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臨時記者会見:関根発電所の稼働停止に係る問題と今後の対応について(10月31日)

更新日:2022年10月31日 印刷ページ表示

■日時    令和4年10月31日(月)午後1時2分~1時22分
■会場    記者会見室
■出席者  県:知事、副知事ほか
       記者:記者クラブ所属記者等 15人
■記録作成 メディアプロモーション課(報道係)
令和4年10月31日定例記者会見動画(You Tube:外部リンク)<外部リンク>
モニター資料 (PDFファイル:554KB)

知事冒頭発言

発表項目
1.はじめに
2.関根発電所の停止に係る問題について
3.今後の対応について

質疑応答はこちらをクリック

1.はじめに

 それでは、臨時記者会見を始めたいと思います。
 急遽お集まりいただいた記者の皆さまには、お礼を申し上げたいと思います。
 まず会見に先立ち、先日、韓国ソウルで起きた事故について、所感を述べたいと思います。29日の夜、韓国ソウルの繁華街、梨泰院(イテウォン)で、ハロウィンを前に、仮装した大勢の若者が密集し、折り重なるようにして倒れ、154人が死亡するという事故が発生いたしました。亡くなった方の中には、日本人2人も含まれていたことが分かりました。謹んで哀悼の意を表するとともに、亡くなられた方々に心からお悔やみを申し上げたいと思います。
 事故が起きた場所は、大通りに向かって下り坂となる狭い路地だと伺っていますが、そこに人が密集して、坂の上の方から次々に倒れていったと見られています。大勢の人が過密状態となり、いわゆる群衆雪崩が発生した可能性があります。それと同時に、安全管理が不十分だったという指摘もなされています。
 本日10月31日の月曜日はハロウィン当日です。日本においても、3年ぶりに新型コロナによる行動制限がないハロウィンということになります。先週末、渋谷に多くの方々が集まったというニュースも報道されています。
 韓国で起きたような事故が日本で起こっても決して不思議ではありません。人混みが起こりうる場所に行く際には、皆さん十分ご注意いただきたいと思います。
 報道によると、警備も強化するという話ですけれども、こういう韓国で起こったようなことが日本では決して起きないように、関係者の皆さまにも、ぜひ、しっかりと対応していただければと考えています。

2.関根発電所の停止に係る問題について

 それでは本日の会見に移りたいと思います。
 最近、一部報道で取り上げられておりますが、前橋市内を流れる広瀬川で、群馬県企業局の発電所の停止に伴って、騒音や水しぶきが発生しています。地域住民の皆さまにご迷惑をおかけしている状況です。
 本件により、ご迷惑をおかけしている地域住民の皆さまに、まず知事として、心からお詫びを申し上げたいと思います。その上で、本日は、記者の皆さん、そして県民の皆さまに対して、知事である私から直接、この問題の現状及び今後の対応等について、ご説明をさせていただきたいと思います。
 
 スライドをご覧ください。それでは現在発生している関根発電所の停止に伴う問題について、ご説明をさせていただきます。
 まず、現状についてご説明します。騒音等が発生している場所は、前橋市関根町に所在する、群馬県企業局の関根発電所周辺の広瀬川になります。問題になっているこの関根発電所は、群馬県企業局が所有しており、昭和42年の5月から運転を行っています。使用水量は県営の発電所の中では一番多い発電所ということになります。
 
 次のスライドをご覧ください。後程詳しく説明しますが、関根発電所は、令和2年2月から運転を停止しております。それにより水門を閉じていることから、上流から流れてきた水が、発電所の直前にある水槽から、発電所を迂回する水路を通って、発電所下流の本水路というものに流れているということになります。
 その結果として、水槽から迂回水路に水が流れ落ちる際に、落差によって水しぶきが発生しているということ、それから迂回水路から本水路に水が流れ落ちる際に、その落差により、騒音が発生しているといった問題が、今発生しております。
 
 (モニター資料を指しながら)これは迂回水路に水が流れ落ちる様子です。こちらは本水路に水が流れる様子です。こちら(迂回水路に水が流れ落ちる箇所)は、水しぶき等が、こちら(本水路に水が流れ落ちる箇所)は騒音が発生しているということです。
 特に、迂回水路と本水路の合流地点は、もう滝のようになっておりまして、「水音がうるさくて眠れない夜がある」とか、「生活に大きな支障が生じている」といった声が寄せられております。
 
 続いて、問題が発生した経緯についても、ご説明したいと思います。スライドをご覧ください。
 関根発電所は、農業用水を利用して運転しております。令和2年2月に定期断水があり、これに合わせて発電所の定期点検を行いました。その際、作業のミスによって、水車や発電機を格納する地下室に水が入り込み、設備が水没したために、今稼働を停止している状態です。発電所が停止したことから、水を、「水槽余水路」という迂回水路に全て迂回させて流さざるを得ない状況になりました。
 迂回水路に水を流すにあたっては、騒音が発生することが想定されたため、応急対策として、令和2年の8月に応急対策として、防音壁とか防音シートを設置しております。その後、令和3年8月に再稼働に向けた発電所の改修工事の入札を行いましたが、これが不調となって現在に至っているという状況です。
 入札が不調になった理由としては、再生可能エネルギーへの需要が高まっており、請負業者が見つからなかったということが挙げられます。
 以上が現在発生している問題の概要です。

3.今後の対応について

 続いて、この問題を受けた今後の県の対応について、ご説明をさせていただきます。次のスライドをご覧ください。
 1つ目は、対策工事の実施です。水槽から迂回水路へ水が流れることによる水しぶきを抑える対策工事、そして、迂回水路から本水路へ流れ込むことによる騒音を抑える対策工事を実施いたします。実施時期は令和5年2月を予定しています。
 広瀬川は農業用水として日常的に利用されていることから、すぐに断水して工事を実施するということができません。そのために、農業用水の定期断水に合わせて実施させていただく予定です。
 ただし、定期断水を待たずにできる工事は早急に対応していきたいと考えています。具体的には、私も現地を土曜日に確認をさせていただきましたが、音が漏れる箇所があるんですよね。これは、道路の見通しの関係とかいろいろ難しい問題もあるんですが、よく道路管理者と協議してですね、透明のアクリル版の設置等も実施したいと考えています。
 2つ目は、発電所の改修工事です。水没した水力発電所の改修工事を、令和5年度に発注する計画で進めています。
 根本的な問題は、発電所が停止しているということです。受注者と調整を行い、工期短縮に努め、早期の運転再開を目指していきたいと思っています。
 また、令和5年度を待たずに前倒しで、より早期に工事着手ができないか、このことについての再検討を今、私の方から指示をしております。
 3つ目は、住民の皆さまへの対応です。先月9月16日に、第1回の住民説明会を実施いたしましたが、来月11月中旬に第2回目の住民説明会を実施する予定です。不安を感じていらっしゃる住民の皆さまに対し、これまでの経緯や今後の対応などを、丁寧に説明をさせていただきたいと考えています。
 関根発電所の故障と、その改修工事については、一昨年末の予算協議の中で説明を受けておりました。しかしながら、周辺地域住民の皆さまから苦情が出ていることとか、あるいは、予定していた対策が遅延していることについて、企業局から私への報告が上がっておりませんでした。
 今回の新聞・テレビ報道で事実を知ったというのが実際のところです。そういう状況だったんですが、そこからは直ちに対応協議に着手し、一昨日の29日、先ほど申し上げましたが、故障した発電所の周辺を視察してまいりました。
 確かに、水音はうるさいです。住民の方々から苦情が出るのは当然だという印象を持ちました。改めて、ご迷惑をおかけしている住民の皆さまに、お詫びを申し上げたいと思います。
 何より、県のトップとして、この問題を把握できていなかったことは、率直に反省しております。群馬県としては今一度、組織内部の連絡体制を見直すとともに、再発防止にも努めていきたいと考えています。
 いずれにせよ、今回の騒音問題等が早期に解決できるように、少しでも対策を前倒して、対応していく所存です。
 私からは以上です。皆さんから何かご質問があればお受けしたいと思います。

質疑応答

(記者)
 3点ほどお聞きしたいんですけれども、まず1点目が、アクリル板の設置。これは断水時期を待たずに行いたいということですが、具体的にいつごろを考えてらっしゃるか。
 2点目が、令和5年に着手(予定の発電所改修工事について)前倒しを検討ということですけれども、私が聞いた話だと遅く、遅ければ令和12年頃、2030年の2月に工事が終わる見通しであると伺っているのですが、どれぐらいに終わるのかということ。
 3点目が、どのように連絡体制の見直しを行っていくのか、具体的にこうやっていくということがあれば教えてください。
 
 
(知事)
 具体的なことは企業管理者からフォローしてもらいますけれども、まず、アクリル板については、また後で中島管理者の方からお話があると思うんですけれども、そのちょうどガードレールがあって、なんて言うんでしょうか、こういう感じで垂直に道路がなっているところというのは、ここまで全部防音壁を設置すると、車が見にくいというところがあるので、そこは対策をするなら、透明なアクリル板という可能性もあるんじゃないかという感覚を持ちました。そこはもう一度、(企業管理者に)説明してもらいたいと思っています。
 それから、いつまでに終わるかみたいな話というのは、企業局の方からあったかもしれませんけども、少なくとも、この問題について最終的に決定するのは知事である私ですから、できるだけ早くしたいと。これからいろんな相談をしながら、できるだけ早くしたいと。遅ければどこどこまでかかるみたいな話ではなくて、できるだけ早く対策をしていきたいと思っています。
 それから連絡体制について言うと、中島企業管理者は民間から来ていただいて、相当いい仕事をしていただいているということで、大変信頼を置いていますし、今までも具体的に実績を上げていただいているんですが、やっぱり、こういう問題というのは、常に知事に上がるようにしなくてはいけないと。今回は企業局で起こったんですけれども、他も全部含めてそうなんですが、やはり何か問題が発覚したときは、いろんな判断があるかもしれないけれど、ちゃんと知事の方に上がるように、必要なら幹部の方に上がるような体制をしっかり作っていきたいと思います。
 今回のことをよく検証して、こういうことがないようにしたいと思います。
 中島企業管理者の方から補足があれば。
 
 
(企業管理者)
 まずは、本件によりご迷惑をおかけしました地域住民の方々に、おわび申し上げます。申し訳ございませんでした。
 まずアクリル板ですが、先日、知事に現場を見ていただいて、現場でご指示いただいたんですけれども、早速今日発注しております。
 これがいつ来るのかというのは、これからまたさらに業者と(話を)詰めさせていただきまして、やりますけれども、すでにアクションはとっているということをご理解いただければと思います。
 それと、今お話のあった新しい発電所のリニューアル後の運転開始時期なんですが、これは2030年というのは一度その情報としては出ていますけれども、具体的には、今後、入札公募して、対応していく応札業者様と、いつできるのかというのはさらに詰めてまいりますので、今ここで明らかに2030年というのは申し上げません。ここからそこを詰めてさせていただくという状況でございます。
 連絡体制につきましては、先ほどの知事からのお話のとおり、私どもしても積極的に報告を上げるように改めさせていただきたいと思っております。以上です。
 
 
(知事)
 皆さんから何かありますか。
 
 
(記者)
 騒音について、デシベルとかの形で、地下鉄並みの音だったとか、県の方でデータを持っていたら、後ででも結構なんですけれど、教えていただければと思います。
 
 
(知事)
 データはどうですか。音のデータは取っていませんか。
 
 
(企業管理者)
 参考値としては取っているんですが、状況によって、測り方によって違ってくるので、中立的に幾らというのは、私どもも把握していないので、私どもとしてのこういう状況でというものは、一応ですね、測っているんですが、それを議論の対象とするかどうか、ちょっと今はまだ我々としても準備ができていないという状況です。
 
 
(記者)
 測るときによって違うかもしれないんですけど、こういうデータが出たときもあるっていうことで、参考の値として教えていただければありがたいなと思います。
 
 
(宇留賀副知事)
 ちょっと検討してみたいと思います。
 
 
(記者)
 素人考えなんですけれども、水門を開けられない理由、要は、発電所が使えなくても水門を開ければ、余水路に行かないから問題が解決するんじゃないかみたいなことを素人ながら考えまして、その水門を開けてはいけない理由について教えていただけますか。
 
 
(企業管理者)
 水門を開けると、この発電所の水車発電機に水が回るんですが、その水車発電機は使えない状態に今なっています。要は回らない状態になっています。そこに水を入れると、ひょっとすると油が出たりとか、そういうことも含めて多大な影響がありますので、水門を開けて水車に水を通すというのは、取りうる選択肢ではございません。
 

知事メッセージ

 それでは、これで終わりたいと思いますが、最後に、会見ですので県民の皆さまに申し上げておきたいと思います。
 今回、この騒音問題、前橋の関根発電所で発生したこの騒音の問題ですけれども、これは先ほど申し上げたとおり、私が把握するのが遅れてしまったということもありまして、実際に現場に行ったんですけれども、これはもう苦情の出るレベルであるということはっきりと認識いたしました。
 この地域住民の皆さまに大変なご迷惑をかけているということは、改めて知事としてお詫び申し上げたいと思います。
 この間、いろいろ少し時間がたったんですけれども、企業局は企業局で、当然自治会とかいろんなところと連絡を取ったり、あるいは回覧版みたいなもので音がうるさくなるっていうことを少しお伝えをしたりはしていたんですけれども、やはりそういうプロセスが私に上がっていなかったというのは、これは我々のやはりミスだと思っていますので、こういうことがないようにしたいと思っています。
 これは庁議でもいつも言っているんですが、人為的なミスというのは100%防ぐのは難しいと思うんですね。それから行政は、それは時としては間違いますので、何か問題があったときには、しっかりそれを認めると。何かいろんな指摘があったときには、ちゃんと調べて、もし問題があった場合は、それをしっかり認めて、なぜそうなったのかということを丁寧に、県民の皆さま、国民の皆さまに説明していくということは、これが行政・政治の責任だと思っています。
 決して、今回誰かが何か情報を隠そうとしたという、そういうことはありませんが、改めて言っておくとですね、とにかく最も良くないことは、都合の悪いことを隠すことだと思っています。
 群馬県は何か問題があったときは、これは率直に正直に、県民の皆さまにご説明をし、その上で間違いがあったときには、しっかりとそれを説明をし、できる限りの対処をとっていくと。これがまさに山本県政の基本、行政の基本姿勢だと思っていますので、今回のことで、私はそのことを肝に銘じました。
 こういうことがないように、しっかりまた県庁一丸となって、住民の皆さまの福祉の向上のために、頑張っていきたいと思います。
 今日は皆さん急遽お集まりいただきましてありがとうございました。以上です。
 

( 以上で終了 )
文章中の()内については、メディアプロモーション課において加筆したものです。