本文
令和2年7月6日臨時記者会見動画(You Tube)<外部リンク>
1.新型コロナウイルスに関する東京都の状況
2.新型コロナウイルスに関する群馬県内の状況および県民の皆さまへのお願い
それでは、臨時記者会見を始めさせていただきたいと思います。
まず、この度、九州南部を襲った豪雨により被害に遭われた方々に対して、心よりお見舞いを申し上げます。今日、明日にかけても、強い雨が続く予報となっており、非常に心配しています。県としても、知事会と連携しながら、できる限りの支援をさせていただきたいと思います。
また、関東でも、まとまった雨となる見込みです。県民の皆さまには、十二分に気をつけていただきたいと思います。
さて、新型コロナウイルス感染症に関して、皆さまご存じのとおり、東京都の新規感染者数が、5日連続で100人を超えるという状況になっております。群馬県には、東京方面へ通勤・通学をしている県民の方も多くいらっしゃいます。また、県をまたいだ観光も始まっております。こうした状況の中、群馬県知事としても、県民の皆さまへメッセージを発信する必要があると考え、本日、臨時会見の場をセットさせていただきました。
既に多くの方が報道等でご存じかとは思いますが、まずは、東京都の感染状況について、改めて確認をさせていただきたいと思います。
スライドをご覧ください。このグラフからもわかるように、1日当たりの新規感染者が100人を超えるのは、5月2日以来のことです。その水準が、今日までに5日間続いているということになります。
感染者数だけを見ると、7都府県を対象に初めて緊急事態宣言が発令された、4月5日頃の感染状況に迫る勢いであることがわかります。しかしながら、感染者の内訳等のデータを詳しく見ると、4月初旬とは
状況が異なることがわかっていただけると思います。
次のスライドをご覧ください。このスライドは、東京都の直近、7月4日の各種データを、新規陽性者数、7日間の移動平均が同水準であった4月5日と比較したものです。
まず、検査人数ですが、直近の数字は1,800名程度となっており、4月5日の数字と比べると約7倍近く増えていることがわかります。直近の新規感染者の増加は、幅広な検査を実施し、感染状況をより正確に把握している結果だと評価することもできると思っています。また、感染者のうち経路不明の感染者の割合は約40%ということで、4月5日と比べると20%程度減少しています。つまり、感染経路も、以前より捕捉できているということが伺えます。さらに、感染者の年齢層については、20代・30代の比率が約75%ということで、圧倒的に多くなっていることがわかります。この影響からか、重症患者数や入院患者数は、4月5日の水準と比べると非常に少ない状況であり、医療提供体制には余裕があることがわかります。
以上のとおり、感染者数のみで判断すると、緊急事態宣言が発令された4月7日の数字に迫る勢いですが、データを詳しく見ると、4月上旬ほど逼迫した状況ではないということをわかっていただけると思います。
次のスライドをご覧ください。続けて、群馬県内の感染状況についてです。
ここ数日、数件の新規感染者が発生しているものの、全体とすると、群馬県は比較的落ち着いた状況になっていると思います。警戒度移行の判断基準である客観的な数値も、スライドのとおりで、すべての項目で数値を下回っています。
東京都での感染者数は増加傾向にあり、実効再生産数も1を超える数値、東洋経済オンラインによる推計値だと1.62、東工大ボランティアによる推計値で1.58、そういう数値ではありますが、総合的に判断すると、本県では、警戒度を再度引き上げるような状況にはないと考えています。また、ガイドラインの基準についても、現時点では変更を加えることは考えておりません。
しかしながら、千葉県、埼玉県、神奈川県など近隣県でも、東京都由来と見られる感染者が増加していることも事実であり、本県でもいつ感染が拡大してもおかしくない状況だと捉えています。県民の皆さまには、東京都への外出等について、改めてご注意いただきたいと思います。
群馬県としては、本日の時点では、東京都内への移動制限は行いません。しかしながら、東京都への移動は、十分に注意していただくようにお願いをしたいと思います。特に、感染防止対策が十分にとられていない場所や、密になりやすい場所等の利用は、ご注意をいただきたいと思います。
これまでの間、県内の新型コロナウイルス感染者の発生状況は、落ち着いています。何度も言うように、これは県民の方々が、新しい生活様式を実践していただいているからに他なりません。このことには、知事として、改めて感謝を申し上げたいと思います。引き続き県民の皆さまには、「新しい生活様式」の実際を徹底していただくとともに、県内・県外を問わず、感染防止対策が十分にとられていない場所や、密になりやすい場所等へのご利用は、ご注意をいただきたいと思います。
今後も県としては、引き続き東京都および近県の状況を注視し、必要な場合には冷静かつ迅速に判断をしてまいりたいと思っております。そのため、今週中にも、県の危機管理チームの皆さまから、ご意見を伺った上で、対策本部会議を招集したいと考えています。
県民の皆さまには、改めて気を引き締めていただいて、引き続き、感染拡大防止のためにご協力をお願い申し上げます。
私からは以上です。何かご質問があればお受けしたいと思います。
(記者)
まずは、今後、外出自粛が必要な場合にはというお話がありましたけれども、具体的に言うと、どういった場合に外出自粛の要請を出されるかをお伺いします。
(知事)
ここは前回の記者会見でも記者さんのご質問にお答えをしたんですけれども、あくまで総合的に判断をしていきたいと思います。当然、5日連続で100人以上の感染者が出ておりますが、東京の状況は引き続きよく注視をしていきたいと。ただ、現時点では先ほど申し上げたとおり、移動の自粛みたいなものを要請するということは考えておりません。今後の状況をよく見ながら、過剰反応は避けたいと、しかしながら必要な場合には迅速に行動をとる。こういう原則を踏まえて対応していきたいと思います。
(記者)
例えば周りの近隣県で、もうちょっと感染者数が増えたりとか、東京都で150人出たりとか、群馬県で東京都由来の感染者が出たりとかいう、そういう可能性というか、具体的なものを県民としては知りたいと思うのですが。
(知事)
具体的なというよりも、全体の状況を見て考えなければいけないので、何か1つの類型にはめて、こうこうっていうことは、なかなか言えないと思うんですよね。ただ、おっしゃったように、東京の感染者がこれからどうなっていくのかということは、これは大きな判断の材料の1つになると思います。
(記者)
今回、注意にとどまってますけれども、あくまでも判断を県民に委ねたという部分については、どういうふうにお考えで、この決定にされたのかということを改めて教えてください。
(知事)
県民に判断を委ねたというか、今、県として、東京への移動を自粛するという段階ではないだろうと。ここまで、相当県民の皆さんにもご努力をいただいて、我々としても、かなり丁寧に判断をしながら、警戒度を下げてきましたから、そこは全体の状況を見極めてやっていきたいと思います。
ただ、先ほど申し上げたとおり、現時点で東京への移動の自粛というものを呼びかけるつもりはありません。ただ、東京で、5日連続で100人以上の感染者が出てるってことも事実ですので、そこはしっかりと注意していただくということだと思います。
(記者)
東京都の方では4日の段階で、都民に対して県をまたぐ移動はなるべく控えましょうというようなお話が出てましたけれども、その点を踏まえても、群馬県からは、東京都に行かないでくださいねっていうのは、出さないっていうことですか。
(知事)
現時点では、移動の自粛みたいなものを求めるつもりはありません。
(記者)
今週中にも専門家チームを招集するという話ですけども、これはどういうことを聴取する機会にするご予定なんでしょうか。
(知事)
今までの流れを踏まえてですね、今日こうして記者会見もやらせていただきましたが、対策本部会議はしっかりやった方がいいだろうと思います。ご存知のとおり、対策本部会議をやる時はですね、だいたい我々は事前に専門家の方々の意見を聞いてますから、そういう意味では、まず有識者の意見を聞いて、それを踏まえて対策本部会議をやろうということです。
宇留賀さん、付け加えることがあれば。
(宇留賀副知事)
先ほど知事からもお話させていただいてるんですけれども、群馬県の状況を群馬県としてちゃんと見る必要があると思っています。東京都では7月4日の時点で、都民に対して県外への不要不急の移動を自粛するようにという話がありましたが、政府としてはそういったことを求めるような方針になっていませんし、今日も専門家の会合が開かれていますが、そういった状況も見ています。
我々としては群馬県の状況をしっかり見る。また、県外の方の(状況)、専門家についてもいろいろな方がいらっしゃいますので、そういったような状況をよく見ていきながら判断していくというのが大きな方針になるかなと思います。
(記者)
専門家チームの話を聞いたうえで、必要があれば東京都への、今の「注意」よりも強いメッセージ、例えば、外出自粛、東京都への移動自粛みたいなもっと強いメッセージを出す可能性もあるということでしょうか。
(知事)
それは、まず今日からしっかりと状況を見極めていくということであって、本当に状況が大きく変わってきたときには、例えば、不要不急の移動の自粛ということを言う可能性もあるとは思いますけども、現時点の分析ではバランスよく対応していこうということで、それは考えていないということです。
いずれにせよ、こういう流れが来てるということなんで、ちゃんと有識者の意見をここで聞いておくということはとても大事だと思ってます。
(記者)
東京で感染者が増えているという状況に関して、例えば知事の公務の予定だとか、幹部の方の出張の予定の変更など、そういうのは、今、あるんでしょうか。
(知事)
それはたぶんないと思うんですけど、少なくとも、東京の状況をしっかりと見極めていくということが大事だと思います。
今、東京にどんどん行くというようなことは考えてません。私自身も。
(記者)
県の4段階の警戒度を設けたガイドラインについてなんですけれども、特に休業要請の関係なんですが、集団感染みたいなものが実際に多く発生している場所とそうでない場所というのも、期間が長くなる中でわかってきた部分もあると思うんですけれども、その基準を見直す予定というのは、今後あるんでしょうか。
(知事)
宇留賀さん、どうぞ。
(宇留賀副知事)
現時点で基準を見直すということは考えておりません。今、例えば、いわゆる夜の街の関連ですとか、カラオケ店ですとかスポーツジム、そういったリスクが高いと言われたところについて、ガイドラインでは、(警戒度の)段階を下げる場合に少し違う扱いにしておりまして、既に、リスクが高いところについての内容を含んでいるので、特に必要ないかなと思っています。
ただ、今後出てくる話でいうと、県外との移動ですよね。ここについては、もともと群馬県で作ったガイドラインに加えて、政府の方から少し、移動の制限の期間が6月18日まで長くなったところがあったと思うんですが、ここについては、今後また政府の方から、例えば、東京都の感染人数が増えた場合には、まず出てくるであろうと。県外の移動については、不要不急のものは自粛するようにという話が出てくる可能性は十分にあると思います。そこを踏まえてもう1回考えなきゃいけないんじゃないかというのはあるかなと思っていますが、そこも専門家の先生方の意見を聞いたりしながらやろうと思ってます。ただ、現時点では特に必要ないと考えています。
(記者)
休校の基準というのも同じく、今の段階だと変える必要はないということですか。
(宇留賀副知事)
はい。
(記者)
確認なんですが、今日の知事の「(東京都へ外出する際は)注意」ということなんですが、これはそのガイドラインに基づくものではないということなんですかね。
県が定めた4段階のガイドラインがありますが、それに基づくものなんですか。
(宇留賀副知事)
ガイドラインに基づくものではないという言い方もできますし、ガイドラインに基づいているとも言えます。
何かと言うと、もともと今は警戒度1の1番低い段階ではありますけれども、「新しい生活様式」を徹底して欲しいという話をしていまして、今回の東京で起きているような話というのは、「新しい生活様式」を徹底できていないようなところから起きている可能性は多分にあると思っています。
「新しい生活様式」の徹底をさらに再度、注意喚起したというふうな考えですね。
(記者)
注意喚起したということですね。
(宇留賀副知事)
はい。
(知事)
例えば、東京に行く時に注意してくれというのは、群馬県でも同じだけど、3密のところには、県内外でもなるべく行かないようにしてもらうとか、マスクをきちんとつけてもらうとか。今、東京に行ってもあちこちに消毒液がありますから。手洗いをしてもらうとか。そういうことです。
(記者)
直接の今回、注意を出したという意味はですね、知事が冒頭でおっしゃいましたけど、5日間連続で100人越となった、それが直接のということなんでしょうか。いろいろと総合的なものもあるでしょうけど。
(知事)
もちろんそれも大きな原因の一つです。やっぱり、我々が判断材料としている東京都で5日連続で100人以上の方々が感染しているということを踏まえた措置です。
(記者)
今回の「(東京都へ外出する際は)注意」という判断をしたのに関しては、特に専門家の方の意見を踏まえてということじゃなくて、県内部の協議の結果ということなんでしょうか。
(知事)
はい。そうです。今回の「(東京都へ外出する際は)注意」については、まだ有識者の方の意見を聞いていませんけども、今のいろいろな状況、先ほどお見せしたような状況から、我々として、こういう対応をとろうというふうに思っています。
ここからまた東京の状況等、全体を含めながら、どのみち今週中に有識者会議をやりますので、そこでまた、その流れを踏まえて意見を聞いて、対策本部会議をやるという流れになると思います。
(記者)
以前からもおっしゃっていますけど、東京の動向というのが、かなり大きいという中で、ちょっと関連してなんですけど、一応、東京都知事選の方の結果が出まして、小池百合子都知事が再選されたということなんですけど、知事は結果について、コロナ対策も含めてなんですけど、どういうふうにとらえていらっしゃいますか。
(知事)
そうですね、前から言っているように、東京、それから大阪、愛知、ここら辺はですね、やはり新型コロナ対策を成功させてもらわないといけないと思うんですよね。
この3つは、特にやっぱり経済のセンターでもあって、ここがしっかり収まらないと、なかなか収まらないと思います。特に東京は人口の規模から言っても、東京で感染が収束しないと、なかなか群馬県で抑えることができないということから考えると、小池都知事は本当に全力を尽くして、いろんな対策をやってこられたというふうに思います。
小池都知事が再選されたということは、よかったなというふうに感じていますし、何度かお目にかかっていますけども、今後も特に新型コロナ対策ということで言えばですね、我々は東京の状況をここまで注視をしているわけなんで、しっかり連携をとっていきたいというふうに思っています。あとちょっと感想をブログに書きましたので。読んでいただければとか言いませんけど。
(記者)
読みました。
(知事)
他によろしいでしょうか。
最後に県民の皆さんにお願いを申し上げたいと思います。
東京で5日連続100人以上の感染者が出ているということで、ぜひですね、皆さん東京に行かれる際には、先ほど申し上げたとおり、注意をしていただきたいと思いますし、宇留賀副知事の方からもありましたが、「新しい生活様式」の実践を徹底していただきたいと思います。
さらに県内、県外にかかわらず、感染が発生しやすい、例えば3密が起こりやすい場所には行かないとか、あるいは、そういう施設を利用しないとか、こういうことはですね、ぜひ徹底をしていただきたいと思います。
いつも言いますが、皆さんと力を合わせて、この新型コロナ感染を群馬県の方でも抑えてまいりたいというふうに思います。
以上で今日の記者会見を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
(以上で終了)
文章中の()内については、秘書課において加筆したものです。