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令和元年12月27日記者会見動画(You Tube)<外部リンク>
それでは通算で24回目(定例及び臨時会見)になるでしょうか、知事の記者会見を始めさせていただきたいと思います。
今日の冒頭発言も含めるとですね、5カ月間で83項目について、ここでご報告をしたということになります。
今日、最初に申し上げたいのは、「ぐんま5つのゼロ宣言」に関してのお話です。
先日12月25日に災害に強く持続可能な社会を構築すると同時に、県民の幸福度を向上させるため、「ぐんま5つのゼロ宣言」、2050宣言というのをやらせていただきました。
おとといですか、環境省に行って小泉大臣ともいろいろとお話をさせていただきました。(モニターの写真を指して)これは、群馬県を指しているんですけれども、近年、気候変動の影響によると考えられる日本の気象災害が激甚化、頻発化しているということで、毎年のように経験したことのないような大型の台風とか、豪雨に見舞われるようになったと。こうした自然災害のレベルが新たな段階に入ったということで、気象災害の深刻な脅威に備えなければならないと、こういう認識を群馬県としても持っております。
そこで群馬県は、小泉大臣が就任以来、ずっと進めてこられた2050年までに二酸化炭素、温暖化ガス排出実質ゼロを目指す、この宣言をする自治体を小泉環境大臣がいろいろと努力をしながら増やしてきたということで、少し前までは、私の記憶では4つぐらいしかなかったのが、今回、群馬県で30自治体目ということになったんですけれども、群馬県もそういう決断をしたということを小泉大臣に報告をしてまいりました。
群馬県としては、自然災害によるリスクを抑え、安心・安全な暮らしと安定した経済活動が可能な社会を実現するために、ソフト・ハードの両面から防災・減災対策の取り組みを徹底していきたいと思います。それによって、災害時のレジリエンスを強化したいと思います。
小泉大臣とのいろいろな議論の中でも出たんですが、2050年の温暖化ガス「ゼロ」、もちろん宣言した自治体も29あったと。さらには、その温暖化ガス「ゼロ」と、例えばプラスチックゴミ「ゼロ」と、こういうのを一緒に発表したところもあったと。しかしながら、群馬のように、5つのゼロ宣言、これだけ総合的、複合的な観点から宣言を出した県はないと。ぜひ、横展開をしていただきたいということで、大変注目をしているという言葉もいただきました。
5つの宣言についてはですね、1つは自然災害による死者「ゼロ」というのを目指したいと思います。もともと群馬県は、土砂災害、水害が少なくて、実は、この10年ぐらいの死者の数、亡くなった方の数もおそらく全国最低レベルだというふうに思いますが、ソフト・ハードの両面から、災害に強い県土づくりを進めて、これを「ゼロ」に持っていこうということです。
2つ目の宣言はですね、温暖化ガス排出量「ゼロ」ということで、これも小泉大臣に会った時に強調させていただきましたが、群馬県は森林面積も関東で一番ですし、非常に水が豊富であると。水力発電の数も確か全国1位、売電量も全国1位、発電規模も全国2位だったでしょうか。なおかつ、皆さんご存知だと思いますが、日照時間が確か全国4位だったでしょうか、非常に長いということで、再生可能エネルギーに実は非常に大きな可能性を持っているということで、こういうこともしっかりと生かしながら、温暖化ガス「ゼロ」を目指していきたいと。
同時に、3つ目の「ゼロ」ですけれども、災害時の停電「ゼロ」ということで、停電については、千葉県の例を見ても大変、被害を長引かせるということもありますので、しっかりと目指していきたいと。これについても先ほど申し上げましたが、水力、太陽光、バイオマス、こうしたことが大変盛んですから、これもしっかり利用した上で、自立・分散型のエネルギー構造というものをしっかり作っていくと。災害の時でも電力を供給し続けられるような体制を作っていきたいというふうに思います。
それから4つ目のプラスチックゴミ「ゼロ」ですけれども、これは一言で言うと地球規模の問題ではありますが、群馬県でも大きな問題になっているということでですね。プラスチックから違う素材への代替を促進していくとか、あるいは使い捨て製品の使用を制限していくとか、こういう方法、取り組みを進めていきたいというふうに思います。
そして5つ目が食品ロス「ゼロ」ということで、これも全国的に大きな問題になっておりますけれども、フードバンクの取り組みとか、子ども食堂に対する支援をしっかりやったり、あるいは「もったいない運動」をもう少しちゃんと展開をしてですね、例えば宴会場でなるべく食べきっていただくとか、お持ち帰りをしていただくとか、こういうことも、しっかりと県として呼びかけていきたいというふうに思います。
小泉大臣との会談中に小泉大臣の方から、福島県のお持ち帰りの取り組みを紹介してもらいました。福島県は、結構スタイリッシュなドギーバッグみたいなのを作ってですね、これでぜひ持ち帰ってほしいということをやっているとご紹介いただきましたので、これはぜひ群馬でもやらせていただきたいと思っていまして、さらに、この福島の先進事例等々も踏まえて、群馬県独自の取り組みを展開をしていきたいというふうに思っております。ゼロ宣言については以上です。
続けて、「群馬・気象災害非常事態宣言」について、ご説明したいと思います。
これは5つのゼロ宣言にも直接関連しているわけですが、先ほど申し上げたとおり、日本の気象災害のレベルというものは明らかに、一段二段レベルアップしているということで、群馬県でもですね、この会見でも何度も皆さんにご報告いたしましたが、台風19号で大変甚大な被害がありました。尊い命も失われたということなんですけれども、かけがえのない県民の生命、財産が失われたということなんですが、我々は、このレベル、この規模の災害が毎年起こってもおかしくないと。そういう前提に立たなければいけないというふうに考えております。皆さんにお配りした非常事態宣言の中にあるんですけれれども、こうした事態を受けて気象災害の新たな脅威に対応するため、群馬・気象災害非常事態というものを宣言させていただきたいと思います。
そこ(配付資料)にも書きましたが、群馬県は災害が少ないという特徴があります。さらには、先ほど申し上げたとおり、再生可能エネルギーを活用しやすいという状況もあります。自然条件にも恵まれていると、こうした群馬県の強みも生かして、今回、非常事態宣言をさせていただくわけですが、災害に強く、持続可能な群馬県を構築するため、ハード・ソフト両面の防災・減災対策というものを強力かつ集中的に推進していきたいというふうに思っています。
具体的には、「ぐんまNO.1レジリエンス強化実現計画」というものを策定させていただいて、県土強靱化を進めていきたいと思います。同時に、「自らの命は自らが守る」という県民の防災意識も醸成をしてまいりたいというふうに思います。
気象災害非常事態宣言、これはもちろん都道府県で初めて、さらにはこれも都道府県で初めての「5つのゼロ宣言」、こうしたことを契機にして、災害レジリエンスNO.1の群馬県を目指してまいりたいと思います。安心・安全で、かつ安定した経済活動ができる群馬県の実現。これが、実は群馬のブランドを引き上げる大きな鍵だというふうに思っておりますし、企業誘致等々も含めた群馬県の経済活動を活性化することにもつながるというふうに考えています。
続けて、これに関連して県土整備プランの見直しについて、ご説明をさせていただきたいと思います。
先ほど申し上げましたが、水害等の気象災害が激甚化しているということで県民の命と暮らしを守ることが急務だというふうに考えております。ハードとソフトが一体となった防災・減災対策というものを加速させたいと。こういう思いから県土整備プランを見直させていただくことを決断いたしました。
特に令和2年度からの5カ年。先ほど、非常事態宣言もやっていますので、令和2年度からの5カ年は、「ぐんまNO.1レジリエンス強化実現計画」として、集中的、緊急的に防災・減災対策を実施したいと。それによって、「全国で最も災害リスクが低く、安心な暮らしと安定した経済活動が可能な群馬県の実現」というものを目指してまいりたいというふうに思います。
見直しの中身は、ここ(モニター)にありますが、主な取り組み、ハードについては、社会経済の壊滅的な被害を回避するために、河川計画規模を検証したいと思います。同時に、調整池や川の拡幅、あるいは、ダムの再編とかありますが、地域の実情に応じた治水対策を重点的に推進をしてまいりたいと思います。
さらにソフト対策については、市町村としっかり連携をして、住民が自から逃げる。こういう主体的な行動がとれるように、河川の水位情報とかライブカメラの映像配信等、わかりやすい防災情報の拡充を目指してまいりたいというふうに思っております。
今後のスケジュールを皆さんにお配りしてますけれども、新・総合計画の策定を来年の10月に予定しておりますので、そこに合わせて、県土整備プランを丁寧に見直してまいりたいというふうに思っています。
これは県土整備分野の最上位計画ですから、この過程の中で、さまざまな県民の意見を反映させられるような、丁寧な議論を重ねて、策定に向けて取り組んでまいりたいというふうに考えております。
次にご報告を申し上げたいのは、この記者会見でも何度か言及をさせていただきました内部統制に関する弁護士についてです。
11月26日の記者会見で、「内部統制の群馬モデルとして専門の弁護士を置く」と、ここではっきり明言をさせていただきましたが、弁護士が決まりましたので、発表させていただきたいと思います。
まず内部統制というのは、地方公共団体の長が組織を取り巻くリスクに対応策を講じておくことで、適正な業務執行を確保することです。これが内部統制の定義になります。
本県では、内部統制に詳しい弁護士を置いて内部統制の実効性を高めてまいりたいと思います。
具体的な役割について言うとですね、内部統制の整備、運用に関する助言。それから働きかけに係わる職員からの相談対応。不祥事に関する情報収集・分析。この3つの役割ということになります。
弁護士は4名ということでですね、まず東京都にある山田・尾崎(正しくは、たつさき)法律事務所の山田秀雄(やまだひでお)弁護士、それから同じく山田・尾崎法律事務所の厚井久弥(こういひさや)弁護士、そして地元でも2人お願いできることになりまして、桐生市にある久保田法律事務所の久保田寿栄(くぼたとししげ)弁護士、同じく久保田法律事務所の内田光人(うちだみつひと)弁護士、この4人の方に、ご了解、ご承諾をいただきました。
4名の人選の理由について、ご説明させていただきたいと思いますが、まず山田弁護士ですけれども、現在、東京都港区で活動を行っておられます。これまで日本弁護士連合会の副会長や第二東京弁護士会の会長も歴任をしておられまして、経験、実績とも申し分のない方です。また、リスクマネジメントの第一人者として活躍をされておられるということで、本県の内部統制の弁護士としては適任であると判断をさせていただきました。
山田弁護士にはですね、内部統制全体の監督、厚井弁護士や久保田弁護士、内田弁護士に対するサポートを行っていただきたいというふうに考えております。
次に、厚井弁護士、久保田弁護士、内田弁護士ですが、内部統制には相談事案に迅速に対応できる体制に加えて、県外で発生した不祥事の情報収集・分析も不可欠だというふうに思っております。そのため、群馬県の弁護士と県外の、今回東京都ですが、弁護士が連携して取り組むことがより効果的であるというふうに考えています。
厚井弁護士は、山田・尾崎法律事務所に所属しており、月1回程度、月ごとの振り返りや特に群馬県外で発生した不祥事の事例の収集・分析を行っていただこうと考えています。久保田弁護士と内田弁護士は桐生市の久保田法律事務所に所属をしておられますが、週1回程度、月4回日常的な相談相手として業務に従事をしていただく予定です。
いずれも山田弁護士の推薦もあり、適任と判断をさせていただきました。
実施にあたっての条件ですが、4人のうちいずれか1人の弁護士が、月5回、1回あたり2時間実施で業務をやっていただくということで、場所は群馬県庁と、これが基本です。
契約は山田・尾崎法律事務所と業務委託契約を締結し、実施をさせていただきたいと思います。業務の開始は令和2年1月からを予定しています。契約の中身ですけれども、4名の方にしっかりとした体制を組んでいただくということで、月額25万円。全体で月額25万円ということで、年度ごとの契約にさせていただこうというふうに思っております。
次にですね、日米貿易協定に伴う県内の農畜産物への影響試算についてもお話をさせていただきたいと思います。
皆さんご存知のとおり、農林水産省はですね、日米貿易協定が1月に発効することに伴って、農畜産物の国内生産額が年間で600億から1,100億円減少するという試算を発表をいたしました。本県においても、国の試算方法に準じて影響額を算出したところ、年間で15.9億から30.7億円減少する試算となりました。これは平成29年の県農業産出額2,550億円の約0.6%から1.2%に当たります。
最も減少額が大きいのは、牛肉の7億から14.1億円、次いで豚肉の6.1億円から12.1億円、本県の主要産品である畜産への影響は大きいという結果になっています。
また、日米貿易協定およびTPP11(イレブン)による本県農業への影響を試算したところ、県農業産出額の約1.0%から2.0%に当たる26億円から49.9億円の減少額となりました。
国に対しては、12月5日に改定された「総合的なTPP等関連政策大綱」に基づいて、農業の生産基盤強化を中心とした万全の対策を講じていただくように改めてお願いをしたいと考えています。
県としては、影響が懸念される畜産分野をはじめとする、生産現場の不安を払拭して、意欲ある農業者が将来展望を持って安心して経営に取り組めるよう、国の対策を活用するとともに、必要な施策もしっかりと実施してまいりたいと考えています。
続けてCSFワクチンの接種状況について、最新状況をご報告します。
ワクチン接種につきましては、これまで19市町村で接種が完了いたしました。現在は前橋市、渋川市、桐生市、みどり市、東吾妻町で接種を行っています。本日27日の時点で、207農場、約34万頭に接種が終了する見込みです。
引き続き県内全域での迅速なワクチン接種に努めてまいりたいと思います。
県内の飼養豚、63万頭ですか。これは年末ぐらいまでにっていうことなんでしょうか。どんな見込みですか。
(畜産課長)
最終的に全頭接種となるのが、2月末まで。
(知事)
それは36(正しくは63)万頭というか、1回目のワクチンはですね。
(畜産課長)
そうです。1回目のワクチン。
(知事)
第1回目のワクチンは、一応このペースでいくと来年の2月末までに。
(畜産課長)
確実に終わる。
(知事)
ということです。依然としてCSFに感染したイノシシは確認をされ続けておりまして、もう何度もここで申し上げているとおり、ワクチン接種した農場もですね、感染の危機が去ったわけではありません。引き続き県としても、消毒の徹底と飼養衛生管理基準の遵守をお願いしていきたいというふうに考えております。
同時に、侵入防止柵の早期設置についても、引き続き働きかけていきたいと思います。
次に、中曽根康弘元内閣総理大臣の群馬県民・高崎市民合同葬についてご報告をいたします。
平成23年に偉大な功績に対して、名誉県民の称号をお贈りした、中曽根康弘元総理が、11月29日に逝去されました。
県民葬を検討してまいりましたが、今般、名誉県民であり、高崎市の名誉市民である中曽根元首相のご功績をたたえ、群馬県民・高崎市民合同葬として、来年4月15日の水曜日に高崎アリーナで執り行うことを決定いたしました。
これまで、県は県民葬、高崎市は市民葬を行いたいとご遺族にお伝えをしていたところですが、ご遺族から合同でというご意向が示されたので、合同葬とさせていただきます。
元内閣総理大臣の県民葬は、平成7年の福田赳夫元総理と平成12年の小渕恵三元総理に行っております。県民葬と市民葬を合同で行うのは、今回が初めてということになります。
当日の開式時間とか内容・詳細は、ご遺族のご意向を伺いながら決定をし、発表させていただきたいと考えております。
最後に今日が今年最後の記者会見ということなので、知事就任からこれまでを振り返っての所感を簡単に述べたいと思います。
報道各社の皆さまには県政情報をいち早く県民の皆さんに発信をしていただきまして、感謝を申し上げたいと思います。毎回の記者会見に大勢の記者の皆さん、ペンとカメラに来ていただいたているということは、大変ありがたいというふうに考えています。
知事に就任して5カ月が経過をいたしました。これも一言で言うと、怒涛のような日々でした。就任早々にCSF問題が深刻化し、さらには台風19号の災害もありました。毎日が決断と実行の連続であって、この中で、やはり知事という、県のリーダーとしての役割の責任の重さ、これも大変痛感をいたしました。同時に、私は群馬県で生まれ育った人間ですから、やはり人生の終盤っていうとまだ言い過ぎかもしれないんで、後半ぐらいにさせていただきたいと思いますが、後半でですね、こうして群馬県に戻ってきて、先頭に立って生まれ育ったふるさとのために働けるということは、本当に政治家として大きな喜びだというふうに思っていまして、61年生きてきましたが、やはりこの5カ月を振り返ってみるとですね、これだけ激務でありますが、これだけ充実した日々を過ごしたことはないと思います。
これほどやりがいがある仕事はないと、知事選に出る前からそういうふうに政策集で言っていたんですが、そのことを改めて強く感じています。最も嬉しかったのは、私にとっては最大のリソースであり、同志である県庁職員の皆さんが、今日は幹部の方々もおられますけれども、知事の理念・政策を実現するために本当に懸命に頑張ってくれたと。この5カ月間、これは本当に嬉しく思っています。皆さんにもお配りした「全力疾走366プラン」というのがあってですね、2カ月たったら1年間の計画を作ろうというふうに思っていたんですけども、各部局でこれだけの、実はプロジェクトが動いているということなんですけれども、まず、会見でも言いましたが、これを作れたっていうことが、実はこの中にこの5カ月間のすべてが凝縮されていると。各部局としっかりと議論を重ね、詰めた上で、こういう日程をしっかりと落とし込めたと。これがすべてを語ってるんじゃないかと思います。
そして後ろの方に、「群馬県は走り続ける」という知事のメッセージを載せておりますが、この中に「同志である県職員と力を合わせて」という一文が入っていまして、ここに私の思いを込めさせていただきました。
来年もまたいろいろなことがあると思います。内外に難問が山積しておりますけれども、県庁の職員の皆さんと力を合わせて一つ一つ乗り切ってまいりたいと思います。
ここに(手持ちの資料に)、いろいろ今までやったことが書いてあるんですけども、これ1時間ぐらいかかっちゃうし、もう皆さんよくご存知だと思うので全部省略させていただきたいと思いますが、この5カ月間で県庁は音を立てて動き出したと、この5カ月間で県庁は相当変わったと、私は知事としてそんなふうに感じています。
最後に申し上げると、こうして記者会見、毎週やってきました。緊急記者会見も含めるとですね、今日が24回目ということなんですけれども、この記者会見という空間で記者の皆さんと対峙すると、ペンとカメラの前で話をすると、皆さんの背後には県民がいて国民がいると、こういう認識ですので、これは私なりに真剣勝負でずっとやってまいりました。もともとメディアの役割は行政をチェックすることなんで、そこには常に緊張関係があります。毎週会見するのは結構大変なんですけれども、しかしながら、私にとっては、やはり知事としての緊張感を保つためには、非常にある意味で言うと、こうして皆さんと1週間に1回対峙することは、いいことだというふうに思っていまして、やはり1週間に1回、緊張感を持って、こうやってやりとりをする場面がないといけないというふうに思っています。
これからもしっかりと、皆さんのペンとカメラの後ろに県民、国民がいるということを意識しつつ、情報発信をしていきたいと思いますが、皆さんの方も正確な報道をぜひとも心がけていただきたいなというふうに思います。
この記者会見、すごく視聴率が上がっています。私の仲間が経済界、財界、政界、ずいぶん見るようになってきました。そういう意味でも来年もっともっとこの記者会見の視聴率が上がると。やはり記者の皆さんとのやりとりっていうのは1つのダイナミズムだと思っているので、もっと視聴率が上がればいいなと思っていますし、そういう意味で言うとお互いに緊張感を持ってこの空間に臨めるということをですね、これからも前向きにとらえていきたいというふうに思います。
ちょっと長くなって申し訳ありません。今日は庁議でもですね、もう相当長く、演説をぶちかましてしまいました。今年最後の記者会見ということですが、何か皆さんの方からご質問があればお受けしたいと思います。
(記者)
(群馬・)気象災害非常事態宣言についてお聞きします。先日、富岡市の内匠地区の土砂崩れの関連で、災害検証委員会の初会合がありましたけれども、このプランの見直しっていうのはですね、地域の防災計画ですとか、土砂災害警戒区域の見直しっていうのも含まれているのでしょうか。
(知事)
県土整備プランの見直しの具体的な中身については、これからもちろんその県の総合計画もありますし、県土整備部のいろいろな上位計画等々もあるので、この中で議論していくことになると思いますから、そういう中で各市町村の取り組みとか、そういうものとどう整合性をとっていくのかとかいうこともしっかりと分析をしていきたいというふうに思っています。
(記者)
台風関連でもう1つお願いしたいんですけれども、昨日、群馬県の方でも「ふっこう割」の申し込みが始まりましたけれども、嬬恋の方はですね、まだ道路が開通してないところもありまして、観光地にちょっと影響が出ているところっていうのもあると思うんですが、県内の観光地への支援という面で、今後考えていかれるところを改めて教えてください。
(知事)
1つは今お話もありましたけれども、国の方のいろいろな支援策があるので、これを使って観光方面にもいろいろとできる支援をやっていきたいというふうに思っています。
それとあと確か最新の観光について言うと、確か情報があったと思うんですけどれも、12月から1月にかけていうとですね、特に主要な温泉地においては、かなりお客さんの出足が好調だというふうに伺っております。
そういうことも踏まえた上で、県として何ができるかっていうことをしっかり考えていきたいと思います。
(記者)
最後に来年の4月にGメッセ群馬が開業すると思うんですけれども、知事が就任直後はですね、活用に関してはいろいろ知恵が必要だっていうふうにおっしゃっていましたが、現時点でこの施設の活用策について、また改めてちょっとお考えを伺えますでしょうか。
(知事)
Gメッセ(群馬)に対する基本的な考えは変わっておりません。Gメッセ(群馬)をめぐる状況はなかなか厳しいものがあると思っています。もともと私が決めた計画ではありませんし、私だったら、Gメッセ(群馬)というものを考えたかどうかもわかりません。
ただ、何度も申し上げているとおり、コンベンション関係の方々はですね、この間ものすごい涙ぐましい努力をし、勉強を重ね、いろいろな視察もしてですね、その中でやっぱりGメッセ(群馬)を盛り上げようとしていると。その気持ちに知事として打たれたっていうところもありますし、280億円の予算を組んでやる大型プロジェクトをですね、途中で止めるわけにはいかない。4月にできますんで。それならば、ここは気持ちを切り替えて、知事として前面に立ってトップセールスをしようと決断したと。この認識は変わってません。やはりですね、Gメッセ(群馬)を計画した時と違うのは、同じようなライバル施設があちこちに登場しているっていうこともあるし、あるいはコンベンションホールとして設計されているので、平らですよね。だから、例えばライブをやるにしても、なかなかいろいろと解決しなければいけない課題があったりとか、そういう状況はあると思います。
ただ、この間、建設現場を見に行った時に、いろいろな間仕切りをしながら、思ったよりもフレキシブルに使える、機動的に使えるっていう面もありますので、もう1回言いますが、もうやると決めたからには、もう全力を尽くしてやりたいと思うんで、よく指定管理者とも協力しながら、ありとあらゆることをやると。国際会議からイベントから含めて、ありとあらゆることをやってですね、このGメッセ(群馬)を何とか成功させられるように頑張っていきたいというふうに思います。
(記者)
来年4月から群馬DC(デスティネーションキャンペーン)が始まります。改めて、ご意気込みというか伺いたいと思います。
(知事)
そうですね、デスティネーションはJRとしっかり連携して進めるプロジェクトで非常に大事だというふうに思っています。
我々も手を挙げて予算を出したからには、もちろんJRが決めた枠組みはあるんですけれども、その中でもやはり群馬県として、こういうことをやりたいと、こういうことはですね、もっと積極的にいろいろこちらからも注文をつけさせていただこうということにしています。
これからいろいろポスターが決まったりですね、いろいろな具体的なプロジェクトが出てくると思いますが、今までのDCを見ていると、プレDCでインバウンドが増えて、DCで減ったとか。あるいはDCをやってもその効果がなかったとかいう例もあるし、DCが非常に効果をもたらしたっていう例もあるんで、そういうところもよく研究しながら、やるからには、これがしっかり群馬県の観光振興に繋がるようにですね、後押しをしていきたいと思います。
(記者)
県土整備プランの見直しの件なんですけれども、重点的に今後、防災の方をしばらくということで、いろいろ予算上の制約とかもある中で、逆に今決まっているものについては、何ていうのですかね、見送りというか先送りっていうのも検討されるのかと思うんです、そのあたりはいかがでしょうか。
(知事)
具体的な事業をどうするかっていうのはまだ決まってないんで、この段階ではちょっとコメントを差し控えたいというふうに思います。
今はっきり言えることは、少なくともこの5年間の集中期間、このレジリエンスを強める集中期間についてはですね、やはりリソースは防災の方に重点を置いていきたいということですね。
個々のそれに伴ういろいろな全体の行財政改革の取り組みとか、あるいは個々の事業をどうするかっていうのは現時点ではまだちょっと決まってないので、それはこの時点ではコメントを差し控えたいと思います。
(記者)
何となく知事のブログを拝見しまして、その前の知事のときにできた「七つの交通軸構想」の中で、まだ工事が着工していないところなどについては、先送りとかをされるのかなというふうにちょっと推測をしたんですけれども、いかがでしょうか。
(知事)
それはまだ決まっておりません。基本的にその交通軸の整備というのはとても大事だと思っているので、そこのところはよく考えながら、しかし、全体として、中期財政見通しまで発表して行政改革をやると申し上げ、しかもそういう体制を作りましたので、そこはしっかり進めていきたいと思います。個々の事業についてはまだ決まっておりません。
(記者)
もう1点、総合計画についてなんですけれども、ちょっと昨日も(総合計画有識者ヒアリングが)終わった後に一言質問させていただいたんですが、やっぱり総合計画は、皆さん県民の方はかなり注目していらっしゃると思うんです。知事が代わられて、どんな計画ができるのだろうかと。
実際、計画ができた後には、やっぱり県民の方にも周知をしていく上で、もう少し制作のプロセスというか、過程の部分をもう少し何かオープンにできないのかなっていうふうに思うんですけれども、方法はいろいろあると思うんですけど、例えばもう少し発言者を隠した上で議事録を出すとかですね、そういったことのご検討はいかがでしょうか。
(知事)
まず、記者さんのおっしゃっている県民を多く巻き込んでいけっていうのは、この間もね、少し前の会見でもおっしゃってた、例えば一般の県民を、例えば策定委員会に入れる話とか、いろいろなヒアリングする話だと思うんですけれども、その件についてはちょっとお答えした記憶もありますが、かなりきちっとした県民のアンケートを今までやってきたので、その結果はしっかり反映させていきたいと思います。
それから、もちろん今回もポイントでは、パブリックヒアリングみたいなものをやりますし、それから今ちょっと方式はまだ定まっていませんが、SNS等を使った、何ていうか意見聴取とかみたいなものをやっていきたいと思うので、そのプロセスの中では、できるだけいろいろな分野の方々の意見を反映させていきたいと思います。
ただ、総合計画自体は、県が責任を持ってきちっと作って、この素案をしっかり作るっていうことがまずとても大事だというふうに思っていますので、その上でいろいろな方々の意見を聞き、さらにはこれ、どの道議決をしなきゃいけないものですから、県議会との議論の中で研ぎ澄ませ完成させていくっていうことです。
この計画をつくるプロセスの話なんですけど、記者さんもよくご存知だと思うんですけど、中央でもね、いろいろな計画があるわけですよ。それは、いちいち全部そのプロセスをオープンにしない。ある程度その有識者なんかも含めて、全部オープンにしない中でいろいろと議論をし、概要は私がこれからこの間みたいに、どんな議論があったかだけは、1月以降も有識者会議も懇談会も含めて、しっかりとできる範囲で説明をさせていただきたいと思いますが、それは中央政府のいろいろな審議会とか、いろいろな予算もそうですけども、練り上げていく中で、だいたい頭取りがあって、その後にレクがあって、ある程度、素案になって議論になったときに示していくっていうことなので、これ以上オープンにするっていうことは考えていません。もう十分その議論の中身について説明するっていうだけでいいと思います。
(記者)
日米貿易協定の農畜産物への影響の試算なんですけれども、最大で(約)30億円の減少。それとTPP11も含めれば(約)50億ということだと思うんですが、それについての知事の受け止めを伺えますでしょうか。
(知事)
以前からこういう試算が出ていたので、TPP11についても。それは、特に衝撃を持って受け止めたってことはないんですけれども、これは事実として受けとめて。では、どうやって農家の人の不安を払拭していくか、どうやって群馬県の農業、農畜産物に対する影響を和らげていくかということを、しっかり考えていかなければいけないということに尽きると思います。
国が新しいプランを出したので、その中でしっかりと我々として、農業振興に活用できるものは、しっかり活用させていただいて、この新しい(日米)貿易協定、あるいはTPP11の影響を、できる限りオフセット(相殺)していくということに尽きると思います。
同時に、何度も申し上げているとおり、群馬県の農畜産物のブランド化を図っていくと。さらに販路を開拓していく。こうやってしっかりとこっちからも攻める展開で農業収入を増やしていく、あるいは出荷を増やしていく、こういうことも併せてやっていきたいと思います。
(記者)
攻め手の部分にも大きなメリットが逆にあるというようなお考えでいらっしゃるわけでしょうか。
(知事)
そうですね。例えばいくつかの品目については、輸出のチャンスも増えていくわけなんで、そこは前向きに捉えると。マイナスの影響はできるだけ抑え、この中で前向きに捉えられる、ある程度、有利に働くところは最大限に生かしていくと、これはもう基本中の基本だと思います。
(記者)
もしあればなんですが、国の対策を活用するとともに、必要な施策を実施するということで、まず何か具体的な施策というものは。
(知事)
まだ今、ちょっとここで言えるような状況じゃないんで。国のプランが出たばっかりだから、ここよく見ながら、どういうふうに使っていけるかっていうのを検討したいと思います。
(記者)
県土整備プランの見直しのことでお尋ねしたいんですけれど、この県道整備プラン、現状の計画が昨年3月に策定されて、2018年度からの10年間の計画だと思うんですけれど、この説明資料にもあるんですけど、「ぐんま・No.1レジリエンス強化実現計画」というのは、県土整備プランとは別のものなのか。
(知事)
これは、県土整備プランの見直しをしていくに当たって、この(ぐんま・No.1)レジリエンス強化実現計画を踏まえて、「県土強靱化5か年集中緊急対策」を作っていくっていうことなので、これはもちろん、県土整備プランを見直していく中核のポイントだから、そういう意味で、ここ(資料)に(ぐんま・No.1レジリエンス強化)実現計画っていうのが書いてあるので、当然これを踏まえながら県土整備プランの見直しをしていくっていうことになると思います。
(記者)
要は、この強化実現計画というものを(県土整備プランに)先んじて打ち出すということでしょうか。
(知事)
これはだって、具体的な指針になるものだから、一種の。一種の方向性を示した上で、それに基づいて県土整備プランを見直していくっていう位置付けだと思います。
(記者)
現行(の県土整備プラン)は、10年計画で昨年3月に策定されているんですけれど、ある意味では現状を踏まえる中で、いろいろと先んじて手を打っていらっしゃると思うんですけど、できたばかりの計画を、もう1年で別のものに変えるのかという見方もあるかと思うんですけど、そのあたりについてはどうお考えでしょうか。
(知事)
これ、できたばかりの計画って言えるのかな。もっと前からできているよね。
(建設企画課長)
今のは、ちょうど今年で2年目になります。
(知事)
2回目でしょう。
(建設企画課長)
プランとしてはそうですね。あ、すいません、3期目です。
(知事)
3期目でしょう。
(建設企画課長)
今の計画は始まって2年目です。
(知事)
それは、今まで県土整備プランを作ってきた、初めてのものじゃないから。改定してきたわけだよね。
(建設企画課長)
はい。
(知事)
その改定していく中でも、これまでずっと、その県土整備プランで貫かれていた哲学を踏襲して改定してきているわけだから、新しいものが今パッとできて、それを見直すっていう位置付けとはちょっと違うと思います。やはりかなり長い間、改定前からの流れを受けながら、たまたまこの何年か前に見直したっていうことだと思うんですね。それがまず一つ。
もう一つは、やはりこれだけ状況が変わっていますから。県土整備プランって10年間の投資計画でしょう。だから、それをやっぱり見直さないでそのままいくってことはできないだろうと思っていました。
特に何度も言っているとおり、知事になって5カ月で痛感しましたけれども、自然災害のレベルが異常に高まっていますんで、やはりそれを踏まえた上で、新しく見直していくっていうことは大事だというふうに思っています。
県土整備プランについては、そうやって改定もしてきた歴史のあるプランで、相当長く時間をかけて作ったので、そういう意味で言うと、来年10月までかけて丁寧にやっていきたいというふうに思います。いろんなところへの説明も必要だと思うので。10月までには、さっきお示しした日程にあるように県議会もありますし、いろいろなところでご説明しながら進めていくことができると思うので、丁寧に、十二分に、いろいろな説明しながら、新しいプランに見直していきたいというふうに思います。
よろしいでしょうか。来年もよろしくお願いします。来年は何日が最初の会見でしょうか。
(秘書課長)
9日です。
(知事)
来年も大変ですけれど、ちゃんと毎週1回(会見を)やりますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。
(以上で終了)
文章中の()内については、広報課において加筆したものです。