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第14回定例記者会見要旨(7月9日)

更新日:2020年7月9日 印刷ページ表示
  • 日時 令和2年7月9日(木曜日)午後3時8分~4時8分
  • 会場 記者会見室
  • 出席者 県:知事、副知事ほか
    記者:記者クラブ所属記者等18人
  • 記録作成 秘書課(報道係)

 令和2年7月9日定例記者会見動画(You Tube)<外部リンク>

 モニター資料(PDFファイル:800KB)

会見要旨

知事冒頭発言

発表項目

 1.第14回群馬県新型コロナウイルス感染症対策本部会議の結果
 2.藤和の苑における集団感染の検証
 3.群馬県マスク地産地消推進プロジェクト
 4.群馬県旅館ホテル生活衛生同業組合のマニュアル策定
 5.日航機の慰霊関係
 6.新・総合計画ビジョン策定に係る地域別懇談会の開催
 7.「直滑降ストリーム」の告知

 それでは、定例記者会見を始めたいと思います。今日も盛りだくさんですが、最後までおつき合いをお願いしたいと思います。
 最初に、九州各地を襲った今回の豪雨では、これまでに熊本県を中心に50名以上の方がお亡くなりになりました。心から哀悼の意を表すると同時に、行方不明の方々が全員無事に救出されることを切に願っております。現時点で、被災地からの広域の応援要請はありません。しかしながら、今後も全国知事会との連携を密にし、群馬県としても、できる限りの支援をしていきたいと考えています。
 昨日、群馬県でも非常に激しい雨が降りました。地域によっては、相当強い風も吹いたと聞いています。大雨警報が出されたところもあります。また、昨年は、都道府県として初めて「気象災害非常事態宣言」を発表いたしましたが、改めて、河川・砂防事業の加速が重要だと、特に防災・減災対策が極めて大事だということを痛感いたしました。
 さらに言うと、新型コロナウイルス感染症対策に関連してですが、一昨日、7日火曜日に加藤勝信厚労大臣とテレビ会議を行いました。県では、県民の生命と生活を守るために、日夜全力を挙げて新型コロナ対策に取り組んでおりますが、第2波・第3波に対応できる体制を整備していくためには、国によるさらなる支援が不可欠だと考えています。このことから、加藤大臣に対して、知事である私の方から、直接、要望させていただきました。「交付金の確実な交付」、「感染者を受け入れた医療機関への支援」、「生活に困窮する方々の生活維持」等について、お願いをさせていただいたところです。加藤大臣の方からは、前向きなお話もいただくことができました。
 今後も国に対しては、必要な要望を継続して行ってまいりたいと思います。そうしたことを通じて、新型コロナウイルス感染症対策に万全を期してまいりたいと思います。
 それでは、スライドをご覧ください。本日の会見の主な項目です。
 今日は、新型コロナウイルス感染症に関連して、まず、本日開催をいたしました感染症対策本部会議の結果について、ご報告させていただきたいと思います。また、藤和の苑の検証結果についても発表させていただきたいと思います。さらに、マスクの安定供給に向けた取り組みについても、ご報告をしたいと考えています。その他、新・総合計画ビジョンの策定に係る地域別懇談会の実施等についても、併せてお話をさせていただきます。

1 第14回群馬県新型コロナウイルス感染症対策本部会議の結果

 それでは、まず本日開催した第14回群馬県新型コロナウイルス感染症対策本部会議の結果を報告したいと思います。
 (7月)6日、月曜日の記者会見において、東京都の感染状況を踏まえた対応について発表させていただきました。
 昨日、感染症危機管理チームの専門家の方々から、本県および東京都の現状分析と当面の対応について、ご意見をいただきました。本日の対策部会議では、いただいたご意見をもとに、改めて議論をさせていただきました。
 スライドをご覧ください。警戒度についてですが、県独自のガイドラインに基づき、引き続き「警戒度1」を継続することを確認をいたしました。専門家の方々からも、現状は落ち着いており、警戒度を上げる必要はないというご意見をいただきました。その一方で、東京都への外出については、十分に注意すべきだという意見も多くいただいたところです。改めて、県民の皆さまには、東京都への移動は、十分に注意をしていただきたいと思います。
 今日ですね、速報で東京都の新規感染者が2百名を超え、過去最高になったということもありますので、こうした状況は何度も会見でご報告しているとおり注意深く注視していきたいと思っております。
 東京に移動する際は、特に感染防止対策が十分にとられない場所、密になりやすい場所等の利用には、十分にご注意いただきたいと考えています。引き続き、手洗いをしていただくとか、マスクを着用していただくとか、発熱等の症状がある場合には無理せず外出を控えていただくとか、こうした「新しい生活様式」の実践をお願いしたいと思います。
 次にイベントの開催制限の緩和について、報告をしたいと思います。
 国の対象指針も踏まえ、これまでは千人以下のイベントを開催可能という方針にしておりましたけれども、7月10日からは、5千人に人数の上限を緩和したいと思います。なお、従来どおり、屋内のイベントについては、参加者の人数を会場の収容定員に対して半分以下とさせていただきます。さらに座席の位置が固定されていない場合とか、収容定員の定めのない場合は、人と人との距離を十分に確保していただきたいと思っています。また、野外のイベントについても、人と人との距離は十分確保していただきたいと思います。座席の位置が固定され、かつ収容定員の定めがある場合は、半分程度以下としていただくようにお願いをするものです。

2 藤和の苑における集団感染の検証

 続けて、藤和の苑における集団感染の検証結果について、申し上げたいと思います。
 厚生労働省クラスター対策班からの報告および県医師会長らをメンバーとする県の感染症対策協議会委員が行った関係者ヒアリングの結果、さらには、同協議会からいただいた意見・提言をもとに、この度、検証結果報告書というものをとりまとめましたので、その概要をご報告したいと思います。
 藤和の苑における集団感染は、施設入居者43名、職員・関係者25名が感染をいたしました。そして16名の方が亡くなられたということで、結果として北関東最大規模のクラスター事案となってしまいました。
 今回の検証の目的は、同様のクラスターを二度と繰り返さないように、発生時からの対応等について、課題や対策などを整理し、第2波・第3波に備えた対策の充実を図ることです。
 検証にあたっては、一連の対応を、初動対応、搬送、検体採取等のフェーズに分類し、それぞれの課題や今後の対策を整理させていただきました。その上で、外部委員の皆さんからもご意見をいただき、報告書として取りまとめました。本日は、主なものについて、報告をさせていただきたいと思います。
 まずは初動対応について、ご説明したいと思います。
 4月6日の藤和の苑からの初報からPCR検査結果が出るまで結果として4日を要しています。このことが、感染拡大の要因の一つになったと考えられます。
 4月6日、7日の2日間で、伊勢崎保健所に寄せられた相談件数は160件ありました。この中で、藤和の苑(からの相談)が必要性の高い事案として認識し、かつ、そのことを情報共有できなかったと考えています。
 入居者5名が発熱するということは、季節的にも通常起こり得るもので、当時、早急にPCR検査が必要という方向にはなりませんでした。
当時の国の方針等、全体を考えてみると、その時はそういう認識だったということなんですけれども、今振り返ってみると、この時点で新型コロナの可能性を考慮できなかったことについては、しっかり反省しなければいけないと思っています。
 また、入居者はそれぞれの方が往診医、いわゆるかかりつけ医師というものを持っています。しかしながら、往診医は担当患者の情報しか把握できません。従って、施設内での感染発症状況を全体として把握することは困難だったということも課題として挙げられました。
 このことに対する主な対策としては、高齢者施設等における初期探知の強化として、発熱状況等報告システム、何度もこの記者会見でご説明させていただきましたが、このシステムのデータを活用し、施設の報告状況をしっかりと注視していくこと、さらには、症状のある方が少数であっても、積極的に帰国者・接触者外来等につなげると。こういう方針を決めています。加えて言うと、相談増加に応じた保健所体制の整備というものも実施しています。加えて、往診医と情報共有する体制づくりについて、これは現在検討を進めているところです。
 次に、搬送について見ていきたいと思います。
 今回のケースでは、夕方からの対応だったということもあって、入院先となる病院の選定、搬送の調整に時間がかかってしまいました。結果として、搬送業務は深夜2時までおよぶということになりました。受け入れ先となる病院での院内感染を防止するためにも、スタッフが手薄となる深夜の搬送は避け、搬送時間の短縮を図ることが必要だと思います。また、軽症者については、感染防止対策を講じた乗用車があれば、より速やかに搬送可能だったのではないかと、こういうことも課題として挙げられました。こうした問題に対する対策として、搬送の調整に要する時間を短縮させるため、各病院の患者受け入れ可能情報をリアルタイムで共有するシステムというものは、県独自で構築をしています。
 また、DMATの協力体制を確保すると同時に、県とすべての消防本部で広域搬送の覚書というものも締結をいたしました。
 さらには、搬送手段の選択肢を増やすため、軽症者搬送用の車両を県として1台確保させていただきました。加えて、各施設においても、緊急時に備えていただくため、研修や訓練、これも補助金等の対象とすることで、普及啓発をさらに推進していきたいと考えています。
 次のスライドをご覧ください。検体採取について、申し上げたいと思います。
 感染拡大を抑えるためには、速やかなPCR検査が必要なことは言うまでもありません。そこで、4月10日に、入居者と職員への検査を実施しました。しかしながら検体採取のために複数の所属から県職員が急遽集まったために、事前の打ち合わせとか、患者情報の共有等が十分にできませんでした。さらには、全体のマネジメントを行う者がおらず、役割分担も不十分でした。また、他の高齢者施設において同様の事案が生じた場合、迅速に検体採取する体制が未整備であることも課題として挙げられています。
 対策としては、検体採取業務におけるマネジメントや役割分担を、明確化する。業務のマニュアル化を図るということを考えています。
また、すでにご報告をさせていただきましたが、県独自の発熱状況等報告システムによって、原因不明の発熱が3名以上発生した場合には、PCR検査を行うという方針を決定しています。
 今後も各地域の実情に応じて、安全に検体を採取できる体制づくりを早急に進めていきたいと思います。
 次のスライドをご覧ください。感染症対策等の指導についてです。
 これまで、有料老人ホーム等への感染症予防対策の指導が、必ずしも十分ではありませんでした。
 また、施設に出入りする協力医が複数名いる場合にですね、施設としての対応や相談を進める上で、施設全体の感染状況等の情報を把握する統括的な立場の医師が必要となること。また、(施設職員が)他の施設と兼業、いわゆるダブルワークを行っていた場合、他の施設への感染拡大の要因となるということなども課題として挙げられています。
 今後の対策として、事業所の指導にあたっては、感染症対策の基本を、改めて徹底していくということが考えられます。その上で、各施設に感染予防対策の責任者を選出してもらう。そして毎年、施設内の状態を確認をする。加えて、県の有料老人ホーム立ち入り検査の検査項目に感染予防対策というものを追加したいと考えています。
 さらに、協力医との連携を強化していただくことはもちろんですが、施設長に職員の兼業の有無とか、兼業先を把握してもらうように、県の規定を改正したいと考えています。
 本日は時間の都合もあって、すべて詳細にご報告することはできませんが、この他にも、市町村との連携とか、保健所に対する業務支援等のテーマについて、課題を整理させていただいています。
 報告書の全文と概要版は、県のホームページに掲載をいたしますので、詳細はそちらをご覧いただければというふうに考えています。
改めて、報告書の取りまとめにご協力をいただいた関係者の皆さまに、この場を借りて、知事として感謝を申し上げたいと思います。
 最後に、今回の事例を受けて、群馬県ですでに取り組んでいる主な施策、過去の記者会見でもご報告はしてるものがありますが、改めて紹介したいと思います。
 まず、介護施設等における発熱状況等報告システムで、原因が明確でない3人以上の発熱者の報告があった場合には、保健所から施設に連絡をし、速やかにPCR検査を実施することとしました。この報告システムについては、県有施設のみならず、県内の35市町村の計1,528の施設を対象に5月末までに運用を始めています。
 さらに、福祉施設向け感染症予防の動画の作成、専門家の介護施設への派遣、介護施設の負担軽減を図るための相談サポートセンターの開設、こういうことには、すでに取り組んでおります。
 その他にも、検査結果が出る時間を早めるための検査開始時刻の繰り上げとか、リアルタイムで各病院の患者受け入れ可能情報を共有するシステムの構築とか、患者を円滑に入院させる体制を確保しています。また、軽症患者搬送用の陰圧機能がついた乗用車1台を「Honda Cars群馬」の協力で確保させていただきました。
 市町村との連携に関しては、人権侵害や風評被害の発生を抑え、地域の秩序を維持することを目的として、この会見でも過去にご報告をいたしましたが、現時点で28市町村と覚書を締結し、情報共有を図っているところです。
 こうした、すでに実施している施策に加え、今回報告のあった課題への対策をしっかりと準備をしていきたいと考えています。
 最後に改めて、新型コロナウイルス感染症で亡くなられた方々、ご遺族の皆さまに謹んで哀悼の意を表したいと思います。同時に、療養されている方々の1日も早いご回復をお祈り申し上げます。
 県としましては、今回の事案を教訓としたいと思います。こういう報告書をまとめてる他の都道府県はたぶんないんじゃないかと思いますけれども、今後、今回の教訓をしっかり生かして大規模なクラスター事案を発生させないために、関係団体等とも連携をして、先ほど申し上げた対策を着実に実行していきたいと考えています。

3 群馬県マスク地産地消推進プロジェクト

 続いて、群馬県のマスク地産地消モデル推進プロジェクトについて、ご報告したいと思います。
 新型コロナウイルス感染拡大に伴い、マスクを着用するというのは、まさにニューノーマルとなっていますけれども、今後、さらに重要性は高まると思います。数日前のブログにも書いたんですけども、何日か前のアメリカのCBS等のニュースでですね、世界32か国の239人の科学者らが、新型コロナウイルスの「airborne transmission(空気感染)」というのが画面に出まして、いよいよ来たのかと思ったのですが、「空気感染の可能性を指摘する声明」を発表したと報道されました。WHOも、「空気感染の可能性は除外できない」という立場を明らかにしています。こうした観点からも、今後は世界的に改めてマスクに関する需要が集まると考えています。
 皆さん覚えてらっしゃると思いますが、第1波に見舞われた時には、主に中国からの供給が止まって深刻なマスク不足となりました。再びマスクが不足するような事態にならないように、県内のマスク需要を、県内の供給で賄う、マスクの地産地消というものが極めて大事だと考えています。これは、エネルギーや食・生活品について、地産地消で経済を循環させる「自立分散型の地域社会実現」という考えに沿うものです。現在、作成中の新・総合計画においても重要な論点の一つになっていることは皆さんご存知だと思います。こうした背景を踏まえ、県では、「マスクの安定供給体制の構築」と、「マスクを安心して入手できる仕組みづくり」に取り組む、新たなプロジェクトを実施したいと考えています。名付けて、「群馬県マスク地産地消推進プロジェクト」です。
 プロジェクトの大きな2つのポイントについて、順番に説明させていただきたいと思います。
 まず、「安定供給体制の構築」です。スライドをご覧ください。
 県では、感染の再拡大時におけるマスクの必要量を1人当たり50枚程度と見込みました。これは、第1波の感染拡大の状況を踏まえ、感染拡大期間を8週間、56日として計算しています。第2波・第3波に備えて、品質がしっかりしたマスクを備蓄することが重要だと思います。このため地産地消により安定的に供給できる体制を整え、県民の皆さまの備蓄への取り組みも後押ししたいと考えています。
 群馬県では、現在、多くの企業との調整を進めておりますが、このたび伊勢崎市内の工場でマスクやガーゼなどの衛生用品を製造する白十字株式会社から、第2波・第3波に向けて高品質なマスクの増産と県民の皆さまへの優先販売について、ご協力をいただけることになりました。本格的な供給は秋口からになります。この度、先行して数量限定ですが、県民の皆さまに医療機関向けに納入実績のある、高品質なサージカルマスクの販売を行うことで調整を進めています。数量は月に千セットで、価格は送料、手数料、代引手数料、税込みで、3千円程度と伺っています。現在、特設ECサイトから、先行販売の申し込み準備を進めており、8月から販売予定です。個々の県民の皆さまの備蓄に役立てていただければと考えています。
 その他にも、地元企業との連携や生産体制の構築支援、さらに、布製のマスクを製造する県内の繊維関連企業などの支援を通じて、必要枚数の確保に努めていきたいと思います。
 次に2点目、「安心して購入できる仕組みづくり」です。
 県では、マスクを始め、災害時に不足する生活必需物資を、県民の皆さまに対して、安定的に販売や配布を行うことを可能にする「物資供給管理システム」の構築を進めています。当該システムは、原則として、緊急事態宣言の発令や、自然災害等の有事の際に稼動することを想定しています。このシステムは、ICTの活用によって、県民であることを認証し、県民の皆さまが店頭に並ばなくても、また外出しなくても購入することを可能とするものです。台湾では、ICTを活用し、国民が公平に店舗に並ぶことなくマスクを入手できるシステムをいち早く導入しました。これも世界的にも話題になりました。この台湾の例も参考にして、群馬県でも全国初となるシステムを構築したいと思います。スマートフォン、郵送、電話の3つの方法で、お申し込みをいただく仕組みです。
 先ほど申し上げましたが、自宅で商品受け取りができるようになります。現在、システム開発は順調に進んでおりまして、協力企業とも連携をしつつ、秋口を目途に、販売や配送のシステムを稼働できるように調整を進めています。
 有事に備えた取り組みであるこのシステムが、非常時における県民の皆さまの安心の一助になればというふうに考えています。詳細については、8月からの先行販売、秋からの本格稼働をする時に、改めて報告をさせていただきたいと思います。

4 群馬県旅館ホテル生活衛生同業組合のマニュアル策定

 続いて、群馬県旅館ホテル生活衛生同業組合のマニュアル策定について、ご報告をしたいと思います。新型コロナウイルス関連感染症関連の最後の項目です。スライドをご覧ください。
 現在、県内の宿泊施設には、業界で策定したガイドラインに基づいて、日々の感染防止対策に取り組んでいただいています。私自身も過去の会見でも、ご報告いたしましたが、複数の温泉地に足を運びました。実際に、いくつもの旅館・ホテルの経営者、関係者に会って、対応状況を確認しましたが、どこも本当にしっかりと対応していただいているというふうに感じました。
 このガイドラインは、特に感染防止に重点を置いたものでしたが、今回、新たに感染が発生した場合の対応マニュアルを県旅館ホテル生活衛生同業組合が策定し、県内の各施設に周知をされたということです。
 詳しい内容については、明日、森田理事長から直接お話を伺う予定ですが、感染が疑われる方が発生した場合の関係機関への連絡、宿泊者、従業員への対応などが、混乱なくスムーズに行えるようにすると。こういう目的で策定をしたというふうに伺っています。
 東京都との往来自粛は解除されています。今後、夏休みシーズンを迎えて、たくさんの方が来県されるということが見込まれる中で、万一、感染者が発生した場合には、冷静かつ迅速に行動するということが求められます。すでに伊香保温泉では、このマニュアルの周知徹底を図っているというふうに聞いています。業界団体が主体的に動いていただいたということを、大変、知事としては頼もしく思っています。
 これに関連して、「愛郷ぐんまプロジェクト~泊まって!応援キャンペーン」の状況についても、現時点の数値を報告させていただきたいと思います。昨日現在で、利用実績は約10万8千人泊、予約数も約10万泊、全体で20万8千人泊の利用見込みということになっています。20万泊を超えました。たぶん、ほかの都道府県でも5万人泊ぐらいの確か宿泊補助をやっているところもあるんですけども、かなりの数になってきたなというふうに思っています。
 このキャンペーンは、当初予定していた先着30万人泊というものには関係なく、7月末までの宿泊のすべてを割引の対象にしています。
 県民の皆さまには、安心してご利用いただきたいと思います。
 以上、新型コロナウイルス感染症に関連して4つのことを発表させていただきました。
 そのほか、3点ほどご報告をさせていただきたいと思います。

5 日航機の慰霊関係

 一つ目は、日航機の慰霊関係です。先週の定例記者会見で、記者さんからご質問いただいた日航機事故追悼慰霊式について、お答えしたいと思います。
 令和2年度の日航機事故追悼慰霊式、8月12日については、公益財団法人「慰霊の園」が新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ぐために、規模を縮小して実施することを決定したという連絡を受けています。追悼慰霊式は、同法人と村関係者のみの参列というふうに聞いています。その決定をしっかりと踏まえて、県として列席する予定はありません。
 また、県における慰霊登山についても、同法人の決定を尊重して、密の状況を作らないためにも、実施は控えさせていただく予定です。
 しかしながら、日航機事故の記憶を教訓に、航空機事故の悲惨さ、安全対策の大切さというものは、次世代に継承していかなければいけない。この重要性は全く変わっていないというふうに思います。今後も、この努めはしっかり県としても果たしてまいりたいと考えています。

6 新・総合計画ビジョン策定に係る地域別懇談会の開催

 続いて、新・総合計画ビジョン策定に係る地域別懇談会の開催について、報告をいたします。スライドをご覧ください。
 かねてから申し上げているとおり、「新群馬」の創造を実現する上で最も重要なのは、理念と哲学だというふうに考えています。その理念と哲学を体現するのが、新しい総合計画のビジョンということになりますが、この新・総合計画のビジョンについては、第2回定例会の一般質問や特別委員会において、検討案の内容を県としても説明させていただき、さまざまなご意見をいただいております。
 ビジョンの策定、これからビジョンを完成させていかなければいけないわけですが、市町村長や県議の皆さまの声を丁寧に聞いていきたいと。それをやりながら、丁寧に作業を進めていきたいというふうに考えておりまして、この度、地域ごとに懇談会を開催する運びとなりました。
 懇談会では、知事である私が直接ビジョン検討案について、説明をいたします。それを踏まえて、市町村長、県会議員の皆さまと意見交換を行う予定です。
 なお、計画策定にあたっては、こうした懇談会のほか、県民の皆さまからもアンケートとか意見交換会などを通じて、幅広く意見をお聞きした上で、策定を進めていきたいと思います。

7 「直滑降ストリーム」の告知

 最後になりましたが、今週の直滑降ストリームについて、お知らせをしたいと思います。
 山本一太知事の直滑降ストリーム、このオンライン番組は、これまで金曜日の8時ということになっていましたけども、今後は木曜日の8時ということも考えていきたいと思います。今晩ですね。本日の夜、直滑滑ストリームを生放送したいと思います。
 今週からもう毎週木曜日に20時からに放送時間を変更すると言っていいと思うんで、これからは毎週木曜日にしたいというふうに思います。
今週は、群馬プロバスケットボールコミッション「群馬クレインサンダーズ」の阿久澤新社長にご出演をいただくことになっています。クレインサンダーズの魅力とか、チーム運営とか、ニューノーマル社会のスポーツ振興等について、阿久澤社長のご意見を聞き、意見交換をしたいというふうに思っています。
 多くの人に、できるだけ多くの県民の皆さんに見ていただきたいというふうに思いますし、県政、プロスポーツをこの番組を通じて身近に感じていただければというふうに感じております。
 知事就任以来、クレインサンダーズの試合に2回、足を運びました。プロスポーツを通じた振興というものをですね、進めていきたいというふうに感じています。ほかにも、ザスパ草津がある。ダイヤモンドペガサスがある。
 このプロスポーツを通じて、群馬県を盛り上げるということは、知事としてもしっかり頭に置いていきたいというふうに考えています。
 放送は、本日の午後8時、20時ですね。場所は動画・放送スタジオのtsulunosということで、放送時間30分と考えています。
 今後も、現役閣僚とか、著名な有識者とか、オピニオンリーダー等にご出演をしていただきたいと思って、いろんな人に声をかけておりますので、ぜひ今後の展開にもご期待をいただければと思います。
 少し長くなりましたが、私の方からは以上です。何かご質問があればお受けしたいと思います。

質疑応答

(記者)
 新型コロナの関係で、今日の対策本部会議の後に東京都で224人が感染したという報道があって過去最多になりましたけれども、改めて県として、東京への移動についてどういうふうにお考えになってるいるのかお伺いします。

(知事)
 昨日までの数値、データを見てですね、我々として、現時点で、移動制限みたいなことはしないと。ただ、東京に行くときには十分注意してくださいという話にしたんですけども、この本部会議の後の新しい展開ですけども、東京で過去最高の新規感染者が出たということは、これは正直言って大変心配しています。1回下がってまた上がったんで、明日からの状況もよく見極めながら、必要な対応を取っていくということだと思います。
 今日、過去最高になったということは、ちょっと心配していますし、今後の展開によっては、やはり県の判断にいろいろ影響を与える可能性はあると思います。ただ今の時点では、とにかく状況をもうちょっと見極めたいというふうに思います。

(記者)
 状況の見極めというのは、そうすると今週末も含めて、来週あたりにもう一度、専門家の方に意見を聞くというような流れになるんでしょうか。

(知事)
 そうですね。それも状況に応じてどうするのか決めたいと思います。とりあえず今日、過去最高になってしまったということなんで、明日からどうなるかという流れも見ながら、必要な対応をとっていきたいと思います。

(記者)
 藤和の苑の検証結果の件ですけれども、先ほど課題と対策をお話いただいて、前々回ぐらいの記者会見でも、PCR検査の施設側からの要望について意見の食い違いがあったと思うんですけれども、今回施設側の検証結果とずれがそのまま残ったっていう形になると思うんですけど、その件についてご所見をお伺いしたいと思います。

(知事)
 その話はですね、後でちょっと、武藤健康福祉部長から話をしてもらうと思うんですけども、ヒアリングを行いました。両方から、あるいは関係する医療機関にもヒアリングを行ったんですけども、県に残っている記録、記憶と、それから施設側の主張というものが一致していないものですから、これは両方ヒアリングをしてみましたけれども、結局真相はわかりませんでした。ただそこはですね、言った言わないという話になっても仕方がないので、いずれにせよ、先ほど申し上げたとおり、この5名の陽性者が出た時にですね、やはりもうちょっと早く、対応すべきだったということが、今回の報告書にも書かれてますので、その点は、この教訓からしっかり学び、反省して、次に生かしていきたいと思います。
 両方ちゃんとヒアリングしてもらいましたけども、そこはあまり大事なところじゃないと思うんですけど、そこははっきり一致させることができませんでした。
 武藤健康福祉部長、加えることはありますか。

(健康福祉部長)
 基本的には先ほど知事がおっしゃられたとおりで、新型コロナウイルス感染症対策協議会の方に、いわゆる第三者的な立場で、伊勢崎保健所の対応、そして藤和の苑からも直接お話を聞いてですね、いろいろ調べていただきましたけれども、第三者による関係者のヒアリング結果概要というのを報告書につけさせていただいておりますけれども、その中でも、やはり主張の異なっている部分については、これ以上は明らかにすることはできなかったということで、これは、そういう結論、これ以上のことはちょっと申し上げられない状況でございます。

(知事)
 そういうことなんですけども、メモにあるようなことを一応ちゃんと私の方から説明するとですね、検証作業の一環として、第三者である群馬県の感染症対策連絡協議会の介護分野の委員3人の方に、藤和の苑と伊勢崎保健所双方のヒアリングを行ってもらいました。藤和の苑の発表だと、4月7日に伊勢崎保健所にPCR検査を依頼し、帰国者・接触者外来に連絡するような旨の指示があったということでしたが、ヒアリングの結果だと、この日の対応について伊勢崎保健所には、藤和の苑からPCR検査を依頼された記録は、先ほど申し上げたとおりありませんでした。この点は、藤和の苑の説明とは異なっていました。
 また、帰国者・接触者外来にも確認を取ってみたんですけども、藤和の苑から連絡があったという記録はありませんでした。このことについては、もう1回言いますけども、言った言わないという話をしてもしょうがないので、これ以上は明らかにすることができなかったと。丁寧に説明するとそういうことです。

(記者)
 それから、午前中の対策本部会議の冒頭で、経済の活性化に向けた独自プランをというお話があったと思うんですけども、その点について具体的に今、どういうことを考えてらっしゃるかっていうのをお伺いしたいと思います。

(知事)
 経済の活性化に向けたモデルプラン・・・。議論に出てないかと思うんですけど。

(記者)
 本当ですか。

(知事)
 はい、議論してません。

(記者)
 本当ですか、すみません。
 最後に総合計画のビジョンの件についてですが、地域別懇談会で意見交換をして、出てきた意見についてどのように盛り込むかっていうのは、また、全体を集約してまとめるということになるのか、どういうふうに盛り込まれるかについてお伺いしたいと思います。

(知事)
 それは、全体で7回か8回やるのかな、地域に分けて。後で田子部長にちょっと補足してもらえばと思うんですけども。県議とそれから市町村長も呼んで、私の方から直接説明をして自由な意見交換をさせていただきます。これから我々が案を県議会で議決してもらわなきゃいけないので、そのプロセスの中でいろんな意見が出ると思うんで、それを踏まえて、どこをどう反映させていけるかっていうことを、よく検討するということですね。何か加えることありますか。

(知事戦略部長)
 知事からありましたように、11ヶ所で、お手元に資料も配布していますけど、一括で開催させていただきます。この前の議会で、知事も一般質問でお答えしましたけども、12月議会で案を提出したいということですので、今回意見が出たものも含めて、また当然9月にも、その辺も踏まえて検討して、修正があれば修正したものを9月議会に出しまして、また議会の意見も聞きながら、最終案を12月議会に提案するという形になります。

(記者)
 医療物資のシステムのことで伺いたいんですけれども、これは一度県が医療物資を買い取るようなイメージなのか、それとも、消費者と協力企業がこのシステム上で直接やりとりをするものなのか、その辺はどういうイメージなんでしょうか。

(知事)
 宇留賀副知事からお願いします。

(宇留賀副知事)
 今回白十字さんの協力を受けることになっていますけれども、この枠組みについては、県の方で買い取りをするものではなくて、我々の方から白十字さんのサイトをご紹介する形で、最終的には白十字さんと購入される方との間の契約になります。
 もう一つの今後作っていく物資供給管理システムというところですが、こちらの方は、まず我々の方で、県民の認証をするような枠組みを作って、そのあと(協力企業)のサイトと連携するという形なんですけれども、現状まだ細かいところ、どういう形の販売管理方法にするかについて決まっていないので、また改めてご紹介したいと思います。

(記者)
 このシステムを使うのは、先ほどの説明だと、緊急事態宣言が発令されているような状況で使うということでよろしいでしょうか。

(宇留賀副知事)
 はい。そうです。例えば、マスクがなかなか入手できない可能性が高くなっているとか、そういったときにこういうシステムを稼働させてい
きたいと思っています。

(記者)
 マイナンバーとかを活用するということではないのでしょうか。

(宇留賀副知事)
 ここも改めてご紹介したいと思うんですけれども、マイナンバーも一つのツールだと思いますし、その他、個人を認証するものとして運転免許証とかいろんなものがあると思うので、そこは、利便性を高めた形にしたいと思っています。詳細については、改めてご紹介するタイミングでご説明したいと思います。

(記者)
 マスクの地産地消プロジェクトの関連でちょっと確認なんですけど、8月から販売する先行の部分というのは、県が作るサイトとかシステムとかではなくて、白十字さんが特設サイトを作って、県民がそこに申し込んで買うという仕組みなんですかね。

(宇留賀副知事)
 そういう形を考えています。システムの連携といったところも時間がかかってしまうので、今回は数も少ないというところもあるんですけれども、まずは白十字さんの特設サイトを作っていただいて、そちらの方をご紹介させていただくという形です。

(記者)
 秋口以降、ほかの企業も加えてラインナップというようなのがありますけれども、それは、県がこれから作ろうとしてるシステムの話なんですかね。

(宇留賀副知事)
 そうですね。はい。そちらの方は、県が作る認証システムと連携した形にしていきたいと。

(記者)
 ラインナップは随時更新していくんだけれども、実際に県民が申し込んだりとかできるのは、そういう緊急事態宣言とかが出てたりとか、マスクがすごく不足しているというような状況が生じたときに、期間限定じゃないですけど、そういう感じで開設するというイメージなんでしょうか。

(宇留賀副知事)
 常にどんな時期でも使っているというものではなくて、今もまさにそうだと思うんですが、例えば品質の高いマスクにアクセスしようとしても、日本製のものは売り切れていたり、買えなかったりすると思うんですね。そういったものをちゃんとご提供できるような枠組みを作るという意味で、マスクも市中に相当出てきていますけれども、品質が高いものはなかなかアクセスできないと思うので、そういったところを支援する枠組みとして考えいます。秋口にできた際にはできるだけ稼働させていきたいと思います。

(記者)
 細かくなってしまいますが、県のホームページ上にそういったサイトを立ち上げるというイメージで考えてらっしゃるんですかね。

(知事)
 産業経済部長の方から。

(産業経済部長)
 10月ぐらいにこのシステムを稼働させたいと考えております。現在これについては、DX課で主に担当しておりますけれども、ちょっとまだ最終的に県のホームページで立ち上げるかどうかについてはまだ決めてないですけれども、基本的には県がやる事業になりますので、おそらく県のホームページを活用するような形になろうかと思います。
 それと、さっきの補足なんですけれども、今回白十字さんに先行的にお世話になってですね、このような形で、先行販売するんですけれども、同社の方ではもう既に子会社さんで、ECサイト等をやっておられる部門があるので、そこに県民向けの特設サイトを加えてもらってですね、そこを活用して先行的にやってみると。8月、9月ですね。10月以降、白十字さんの方で増産体制が整いますので、それを受けて、本格的に県のシステムを使って販売していくと、そのようなスケジュールで進めたいと考えております。

(記者)
 他の企業さんも10月以降のものには加えるということですけど、基本的にはそれも地産地消ということですから、県内企業という認識でよろしいんですか。

(産業経済部長)
 大きく分けてですね、生産と販売というのがあると思います。地産地消ですので、地産の部分については主に白十字さん。それから、実は白十字さん以外にもマスク製造を今後おやりになる企業さんがいらっしゃいます。国のサプライチェーンの補助金なんかをうまく活用してですね、今後増産体制をとっていただく企業さんなんかもあります。
 販売の方ではですね、現在大規模小売店舗などを展開している企業さんなどにもお声掛けしてですね、そこで、従来からマスクを扱っていると思うんですけれども、そういうマスクを、流通在庫といいますけども、流通在庫をできるだけ非常時には回していただけるような、災害時の協定だとか、物資供給の協定も結びながらですね、そういう販売面での協力もいただきながら、皆さまにお届けするという仕組みを作っていきたいと考えてます。

(記者)
 県外(企業)も加わる可能性はあるわけですね。

(産業経済部長)
 ただ地産地消なんでですね、基本的には県内の企業です。県の企業にお願いしまして、現にもう販売してる企業さんですとか、そういったところにも広く声掛けしてですね、在庫を持っておられるところから、県に流してもらうといいますか、県民向けに販売してもらうと、そういう協力体制を整えていくということであります。

(記者)
 九州などの豪雨災害についてなんですが、冒頭できる限り県としての支援をされていきたいというお話でしたが、現時点で県として、被災地などにどういった支援をイメージ、想定されているかお聞かせいただけますか。

(知事)
 危機管理監にも入ってもらいたいと思うんですけども、まずは、やはり、こういう災害が起きたときには、全国知事会として対応するというのが、最も正当のやり方だと思うんですが、今のところ全国知事会の方から広域の要請がないんで、これを受けて、群馬県として、とにかくできることがあれば、そこに参加していこうと、こういう方針です。

(危機管理監)
 こうした大規模災害につきましてはですね、全国知事会が中心になります。それぞれの各地域の知事会が、まず支援をする形になっています。現状、九州の災害につきましては、九州知事会の方で、それぞれの県がですね、被災地の市町村に対して「対向支援」というんですけど、どこどこの市はどこどこの県が支援しますよという形の割り振りを決めてですね、今、対処しているところです。
 今後、さらに被害が広がったりとか、長期化した場合は、やはり知事会をとおして、その周辺の県ですとか、支援依頼がくると思います。そうなれば、職員の派遣ですとか、そういったことも含めて、各地域の避難所の支援ですとか、あと土木ですとか林業ですか。いろんな面の人材支援も当然要請が来れば、対処していく形になるかと思います。

(記者)
 それと関連して、群馬県内でも風水害の被害などが心配される時期に入りますけれども、冒頭の防災減災対策も力を入れたいということでしたが、現時点で特に力を入れたい対策などがありましたらお聞かせいただけますか。

(知事)
 記者さんがおっしゃったように、水害対策はすごく必要だと思います。だからこそ、特に地球温暖化の影響だという説が有力ですけども、とにかく自然災害が激甚化しているわけですよね。最初から、台風19号クラスの災害が毎年襲ってくるという前提で我々は対応しなければいけないということで、「(群馬・気象災害)非常事態宣言」をやったんですけども、方向性としては間違ってないと思います。
 まず、いろんなことをやらなければいけないんですけども、堤防の整備とか、特に河川整備、これはものすごく大事だと思うんですね。だからこそ、集中的に3年間、5年間、10年間、こういう計画で県全体の河川整備やっていくという方針を今、立てていますし、この間も記者会見で言いましたけども、最も早い対策として言うと、利根川が万が一、氾濫した時に一番危ないと言われている県の流量計算でも、国の流量計算でも1番危ないと言われている伊勢崎付近の2キロぐらいかな。そこに土のうを積みました。
 土のうと言っても、今の土のうは、ちゃんとしているんで、仮設工事でありますけども、何度も言ってるように、今年、もし大きな台風がきたときに、八ツ場ダムは試験湛水していないのでね。それは、ものすごく心配しています。
 そういうことで、まず6月には先行してやりましたが、これから3年間、あるいは5年間、しっかりと計画を立てて、全体の河川整備をしていくということが1番大事かなと思っています。

(記者)
 浸水想定の危険の高いところの整備を優先して。

(知事)
 やっぱり川が氾濫した途端に大変な被害が出ると思います。川だけじゃないけど。まずは、我々として災害対応、水害対策を中心にしっかりやっていくということだと思います。

(記者)
 台風19号に関連して、去年、確か避難所が結構、人でいっぱいになったりという問題も発生して、確か新型コロナでの避難所での感染のリスクという話も出ていますけど、県で避難所の分散化というのを進めていると思うんですが、現状の進捗ですとか、状況を聞かせていただけますか。

(危機管理監)
 分散化についてはですね、避難所の設置自体はご承知のとおり、市町村が行うことになっておりまして、県の方ではマニュアル変更等々ですね、国からもきた資料等も含めて、今、流しているとこです。
 現状については、まだ調査途中ですけども、各市町村の方でそれぞれ対応していただいているところです。
県有施設なんかもですね、避難所指定されているとこもありますので、今後、そういったところの活用についても、また相談していければな考えております。

(記者)
 旅館ホテル等の業界団体の方はいかがでしょうか。

(危機管理監)
 旅館施設業界団体とですね、今、協定を結ぶ準備をしておりまして、具体的に言いますと、県で全体、県の組合と協定を結んだ後ですね、それぞれ支部の方でご協力いただけるようなホテル・旅館に手を挙げていただいて、それぞれの所在市町村と今後、具体的な詰めをしていただきながら、旅館・ホテルに避難していただくのは、基本的に高齢者、障害者、妊婦さんなどの要配慮者ですね。まず、そういった環境の少しよいところに入っていただく形でですね、避難が分散できるかなということで考えて、今、協定の準備を進めています。

(記者)
 藤和の苑の報告書の件で伺いたいんですけれども、結構こう分厚いいろんなことが、検証としてまとめられているんですが、これをご覧になって、知事としては1番どういうところに重きを置いているというか、1番問題だというふうに受けとめていらっしゃいますでしょうか。

(知事)
 先ほど申し上げたとおり、1番大事なのは、なぜ北関東最大のクラスターが起こってしまったかというところだと思うんですよね。
 それからいくつかに分けてご説明したと思うんですけども、初動とそれから搬送、検体採取ですね、その中でやはり、初動の部分がやっぱり1番重要だったと思っていまして、先ほど申し上げたとおり、5人の方が発熱をされたわけですよね。
 これは普通の状況でいくと、高齢者の施設で、5人ぐらいの方が発熱するとというのは、別に何て言うんでしょうか、そんなにおかしいことでもないので、少しそこら辺を考えてみたら、我々として侮っていたとは思いませんけども、その時のいろんな厚労省の指示(通知)とかそういうことも踏まえてやっていたとはいえ、結果としてやっぱり、北関東最大のクラスターになってしまったということを考えると、この点でもっと、この時点でもう少し早く動きべきだったと思いますから、ここをまずしっかり反省して、初動の体制で異常を感知できるという能力をしっかり向上していくということは、1番大事なんだなというふうに思いました。
 これは起こってしまったことなので、そこから学んで、二度と同じことを起こさないということが1番大事だと思います。

(記者)
 特に保健所が、当初に相談が寄せられた時に重点的かつ速やかな対応の必要性が高い事案としては、認識していなかったと。やはり、このあたり、もう少し感度を高くしていく必要があると。

(知事)
 そうだと思います。あんまり言い訳するつもりもないんですけど、記者さんわかっていただけると思うんですけども、私もずっと知事になっ
てから、この問題、知事として、いろんな仕切りとか指示を出したんですけど、保健所がもうぎりぎりなんですね、ご存知のとおり。もう本当に少ない人数で頑張っているんで、そこは実は組織改革なんかでも、(人員を)増やしたりしたんですけど、そのぎりぎりのところで頑張っているという姿を見ているもんですから、あの状況でやむを得なかったのかなみたいな気持ちが、正直に言うとあるんですけど、それでもやっぱり結果として言うと、今おっしゃったように、やっぱり初動が遅れたんだと思うんですね。
 だから、ここはちゃんと反省して、新型コロナの感染力も含めて、そこら辺はちゃんと我々として、正確にしっかりと把握して、迅速に行動できる体制を作るということが大事なんだと思います。

(記者)
 保健所の体制が厳しいというのは、もうこれ群馬県だけでなくて全国的にも言われていることで、なかなかその保健所というものの仕組みですとか、国が今、保健所に新型コロナに関して課しているタスクの多さとか、そのあたり、かなり課題かなというふうに思うんですけれども、そのあたりを今後また感染が広がったときには、やはり同じような事態が想定されるので、その保健所の負担軽減みたいなところ、何かお考えはありますか。

(知事)
 もちろん全国的な課題なのかもしれませんが、今の状況でとにかく保健所として、最大限に頑張っていただこうと思っていますので、できるだけ改善し、今の負担軽減も、(健康福祉部長に対して)人員もちょっと増やしたんですね。

(健康福祉部長)
 はい。

(知事)
 人員も増やしましたけども、状況に応じて、もっと増強していくとか、そういうことは、しっかりやっていきたいと思います。
 しかし、今の状況の中で、とにかく県民の命と安全を守るために、最大限に頑張っていただくような体制を作っていきたいと思います。
 よろしいでしょうか。

知事メッセージ

 最後に県民の皆さんに申し上げたいと思います。
 今日、東京で過去最高の新規感染者が確認されました。埼玉県、群馬県と隣接した埼玉県の方でもですね、新規感染者が増えているということで、不安をお持ちの県民の皆さんもおられると思いますけども、我々としては、しっかり首都圏、特に東京の状況をフォローしながら、必要な対策をとってまいりたいというふうに思っています。
 県民の皆さまには、ぜひですね、こまめな手洗い、それからマスクをつけていただく、人との距離を取っていただく、3密が起こるようなところには出入りしないと。こういう新しい生活様式を地道に実践していただければというふうに思います。
 以上で会見を終わりたいと思います。ありがとうございました。

(以上で終了)
文章中の()内については、秘書課において加筆したものです。