本文
群馬県犯罪防止推進条例条文
平成十六年六月十六日
(目的)
第一条 この条例は、地域社会において日常的に安全が保たれるよう犯罪の起こりにくいまちづくり(以下「安全なまちづくり」という。)に関し県、県民及び事業者の責務を明らかにするとともに、犯罪の防止のために必要な事項を定め、もって県民及び観光等で本県を訪れる者が安心して暮らし、又は滞在することができる安全な社会の実現を図ることを目的とする。
(県の責務)
第二条 県は、市町村及び県民等(県民、事業者及びこれらの者で組織される団体をいう。以下同じ。)と連携し、及び協力して、安全なまちづくりに関する施策を総合的に実施する責務を有する。
2 県は、市町村が実施する安全なまちづくりに関する施策及び県民等が行う安全なまちづくりに関する活動に対し、支援及び協力を行うよう努めるものとする。
(県民の責務)
第三条 県民は、自ら安全の確保に努めるとともに、県民等が行う安全なまちづくりに関する活動及び県が実施する安全なまちづくりに関する施策に協力するよう努めるものとする。
(事業者の責務)
第四条 事業者は、その所有し、又は管理する施設及び事業活動に関し、自ら安全の確保に努めるとともに、県が実施する安全なまちづくりに関する施策に協力するよう努めるものとする。
(あいさつの励行等を通じた良好な地域社会の形成)
第五条 県民は、地域社会において相互に信頼し、連携し、及び協力する関係が安全なまちづくりに寄与するものであることを踏まえ、あいさつの励行、地域の行事への参加等を通じて、良好な地域社会の形成に努めるものとする。
(推進体制の整備)
第六条 県は、市町村及び県民等と協働して、安全なまちづくりを推進するための体制を整備するものとする。
(広報活動等)
第七条 県は、安全なまちづくりに関し県民等の理解を深めるため、広報活動及び啓発活動を行うものとする。
(県民等に対する支援)
第八条 県は、県民等が自主的に行う、防犯パトロール等安全なまちづくりに関する活動を促進するため、必要な情報の提供、技術的な助言その他の必要な支援を行うものとする。
(犯罪に遭わないようにするための教育の充実)
第九条 県は、子ども(おおむね十八歳以下の者をいう。以下同じ。)に対し、犯罪に遭わないようにするための教育を充実するよう努めるものとする。
(子どもの健全育成)
第十条 県は、学校等(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する学校(大学を除く。)、同法第百二十四条に規定する専修学校の高等課程、同法第百三十四条第一項に規定する各種学校で主として子どもに対して学校教育に類する教育を行うもの及び児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第七条に規定する児童福祉施設をいう。以下同じ。)及び県民等と連携して、子どもが規範意識を持ち、社会の一員として健全な生活を営むことができるよう、社会参画活動の推進等を通じて、その育成に努めるものとする。
(学校等における子どもの安全の確保)
第十一条 学校等を設置し、又は管理する者は、次項の指針に基づき、当該学校等の施設内において、子どもの安全を確保するよう努めるものとする。
2 知事、教育委員会及び公安委員会は、共同して、学校等の施設内における子どもの安全の確保のための指針を定めるものとする。
(学校等における安全対策の推進)
第十二条 県立の学校等を管理する者は、必要があると認めるときは、その所在地を管轄する警察署その他の関係機関の職員、子どもの保護者、安全なまちづくりに関する活動を行う県民等その他当該管理者が必要と認める者の参加を求めて、当該学校等の施設内における安全対策を推進するための体制を整備し、子どもの安全を確保するために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
2 県は、県立の学校等以外の学校等を設置し、又は管理する者に対し、当該学校等の施設内における安全対策の実施について、必要な情報の提供、技術的な助言等を行うよう努めるものとする。
(通学路等における子どもの安全の確保)
第十三条 警察署長は、その管轄区域において、通学路等(子どもが通学、通園等の用に供している道路及び子どもが日常的に利用している公園、広場等をいう。以下同じ。)を管理する者、子どもの保護者、学校等を管理する者、地域住民等と連携して、当該通学路等における子どもの安全を確保するために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
2 県民は、通学路等において、子どもが危害を受けていると認められる場合又は危害を受けるおそれがあると認められる場合には、警察官への通報、避難誘導その他の必要な措置をとるよう努めるものとする。
(犯罪の防止に配慮した道路等の普及)
第十四条 県は、犯罪の防止に配慮した構造、設備等を有する道路、公園、自動車駐車場及び自転車駐車場(以下「道路等」という。)の普及に努めるものとする。
2 知事及び公安委員会は、共同して、道路等について、犯罪の防止に配慮した構造、設備等に関する指針を定めるものとする。
(道路等の設置者等の努力義務)
第十五条 道路等を設置し、又は管理する者は、前条第二項の指針に基づき、当該道路等を犯罪の防止に配慮した構造、設備等を有するものとするために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(空地又は空家における犯罪防止の措置)
第十六条 空地又は空家を所有し、又は管理する者は、当該空地又は空家について、犯罪を防止するために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(犯罪の防止に配慮した住宅の普及)
第十七条 県は、犯罪の防止に配慮した構造、設備等を有する住宅の普及に努めるものとする。
2 知事は、公安委員会と協議して、住宅について、犯罪の防止に配慮した構造、設備等に関する指針を定めるものとする。
(住宅を建築しようとする者等の努力義務)
第十八条 住宅を建築しようとする者、住宅を設計し、建築し、又は供給しようとする事業者及び共同住宅を所有し、又は管理する者は、前条第二項の指針に基づき、当該住宅を犯罪の防止に配慮した構造、設備等を有するものとするために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(深夜に営業する小売店舗における犯罪防止の措置)
第十九条 深夜(午後十一時から翌日の午前六時までの間をいう。)において営業する店舗で小売業を営む者は、犯罪の防止に配慮した構造、設備等を有する店舗の整備その他の犯罪の防止のために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(観光旅行者等の安全の確保)
第二十条 県は、観光に関する事業を営む者等と連携して、観光旅行者等(観光旅行者及び観光以外の目的で本県を訪れる者をいう。以下同じ。)の安全を確保するために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
2 県民等は、観光旅行者等が安心して滞在することができるよう配慮に努めるものとする。
附則
この条例は、公布の日から施行する。
附則
この条例は、学校教育法等の一部を改正する法律(平成十九年法律第九十六号)の施行の日又はこの条例の公布の日のいずれか遅い日から施行する。