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令和2年5月11日臨時記者会見動画(You Tube)<外部リンク>
1.4つの基本姿勢
2.ガイドラインの特徴
3.「新しい生活様式」の実践例
4.休業要請の解除
5.学校段階的な再開
6.検査の拡充
知事の臨時記者会見を始めさせていただきたいと思います。
まずスライド、会見のポイントをご覧ください。
今回の会見の最大のポイントは、県民の皆さんにこの記者会見を通じて、経済社会活動の再開に向けた、群馬県独自の基準、すなわち、ガイドラインの原案をお示しすることです。
今週14日に示される、政府の新たな方針を踏まえ、また、感染防止策の徹底と、新しい生活様式へのシフト継続というものを前提として、今週の土曜日、16日から、緩和のプロセスを一部開始したいというふうに考えております。
スライドをご覧ください。
ガイドライン、この基準の原案をご説明する前に、新型コロナウイルス感染症対策に関する知事の4つの基本姿勢、4つの哲学と言ってもいいかもしれませんが、これをお話させていただきたいと思います。
基本姿勢の第1です。
この未曾有の危機を乗り越えていくためには、県民一人一人のご理解とご協力が不可欠だということです。逆に言うと、県民が心を合わせて努力すれば、どんな難局も乗り越えていけるということです。そのためには、県民の皆さんと、できるだけ多くの正確な情報を共有することが極めて重要だというふうに考えています。
緊急事態宣言が群馬県を含む全国に拡大される中で、県知事として、大型連休前に、県民の皆さまに対して、法律に基づく外出自粛、休業の要請を行わせていただきました。現在も、その措置を継続させていただいています。
この間、県民の皆さまに大変大きなご不便ご負担をおかけしていることは、本当に申し訳なく思っております。にもかかわらず、皆さまには、知事である私の真意をご理解いただき、苦しい中でも、ご協力をいただいていることに改めて心から感謝を申し上げたいと思います。
群馬県の現状について言うと、県内の一部、具体的には、伊勢崎市内の有料老人ホームで大規模なクラスター、集団感染が発生したために、陽性者数や死亡者の数は多くなっています。しかしながら、ここのところ、全体としては落ち着いた状況が続いております。他県と比較して、遜色のないレベルに抑えられていると言っていいと思います。
これは、県民の皆さんのご協力があったからに他なりません。知事として、重ねて心から感謝を、お礼を申し上げたいと思います。この場をお借りして、最もリスクの高い現場で献身的に頑張っていただいている、医療従事者の方々にも敬意と感謝の意を表させていただきたいと思います。
スライドをご覧ください。基本姿勢の第2です。
そうは言っても、政府による緊急事態宣言解除を含む緩和の判断は、慎重になされるべきだというのが、私の考え方です。
皆さんご存知のとおり、先ほども申し上げましたが、政府は今週14日にも、専門家会議の判断を踏まえ、複数の都道府県を宣言対象地域から外す方針であるというふうに明言をしています。もちろん、群馬県も対象外となる可能性があることは、言うまでもありません。しかしながら、群馬県が14日の時点で緊急事態宣言地域から外れてしまうことに、正直言って少なからず懸念を感じています。
なぜ、知事として慎重な対応が必要だと感じているのか、その理由は、次の5つです。
1つ目の理由は、群馬県が、この会見でも何度も申し上げましたが、いろいろな意味で東京都に近いということです。最も群馬県が影響を受ける、東京での感染が収束していない状況下での解除は、県内での感染リスクを高めることに繋がります。
2つ目の理由は、新型コロナウイルスの正体が解明されていない部分があることです。これは、今日の県議会の質疑でも言及をさせていただきました。例えば、新型コロナの感染力が当初の予想より強いことがわかったり、あるいは、無症状の陽性者は、他人に移しにくいと、こう思われていたのに、実は感染させやすいという研究データが公表されたりしています。免疫が形成されても、長くは続かないという説も、かなり浮上してきています。太陽の紫外線に弱いとか、次々に新しい事実が判明している。そして、まだ症例は少ないものの、連日、欧米のニュースで報道されておりますが、米国内の子どもたち、これまでは新型コロナウイルスに感染しにくいというふうに言われていた、子どもたちの中で、新たな症状で亡くなるケースが出ていると、このことにも注意を払う必要があると思っています。
見えない敵の正体が完全にわからない状況の中で、知事として最初に頭に浮かぶことは、県民を守るための知見を集めたいということなんです。もっとわかりやすく言うと、こういう環境なら大丈夫だとか、この対策を打っておけば感染の可能性が低いというような、経験則を積み上げたいということです。そのためのルールを整備したり、周知徹底したりする時間が欲しいと、こういう気持ちが正直日々強まっております。
3つ目の理由は、今回の感染が一旦収束したとしても、第2波、第3波の感染が発生する可能性を、常に頭に置いておかなければいけないということです。米国では、かなり多くの州で経済活動に対する制限措置の部分解除が始まっています。皆さんご存知のとおりだと思います。しかしながら、CDC、米国疾患予防管理センターの示した基準を守らないで経済活動を再開した州が多いことに、警鐘を鳴らす専門家も多くいます。最近、新たなクラスターが再発した韓国とか、あるいは、厳しいルールのもとで、経済活動を再開したものの、あらかじめ、何かあれば再び制限措置を戻すと、緊急ブレーキ措置というものをですね、最初から明言しているドイツの例もよく見ていくことが大事だと思っています。
ちなみに、ドイツはロックダウン解除を始めましたが、皆さんご存知だと思いますけども、昨日の時点で、実は1人の陽性者が1日に移す方の数を示す実効再生産数が1を超えているということも、我々はしっかりと頭に入れておかなければいけないと思っています。
4つ目の理由は、再び感染拡大が県内で起こった時に、いつでも警戒度を上げられる体制を作っておく必要があるということです。緊急事態宣言の解除は、法律に基づく要請とか、土地や施設の収用ができなくなるということを意味します。
5つ目の理由、それは、群馬県が早々と解除の対象となった場合、県内の緊張が一気に緩んでしまう、そういう危険性があることです。例えば、十分な基準が整備されていない業界からも、同じように解除されたあの県もやってるんだから、群馬県も同じようにやるべきだと、同じようにやれるんじゃないか、こういう声が沸き起こることを、知事として心配をしています。
急いで緩和した、すなわち、油断をした途端に、抑えられていた感染が、再拡大をすると、こういうケースは、できる限り回避をしなければいけないと思っています。
たとえ、経済活動の再開に積極的な他の都道府県に比べて、群馬県の始動が少し遅れたとしても、将来の第2波、第3波の襲来に耐える体制の整備を優先すべきだと、私は感じています。仮に、このまま感染が収束するというベストシナリオが実現したとします。その時は、山本知事が慎重過ぎたために、早く経済活動を戻した他県に比べて、このくらい経済損失が出たと、どうしてくれるんだと、お叱りを受けるかもしれません。しかしながら、そういう批判は甘んじて受けるつもりです。それでも、経済活動の再開を急ぎ過ぎて、新たな集団感染を誘発してしまう事態を招くよりは、何倍もいいと私は考えています。
次のスライドをご覧ください。
基本姿勢に戻りたいと思います。基本姿勢の第3に、この段階でPCR検査の目的や定義を変える必要があるというふうに感じています。
先般、政府がPCR検査の基準を見直して、これから検査数を増加させるための明確な方針というものを打ち出したのを、皆さんご存知だと思います。これまでPCR検査を実施する目的は、感染者の数、流行の状況を正確に把握することでした。そこに、社会の安心感を醸成するということを、この側面も、私は付け加えるべきだと思っています。
米国や欧州諸国でも、経済社会活動再開のプロセスの中で、PCR検査を拡充することの必要性というものが強調されています。そうでなければ、一般の国民の皆さんの理解が得られないからだと思います。
スライドの5をご覧ください。
基本姿勢の第4について説明したいと思います。経済社会活動の再開にあたっては、いわゆる3密を避ける等の十分な感染防止策の有無が極めて重要になると考えています。休業要請を緩和する条件として、県としての指針はもちろん示しつつ、各団体、業界ごとにガイドラインを作成してもらうことをお願いしたい、働きかけたいと思っています。同時に、事業者の方々に対して、新しい生活様式に沿った取り組みの徹底も求めてまいりたいと思います。
以上、新型コロナ対策に関する知事としての4つの基本姿勢というものをご説明をさせていただきました。
こうした基本姿勢を踏まえ、この後、西村経済再生担当大臣に対して、群馬県の14日の緊急事態宣言解除は見送って欲しいと、私からお願いするつもりでおります。念のために言っておきますが、群馬県が、たとえ引き続き緊急事態宣言の対象地域になったとしても、知事の判断で、経済社会活動再開のための様々な緩和措置を実施することには、何の支障もありません。要するに、今の段階では知事に与えられた法律に基づく要請という最後の手段を、いざという時に迅速に行使できなくなる、このことを私は心配してるということです。
スライドの6をご覧ください。
県民の皆さん、事業者の皆さん、ぜひ誤解しないでいただきたいことがあります。私自身も、県内の経済社会活動を一刻も早く元に戻したいと強く願っています。しかしながら、諸外国の状況や専門家の意見を総合すると、新型コロナウイルスに対しては、まだ不明な点が多く、今のパンデミック、感染症の世界的流行は、繰り返し起こる可能性があります。つまり、日本国内でも感染拡大を抑えるための規制の強化と、そして、解除が何度も繰り返されるという状況に陥るかもしれません。過去の記者会見でも申し上げているとおり、新型コロナウイルスを根絶することは難しい、そうである以上、今申し上げた厄介なシナリオも、今から私たちは覚悟しておく必要があると考えています。
こうした事態も想定しつつ、長期的な視野に立って、今後の対応を考えていかなくてはなりません。ここは腹を据えて、感染再発のリスクを減らすための体制を少しでも固めておきたい、知事として、そう思っています。そのために、もう少し時間をいただきたいと思っています。
引き続き、県庁一丸となって、県民の皆さんの命を守り、地元経済を支えるためのあらゆる対策を全力で打ち出していくつもりです。どうか県民の皆さん、さらなるご理解とご協力を切にお願いをいたします。
それでは、ガイドラインについてご説明をさせていただきます。
少しこの会見の前に、皆さんに早めに資料をお配りをして、概要をご説明させていただきましたが、改めて細かく私からご報告をさせていただきたいと思います。
今後、このガイドラインに従って、5月16日から経済活動を一部再開していきたいと考えています。その後、東京などの、群馬県と経済的な結びつきが強い地域での感染が収まった段階で、さらに経済活動を再開させていくという方針です。その際には、学校についても、週2日か3日の範囲で再開をしていきたいと考えています。順調に感染が抑制された場合ですが。もう1回言います。順調に感染が抑制された場合ですけれども、最短で6月1日に、この段階に移行できると考えています。
スライドをご覧ください。
ガイドラインは、現状を評価する判断基準と警戒度に応じた行動基準の、大きく2つの要素からなります。
判断基準には、客観的な数値と、総合的な状況の大きく言って2つのものがあります。他の都道府県を見ると、数値基準のみで判断するところもあるようですが、数値だけでは評価しきれない項目もあるため、より包括的な基準といたしました。
そして、警戒度に応じた行動基準を、4段階で設定をさせていただきました。現在は、警戒度4の状態です。様々な判断基準に基づいて、2週間ごとに状況を評価していきます。判断基準を満たしている場合には、警戒を1つずつ下げていくという仕組みになっています。
警戒度を下げていく際には、一段階ずつ進めていくことになりますが、大規模なクラスターの発生など、急激に感染状況が悪化した場合には、2週間の評価期間を待つことなく、弾力的な評価を行い、警戒度を即時に引き上げるという対応もとっていきたいと思います。
このガイドラインの作成にあたっては、9日に感染症危機管理チーム会議を開いて、専門家の方々の見解もいただいています。この場をお借りして、大変ご多忙の中、様々なご意見や知見をいただいた専門家の皆さまに、御礼を申し上げたいと思います。
それでは、警戒度移行の判断基準について、もう少し細かく説明をさせていただきたいと思います。
スライドをご覧ください。
判断基準には、客観的な数値と、総合的な状況の、大きく2つがあるというふうにご説明させていただきました。まず、前者の数値による基準から説明させてください。
感染基準を判断するため、新規感染者数、経路不明の感染者数の割合、PCR検査数に占める感染者数の割合である陽性率、この3項目を設定しました。加えて、医療提供体制を判断するために、重症例に対応するECMO(エクモ)等の使用状況と、病床の稼働率の2項目も設定をさせていただきました。
これまでの状況を分析した結果、あるいは今後、医療提供体制を逼迫させないという観点から、この5項目の設定を決めたということです。
今後の体制整備の進展に応じて、項目の中身や基準の内容は、随時見直してまいりたいと考えています。
スライドをご覧ください。
具体的に各項目の推移をまとめたグラフです。今後、県民にわかりやすいように、毎日ホームページ上で更新していく方針です。
次のスライドをご覧ください。
患者の入院状況について、これまでもずっと会見で発表してまいりましたが、これも、毎日、ホームページを更新していきたいと考えています。
次のスライドをご覧ください。
現実の動きは数値だけでは計れないものがあります。そのため本県では、数値によらない総合的な状況というものを、もう1つの判断要素として取り入れています。
群馬県の感染の特徴としてまず挙げられるのが、陽性者の約半数は介護施設の関係者であり、亡くなられた方のほとんどが、入居されていた高齢者だということです。そのため、介護施設には特に注意を払う必要があると考えています。また、群馬大学の協力もいただいて、これは都道府県では、おそらく群馬県だけだと思いますが、実効再生産数を独自に計算しています。さらに言うと、特に重要な点として、交通の要衝である群馬県の地勢的な事情にも鑑み、東京や近隣県の状況にも注目していかなければいけないと考えています。
次に、警戒度に応じた行動基準についてご説明をさせていただきます。スライドをご覧ください。
まず行動基準のポイントです。先ほど申し上げたとおり、現在は警戒度4に位置付けられています。
5月16日からは警戒度3の段階に移行することを考えています。警戒度3では、クラスターの発生リスクが高い場所を除いて、外出自粛や、時短営業を解除することになります。ただし、この段階でも、不要不急の移動は最小限にしていただくようにお願いをしたいと思います。
次の段階、警戒度2まで下がった場合は、都道府県を跨いだ移動を再開をし、学校についても、週2、3日の範囲で再開をしていきたいと考えています。新たな生活様式をしっかりと実践するということが大前提となりますが、ほとんどすべての経済活動はこの段階で可能となるということです。
最も低い警戒度1では、高齢者や基礎疾患のある方も、社会との交流が可能になります。高齢者施設や病院でも、訪問者との面会ができるようになるということです。
具体的な行動基準についてお示しをしたいと思います。スライドをご覧ください。
個人に対する行動基準として、外出、県外移動、イベントを、事業者に対する行動基準として、休業等、勤務形態を例示しています。自粛をお願いするものは「×」、条件付きで認めるものは「△」、活動を認めるものは「〇」で表記をさせていただいています。
現在の警戒度4から警戒度3に移行した場合には、接待を伴う夜間の飲食店、屋内運動施設、フィットネスジムですね、ライブハウス、カラオケなど、過去にクラスターが発生するなど、リスクが高い場所を除いて、外出自粛や時短営業を求めないこととしたいと思います。
また、イベントについても、10人以下の小規模なものは可能とさせていただきます。ただし、ここが非常に重要な点だと思っていますが、外出や営業を認めるのは、感染防止対策を徹底し、新たな生活様式を実践している場合に限ります。冒頭に、基本姿勢の2点目で説明しましたが、十分な基準が整備されていない業界においては、性急な営業の再開というものは避ける必要があると思っています。韓国において、先ほども言及しましたが、再開されたナイトクラブで、数千人に及ぶ感染のリスクが報道されています。こうした事態は、県内では絶対に回避しなければいけません。
この警戒度3の段階では、国から3密がそろうということで、感染のリスクが高い場所とされている居酒屋、飲食店についても、時短営業が解除される状況になります。しかしここでも、感染防止対策を徹底することが前提です。それぞれの事業者の方々が高い責任感を持って、感染防止対策を徹底していただくとともに、対策がなされていないお店には近づかないように、県民の方々にも改めて注意をお願いしたいと思います。
警戒度2への移行の大きな判断要素は、東京での感染が抑制されていることです。この段階で、東京を含む県境を跨いだ移動を可能にしたいと思います。また、不要不急の外出も再開可能とさせていただきます。フィットネスやカラオケなど、感染リスクが高いとされている場所についても、営業の再開を認めることになります。
警戒度1では、高齢者や基礎疾患をお持ちの方など、ハイリスクな方々も社会との交流を再開いたします。先ほど申し上げたとおりです。また、高齢者施設や病院での訪問者の面会も可能になるということです。
次のスライドをご覧ください。「新しい生活様式」の実践についてお話をしたいと思います。
政府の専門家会議では、新規感染者数が限定的となった地域であっても、再度感染が拡大する可能性があり、長期戦に備えて、感染拡大を防止するための新しい生活様式に移行する必要があると、こういう提言がなされているのは皆さんご存知のとおりだと思います。
スライドにお示しをした実践例に基づき、県民一人一人が新しい生活様式を実践することにより、段階的に社会経済活動を緩和した場合でも、感染症の拡大を防ぐことができると考えています。そしてそのことが、県民の皆さんご自身はもちろんのこと、皆さんにとって大事なご家族や友人を守ることに繋がるものだと考えています。
そう考えると、県民を挙げての新しい生活様式の実践を推進していくことは極めて重要だというふうに感じています。
次に、休業要請の解除についてご説明していきたいと思います。
事業者の皆さまには、より高い意識で、新しい生活様式に基づいた感染防止策を徹底していただく必要があることは、何度も述べてきたとおりです。スライドをご覧ください。
先ほどご説明させていただきましたが、警戒度に応じて経済活動を再開していくという方針をとっていきます。しかしながら、その大前提となるのは、それぞれの事業者の責任において感染防止対策を徹底していただくということです。
このため、各業界団体が主体となって、業界ごとのガイドラインを作成してもらい、事業者の皆さまには、そのガイドラインを目安に、感染拡大を防ぐための対策の徹底を求めていくことになります。
次のスライドをご覧ください。感染防止対策の例をご紹介しています。
感染防止対策について、例えば飲食店に対しては、個室の使用とか、座敷席等の多人数での使用自粛とか、座席配置の工夫など、3密環境を徹底的に排除していただくことをお願いすることになります。
次のスライドをご覧ください。
入店時の手洗い等の励行とか、従業員の健康管理等、衛生面や健康面の管理を徹底していただくことも大事だと考えています。
あらゆる面で、万全の感染防止対策を講じる努力を求めていきたいと、こういうことです。
次に、学校の段階的な再開についてご説明をさせていただきます。スライドをご覧ください。
県内の小中高に関しては、5月31日まで休校措置を継続している状況です。先ほど説明をさせていただいたとおり、警戒度2に移行できるようになった段階では、学校を段階的に再開していくことになります。東京などの状況、どれだけ感染が抑制されてるかということにもよりますが、最短で6月1日に可能になる可能性があります。
学校の再開に関しては、小児向けの医療体制が特に脆弱なことや、米国などで、先ほども少し言及をいたしましたが、川崎病に似た新たな症状が報告されていることなどから、特に慎重な対応が必要だと考えています。そうした様々な要素を勘案しつつ、子供の学びを続けるため、再開を模索していくということになります。
再開に向けた取り組みとして、まず各学校で、群馬県版の学校再開に向けたガイドラインに基づき、新しい生活様式、例えば毎朝の検温とか、身体的距離の確保とか、3密の回避とか、こういったものに従った行動がとれるように徹底をしていただくということです。
さらには、児童生徒を複数のグループに分け、曜日や時間を限定して登校させる分散登校から実施していくことにしたいと思います。
5月1日の文科省通知を受けて、群馬県版の学校再開に向けたガイドラインについても改定を行います。改定のポイントは、同居家族の検温や体調確認、座席の間隔を1、2メートル、学級を2、3の小グループに分けるといった点や、学校行事の考え方など、これがポイントになります。
また、ICT等の活用は特に重要だと考えています。パソコン1人1台の環境を整備するため、県立高校において、年度内の配備を進めていきたいと思います。同様に、市町村立の小中学校においても、同じような対応を強く求めてまいりたいと考えています。
次のスライドをご覧ください。
分散登校については、最初は週に2、3日程度とする計画です。その後の状況を見ながら、午前と午後のグループに分けるなどして、週5日登校してもらいます。さらに感染状況等が改善されれば、通常の登校という流れを検討しています。部活動等についても、3密の回避等を徹底した上で、段階的に再開していくということになります。
次のスライドをご覧ください。
臨時休校による学習の遅れを心配する声も多くあります。そのため、県立学校では、夏季休業を活用し、補充のための授業や進学、就職のための補習等を実施したいと考えています。小中学校については、県内で足並みをそろえる形で、授業日としての活用を市町村の教育委員会と相談しつつ、検討していくことになります。また、修学旅行とか、文化祭といった行事に関しては、延期、縮小なども考えていく必要があると思います。
以上申し上げてきたように、児童生徒の安全安心を確認しながら、学校の教育活動というものを前に進めていくということです。
最後に、検査の拡充についてお話をさせていただきます。
こうしたガイドラインに沿った対応を進めていく上で、最も基本となる検査体制、医療提供体制の整備についての説明です。スライドをご覧ください。
PCR検査数については、全国の傾向と同様に、群馬県の検査数も伸び悩んでいます。厚生労働省は今月8日に、相談受診の目安から発熱という表記を削り、間口を広げました。群馬県もそれに合わせた対応を行っていきたいと思います。
今後、必要な人が適切なタイミングで検査を受けられるよう、さらなる人員の増強やPCR検査センターの開設、医療資材の確保を進めるなどの方策を通じて、1日当たりの検査数100件を目標として体制を整備してまいります。施設を増やしていくことで、さらなる拡充を目指せると考えています。加えて、抗体検査やこれから承認される抗原検査についてもしっかりと研究し、情報を集め、どう活用できるかということを検討してまいりたいと思います。
次に、医療提供体制の整備についてもご説明したいと思います。スライドをご覧ください。まず、重点医療機関の設置についてご説明します。
5月8日現在、運用可能病床数は165床となっています。感染者が減少傾向のため、病床稼働率は減少傾向にあります。しかしながら、秋冬に向けて想定される第2波というものを考えると、さらなる病床確保が必要になります。多くの感染症指定医療機関等は、感染患者への医療提供はもちろんのこと、二次、三次救急医療も担っています。そのため、医療従事者が疲弊している状況にあります。今後は、感染症指定医療機関等の負担をさらに軽減するため、主に中等症の患者を集中的に受入れる重点医療機関というものを設置したいと考えています。
続けて、重症者用病床の整備についてお話をしたいと思います。
現在、重症病床は23床、ECMO(エクモ)が7台という状況にあります。秋までには、重症病床40床、ECMOを14台へ増やすことを目標としたいと思います。また、重症患者に対応できる人材を育成すべく、医療従事者研修というものを、県独自で実施する計画です。
次に、宿泊医療施設の拡充についてもご説明をさせていただきます。
4月28日に150室の宿泊療養施設が開設されました。これまで、延べ11名の利用者があり、現在は8名の方が入居しています。
医療機関の負担軽減のために、宿泊療養施設は不可欠です。当面、1,300室を目標にしていますけれども、需要に合わせて、さらなる拡大、拡充を図ってまいりたいと考えております。
私の方からの説明は以上です。この後、皆さんからのご質問をお受けしたいと思います。
(記者)
西村担当大臣への要望、緊急事態宣言の解除見送りの要望ということで、これは群馬県独自で、他県との連携等はなく、今日、要望されるということでよろしいんでしょうか。
(知事)
はい。他県との連携は常に必要だと思いますが、これについては、記者会見が終わった後、電話になるのか、テレビ会議になるのか、メールになるのかわかりませんが、私の方から西村大臣に直接、群馬県の14日の解除というものは、少し先に送っていただけないだろうかという要望をさせていただきたいと思います。
(記者)
国は解除に当たってですね、直近1、2週間の感染者数が抑えられているかどうかというところが、目安となるという話だったと思います。
群馬県もその状況に当たると思うんですが、それでもあえて、14日での見送り、解除の見送りを求めるその理由ですね、何かその数値的な根拠が他にあるのか、それともさっきおっしゃったように法的な根拠がなくなることでの気の緩みを心配することに尽きるのか、そのあたりを詳しくお願いします。
(知事)
まず、緊急事態宣言を解除するかどうかというのは、これは政府の判断だと思うんですね。あくまでも、ですから群馬県の要望を伝えると。最終的には、これは政府が判断することだと思っています。
なぜ、14日に早々、解除されるということについては、見送って欲しいというふうに要望する理由、なぜ要望するのかというのは、先ほどの冒頭の発言でもお話をしたとおりです。
感染者数とか、陽性率、あるいは(実効)再生産数みたいなものは落ち着いてきてるんですけども、これは、例えば、伊勢崎市内の藤和の苑で起こったような大規模なクラスターが発生すれば、あっという間に逼迫するという状況にあるということがあります。
それから先ほども申し上げましたが、群馬県はですね、やはり、あらゆる意味で東京に近いっていう状況があります。実際、ここのところずっと感染者が少ない、あるいは0か1人。1人っていうのも、栃木県在住の方なんですけど、数え方いろいろあると思うんですが、この10何日間かで1人しか出てないんですけども、後半っていうか、その前に何人か判明した陽性者を見ると、やはり東京に関連する方々が多いということがあります。ですから、東京の感染が抑えられないと、なかなか群馬でこの感染が終息するっていうことは難しいというふうに私は考えています。
それから、あとは、さまざまな状況を総合的に判断した場合、例えば韓国の状況とか、ドイツの状況とか、そういうことを考えると、やはり第2波、第3波がくるということも想定しなければいけないと思っていまして、そこに備えた備えをもう少ししっかりとやる時間が欲しいというふうに考えていることも、西村大臣に要望をしたいと思っている理由の一つです。
それと記者さんもさっき言及されましたが、これ、先ほどの冒頭の発言でも言いましたけども、こうやって、緊急事態宣言から解除されてしまうということで、県内がものすごく緩んでしまって、それが感染の拡大・再発に繋がるということも懸念をしています。
そうしたさまざまな状況を考えた上で、西村大臣に要望したいということを決めました。
(記者)
要望について、一点お伺いしたいんですけれども、法的根拠がなくなるということは心配なことであるというお話がありましたけれども、その要望と一緒に、例えば宣言解除後も何らかの形で知事に権限がとどまるようなものも含めて、何か検討して欲しいみたいな要望は、現在お考えでありますでしょうか。
(知事)
そういうことができれば、今、記者さんがおっしゃったことは、一つの手段にはなると思うんですけども、基本的に法律に従って、やはり物事を進めなければいけないので、緊急事態宣言が解除されると、特措法に基づく知事のさまざまな権限っていうものは、やはり消滅してしまうというふうに思うんですね。
先ほどもちょっと申し上げたんですが、たとえ、群馬県が解除が少し先に延びたと、緊急事態宣言の対象地域として、そのまま引き続きあったとしても、知事としての判断、例えば経済・社会活動再開に向けた措置を行うということについては、全く何の支障もありません。
要は、いざというときに、知事として権限を行使できる、そういう手段を、やはりもうちょっと持っていた方が、いいのではないかというふうに考えているということです。
(記者)
例えば、解除された後でも、そういうものがやっぱり必要というふうに知事のお考えではあるということですか。
(知事)
現時点では、解除された後っていうか、解除されたら法的にこうした手段は使えなくなるっていうことですよね。このほかに、特措法によらない知事の権限っていうのは、少なくとも、法律に基づいているので、それ以外に何か求めていくかっていうとですね、なかなか具体的には難しいと思います。
(記者)
中等症の患者さんの設置の件なんですけど、重点医療機関っていうのは現在の感染症指定医療機関の中から選ぶっていう形になるのか。要するに、病院自体を機能分けするという意味でとらえてもよろしいんでしょうか。重症と中等症と。
(知事)
その点は、武藤健康福祉部長の方からお願いします。
(健康福祉部長)
健康福祉部長の方から回答させていただきます。重点医療機関の関係ですね、中等症の方を主に見ていただくところということで考えておりますけれど、第2波等に向けて、しっかりと検討していきたいと思っておりまして、今の時点でこの病院だというふうなことを言えるような段階ではないです。
(記者)
今回のガイドラインについて、警戒度を移行する場合、客観的な数値等とともに主観的な要素も含めて検討するということだと思うんですけれども、この判断っていうのは誰がどういう形で行うんでしょうか。
(知事)
これは県として行いますので、最終的に判断するのは私です。
(記者)
それに逐一、例えば専門家とかそういう意見も聞いての判断ということになるのでしょうか。
(知事)
そうですね。状況にもよりますけど、おっしゃったとおり、専門的な見解もできれば聞きながら、我々は危機管理チームという他の都道府県にない組織を持っていますので、そういうところもいろいろ活用しながら、しっかりとさまざまな分析をして、総合的に判断すると。最終的には、知事である私が決断をするということです。
(記者)
これまでも、医療関係の専門家の方々からいろいろ意見を聞いて政策を進められたと思うんですけれども、今回、警戒度を一つ下げることによって、さまざまな業界への影響も非常に大きいと思います。医療の専門家の意見も当然、重要だと思うんですけれども、経済の関係であるとか、教育の関係、そういう専門家の意見というのは何か聞いて判断するようなことは考えていますか。
(知事)
専門家というか、おっしゃるのはとても大事なポイントだと思っていまして、やっぱり経済の実態がわかっている方々の意見とか、そういうことはやっぱり総合的によく勘案して、決めていきたいというふうに思っています。
例えば、先ほどちょっと申し上げたとおり、これから段階を下げていくみたいな時は、やはり事業者の方々に感染防止対策を徹底してもらうことが大事だというふうに申し上げました。これから、例えば業界ごとのガイドラインを作るということになれば、例えばいろんな経済団体の代表と会って、いろいろと相談をしたり、こういうガイドラインを作って欲しいという要望をしたりして進めていきますので、そういう段階でもいろんなご意見を聞けると思います。
ですから、専門的な医学的な見地からのアドバイスだけではなくて、おっしゃったとおり、さまざまな要素を総合的に勘案して決めていくことになると思います。
(記者)
行動基準の中で、県内のリスクの評価というのは具体的な数字で示されていると思うんですけれども、この東京都内の感染リスクっていうのは、どういうふうに判断するのか。ちょっとよくわからなかったのでお願いします。
(知事)
宇留賀副知事からお願いします。
(宇留賀副知事)
警戒度移行の判断基準で総合的な状況というところを少し見ていただければと思うんですけども、ここの中に群馬県の感染状況というところと並んで東京都の感染状況というところを書いております。概ね参考資料になりますけれども、東京都の実効再生産数が1未満であるというようなことを書かせていただいてます。その他、例えば東京都は警戒地域に当たっているので、いつ解除がされるかとか、また彼らの活動がどのぐらい戻ってくるかっていうところも、またこれから見る必要がありますけれども、東京都として、東京都民ないしは東京都内における経済活動について、どのような形で、彼らも戻していくのか、そういったところも含めて判断する必要があると思っています。
現時点で東京都として、どういう数値基準にしますよと、そういったところが書かれていないので、やはり東京都の方からも他県への往来というところを認めるような状況というのが一つのまた別の言い方で言うと参考になると思いますし、そういったところもこれからよく見ていく必要があると思います。
(記者)
今日現在の現状では、東京都内の感染リスクというのは、抑制されていないっていうふうな考え方なんでしょうか。
(知事)
感染者の数が、ずっと抑えられているというのは、もちろん、好ましいというか、だんだん収まってきてるっていうふうに判断される状況かもしれませんけども、これまだわからないですよね。例えばゴールデンウィーク中のさまざまな活動の影響というのは、2週間後に出てくるわけですから。
ですから、現段階でもちろん落ち着いてる状況にはあると思いますけども、感染が収束しているというふうには、我々は判断していません。
(記者)
今の話と関連するんですが、学校再開に関して、どれだけ早くても、先ほどの説明だと全面的に登校が初めて通常登校になるのは、6月の中旬以降だと思います。今の知事のお話でも、東京の状況というのが、まだわからないということで、この学校の再開が果たして本当にいつになるのかというのは非常に不安に思っている方がたくさんいらっしゃると思うんですけれども、知事が、そこまで学校の再開に対して慎重になる理由っていうのは、その辺り含めてお願いします。
(知事)
先ほども説明しましたけども、諸外国の例を見ても、学校の再開というのは、かなり日常生活が落ち着いた後で議論されているんです。
ですから、それをまず大きな傾向として、世界的にもそういう傾向だというのがあるのと、万が一、児童生徒に感染者が出た場合は、やはりさっき言ったように、医療体制もまだ脆弱なところがありますし、やはり親御さんとの関係等も考えると、影響がものすごく大きいということもあります。
それから、まだ症例は少ないんですけど、米国で新型コロナウイルスにはかかりにくいと言われていた赤ちゃんとか、子供たちが亡くなるケースも出てきていますから、そういうことを考えると、私は、授業を再開していくのも、もちろん予防対策も大事なんですが、学校の再開というのは基本的に、より慎重に行うべきだというふうに考えています。
何か宇留賀副知事から付け加えることはありますか。
(宇留賀副知事)
今回ですね、警戒度移行の行動基準というものを作成させていただきましたけれども、この作成にあたっては、県内の危機管理チームの専門家のご意見もいただきましたけれども、また世界中の基本的な知見というのをよくチェックをしながら作成をしています。
大きなベースになったのは、アメリカのCDCの方が、すでに再開に向けたガイドラインというのを出していますけれども、アメリカの方もやはり子ども向けというところは、なかなかその6月、7月になって再開するというよりは、経済活動が普通に戻ってきた段階で、ようやく学校を再開させるというふうに、非常に学校については慎重にしているというところがあります。
一方、学校を先に再開させているような国というのがあるんですけれども、どちらか言えば、そこは世界的には非常に数少ないところで、医療体制の状況とか、また各国によって状況も違ったりすると思うんですけれども、特に群馬県の状況ということを考えると、小児向けの医療は非常に弱いと。ただ、これまで(新型コロナウイルスには)かからないと思われていた子が、やっぱりかかるというふうに、世界的な評価で言うと、学校の再開は特に慎重にすべきというところがあるので、こういう全体のこの基準というところは、世界的な標準として考えると、整合的かなというふうに考えています。
(記者)
世界的な基準というのは、今の説明でわかるんですけれども、一方で子供が学校に行けないことによって起きる、授業を全部消化できるのかとか、家庭での問題等もあると思います。
その辺、今までの政策、子供の教育をサポートするという部分では、今後さらに追加して何か考えられていらっしゃるんでしょうか。
(知事)
これももし補足があれば、宇留賀副知事、教育長からも言ってもらいたいと思うんですけど、まず一つは、オンライン授業を充実させていくということがあると思います。
すでに、例えば地元のテレビでも放送するということも決まっていますし、これについての動画も作っていますので、これは中身を双方向にするとか、いろんな進化をさせていくっていうことがあると思います。
それと、あとは二人に補足してもらえばと思うんですけども、記者さん言ったように、確かに学校の休校が長くなって、いろんな影響が出てきていると思うんですね。心配されている方もいると思うんですが、そこはやっぱりよくバランスを考えないといけないので、やはり正確な情報を共有していくということが大事だというふうに思います。
なぜ、延びているのかっていうときは、きちっと、こういう会見等々も通じて、やっぱり県民の方々に正確な情報を伝えていくっていうことが大事だというふうに思っています。
宇留賀副知事、教育長、何か付け加えることはありますか。
(教育長)
教育長でございますけども、やはり、まず今の時点から考えますと、やはり子供の感染防止というのを中心にまず考えていくというところから始めないといけないというふうに思っておりまして、そういう意味では感染の状況によりますけども、分散登校で、例えば先ほど知事の方からもありましたけど、週2日とか3日とか、学校に登校できるような状況になれば、これはずっと休みが続いてる今の状況に比べますと、子どもたちへのいろんな支援も、子どもたちの様子も学校で先生方も把握ができますし、また、そうした中で、子供たちの様子に応じた、きめ細やかな対応が、今の状況よりは、ステップアップした形で対応ができるんではないかなというふうに考えておりまして、そうした段階を踏んでいきながら、最終的には通常の登校まで繋げられればというふうに今の時点では考えておるところでございます。
(記者)
先ほど、(記者会見前の)首席補佐官の説明で、このまま順調にいけば、このガイドラインの施行日は5月16日ですので、緊急事態宣言が解除されたら、警戒度3になるという説明でしたけれども、それは間違いないでしょうか。
(宇留賀副知事)
国の方で、5月14日にまた新たな見解が示されるということですけれども、現時点までの報道とか、そういった状況を見ると、今回の群馬県が考えているものっていうのは整合的かなと考えていまして、多少の修正というところは必要かもしれませんけれども、基本的には5月16日、国の方(の見解が示されて)から修正をしても、5月16日から間に合うように準備が整うかなというふうに思っております。
(記者)
その上でなんですけれども、警戒とかが緩むっていうことを山本知事が気になさってたわけですが、仮にですね、西村大臣への要望が認められた場合、16日からこのガイドラインを施行すると、指定対象区域のままだと警戒度4のが続くので、16日を越えてもですね、警戒度4のままでいくということになりますけれども、それでよろしいんでしょうか。
(宇留賀副知事)
こちらはですね、警戒度4、3、2、1というのは、緊急事態宣言が出ている状況に限らず、決めていくという形にしているので、緊急事態宣言が出ているから、イコール警戒度4ということではなくて、緊急事態宣言が出ている中でも、3、2というふうに進んでいくと、そういうふうにやっていきたいと思います。
(記者)
緊急事態宣言の対象区域であっても、数字がそろえば、4、3、2、1と下がっていくことがあるわけですね。
(宇留賀副知事)
そうです。
(知事)
先ほど、記者さんに申し上げたとおり、最大のポイントは、別に緊急事態宣言の対象地域であっても、今、言ったようにですね、経済、社会活動を緩和していく上の様々な措置をとるっていうことについては、知事には何の支障もないと。ここは、大変大事なポイントだと思います。
(記者)
今のお話に関連するんですけれども、緊急事態宣言の対象地域で14日以降もあり続けた場合というのは、法的権限を持った状態で行動基準に沿って段階を引き下げていくとか、あるいは、一部のところに再開をしないようにという要請をすることはできると思います。
仮に、そうじゃなくて解除されてしまった場合というのも、基本的には行動基準に沿って段階を下げていくということで、まずよろしいんでしょうか。
(知事)
そのとおりですね。
(記者)
その上でお聞きするんですけれども、その場合、例えば警戒度3になった時に、感染のリスクが高い誘客施設とかはですね、まだ休業要請を続けるという状況になると思うんですけれども、それは解除されてしまった場合というのは、法的権限がない状態での基本的な協力要請の状態になると思うんですけれども、その上で、それでも、警戒度3の効力を増すために、知事として何か考えていることはあるでしょうか。
(知事)
今おっしゃったように、緊急事態宣言の対象地域から外れたら、特措法に基づく要請とか、土地とか建物の収用ですか、これは、なかなかできなくなると思うんですけれども、法的権限には基づかない要請はできるので、これはもちろん必要があればやっていくし、その他、様々な手段で県民とか事業者に呼びかけていくということをやっていきたいと思います。ただ、法律に基づいた権限というものは、それは行使できなくなるということだと思います。
(記者)
法律に基づいたものが行使できなくなった場合に、それでも実効性をある程度担保するために、今、様々な取り組みをというふうにおっしゃったんですけれども、例えば、何か考えてらっしゃることとかは、今ありますか。
(知事)
それはなかなか難しいところなんですけれども、いろんなやり方で、働きかけていくということができますので、知事として様々なメッセージを出し、様々な働きかけをしていくと。そのための知恵を絞っていくということができると思います。
(記者)
学校の再開の関係で、今回ですね、再開に向けたところで、例えば学習塾とか、私の塾に関しては、学校よりも警戒度がゆるいと思うんですけれども、そうしますと、やはり懸念されています教育格差とかに対してどのようにお考えでしょうか。
(知事)
そこら辺は教育長からいいですか。
(教育長)
やはり、我々といたしましても、学校での教育をしっかりさせていただくということでですね、子どもたちの学力の保障というのをまず第1に考えていく必要があるというふうに思っておりますので、確かに塾に行けたり、行けなかったりというところで、そういう意味では、実際に格差というのが懸念されるんですけども、そういったものに限らず学校の中できちっとした学びが、休み中であっても、オンラインですとか、あるいは様々な形でですね、しっかり子どもたちに学んでもらえるような取り組みを今しているつもりではありますけれども、さらに、その辺は充実をさせていく取り組みが必要なのかなというふうに思っておりますので、結果的に子どもたちに格差が生じないような努力を我々は本当にしていかなければいけないなというふうに思っております。
(記者)
先ほどのご説明の中でも経済よりも何よりも学校が最後だというお話だったんですけれども、一方でですね、企業なり、働く場が再開すれば、保護者としては働かざるを得ないという、勤務になると、そもそも子どもの留守番であったり、その子どもの居場所という部分がいろいろ問題が出てきていると思うのですが、その辺りはどのように対応されるんでしょうか。
(教育長)
これも学校の休業が始まったときから、実際に大きな問題だということで指摘をされておりますし、そうした中で、子どもの居場所の確保というのは、やはり非常に大切な視点だというふうに思っております。これ、学校だけではなく、放課後児童クラブですとか、障害を持ったお子さんであれば放課後等デイサービスとかっていうような、そうした皆さん方のご協力もいただかないと、なかなか子どもたちの居場所の確保っていうのはできませんけれども、それをしっかりと、さらにいろんな関係部局と連携して進めていくと、このことに尽きるというふうに思っておりますので、やはり、そうした働いている保護者の方のご心配、負担を少しでも減らせるような対応をですね、関係のところと、教育委員会等も含めましてですね、しっかり連携しながら努めてまいりたいと考えております。
(教育長)
これも学校の休業が始まったときから、実際に大きな問題だということで指摘をされておりますし、そうした中で、子どもの居場所の確保というのは、やはり非常に大切な視点だというふうに思っております。これ、学校だけではなく、放課後児童クラブですとか、障害を持ったお子さんであれば放課後等デイサービスとかっていうような、そうした皆さん方のご協力もいただかないと、なかなか子どもたちの居場所の確保っていうのはできませんけれども、それをしっかりと、さらにいろんな関係部局と連携して進めていくと、このことに尽きるというふうに思っておりますので、やはり、そうした働いている保護者の方のご心配、負担を少しでも減らせるような対応をですね、関係のところと、教育委員会等も含めましてですね、しっかり連携しながら努めてまいりたいと考えております。
(宇留賀副知事)
追加で申し上げるとですね、今、教育長から申し上げたように、学童クラブをどうするかとか、そういった少し親御さまをサポートするような枠組みっていうところも大事なんですけれども、より重要だと思うのが、新しい生活様式を作るというところは、どうしても我々は飲食店で3密を避けようというところが頭に入ってしまうんですけれども、そういった業態だけではなく、例えばテレワークというのを、しっかりしていこうとか、時差出勤をしっかりしていこうとか、すべての事業所において、そういう新しい生活様式に基づいた働き方、そういったものを作っていただくことで、お子さんがいらっしゃる親御さんはできるだけ子どものケアもできる。その上で、仕事の両立ができる。そういったような新しい働き方を追求していくと、そういったことが今回の新しい生活様式というところで求めていますし、業界団体ごとのガイドラインというのがありますけれども、まさにそういうテレワークというのをどういうふうに業務の方に入れていくかとか、フレックスも含めてどういうふうに柔軟な働きができるか、そういったところを追求していくというところがポイントになると思います。
全国的なLINEの調査で、群馬県のテレワーク率が非常に低いということが出ていましたけれど、やはりそういったところも見直していって、できるだけ子どもですとか、介護でケアしてる方もいらっしゃるかもしれません。いろんな状況に応じた働き方が可能になるように見直していく。それが新しい生活様式というところで、必要になる点だと思います。
(知事)
記者さんのおっしゃったことは、とても大事なポイントだと思ってまして、さっき他の記者さんからもあったんですけれど、休校措置が延びれば延びるほどやっぱりいろんな問題が起こるんですよね。
でも、ここは子どもの命を守る、学校での感染を防ぐっていうことのバランスしかないと思うんですね。
ただ、今、いろいろと少し例を挙げていただきましたけれども、いろいろ個別の問題については、よく我々もフォローして、できるだけ柔軟に対応できるようにしていきたいと思います。
例えば、記者さんが何度かおっしゃっている、コロナ危機がはじまってからのDV、EUの報告書を見たら、すごく増えてますから、群馬県の場合、DVが増えてるっていう、具体的なデータは上がってきてないんですけれど、こういうのも、よく県警と連絡をとりながら、ウォッチしていきたいと思います。
(記者)
先ほどのLINEの調査というのが興味深いなと思ったんですけれども、ただ、揚げ足を取るようで申し訳ないんですけれども、実際、子供がいてテレワークするってなると、かなり生産性が下がると思うんです。やっぱり特に小さい子とかいると、なかなか親の仕事等が理解できなくて邪魔したりとかっていうのもあるので、ちょっとなかなかその辺は、バランスなんですけれども、テレワークができれば解決というふうにはいかないのかなと、個人的には思っております。
もう1点、学校の基準のところで、特に市町村に関してなんですけれども、市町村の子どもたちって、そんなに自ら例えば他府県に東京とか埼玉とかに行くこともないと思うので、基本的に今、休校中で出歩く機会もない中で、市町村学校についても県立と同一歩調をとるということについても、ちょっと説明をいただけますでしょうか。
(知事)
教育長から詳しくお願いいたします。
(記者)
やはり今回、子供たちの感染をとにかくしっかり防いでいこうというところから始まった学校の休業措置だというふうに考えております。
そうした中で、やはり、いろんなことの中から子どもたちの感染のリスクというのが考えられるということで、まずはしっかり県全体でですね、取り組んでいこうということで、市町村の教育委員会の方とも、連携を取らせていただきながら、現在の措置が続いてるというふうに思っております。
やはり学校再開についてもですね、先ほど申し上げましたように、子どもたちへの感染をまず防ぐにはどうしたらいいかというところから、スタートはそこから始める必要があるというふうに思っておりますので、まず段階的に進めていくというところはですね、市町村のみなさまにも、かなり理解をしていただけるのではないかなというふうに思っております。
ただ、やはり最終的に、ずっと最後まで同じような対応になるかというのは、それはやはり今、すでに南牧村さんでは、子どもたちの、児童生徒の数ですとか、あるいは、学校での感染リスク、また防止対策等も踏まえてですね、市町村の皆さんでご判断いただくところというのは、当然あるかと思いますけれども、ただ、やはり、現時点からどう学校を再開していくのかっていう点については、やはり基本的に子供たちのリスクをどう群馬県を挙げて防いでいくかというところから、ちょっと考えさせていただければというふうに思っております。
(知事)
記者がおっしゃったように、地域によって結構状況違うと思うんですよね。高崎市と南牧村、違うし、利根郡とか、吾妻郡とやっぱり都市部ってちょっと違うと思うんですね。
ただ、先般、5月末まで休校措置を延長したときは、県の方では要望しましたけれども、何度も言うように最後の判断は市町村長だったので、例えば違う判断をしても批判したこともないですし、ただ、それはやはり一律にやったほうがいいと思ったので、一応、要望したと。それを各市町村長のご判断で足並みをそろえていただいたと。これ、結果として私はよかったと思うんですね。特に学校についてはですね、市町村長の中でも、できるだけ県が指針を出して欲しいっていう人たちもいるんです。なかなか難しいので、ここが先にあって、ここが後になるみたいじゃなくて、もうちょっと県として足並みを揃えるようなことをやって欲しいという首長もいるっていうことです。
ただ、最終的にさっき教育長が言ったように、状況も違いますから、未来永劫県と足並みを揃えてくれって言うつもりはないんですけれど、ここまで、休校についても、結果として足並みが揃ったので、やはりこれから再開についても我々は慎重にしたいと思っているので、どっかが急にバーンッて開けちゃうみたいなことよりは、県の基準に沿ってやっていただいた方がありがたいなというふうに思いますので、そこは知事として求めていきたいと思います。
ただ、何度も言いますが、最終的な判断は市町村長にあるというふうに思っています。
(記者)
最後、1点なんですけれども、知事のブログに関してですけれども、藤和の苑に関して数日前に割と厳しめの言葉を書いてらっしゃるというふうに受けとめたんですけれども、なんて言うんですかね、逆にああいう感染した人たちを非難するような発言をされてしまうと、かえって感染者の差別というか偏見に繋がるのではないかというふうに、懸念されたんですけれども、どのような意図でブログをお書きになったんでしょうか。
(知事)
ありがとうございます。いい質問していただいて。
まずですね、藤和の苑で働いていらっしゃる職員の皆さんは、やはりリスクのある中で頑張っていただいてるので、大変感謝をしていますし、とても敬意を表しているっていうことなんですね。
ただ、私が申し上げたのは、藤和の苑サイドの経営者の姿勢について、ちょっと申し訳ないですれけど、一言言わせていただいたのは、通常、こういうことがあるとですね、やはり施設の側が1番状況もわかっているので、こういう時に普通は、きちっと例えば原因とか、対策みたいなものを外に発信する方がいいのではないかと。その方が、例えば伊勢崎市民の皆さんも安心するんじゃないかと。実際、伊勢崎市民の皆さんから直接いろんな問い合わせがあったんです。ちょっと情報が出てこないと。だから、それについて一言、言わせていただいて、いつも記者さんに叱られるんですけど、感情的なんで知事は。少し厳しいことも言っちゃったんですけれど、要は、あそこで勤めていただいてる皆さんは、本当に頑張っていただいてると思うんですけれど、やはり経営サイドとしてのやっぱり責任っていうのは、もうちょっと果たしていただくべきじゃないかと思うし、それは県として、もちろんいろんな検証はしたいと思いますけれども、やはり行政と施設が協力して、もっと説明をしていくっていうことがいいんじゃないかと。
やはりあらゆる問題で県と市町村も含めてですね、やはり県民一人一人の皆さんと協力していかなければいけないという意味でですね、少し言及させていただいたということです。
(記者)
施設側、経営者の側と直接、知事なり県としてやりとりをされたのでしょうか。そういう手順を踏んだ上でのブログなのか、それとも突然あのような形になったんでしょうか。
(知事)
それは、もちろん担当部といろんな協議っていうものはしてると思います。ただ、その中で、いろいろご報告を受ける中で、私の私見を述べたということなので、毎回申し上げているとおり、中身は私が全部書いてますので、いろんなご批判もあるかと思いますが、それも全部受けとめたいと思います。
ただ、やはりこの時点で、ああいう発信をするっていうことは、やっぱり必要だと自分で思ったので書かせていただきました。でも、よかったと思うんですけれど、あそこで働いてる方々については大変感謝を申し上げなければいけないというふうに思っています。
それでは、最後にまた県民の皆さんに重ねてお願いを申し上げたいと思います。
14日に政府の方針が出るということなんですけれども、先ほど会見でも申し上げたとおり、群馬県としては、やはり緊急事態宣言の解除というものはですね、もう少し先に延ばしていただけないかということを、西村大臣にお願いをしたいというふうに思っています。
それは今日も申し上げたとおり、少し中長期的なことを考えると、第2波、第3波も来るということで、できるだけ解除のプロセスというものをこれから丁寧に踏んでいきたいと思いますが、できるだけ、やはり感染が再発するリスクを抑えながらやりたいという気持ちですので、そこはですね、ぜひ県民の皆さまにもご理解をいただきたいというふうに思います。
なお、休業要請に伴う様々な支援措置については、前回の会見でも申し上げましたが、国からも、さらなる様々な対策が出てきますので、それを踏まえて、我々としても引き続きできる限りのことをやらせていただきたいと思っていることについても、お伝えをしていきたいというふうに思います。
(以上で終了)
文章中の()内については、秘書課において加筆したものです。