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■会場 記者会見室
それでは、臨時記者会見を始めさせていただきたいと思います。
報道機関の皆さんにおかれましては、急遽お集まりいただきありがとうございます。
少し確認したい点もありまして、19時の予定が10分遅れてしまったことをお詫びしたいと思います。
本日18時25分に、前橋市内の農場において、特定家畜伝染病である「高病原性鳥インフルエンザ」が疑われる事例が確認されました。
現在、群馬県家畜衛生研究所で遺伝子検査を実施しているところですが、高病原性鳥インフルエンザが検出され、疑似患畜と確認されれば、県内の養鶏場で2例目ということになります。
鳥インフルエンザについては、今シーズン、昨日時点で全国24道県の養鶏場で60例確認されており、これは過去最多の発生、そして過去最多の殺処分数になっています。
群馬県についても、1例目の発生以降、監視を強化しており、制限の解除に向けて努力していた最中で、今回2例目の発生になってしまいました。
今後、疑似患畜の確認がなされたときには、県庁を挙げて殺処分と埋却処分等の防疫措置を速やかに進めてまいりたいと考えております。
それでは、今回の疑い事例について詳細をご説明します。
スライドをご覧ください。発生事例の概要に関するスライドです。
今回の事例が確認されたのは、前橋市に所在する農場です。
疑似患畜と確認された場合、殺処分が必要な飼養羽数は約45万羽になります。この農場の3キロメートル圏内には、他に3カ所農場があり、家畜伝染病予防法に定める家畜の移動制限の対象となります。
また、3キロメートルから10キロメートル圏内には35の農場があって、これらの農場については搬出制限の対象になります。
近隣に感染が拡大しないよう、早急に防疫措置を講じてまいりたいと思います。
なお、農場の持ち主や所在地等の情報については、県の防疫マニュアルに基づき、風評被害防止や、部外者等の立ち入りによる感染防止拡大の観点から、今回も非公開とさせていただきますので、その点はご了解をいただきたいと思います。
次に、県に第一報があってから、疑い事例が判明するまでの経緯と防疫措置開始までの経過についてご説明をさせていただきます。
次のスライドをご覧ください。発生経緯等を時系列でまとめたスライドです。
該当農場の死亡が今までなかった鶏舎で、本日8羽程度の死亡が確認されました。
この異変を受けて、本日18日14時40分に、県中部家畜保健衛生所に対して、この当該農場から鶏の死亡が増加している旨の第一報がありました。
この第一報を受けて、同家畜保健衛生所が立ち入りを行い、農場での簡易検査の結果、13羽中10羽に陽性が判明いたしました。
その後、家畜衛生研究所において簡易検査を開始いたしました。
そして18時25分に鳥インフルエンザ感染が疑われる陽性の結果が出ました。引き続き、家畜衛生研究所で遺伝子解析を実施しております。
検査結果の判明は、明日19日木曜日の9時頃になると見込んでおりますが、疑似患畜と確認されれば、殺処分等の防疫措置を開始することになります。
速やかな防疫措置を講じるため、関係職員はすでに作業の準備に入っているところです。
以上が、これまでの経緯になります。
続いて、疑似患畜確認後、想定される防疫計画についてもご説明したいと思います。
スライドをご覧ください。今後想定される防疫計画です。
繰り返しますが、現時点で殺処分が必要となる羽数は、45万羽です。
殺処分後は、農場主の所有地に埋却いたしますが、県として、埋却後の周辺環境等についても、関係機関と協力し、適切に対応していきたいと考えています。
防疫作業は農政部を中心に県職員を動員し、疑似患畜確定後、19日から作業を開始いたします。
また今後は、近隣市町村にも協力を依頼し、作業にあたりたいと考えています。
さらに建設業協会やJAをはじめ、関係団体にも協力をお願いする予定です。
現時点で、殺処分終了は1月25日、その後の消毒を含めた防疫措置の完了は1月28日。清浄性を確認し移動制限が解除されるのは、2月の中旬ごろと見込んでいます。
以上、疑似患畜が確認された場合は、多方面にわたる皆さまのご協力をいただきながら、1日も早く措置を完了できるように努めてまいりたいと思います。
また風評被害も懸念されます。スライドをご覧ください。県民の皆さまへ、改めてお願いをさせていただきたいと思います。
現在、全国各地で発生が相次いでおりますが、鳥インフルエンザにかかった鳥肉や卵が市場に出回ることはありません。また、これまで鳥肉や鶏卵を食べたことによって人に感染したという事例の報告もありません。県民の皆さまにはぜひ落ち着いて行動していただきますようにお願いを申し上げます。
鳥インフルエンザ対策に関しては、豚熱(CSF)とともに県の最重要課題としてこれまで全力で取り組んでまいりました。まずは防疫措置に重点的に取り組んでまいりたいと思いますが、並行して、国ともしっかり連携しながら対策を講じてまいりたいと考えています。
県としては、農家の皆さんが安心して養鶏業をしっかりとできるように、今後も国や市町村等とも連携をしながら、しっかりと対応してまいりたいと思っています。県内の農場主の皆さまにおかれましても、これまで以上に飼養衛生基準の遵守・徹底を重ねてお願いを申し上げたいと思います。
私からは以上です。何か皆さんからご質問があればお受けしたいと思います。
(記者)
今回、13羽中10羽が陽性だったということで、これはすべて死んでいる鶏になるんでしょうか。
(知事)
畜産課長、どうぞ。
(畜産課長)
11羽が死んでいた鶏で、2羽が生きていた鶏を検査し、13羽を検査したと。そのうち10羽が陽性だったということです。
(記者)
その10羽というのは・・・
(畜産課長)
死んでいた鶏です。
(記者)
全部死んでいた・・・
(畜産課長)
はい。
(記者)
農場から(の通報)についてなんですけれども、これは農場の誰からということになりますか。
(畜産課長)
農場を指導・管理をしている獣医師さんからの通報だということです。
(記者)
今後の県の対策についてお伺いしたいんですけれども、県内では一部の自治体で石灰の配布だったり対策を具体的にやられていると思うんですけども、県として具体的な対策というのはどのように考えているんでしょうか。
(畜産課長)
この発生前から、各農場に対して石灰の配布を検討している最中でございました。
(記者)
石灰の配布を今後検討していくということですか。
(畜産課長)
はい。
(知事)
1例目が起こってから、当然ですけど相当警戒を強めて、農家の皆さんにもいろいろなお願いをさせていただいていたので、大変残念ですけども、この事態を受けて、できる限りの対策を打っていきたいと思っています。
(記者)
市場に関係するんですけれども、卵の価格も高騰しているみたいなお話が最近ありますけれども、そのようなことへの対策について、現時点で検討しているものはありますでしょうか。
(畜産課長)
流通する卵に関しては、どういう影響が出るかは、これからやはり、また発生(規模)も大きいですので、ちょっと不明な点がありますので、検討することになろうかと思います。
(知事)
もうちょっと見ないと影響は分からないので、その影響によっては対応をしっかり検討していきたいと思います。
(記者)
2例目ということで、野生でもオオハクチョウで確認されているなど、かなり鳥インフルが蔓延しているというか、かなり県内でも流行っています。改めて危機感について伺いたいと思います。
(知事)
先ほど申し上げたとおり、今回の鳥インフルエンザの広がりというのは今までにないと。発生件数もそうですし、いわゆる殺処分の鶏も過去最大なので、これは野村農水大臣がわざわざ警戒を呼びかけていますので、我々もそれを受けて、かなり警戒しているつもりなんですけども、本当に残念ながら2例目が出てしまいました。
こうなった限りはできるだけ早く、防疫措置を済ませて広がらないようにするということで、先ほど石灰の話も出ましたけども、改めて各農家の皆さんに警戒を呼びかけていくということだと思います。
(記者)
鶏の規模についてですけれども、県内でどれくらい飼われていて、今回45万羽ということなんですけども、割合としてはどれぐらいという認識でしょうか。
(畜産課長)
県内ですと、今回は採卵鶏で、卵を産む農場なんですが、約900万羽くらいは飼われていると統計上はありますので、その中で今回45万羽ですので、かなり大きい農場だと思っています。
(記者)
最大規模まではいかない感じですかね。
(畜産課長)
もっと大きい農場はまだあります。
(記者)
かなり大規模な、前回1万数千だったと思いますが、大規模な農家という認識で大丈夫でしょうか。
(畜産課長)
はい。
(記者)
対策のところで、石灰の配布を検討していたということなんですけれども、これはやるということでよろしいですか。それともまだ検討中・・・
(畜産課長)
やる方向で検討は大分進んでいると。
(知事)
これはやらざるを得ないといいますか、しっかりやりたいと思います。
(記者)
対策に対する補助みたいなものについては、今のところはまだそこまで踏み込んで考えてないでしょうか。
(知事)
これからよく具体的な中身を検討していきたいと思います。
(記者)
石灰の配布なんですけども、それは周辺農場なのか、それとも県内すべての農場なのかどちらでしょうか。
(畜産課長)
県内すべての、100羽以上の農場については配布する計画を立てておりました。
(記者)
3キロメートル圏内に3カ所の農場があって、3キロメートルから10キロメートル圏内に約35カ所ですけども、それぞれ飼育羽数はどうなっていますか。
(畜産課長)
まだ、農場の(飼育)羽数の集計をしている最中で、具体的な数字は出ておりません。
(記者)
1日に(鳥インフルエンザの患畜が)発生した農場の10キロメートル圏内に31カ所の農場があったと思うんですが、今回発生した農場との距離関係はどのぐらいなんですか。
(畜産課長)
3キロメートル(圏内)であったりとか、10キロメートル(圏内で)重なる感じはあるんですが、(具体的な)距離的なところは控えさせていただきます。
(記者)
一応、1日に陽性が確認された後、その時の農場と今回の農場の交流というのは基本的にはなかったと考えていいんですか。
(畜産課長)
これからまた調査が入りますが、今のところ何か関係があったという話は聞いてはおりません。
(記者)
一応確認ですけど、今回かなり規模が大きいですけど、県によっては自衛隊に出動要請する県もあるようですけど、群馬県では今のところそういう検討はしてないですか。
(畜産課長)
今検討中です。
(記者)
それは自衛隊への出動を要請する可能性はあるということでしょうか。
(知事)
そういうことも含めて今検討しています。
(記者)
最初に出た農場と今回の農場でどれくらいでしょうか。
(畜産課長)
少し具体的な数字が把握できていないのですが、さっき言ったように3キロメートル移動制限とか10キロメートル搬出制限が重なる近さの(距離にあります)。
(記者)
10キロメートル以内には入っていて、3キロメートル以内には入っていないということでしょうか。
(畜産課長)
3キロメートル(圏)も若干重なるぐらいの農場さんは他にもありますので。
(記者)
要は、前回3キロメートル圏内が1農場だったと思うんですけれども、それではないということですか。
(畜産課長)
その農場ではないです。
(記者)
要は10キロ圏内には入っているということですね。
(知事)
最後に県民の皆さまに改めてお願いをしたいと思います。
鳥インフルエンザが残念ながら2例目が出てしまいました。県民の皆さまにも農家の皆さまにも大変申し訳ないと思っているんですが、今、鳥インフルエンザがもう全国的に広がっておりまして、先般、野村農水大臣が特別な警戒を呼びかけたとおりですね、なかなか大変な状況だと思っていますし、ずっと危機感を持っておりましたが、この2例目が防げなくて大変残念に思っています。
今回は、前回に比べると規模が大きいんですけれども、とにかく県庁総動員でしっかりと防疫措置を進めたいと思いますし、今日もいろいろ記者の皆さんからご質問が出ましたけども、3例目を出さないように、できる限りの対策を我々もとっていきたいと思っています。
まず農家の皆さまには、今まで以上に、先ほど申し上げましたが、飼養衛生管理基準の徹底をお願いをしたいと思います。そして、最後に1例目の時も申し上げましたが、この鳥インフルエンザに感染した鶏の肉が出回ることは基本的にありません。万が一それを食べたとしても影響ありませんので、その点は改めて冷静に対応していただきたいと思います。
緊急のことだったのですが、記者の皆さんにはお集まりいただきましてありがとうございました。これにて臨時の会見を終わりたいと思います。
( 以上で終了 )
文章中の()内については、メディアプロモーション課において加筆したものです。