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令和4年7月14日定例記者会見動画(You Tube)<外部リンク>
1.はじめに
2.新型コロナウイルス感染症対策本部会議の結果について
3.警戒レベル1における要請内容について
4.愛郷ぐんまプロジェクトの延長について
5.群馬県未来構想フォーラム開催実績について
6.直滑降ストリームの告知について
それでは定例会見を始めさせていただきたいと思います。
先週8日の金曜日、安倍晋三元総理が奈良市での街頭演説中に銃撃され、亡くなるという、大変痛ましい事件が発生いたしました。私自身、大変な衝撃を受けました。しばらく茫然自失の状態でしたが、最後のお別れをするために、10日の日曜日、都内にある安倍元総理のご自宅を弔問させていただきました。
安倍元総理のこれまでの多大な功績、ご貢献に対して、改めて深い敬意と感謝の気持ちをお伝えしてまいりました。安倍元総理は、大変穏やかな表情でした。耳元でいろいろと、全部は言いませんけども、お話もさせていただいて、本当によかったなと思っています。昭恵夫人にもご挨拶させていただきました。
安倍元総理には、皆さんご存知だと思いますが、私が国会議員に初めて当選したときから長年にわたって、お世話になってまいりました。あらゆる政局で常に一緒に戦い、ずっと応援してきた、私にとっては特別な存在でした。
3年前に私が知事に就任した後も、様々な場面で、群馬県の取り組みを応援していただきました。今はもう感謝の言葉しかありません。
こうした安倍元総理の恩義に報いるためにも、知事として、日々の仕事に、今まで以上に全力を尽くしていきたいという決意を新たにしております。
加えて、二度とこのような、まさに民主主義への挑戦と言っていいと思いますが、こういう卑劣な凶行が起こらないように、国を挙げて安全対策の強化に取り組んでいただきたいと思っています。もう二度と、こういうことが起こらないことを切に願っております。
それでは本日の会見の主な項目です。スライドをご覧ください。
今日は、新型コロナ対策本部会議の協議結果、愛郷ぐんまプロジェクトの対応、それから、群馬県未来構想フォーラムなどについて発表させていただきます。
まずは、本日開催した新型コロナ対策本部会議の結果です。
新規感染者の増加を受け、本日、6月9日以来となる、87回目の新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開催いたしました。この会議で、警戒レベル等について検討をさせていただきましたので、その結果をご報告したいと思います。
(フリップを掲げて)こういうことです。全県において、県のガイドラインに基づく警戒レベル1を継続するという判断になりました。期間についても現在と変わらず、当面の間ということにさせていただきます。
ただし今後、県内の医療提供体制がひっ迫するなど、感染状況が悪化した場合には、躊躇なく警戒レベルの引き上げ等を検討させていただくつもりです。
それでは今回の決定に至った理由についてご説明いたします。まずは、新型コロナの直近の感染状況です。スライドをご覧ください。新規感染者数の推移です。
直近1週間の新規感染者数は、本日の942人を含め4,150人ということになりました。先週の1,650人から大幅に増加しており、感染拡大のペースが急速に早まっています。
第7波というものの定義はいろいろあると思うんですけども、感染の急拡大が確実に起こっているということを考えると、群馬県も第7波に見舞われていると。これはもう明言をしていいと思います。
加えて、先週8日、県内で初めて、オミクロン株の別系統「BA.5」が県内在住者で初めて確認されています。「BA.5」はワクチンや感染でできた抗体をすり抜ける力が強いと指摘されています。今回の再拡大の原因の一つとも分析されています。
感染力が強い可能性がある一方で、重症度はまだ明らかになっていません。県では引き続き発生の動向をしっかり注視してまいりたいと思っています。
続いて、客観的な数値です。スライドをご覧ください。
まず、上段の感染状況ですが、1日当たりの新規感染者数は513.9人ということで、前回値よりも大幅に上がっていることが分かります。
感染経路不明の割合も60.7%ということで、これはほとんど横並びです。
それから、検査の陽性率は35%ということで、これも倍になっていることが分かります。
今週先週比は、これも1.0を大きく上回っております。
続いて、下段の医療提供体制をご覧ください。
病床使用率は16.8%ということで、先週の12%からですね、4.8ポイント上がっておりますが、まだこれは警戒レベル1の水準にとどまっています。
(2)の重症病床使用率については0%。現段階の群馬県で、新型コロナ感染症に感染された方で、重症の方はいないということです。
また、この1週間で亡くなられた方も0人ということになっています。
続いて、療養者の状況についてご報告をいたします。スライドをご覧ください。
昨日時点の療養者数は4,198人で、感染拡大に伴い急激に増加しておりますが、そのうち入院されている方は3%にとどまっています。
続いて、入院されている方の年代です。スライドをご覧ください。
60代以上の方の入院は61%ということになっています。入院されてる方の年代の割合に大きな変化はありません。
続いて、入院されている方の症状です。スライドをご覧ください。
入院している方の症状についてですが、重症の方はゼロということです。おりません。中等症の割合も減少しています。
ただし、症状が悪化する事例というのは、感染拡大から遅れて増加する傾向もあるので、この点には注意が必要だと考えています。
以上のとおり、新規感染者数は増加を続けており、急速な感染拡大が始まっていることは間違いないと思います。
一方で、今ご説明をさせていただいたように、病床使用率や重症者は急増しておりません。現時点で県内の医療提供体制は、ひっ迫している状況にはないということです。何度も言ってますが、こうした状況には冷静に対処し、感染防止対策と社会経済活動を両立することが何より肝要だと、知事としてはそう考えています。
以上を総合的に判断し、今回の結論に決定に至りました。
それでは、警戒レベル1における、県民の皆さま、事業者の皆さまへの要請内容についてご説明いたします。スライドをご覧ください。警戒レベル1の要請内容です。
今回警戒レベル1を継続するということにしましたが、要請内容を一部変更いたしましたので、要点を絞って説明させていただきます。
県民の皆さまにおかれましては、これまでどおり、基本的な感染防止対策の徹底をお願いしたいと思います。特に、大人数、長時間での会食、飲み会は、感染リスクが高まるので、十分に注意をしていただきたいと思います。
また、暑い時期ですので、場面に応じたマスクの着脱、換気の実施もあわせてお願いしたいと思います。
加えて、ワクチン接種に関するお願いです。3回目のワクチン接種に関しては順調に接種が進んでいます。しかしながら、接種率を年代別で見ると、大きな差があります。次のスライドをご覧ください。
県内の直近1週間の10万人当たりの感染者数について、年代とワクチン接種率を比較してみました。これも一目瞭然です。
このスライドからお伝えしたいのは、まず高齢者の接種は進んだものの、若い世代の接種率が低いということです。そして現在の感染の中心も若い方々だということです。
この青色の折れ線で示したのが、3回目の接種率です。5歳から11歳は2回目の接種率ということになりますが、それとオレンジ色の棒グラフで示した年代別の感染者数に、逆相関の関係があるということが分かっていただけると思います。
つまり、接種率の低い世代で感染者が多くなっているということで、まだワクチンの追加接種を受けていない県民の方々に改めて(接種を)お願いしたいと思います。
ワクチンの効果と副反応等のリスクを正しく理解していただいて、積極的にワクチン接種をお願いしたいと思います。特に若い世代の皆さんは、自分自身もそうですが、周りの大切な方々の健康を守るためにも、ぜひ早めの接種をお願いしたいと思います。
続いて愛郷ぐんまプロジェクトです。
現在、県が実施している愛郷ぐんまプロジェクトの第5弾については、期限を本日14日までということにしておりました。
本日は、明日15日金曜日以降の対応について、国の方針発表を受けて決めた、県の方針について発表させていただきたいと思います。
群馬県では、現在実施している愛郷ぐんまプロジェクト第5弾を8月31日まで延長することを決定いたしました。対象地域は、これまで同様、隣接県及び地域ブロック内の9県で変更はありません。割引の内容についても同様です。
国は本日、今月前半の開始を目指してきた新たな観光需要喚起策、全国旅行支援について、新型コロナ感染状況を踏まえて開始時期を延期するという方針を示しています。具体的な開始時期については、今後の感染状況を見極めながら改めて判断するとされています。
こうした状況を受け、群馬県としては、国が全国旅行支援を実施するまでの間、切れ目なく事業者の皆さまを支援するため、愛郷ぐんまプロジェクトの延長を決めました。
私としては、感染状況、特に医療提供体制の状況に鑑みても、現段階では行動制限は行わず、十分に地域経済活動を回していける状況だと考えています。
ただ、今後感染がさらに拡大し、万一行動制限をせざるをえなくなった場合には、事業を途中で中止する可能性もゼロではありません。その点はご理解をいただきたいと思います。
いよいよ来週から本格的な夏休みのシーズンに突入いたします。ご家族、ご友人と帰省や旅行をされる方も多くおられると思います。
現在、感染者が増加しておりまして、人の動きが活発になると、さらに感染が拡大するということが予想されます。
県民の皆さまにおかれましては、夏休みで旅行や帰省をする際には、今後、混雑を避けることを含めた基本的な感染防止対策に、是非ともご協力をお願いいたします。加えて、普段からの体調管理にも気を配っていただきたいと思います。発熱とか咳など、少しでも体調が悪い場合は外出を控えてください。(体調の悪い方は)医療機関や県受診相談センターに相談した上で、早期の受診をお願いしたいと思います。
続いて、群馬県未来構想フォーラムについてご報告いたします。
今週の11日の月曜日、吾妻地域で第12回目となる群馬県未来構想フォーラムを開催いたしました。
今年2月に初めて開催して以来、これで県内12カ所、予定していたすべてが終了したことになります。
スライドをご覧ください。
群馬県未来構想フォーラムについては、群馬県が2040年に目指す姿を描いた「新 群馬県総合計画(ビジョン)」を、県民の皆さまとともに考える、そういう機会を作るという目的で開催をしてまいりました。
このフォーラムは三部構成になっていまして、最初が群馬県の未来構想についての知事からの提案説明、それから次に、各市町村長とのパネルディスカッション、最後に、知事と参加者との直接の意見交換と、こういう流れでやってまいりました。
計12カ所での開催で、延べにすると2,600人の皆さまにご参加をいただいたことになります。
どのフォーラムにおいても、ほぼすべての市町村長にご出席をいただきました。いろいろと事情があり、ご出席できなかったお1人を除いて全員の首長に参加していただきました。それから、県議の皆さんも、お1人急に来られなくなった方がいらっしゃるんですけども、その方を除いてすべての県議に、あらゆる会派の県議にお越しいただきました。この場をお借りしまして、参加をいただきました皆さまに改めて感謝を申し上げたいと思います。
市町村長の皆さまには、それぞれの地域の未来像を熱く語っていただきました。非常に中身の濃い有意義な意見交換ができたと考えています。市町村長とは、日頃から密に連絡を取り合っています。私も随分長い間群馬県で政治家をやっているので、長年知っている方も多いんですけれども、そうは言っても、それぞれの市町村長が目指す地域の未来像について、じっくり伺う機会というのはなかなかないのが現状なので、その意味では、この未来構想フォーラムで、ほとんど全員の首長からそれぞれの思いを語っていただき、意見交換ができたというのは大変意味があったと思います。お世辞抜きで、各市町村長の熱意とか発想力には感銘を受けました。
参加した方々にとっても、県及び各市町村がどんな未来を描いているのか、どんな政策を進めているのかをご理解いただくためのいい機会になったと確信をしています。
その中でも、私としてはこのイベントのハイライトは、このフォーラムの最後に行う地域の参加者との直接対話だったと、今振り返ってみるとそう考えています。地域の関係団体の方々、住民の方々からの、いろいろと率直なご質問やご意見をいただきました。どの会場も、非常に意見交換が活発だったんです。
毎回、一つ一つの発言を真剣に聞かせていただいて、すべて知事である私自身が丁寧にお答えさせていただきました。皆さまからいただいたご意見は、一つ一つしっかり検討して、今後の県政に反映させていきたいと考えています。
スケジュール的には相当大変だったんですけれども、よく頑張ったなと思うんですね。大体1カ所で2時間近くずっとしゃべりっ放しなので、なかなか他の都道府県知事はやっていないと思うんですが、これはもう県庁の中でも、地域創生部が本当に頑張ってくれて、アレンジするのが大変だったと思うんですけども、その地域のいろんな(機関)、県税事務所とかに手伝っていただいて、メディアプロモーション課にも入ってもらいましたし、非常によい12回のフォーラムができたのではないかと思っています。
もう1回言いますが、やはりここでいただいた意見をしっかりフォローアップすることが大事だと思っています。
最後に、今週の直滑降ストリームについてのお知らせです。スライドをご覧ください。
前回見ていただいた方もおられると思うんですけども、今週もゲストとして慶応義塾大学総合政策学部の中室牧子教授との対談を配信させていただきます。
中室先生とは、3週にわたってエビデンスに基づいた教育の推進というテーマで対談をさせていただきました。今回はその第2弾となります。
明日の配信では、非認知スキル、それからグリット、少し前に話題になったやり抜く力、こういうことについてお話を伺っています。お子さんを持つ方、教育に携わる皆さまにも大変興味深い内容だと思っています。
明日の19時からYouTubeのtsulunosチャンネルで配信をいたします。ぜひご覧ください。
ということで冒頭の説明は以上です。何か皆さまからご質問があれば、お受けしたいと思います。
(記者)
まず、愛郷ぐんまプロジェクトについてお伺いします。
先ほど感染状況によっては、中止する可能性がゼロではないとおっしゃいましたけれども、感染が急速に拡大してる状況ですけれど、仮に(愛郷ぐんまプロジェクトを)中止するとしたら、どういう状況なのか、例えば感染者数がすごい増えてるとか、あるいはその重症度なのかとか、そういう(中止する場合の状況について)イメージがあったら教えてください。
(知事)
まず、知事としては、(愛郷ぐんまプロジェクトを)できる限り中止にしたくないと思っています。いつも言っているように、最後までやりたいと思ってることをまず一つ申し上げた上で、どういうときに、プロジェクトを中止にするのかというのは、これまでも過去の記者会見で聞かれているんですが、これは総合的に(状況を見て)判断するということです。
これがこうなってる(から判断する)ということじゃなくて、総合的に全体の流れを考えて判断するということです。
先ほど申し上げたとおり、できるだけ最後までやりたいと思いますけれども、そこはいろんな状況変わってきていますから、その全体を見極めた上で、そういう(プロジェクトを中止にする)可能性もゼロではないということは分かっていただかないといけないと思っています。
(記者)
先日の参院選で、与党の勝利という結果になりましたけれども、その結果への受け止めと、あと岸田政権に改めてどういったことを求めていくかについて教えてください。
(知事)
まず、参院選で与党が勝利をしたと、自民党が圧勝したと言っていいんでしょうか。このこと自体は、やはり政治の安定に繋がるという点では歓迎をしたいと思いますし、私も自民党に24年間もいたので、いろいろ思い入れもあって、この結果はこの結果として、地方自治体から見るとですね、よかったかなと思っています。
他方で、今こういう状況でかなり自民党が勝ちましたが、以前から言っているように、もちろん自民党にも、公明党にも、特に自民党にも頑張っていただきたいとは思うんですけれども、余りにも、野党が弱いということは不健全だとも思います。自民党にも随分同士がいっぱいいるので、政治の緊張感を欠かないように、やっぱり国民の目というものをよく見ながら、謙虚に大事なことをやっていっていただきたいというのが、元国会議員として、あるいは知事としての率直な考えです。
それから岸田政権に望みたいことは、もちろん岸田総理が、この安定多数をもって、いろいろな政策をやっていただけると思うんですけども、これまではものすごく安全運転だったと思うんですね。世論の動向を見ながら、そろりそろりとやっておられたと思うのですけども、ここからは、思い切ってリーダーシップを振るっていただきたいなと思っています。
今、日本が置かれている状況は、国会議員の時も強く感じていましたし、知事の立場からも感じますが、国も地方も、いろいろな意味で非常に危機的な状況にあると思います。それはもう経済から安全保障まで。こういう時代なので、やはり総理にはしっかりとしたリーダーシップを振るってもらいたいし、時にはね、世論の動向を見るのは大事なんだけど、やっぱり国民にとって耳の痛い話であっても、国全体のためにやらなくてはいけないこともあるので、ぜひそういうことも考えながら、今まで以上に岸田総理には大胆にやっていただきたい。ぜひ頑張っていただきたい。そんなふうに感じています。
(記者)
警戒レベルのことなんですけれども、また総合的な判断という話になるのかもしれないのですけれど、今後上げることを検討する場合、1番キーとなるようなポイント(として)、医療提供体制が一つあるかと思うんですけれど、(キーポイントは)どこら辺にありますでしょうか。
(知事)
先ほど言ったように、(警戒レベルを)上げるということになると、総合的な判断だと思いますので、これに尽きると思うんですが、当然その中では病床使用率とか医療提供体制も大事な要素の一つにはなってくるだろうなと思います。
(記者)
安倍氏が凶弾に倒れた関係で、知事の公務への影響というか、警備のレベルを上げたりするということは検討されていますでしょうか。
(知事)
それはですね、いろいろ周りで心配していただいている方もいるので、少しできる範囲で何らかの対応を考えていただければなと思っています。
(記者)
安倍元総理が死去されましたことで、お伺いしたいと思います。
安倍さんは憲政史上最長の通算8年8カ月という長期政権を築きました。こういう方がお亡くなりになったということで、安倍さんが、どういう政治家だったか、どういうリーダーであったかということについて、知事の所感をお聞きしたいと思います。
(知事)
まず、安倍元総理がこういう形で亡くなられたことは、日本にとっても、世界にとっても大きな損失だと思います。今記者さんがおっしゃったように、憲政史上最長の政権を実現した偉大なリーダーだと、私は思っています。
安倍政権の業績は、いろいろあると思うんですけれども、少し前のワイドショーかなにかで、安倍元総理の側近だった世耕参院幹事長ですね、宇留賀副知事を見つけてくれた人なんですけど、世耕幹事長が「いろいろなことやったけれども、最大の仕事は、ある程度限定された条件の下とはいえ、集団的自衛権の行使というものを、ある程度できるようにしたことじゃないか」と言ってたんですけども、これはまさに今の日本の安全保障環境を考えると、いろいろ反対もありましたが、歴史的に大きく評価されるんじゃないかと思います。
それから、経済面、アベノミクスもそうなんですけども、実は歴代の自民党政権が、なかなかやろうと思っても挑戦できなかったことに、いろいろな形で安倍内閣は挑戦をしています。さすがに6年以上あったので、そういう意味では、なかなか他の総理にはできないことをいっぱいなさったんじゃないかと思います。
どんな総理だったかというのは、とても難しいんですけれども、やっぱりこれも世耕さんも言っていましたが、非常にやさしい、チャーミングな人だったと思うんですよね。
ちょっと誤解を生んでもあれなんですけれども、今、「鎌倉殿の13人」がはやっているということで、この前庁議で言ったんですが、今注目されている源平で言うと、源頼朝のようなクールな戦略家としての面と、木曽義仲みたいな、熱で人を引っ張っていくみたいな、両方の側面を持った方だったなと(思います)。
私はこの前の庁議でも言ったんですけど、実は昔から木曽義仲が一番好きなんですね。芥川龍之介の「木曽義仲論」じゃないけど、やっぱりその、「男らしき人生なり」っていうね、(木曽義仲論の中に)「(彼の)人生は失敗だった。(彼の)歴史は蹉跌の歴史だった。(彼の)一代は薄幸の歴史だった。しかれども彼の生涯は男らしき生涯なり」という文があって、安倍(元)総理は、源頼朝のような戦略的な思考とか、人との交渉力とか、大局を見る目があって、ある意味でいうと鎌倉幕府じゃないんですけれども最長の政権を樹立したんですけれども、その中にはやっぱり木曽義仲みたいな部分があって、人を信用しやすいというか、懐が広いんだけど、そのことによって、いろいろなものに巻き込まれるみたいな側面もあって、人によっては脇が甘いと言う人もいると思うけど、ここがやっぱり魅力でした。その両方の面を持った、本当に希有な政治家だったと思います。
(記者)
今現政権、岸田文雄首相ですけれども、今回の参院選で勝利したということで、黄金の3年間を手に入れたと言われています。
改めてですけれども、安倍さんの遺志を継いで岸田政権にやってもらいたいこと、先ほど大胆な(政策をお願いしたい)とおっしゃっておりましたが、どのような政策に取り組んでもらいたいと考えているか、お聞きしたいと思います。
(知事)
岸田総理は外務大臣もやられたり、党の方でも要職を経験された素晴らしい方なので、私ごときが「こうして欲しい」と言うのもおこがましいんですけども、やはり今まではものすごく安全運転だったと思うんですよね。
本当に言い得て妙だなという言葉があるんですけど、「ノーリフォーム ノーエネミー」だから、何の改革もやらなければ、何の妨害も無いし、何となくみんなふわっと支持するじゃないですか。でも、それだったら今の日本も地方も持たないと思うんですね。
そこは、必要なことは、菅前総理じゃないけど、大胆に、ぜひどんどん、やっていただきたいと思いますし、やはり安倍元総理がやり残したこともありますから、この意思を継いで、憲法改正も、これから本格的に議論が始まるわけなので、これもしっかり議論した上で、自民党としても党是だと思うんですけど、結党以来の。こういうことも、やはり岸田総理に、しっかりと丁寧に、しっかりと進めていただきたいなと、個人的にはそう思ってます。
(記者)
感染者が、先ほど知事がおっしゃったように非常に急増しているという一方で、重症者は今のところは少ないということなんですけれども、その要因について、改めてどういうふうに捉えていらっしゃるかのか、先ほどはBA.5も一つの要因かとおっしゃっていましたが、あるいは県民への呼びかけみたいなところでもう少しお願いできればと思います。
(知事)
BA.5のことは先ほど申し上げたとおり、まだ完全に正体が分かっていないので、ちゃんと油断なく流れを見ていかなくてはいけないと思いますけど、今の点については健康福祉部長の方からお答えさせていただきます。どうぞ。
(健康福祉部長)
まだ県内では、それほど出ていないんですけれども、(感染性の高いと言われる)BA.5に置き換わりつつある(と思っています)。その中でBA.5については、知事が申し上げたとおり、今のところ明確な評価や定まった見解はないんですけれども、重症度の上昇はこれまでよりも見られないというような報告もありますし、病原性が増加してるという報告もあるところなんですけれども、そういうオミクロン株、BA.5も含めた特性の中で重症者が増えていないという状況だと思っています。
(記者)
いくつかの報道機関が触れていたんですけれども、4回目接種について、医療従事者とか、高齢者施設の従事者の方に拡大する方向で検討に入ったということがありまして、それについて昨日、全国知事会の提言の中でも入っていたと思うんですけれども、それについて、もちろんまだ方針なので、なかなか言いづらいところもあると思いますが、知事としてどう思っていらっしゃいますか。
(知事)
まず、新型コロナワクチン接種推進局長どうぞ。
(新型コロナワクチン接種推進局長)
そうした情報が報道されているということでありますけれども、実際、正式に国の方から私どもの方にも連絡がきているわけではありませんので、専門家による審議会ですとか、そういうものを経て(決定する)というような、情報もありますので、(県としては)その推移を見守りたいと思っております
(知事)
国の方針をしっかり確認して対応するということですね。
(記者)
今回安倍さんが撃たれた件についてですが、被疑者の方が、いわゆる統一教会との関連性をいろいろ報道されてます。そこら辺についての受け止めをお願いできますか。
(知事)
どうしてこういう凶行に及んだかというのは、いろいろと報道されていて、正確には私もよく分からないんですけれども、ものすごく不条理を感じますね。
なぜ、安倍元総理がこんなことで襲われなければいけないのかと、もう本当に不条理だし、伝わってくるところを見ても納得がいかないですね。それに尽きると思います。
(記者)
各種報道で、真偽は分かりませんけども、自民党と統一教会との関連性が報道されていますが、そちらについての受け止めを教えてください。
(知事)
それは、全く私が預かり知らないところなので、全く事実関係は分かりません。
私自身は全く関係ありません。
よろしいでしょうか。
それでは最後に、知事の方から、もう一度、県民の皆さまにお伝えさせていただきたいと思います。
今日、会見でいろいろご説明させていただきましたが、群馬県も、いよいよ第7波に突入していると判断しています。
ただ皆さま、この会見で毎週申し上げてきたとおり、どこかで第7波が起こる可能性が高いということを申し上げてきたので、ある意味では想定内の出来事だということで、県としても落ち着いて対応していきたいと思っています。
先ほど申し上げたとおり、基本的な感染対策にしっかりと気をつけていただくことが一番大事だと思っていまして、確かに今日も(感染者は)千人近くまで増えているんですが、千人近くまで増えても、現段階で重症者は1人もおりません。最近、特に亡くなる方も、ものすごく減少しているということで、そこは冷静に見なければいけないと(思います)。一番大事なことは、感染防止対策は進めながらも、やはり地域経済、社会経済活動を何とか前に進めていきたいと思っています。
毎回申し上げますが、それをしっかりやっていくためにも、やはり一人一人の県民の皆さまに感染防止対策に気を配っていただくことがとても大事だと思います。
これからいろいろ人が動く季節になりますので、先ほどもちょっと申し上げましたが、夏のご旅行に行かれるときとかは、体調とか発熱とかこういうことにも気を遣っていただいて、あるいはできる限り密を避けるみたいな工夫もしながら行動していただければありがたいと思います。
何度も申し上げますが、またここで第7波ということですけども、皆さまと力を合わせれば必ず乗り切っていけると思っておりますので、ぜひ力を合わせて、この難局を乗り越えていければと思っております。
ほかに質問がなければ、これで会見を終わりたいと思います。
メディアの皆さんには、今日も最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。以上です。
(以上で終了)
文章中の()内については、メディアプロモーション課において加筆したものです。