者)
何件目になるんでしょうか。
(家畜防疫対策専門官)
沖縄はですね、最後が、58例目が3月12日ということになります。
(記者)
都道府県でいうと、群馬は何都道府県目になるんでしょうか。
(家畜防疫対策専門官)
8例目(正しくは、1府9県(群馬県除く))です。
(記者)
近隣の農場に対して、こういうところを特に今、気をつけてくださいと呼びかけをされているポイントがありましたら教えていただきたいんですが。
(知事)
そこら辺はいかがでしょうか。
(畜産課長)
先ほど知事の方からも話にあったとおりですね、しっかり今、飼養衛生管理基準、また防疫、こういったものをしっかり対応を取っていただいた中で、万が一ですね、そういった病気の発生が見えてきた時にはですね、通報を迅速にしていただいて、そうすれば家畜保健所の方が、その状況を見て、病気の判断、検査をいたしますので、そういった形で、農家さんの方に、今のこの危機をですね、乗り越えていただければと考えてございます。
(知事)
いずれにせよ、ちょっと先ほど申し上げましたけども、養豚業、養豚産業というのは群馬県にとって本当に大事な産業なので、そこは皆さんにご説明したとおり知事としてはですね、細心の注意を払って、これはとにかくCSFを発生させないということについては、全力を挙げてきたつもりです。
市町村とも協力をし、もちろん県議会の全面的な支援もいただいて、特にですね、やっぱり県内の養豚業者の方々、農場経営者の方々も本当に努力をしていただいたんだと思うんですね。でも、そういう中でもこういうことが出てしまったということですから、ここからしっかりとまず、国に調査してもらうということもありますけれども、当然我々としても、今の養豚業者の方々に対しては、しっかりとこれを踏まえて、さらに必要な対策を徹底していただくとか、何かあればしっかり報告していただくということですね、よくお願いをしていくということになります。
今日実は先ほどもちらっと言いましたけども、すでに実質的には午前11時にですね、最初の感染対策の本部会議というものをやっております。今日記者会見で記者の皆さんに集まっていただいて、知事の方から説明させていただいた後、この後すぐっていう話もあるんですが、まずはもうちょっとですね、今日の状況も踏まえて、いろんな情報を集めて2度目の対策本部をやろうという流れになりましたので、明日、午前10時から2回目の対策本部の会議を県庁内で行いたいというふうに思っています。
(記者)
ちょっと細かいことで、教えてください。疫学チームというのは明日から、農水省から派遣されてくるので良いでしょうか。
(畜産課長)
そのとおりでございます。
(記者)
県内の養豚の頭数の確認ですけれども、全部で62万頭ぐらいだったと思うんですが、正確にはわかりますか。
(畜産課長)
62万9,000頭でございます。
(記者)
先ほどちょっと話題になりましたけれども、初動のところで対応に問題がなかったかどうか、それもこれから調査するというお話でしたけれども、現時点で何か言えることがあれば、お聞きしたいと思います。
(知事)
先ほど申し上げたとおり、今の時点ではちょっと。もっときちっと正確な情報を集めてから報告した方がいいかなというふうに思います。
(記者)
知事は、今日農水大臣の野上さんとお話しになったということですが、それは電話で何時頃かというのお聞きできますか。
(知事)
夕方だったと思いますけども、野上大臣に電話するのもちょっと忙しいかなと思ってたんで、携帯メールで、「群馬県として、その対策に全力を尽くしておりましたが、残念ながらCSFが発生してしまいました。これからいろいろと国とも連携をしていかなければいけないと、ご支援もいただかなければいけないということなんで、よろしくお願いします」というふうなメール送ったら、大臣の方からですね、「この問題は、群馬県としっかり連携をしていきたいと思います。よろしくお願いします」というメールをいただきました。ちょうどこの間会ったばかりなんで。一昨日ですね。
(記者)
知事に1点お伺いいたします。
発生してしまったということで、今後、風評被害等懸念されることもあるかと思うんですが、それについて現時点でどういうスタンスで望まれるかということを教えてください。
(知事)
まず、この問題に対しては、県庁としても全力で取り組んできたということで言うと大変残念に思っていますし、まさしく先ほど申し上げたとおり、痛恨の極みと言ってもいいと思います。
ただ、こうやって発生してしまった以上は、とにかくしっかりとここで食い止めるということに尽きると思ってます。
ここで、我々として必要な対策を迅速に取って、しっかり封じ込めると、そのことが群馬県の畜産豚全体の風評被害を防ぐことになるんじゃないかと考えています。
(記者)
これから出荷される豚の安全性については、どう考えていらっしゃいます。
(知事)
まずは、先ほど申し上げたとおり、しっかりなぜこういうことになってるかっていうことを、まず検証して、分析しないといけないと思いますが、そこも踏まえてですね、必要な対策をしっかりと取っていきたいと思います。
(記者)
(畜産)課長に1点確認をさせていただきたいんですが、先ほど、他の記者さんのご質問で、農場で死んだ豚は全部(ワクチンが)未接種だったのかと聞かれて、はいっておっしゃってたと思うんですが、先ほど、小渕(家畜防疫対策専門官)さんのご説明では、(ワクチンを)打っていたのか、いなかったのか、はっきりわからなかったとおっしゃってると思うんですけれども、どちらなのでしょうか。
今回の3頭に関しては、未接種だったということだと思うんですけれど・・・。
(家畜防疫対策専門官)
死亡した豚がすべて未接種だったかというと、そういうわけではないです。
今回、解剖して検査をしたものは、すべて未接種であったということです。調子が悪かった、下痢をしていたものは。
これまで散発的に出ていたものが、未接種豚だけだったのかというと、そこに偏ってるというわけではないということです。
(記者)
接種済みの豚もいたということですか。
(家畜防疫対策専門官)
すべてが未接種だったという報告は受けておりません。
(記者)
接種済みであったかどうかというのは、はっきりしないということなのでしょうか。
(家畜防疫対策専門官)
接種してない豚が全部死んだという認識は、農家さんにはなかったということです。
(記者)
ただ、いずれも(生後)70日前後の豚であるということは共通してるわけでしょうか。
(家畜防疫対策専門官)
若干の日齢の幅はありますので、母豚ごとに小さい小屋に入っていくので、若干幅はあります。
(記者)
死んだ豚は何日から何日っていうような言い方はできますか。
(家畜防疫対策専門官)
基本的にそちらの小屋に入ってくるのが、30日齢弱になりますので、結構幅広の日齢が入っております。90日齢ぐらいまで、そこで過ごすということになってますので、その70日齢だけが死亡したということではないと聞いております。
(知事)
それから、さっきの質問の関連で、これ、たぶん農水省の安全局の動物衛生課(農林水産省・安全局動物衛生課)がネットで流してる情報で、ちょっと参考に言いますけど、この中で消費者の方々に対する呼びかけもあるんですが、「CSFは豚やイノシシの病気であって人に感染することはありません」、「仮にCSFにかかった豚の肉や内臓食べても人体に影響ありません」、それから「感染豚の肉が市場に出回ることはありません」と、こういうことは群馬県としてもしっかりまず県民に呼びかけていきたいというふうに思います。
それから、同じお知らせの中にですね、畜産農家の皆さまへという段もあるんですが、「CSFは豚やイノシシへの強い伝染力が特徴」だと、
こういうことがですね、まずしっかりと説明してあって、「畜産農家の方々については、飼養衛生管理を徹底いただく」ということと、「早期発見のため、毎日しっかり観察していただく」と、こういうことをお願いしたいということが、ここにも書いてありますので、こういう流れにも沿って我々としても、以前からしっかりお願いしてるんですけど、改めてこういうことをですね、県の方からも、畜産農家の皆さまによくお伝えをしたいと考えています。
(記者)
まず子豚の下痢の症状が9月の初旬ぐらいから見られ始めたということなんですけれども、この下痢っていう症状は、この豚熱の症状とも言えるものなのでしょうか。
(家畜防疫対策専門官)
豚熱の場合、いろいろな症状が見られるわけですが、その中の一つには入っておりますが、他の細菌性、ウイルス性のものもたくさん下痢を示しますので、多くの病気が疑われるということになります。
(記者)
この近隣の例えば、10キロ圏内にある18農場があると思うんですけれども、ここに対しては特別な対応であったりとか、これからそういうのをされる可能性があるとか、その辺は何かありますでしょうか。
(家畜防疫対策専門官)
このプレスをもちまして情報が公開されますので、早急に迅速に家畜保健所の方が、農家さんたちに注意喚起とこの事実をお知らせをして、ファックスまたは電話等でさらに注意喚起をします。また、異常があれば早急な通報を再度お願いしているという状況です。
(記者)
今の時点では、ここに限らずですけれども、何か異常だったりとか、他の農家さんとかで、今のところは寄せられているような情報というのはありますか。
(家畜防疫対策専門官)
ずっとこの病気に限らず異常があった場合、下痢や肺炎が続くとか死亡が続くとかという場合は迅速にご連絡くださいというのは、各家畜保健所から皆さまにお伝えしております。
これまでもですね、打ち消すために、CSFではないと否定するため、または、調子が悪い生産性が落ちている病気を解明するための検査は常日頃、続けております。
(記者)
出入りのところで、先ほど当該農家さんの豚は食肉センターに主に行くものであるというふうなお話だったんですけれども、特に、その他の例えば農場に出していたりとか、そういうことはないと言ってよろしいんでしょうか。
(家畜防疫対策専門官)
はい。
(記者)
豚の死亡した原因なんですが、いわゆる下痢で死んだっていうのは、最初に豚熱かどうかわからない時点では、下痢で死んだっていう話なんでしょうか。
(家畜防疫対策専門官)
下痢でだんだん細くなってきて、急激にバタバタ死ぬというよりは、下痢で細くなってきて、痩せてきて死亡していくっていうのが3頭に見られてきたのが、だんだん増えてきたというような状況です。
(記者)
受け止め方としては、下痢で死んだ豚が目立ってきたと。それで25日ぐらいまでに200頭強死んでしまったということですか。
(家畜防疫対策専門官)
積み上げでですね。
先ほど私の方から申し上げたことを訂正させていただきたいんですけれども、国内のCSFの発生状況は、2018年9月の岐阜県以来ですね、一府9県、本県を含めないでそういう発生件数ということになっておりますので、訂正させていただきます。申し訳ありません。
(記者)
先ほど、他の農場に出荷していないということでしたけれども、ということは、ここの農場でどんどん豚が育っていって食肉センターの方に出しているというような状況になるんでしょうか。
(畜産課長)
そのとおりでございます。
(記者)
CSFに感染した野生のイノシシが、ここ農場から5キロ圏内のところで見つかったというのは、これは県内何頭目のイノシシなんでしょうか。
(家畜防疫対策専門官)
51例目、52例目の9月23日に同時に確認されているものになります。(正しくは、7月3日の35例目の1頭)
(記者)
51例目と52例目はどちらも同じ近くの場所ですか。
(家畜防疫対策専門官)
そうですね、円の中でだいたい5キロの中に入るところに、この農家さんの近くで発見された、イノシシの陽性でということになります。(正しくは、5キロ圏内に入るのは35例目の1頭のみ)
(記者)
農場の中になるのですか。
(家畜防疫対策専門官)
中ではないです。5キロ以上離れておりますが、県内の中ではその農家さんに一番近い陽性確認例ということになります。
(記者)
検査に回した3頭というのは、県の検査と農研機構(国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構)の検査と同じものを使用してるんでしょうか。
(家畜防疫対策専門官)
そうですね。県の方で、まず最初の検査をいたしまして、それをもって国の機関の方で、再度精密な遺伝子解析の検査をしていただいております。
(記者)
今の陽性のイノシシの確認ですけれども、先ほどおっしゃったときは、5キロ圏内で陽性のイノシシ1頭っておっしゃったかと思うんですけれど、2頭で大丈夫ですか。
(家畜防疫対策専門官)
すいません、5キロ圏内のは、例数確認させていただいていいですか、すいません。
(知事)
確認した上で、しっかり報告します。ごめんなさい。
(記者)
今回発生した農場で5,390頭いると思うんですが、このうち何頭がすでにワクチン接種が終わっていたのか、お聞きしたいんですけれども、よろしいでしょうか。
(家畜防疫対策専門官)
飼養頭数の中で、何頭打ったかという感覚よりもですね、ワクチン適期、接種適期になったものを間を空けずに打っていくというようなスタンスになっております。というのは、すべてを打てばいい、一斉に打ったというのは、最初のワクチン接種開始時期だけでありまして、ワクチンを打つ適齢期というのは、ほぼ決まっております。たいたい用法上は、1カ月から2カ月齢となっております。30日齢から60日齢となっていますけれども、先ほど申し上げましたように、母豚からの抗体がありますので、だいたい50日齢前後というのを目安にしておりますので、それより小さい豚は接種の対象外という感じになります。ただ、母豚からの抗体があるので感染から守られているということになります。
それ以上の豚がすべて接種済みということになります。
(記者)
つまり50日以内の豚、親からの抗体があるということで、ワクチンを接種する必要がないっていうことになるのですか。
(家畜防疫対策専門官)
ということよりもですね、その抗体というのは、(母乳を)飲んで自分のものにした抗体なので、だんだん減っていくものなんですね。減っていけば、またさらにそれ(ワクチン)を打つということであって、小さい豚は(ワクチンを)打っても、お母さんからもらった抗体があるのでワクチンがきかない、ワクチンによる抗体が産生されないので、無駄な打ち方になってしまうということです。その時期に打っても反応がないので、決められた適齢に適正にワクチンを打っているということになります。
(記者)
検体を回した3頭の豚がいると思うんですが、その3頭の豚はワクチンを打ってたということですか。
(家畜防疫対策専門官)
この豚はですね、下痢の症状があって少し調子が戻るまでということで、未接種の豚です。
(記者)
最後に、その豚っていうのは死亡してから検体を接種(採取)したのですか。
(家畜防疫対策専門官)
違います。死にそうだったかというのが一番検査に適しておりますので、生きていたんですけれども、こちらのところ(農場)から家畜衛生研究所に運ぶまでに、やはり瀕死でしたので着くまでに死亡してしまったということになります。生きている豚を選んで持って行ったんですけれど、着いた時は死亡してしまったということです。
(記者)
結果的には死亡してから接種(採取)したっていうことでよろしいんですか。
(家畜防疫対策専門官)
検体の採取はですね、着いた時には死亡してしまったので、それから取ったということになります。
よろしいでしょうか。
それでは、最後に県民の皆さんに知事からメッセージをお伝えしたいと思います。
今日の会見でも申し上げましたが、群馬県でCSF、豚熱が発生をしてしまいました。
この病気はですね、豚やイノシシが感染する病気であって人間が感染するものでありません。さらに、この豚熱に感染した豚の肉とか内臓を食べても人体には全く影響がありません。さらに先ほど申し上げましたが、感染した豚が市場に出回るということもありません。その点は、県民の皆さんにお伝えをしていきたいと思います。
それと、養豚関係者、そして農場の経営者の皆さんに、改めてお願いしたいと思うんですけれども、これまでもCSF対策については、皆さん大変な配慮をしていただいて協力をいただきました。しかしながら、こういう形でCSFが発生をしてしまいました。
これはしっかり国の方で疫学調査をして、原因を突き止めたいと思いますけれども、改めてですね、県の方からもお願いをしたいと思います。衛生管理、飼養管理、しっかりと徹底していただくように、知事の方からもお願いを申し上げたいと思います。
先ほど申し上げましたが、養豚産業は群馬県にとっては大変大事な産業です。これは、県を挙げて、全力を挙げて、この群馬の養豚産業を守っていきたいと、こう思っていることは、事業者の皆さまにも、関係者の皆さまにも、県民の皆さまにもお伝えをしたいと思います。
それから、昨日の会見で新型コロナウィルス感染状況についても、ご報告をいたしました。なかなかこちらも厳しい状況が続いておりまして、警戒度を3に引き上げるかどうかっていうのは、ぎりぎりの状況です。
ここ数日、新規感染者が1桁に落ち着いておりますけれども、全く油断はできないと思っています。特にこの4連休、かなり大勢の方々が移動しているし、また東京からもかなり観光に来ていただいてるっていうことなんで、ここは県としてもですね、緊張感を持っていきたいと思います。
この新型コロナに関しましても、一人一人の県民の皆さんのご協力とご理解、これが最大の対策だと思っていますので、この新型コロナウイルスの問題についても、県民の皆さんと協力をして乗り越えていきたいと思います。
ぜひとも、皆さんのご協力を知事として重ねてお願いを申し上げます。
以上を持ちまして、臨時記者会見を終わらせていただきます。
メディアの皆さんには、本当に遅い中、お集まりいただきまして、ありがとうございました。
(以上で終了)
文章中の()内については、秘書課において加筆したものです。