本文
群馬県景観条例
私たちは、雄大で多様な自然や、豊かな水と緑に恵まれたこのふるさとぐんまで、それぞれの地域に個性豊かな景観をかたちづくってきました。赤城・榛名・妙義の上毛三山をはじめとする山々や、利根川に代表される豊かな清流、そして城下町や宿場の面影を残す古いまちなみや温泉街など歴史や伝統を感じさせる景観も群馬県民の原風景であり、これらの景観資源はかけがえのない県民共有の財産であるといえます。
こうした優れた景観は一朝一夕につくりあげられるものではありません。県民の皆さんと行政が手を取りあって一歩一歩景観づくりを進めていかなければなりません。群馬県では平成5年10月ふるさとぐんまの景観づくりのためのひとつのよりどころとして群馬県景観条例を制定しました。
1 条例の目的と私たちの役割(第1章:総則)
この条例は、(1)県、市町村、県民及び事業者の景観づくり(優れた景観を保全し、創造すること)に関する役割を明らかにすること、(2)地域の特性を生かした景観づくりのための施策を総合的、計画的に推進することを目的としています。
この目的を達成するため、条例では次のような役割分担を考えています。
県民・事業者=自ら景観づくりに努め、県や市町村が行う景観づくりに協力する。
市町村=県と協力し、地域特性に応じた景観づくりを進め、住民、事業者に景観づくりに関する知識の普及に努める。
県=景観づくりに関する広域的、総合的な施策を策定、実施し、市町村、事業者の景観づくりを支援する。
2 景観づくりの基本方針(第2章:景観形成基本方針)
県は、地域の特性を生かした景観づくりのための施策を総合的、計画的に推進するため、景観づくりに関する基本方針(景観形成基本方針)を定めています。
景観づくりの基本目標(景観形成基本方針より)
「ふるさとぐんまの美しい景観を守り、活かし、つくり、育てる」
守る(保全)地域の共有財産としての優れた景観を適正に保全する。
活かす(利活用)地域固有の景観を景観づくりや地域の活性化に活用する。
つくる(創造)既存の景観資源を守り活かすだけではなく、積極的に優れた景観を創造する。
育てる(育成)地域の景観づくり活動や固有の地域文化を育成する。
3 景観形成地域の指定(第3章:景観形成地域)
県は豊かな自然や歴史的、文化的遺産を有する地域、都市施設などが集積している地域など、景観づくりを進めるうえで特に必要な地域を、景観形成地域として指定することができます。
指定された地域については景観づくりのための基本計画(景観形成基本計画)を定め、これに基づき建築物等を建てるときの形態、色彩、緑化などについての基準(景観形成基準)を作成します。
また、指定された地域内で建築物の新築など一定の行為を行おうとするときには県への届出が必要となります。
4 大規模行為の届出制度による景観づくり(第4章:大規模行為)
大規模な建築物等の新築や土地の区画形質の変更など、地域の景観に著しい影響を及ぼすおそれのある行為(大規模行為)については、事前に県への届出をしていただくことにより、優れた景観づくりを図ります。
また、この場合の景観づくりの基準として大規模行為景観形成基準を定めています。
5 公共事業による景観づくり(第5章:公共事業等)
公共空間は皆さんのふれあいの場であり、景観づくりの骨格となるものです。このため、県では公共事業等景観形成指針を定め、安全性の確保、障害のある方、高齢の方等に配慮しながら、道路、河川、公園、公共建築物等について質の高い景観づくりをめざしています。
6 景観づくりの支援(第6章:援助等、第7章:景観形成住民協定)
優れた景観づくりには、市町村、県民、事業者の皆さんの自主的な活動が欠かせません。こうした地域に根差した景観づくりを進めるため、各種の補助制度を設け直接、間接の支援を行っています。
群馬県景観条例
平成五年十月七日 条例第三十七号
改正 平成 八年 三月二七日条例第二三号
平成一二年 三月二三日条例第五二号
平成一六年一二月二四日条例第六九号
平成一七年 三月二四日条例第四八号
平成一九年一二月二五日条例第七九号
平成二〇年 三月二七日条例第一一号
平成二一年一二月二五日条例第九六号
群馬県景観条例をここに公布する。
群馬県景観条例
目次
前文
第一章 総則(第一条―第六条)
第二章 景観形成基本方針(第七条)
第三章 景観形成地域(第八条―第十五条)
第四章 大規模行為(第十六条―第二十条)
第五章 公共事業等(第二十一条―第二十三条)
第六章 援助等(第二十四条・第二十五条)
第七章 景観形成住民協定等(第二十六条・第二十七条)
第八章 群馬県景観審議会(第二十八条・第二十九条)
第九章 雑則(第三十条)
第十章 罰則(第三十一条・第三十二条)
附則
私たちのふるさとぐんまは、雄大で美しい山々と母なる利根川の清流にはぐくまれ、地域のさまざまな風土や伝統文化に彩られた多様で個性豊かな景観をつくりだしてきた。
個性豊かで美しい景観は、人々に心の安らぎとうるおいを与え、私たちの心のきずなとなって、ふるさとへの誇りと愛着を育てていく。
今こそ、私たちは、優れた景観が私たち一人ひとりの知恵とたゆまない努力によって守られ、つくられていくことの大切さを認識し、このかけがえのない財産を後世に伝えていくための活動を操り広げよう。
私たちは、活力あふれる地域を創造し、真に豊かで住みよい環境をきずき、これらを次代に引き継いでいくため、県、市町村、県民、事業者が一体となって、ふるさとぐんまの景観を保全し、創造していくことを決意し、ここに群馬県景観条例を制定する。
第一章 総則
(目的)
第一条 この条例は、県、県民及び事業者の景観形成に関する責務を明らかにするとともに、地域の特性を生かした景観形成のための施策を総合的、計画的に推進することを目的とする。
一部改正〔平成一二年条例五二号〕
(定義)
第二条 この条例において「景観形成」とは、優れた景観を保全し、又は創造することをいう。
2 この条例において「建築物等」とは、建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第一号に規定する建築物及び規則で定める工作物をいう。
(県の責務)
第三条 県は、県土の景観形成に関する広域的かつ総合的な施策を策定し、及びこれを実施するものとする。
2 県は、市町村が実施する地域の特性に応じた景観形成に関する施策に協力し、及びこれを支援するものとする。
3 県は、県民及び事業者に対し、県土の景観形成に関する知識の普及等の啓発を行うものとする。
第四条 削除
削除〔平成一二年条例五二号〕
(県民の責務)
第五条 県民は、自ら景観形成に努めるとともに、県が実施する景観形成に関する施策に協力するよう努めるものとする。
一部改正〔平成一二年条例五二号〕
(事業者の責務)
第六条 事業者は、その事業活動の実施に当たり、景観形成のために必要な措置を講ずるとともに、県が実施する景観形成に関する施策に協力するよう努めるものとする。
一部改正〔平成一二年条例五二号〕
第二章 景観形成基本方針
第七条 知事は、県土の景観形成に関する基本方針(以下「景観形成基本方針」という。)を定めるものとする。
2 景観形成基本方針には、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 景観形成に関する基本構想
二 景観形成上特に必要な地域に関する基本的事項
三 景観形成上特に必要な大規模な行為に関する基本的事項
四 景観形成を推進するための施策に関する基本的事項
五 その他景観形成に関し必要な事項
3 知事は、景観形成基本方針を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、群馬県景観審議会の意見を聴くものとする。
4 知事は、景観形成基本方針を定め、又は変更したときは、これを公表するものとする。
第三章 景観形成地域
(景観形成地域の指定)
第八条 知事は、次の各号のいずれかに該当する地域のうち、県土の景観形成上特に必要と認められる地域を景観形成地域として指定することができる。
一 山、高原、河川、湖沼等の豊かな自然を有する地域
二 伝統的町並み、神社、寺院、遺跡その他歴史的文化的遺産を有する地域
三 主要な道路又は河川に沿った地域
四 都市施設が集積している地域又はその集積が見込まれる地域
五 その他知事が特に必要と認める地域
2 市町村長は、当該市町村の区域のうち、前項第一号から第四号までのいずれかに該当する地域その他県土の景観形成上特に必要と認められる地域を景観形成地域として指定するよう知事に要請することができる。
3 知事は、景観形成地域の指定をしようとするときは、あらかじめ、関係市町村長の意見を聴くものとする。
4 知事は、景観形成地域の指定をしようとするときは、あらかじめ、規則で定めるところにより、その旨を公告し、その案を当該公告の日から二週間公衆の縦覧に供するものとする。
5 前項の規定による公告があったときは、当該景観形成地域の区域に係る住民及び利害関係人は、同項の縦覧期間満了の日までに、縦覧に供された案について、知事に意見書を提出することができる。
6 知事は、第四項の縦覧期間満了後、景観形成地域の指定に関し広く意見を聴く必要があると認めるときは、公聴会を開催することができる。
7 知事は、景観形成地域の指定をしようとするときは、第三項から前項までの手続を経た後、群馬県景観審議会の意見を聴くものとする。この場合において、知事は、第五項の規定による意見書の提出があったとき又は前項の規定による公聴会を開催したときは、その内容の要旨を群馬県景観審議会に報告するものとする。
8 知事は、景観形成地域の指定をするときは、その旨及びその区域を告示するものとする。
9 景観形成地域の指定は、前項の規定による告示によってその効力を生ずる。
10 第二項から前項までの規定は、景観形成地域の指定の解除又はその区域の変更について準用する。
(景観形成基本計画)
第九条 知事は、景観形成地域の指定をするときは、当該景観形成地域の景観形成に関する基本計画(以下「景観形成基本計画」という。)を定めるものとする。
2 景観形成基本計画には、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 当該景観形成地域における景観形成のための基本的かつ総合的な方針に関する事項
二 当該景観形成地域における景観形成のための基準(以下「景観形成基準」という。)の策定の指針に関する事項
三 当該景観形成地域における景観形成のための事業に関する基本的事項
四 その他当該景観形成地域における景観形成に関し必要な事項
3 前条第三項から第八項までの規定は、景観形成基本計画の決定、廃止及び変更について準用する。この場合において、同項中「その旨及びその区域」とあるのは、「その旨」と読み替えるものとする。
(景観形成基準)
第十条 知事は、景観形成基本計画に基づき、当該景観形成地域における景観形成基準を定めるものとする。
2 景観形成基準には、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 建築物等の位置、規模、形態、色彩、意匠及び素材並びに敷地の緑化に関する事項
二 木竹の伐採及び事後の緑化に関する事項
三 屋外における物品の集積又は貯蔵の方法及び遮へいに関する事項
四 地形の外観の変更を伴う鉱物の掘採又は土石等の採取の際の遮へい及び事後の措置に関する事項
五 土地の区画形質の変更(水面の埋立て又は干拓を含む。以下同じ。)後における土地の形状及び緑化に関する事項
六 広告物(屋外広告物法(昭和二十四年法律第百八十九号)第二条第一項に規定する屋外広告物をいう。以下同じ。)に関する事項
七 その他知事が必要と認める事項
3 第八条第三項から第八項までの規定は、景観形成基準の決定、廃止及び変更について準用する。この場合において、同項中「その旨及びその区域」とあるのは、「その旨」と読み替えるものとする。
(景観形成基準の遵守)
第十一条 景観形成地域において次条第一項各号に掲げる行為をしようとする者は、当該行為が景観形成基準に適合するよう努めるものとする。
(行為の届出)
第十二条 景観形成地域において次に掲げる行為をしようとする者は、当該行為に着手する日の三十日前までに、規則で定めるところにより、その内容を知事に届け出なければならない。
一 建築物等の新築、改築、増築、移転又は撤去
二 建築物等の外観の模様替え又は色彩の変更
三 木竹の伐採
四 屋外における物品の集積又は貯蔵
五 地形の外観の変更を伴う鉱物の掘採又は土石等の採取
六 土地の区画形質の変更
七 広告物の表示若しくは広告物を掲出する物件の設置又はこれらの外観の変更
2 前項の規定により届け出た内容を変更しようとするときは、当該届出をした者(同項各号の行為をしようとする者が変更されたときは、新たに当該行為をしようとする者)は、当該変更に係る行為に着手する日の三十日前までに、規則で定めるところにより、その内容を知事に届け出なければならない。ただし、第十四条第一項の規定による指導に従うことにより変更を生じるときは、この限りでない。
(適用除外)
第十三条 この章の規定は、景観法(平成十六年法律第百十号)第八条第二項第一号に規定する景観計画区域及び同法第六十一条第一項に規定する景観地区については、適用しない。
2 前条の規定は、次に掲げる行為については、適用しない。
一 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で県土の景観形成上支障を及ぼすおそれがないものとして規則で定めるもの
二 非常災害のために必要な応急措置として行う行為
三 景観形成基本計画に基づく景観形成のための事業の執行として行う行為
四 国、地方公共団体その他規則で定める公共的団体(以下「国等」という。)が行う行為
五 文化財保護法(昭和二十五年法律第二百十四号)第四十三条第一項又は第百二十五条第一項の許可を受けて行う行為及び同法第四十三条の二第一項、第八十一条第一項又は第百二十七条第一項の規定により届け出て行う行為並びに同法第百四十三条第一項後段(同条第二項後段において準用する場合を含む。)の規定による市町村の条例に基づく許可を受けて行う行為
六 森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)第十条の二第一項の許可を受けて行う開発行為、同法第十条の八第一項の規定により届出書を提出して行う立木の伐採、同法第三十四条第一項(同法第四十四条において準用する場合を含む。)の許可を受けて行う立木の伐採及び同法第三十四条第二項(同法第四十四条において準用する場合を含む。)の許可を受けて行う行為
七 自然公園法(昭和三十二年法律第百六十一号)第十三条第三項又は第十四条第三項の許可を受けて行う行為及び同法第二十六条第一項の規定により届け出て行う行為
八 河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第六条第一項に規定する河川区域内において河川管理者の許可又は承認を受けて行う行為
九 都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第五十八条の二第一項又は第二項の規定により届け出て行う行為
十 自然環境保全法(昭和四十七年法律第八十五号)第二十五条第四項の許可を受けて行う行為及び同法第二十八条第一項の規定により届け出て行う行為
十一 都市緑地法(昭和四十八年法律第七十二号)第八条第一項の規定により届け出て行う行為及び同法第十四条第一項の許可を受けて行う行為
十二 群馬県屋外広告物条例(昭和三十九年群馬県条例第八十一号)第七条第一項、第十三条第四項若しくは第五項第四号又は第十九条第一項の許可を受けて行う行為、同条例第十三条第七項の規定により協議をして行う行為、同条例第九条第十一項又は第十三条第七項の規定により届け出て行う行為及び同条例第十条第五項の規定により確認を受けて行う行為並びに同条例第三十七条の三に規定する市が定める同条の条例の規定により、許可を受け、協議をし、又は届け出て行う行為
十三 群馬県風致地区内における建築等の規制に関する条例(昭和四十五年群馬県条例第三十一号)第二条第一項の許可を受けて行う行為
十四 群馬県自然環境保全条例(昭和四十八年群馬県条例第二十四号)第十五条第四項の許可を受けて行う行為及び同条例第十七条第一項又は第二十四条第一項の規定により届け出て行う行為
十五 群馬県文化財保護条例(昭和五十一年群馬県条例第三十九号)第十七条第一項(同条例第四十二条において準用する場合を含む。)の許可を受けて行う行為及び同条例第十八条第一項(同条例第三十三条及び第四十二条において準用する場合を含む。)又は第三十二条第一項の規定により届け出て行う行為
十六 景観形成地域が指定され、又はその区域が拡張された際現に着手している行為
十七 その他法令に基づく事業で規則で定めるものの執行として行う行為
一部改正〔平成八年条例二三号・一六年六九号・一七年四八号・一九年七九号・二〇年一一号〕
(指導等)
第十四条 知事は、第十二条第一項又は第二項の規定による届出があった場合において、県土の景観形成上必要があると認めるときは、当該届出をした者に対し、当該景観形成地域の景観形成基本計画及び景観形成基準に基づき、規則で定めるところにより、必要な措置を講ずるよう指導をすることができる。
2 知事は、前項の規定による指導に従わない者に対し、県土の景観形成上特に必要があると認めるときは、当該指導に従うよう勧告をすることができる。
3 知事は、前項の規定による勧告(以下「勧告」という。)をしようとするときは、あらかじめ、規則で定めるところにより、指導に従わない者から当該指導に従わない理由を聴かなければならない。
4 知事は、勧告をしようとするときは、前項の規定により聴取した内容の要旨を群馬県景観審議会に報告し、その意見を聴くものとする。
5 知事は、勧告を行ったときは、規則で定めるところにより、その内容を公表することができる。
(既存施設等に対する要請)
第十五条 知事は、景観形成地域において、建築物等、土地又は屋外において集積され、若しくは貯蔵された物品(以下「既存施設等」という。)について、当該景観形成地域の景観形成上著しく支障があると認められるときは、当該既存施設等の所有者又は権原に基づく管理者に対し、当該景観形成地域の景観形成基本計画及び景観形成基準に基づき、必要な措置を講ずるよう要請することができる。
第四章 大規模行為
(大規模行為景観形成基準)
第十六条 知事は、次に掲げる行為(以下「大規模行為」という。)に関する景観形成のための基準(以下「大規模行為景観形成基準」という。)を定めるものとする。
一 建築物等で、その高さ又は面積が規則で定める規模を超えるもの(以下「大規模建築物等」という。)の新築、改築若しくは増築(改築又は増築後の高さ又は面積が規則で定める規模を超えることとなる場合の改築又は増築を含む。)、移転又は撤去
二 大規模建築物等の外観の模様替え又は色彩の変更
三 屋外における物品の集積又は貯蔵で、その高さ又はその用に供される土地の面積が規則で定める規模を超えるもの
四 地形の外観の変更を伴う鉱物の掘採又は土石等の採取で、地形の外観の変更に係る土地の面積が規則で定める面積を超えるもの又は高さ及び長さが規則で定める規模を超える法面若しくは擁壁を生ずるもの
五 土地の区画形質の変更で、変更に係る面積が規則で定める面積を超えるもの又は高さ及び長さが規則で定める規模を超える法面若しくは擁壁を生ずるもの
六 広告物の表示若しくは広告物を掲出する物件の設置又はこれらの外観の変更で、規則で定める規模を超えるもの
2 大規模行為景観形成基準には、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 大規模建築物等の位置、規模、形態、色彩、意匠及び素材並びに敷地の緑化に関する事項
二 屋外における物品の集積又は貯蔵の方法及び遮へいに関する事項
三 地形の外観の変更を伴う鉱物の掘採又は土石等の採取の際の遮へい及び事後の措置に関する事項
四 土地の区画形質の変更後における土地の形状及び緑化に関する事項
五 広告物に関する事項
六 その他知事が必要と認める事項
3 知事は、大規模行為景観形成基準を定め、廃止し、又は変更しようとするときは、群馬県景観審議会の意見を聴くものとする。
4 第八条第八項の規定は、大規模行為景観形成基準の決定、廃止及び変更について準用する。この場合において、同項中「その旨及びその区域」とあるのは、「その旨」と読み替えるものとする。
(大規模行為景観形成基準の遵守)
第十七条 大規模行為をしようとする者は、当該大規模行為が大規模行為景観形成基準に適合するよう努めるものとする。
(行為の届出等)
第十八条 大規模行為をしようとする者は、当該大規模行為に着手する日の三十日前までに、規則で定めるところにより、その内容を知事に届け出なければならない。
2 前項の規定により届け出た内容を変更しようとするときは、当該届出をした者(大規模行為をしようとする者が変更されたときは、新たに当該大規模行為をしようとする者)は、当該変更に係る行為に着手する日の三十日前までに、規則で定めるところにより、その内容を知事に届け出なければならない。ただし、次条第一項の規定による指導に従うことにより変更を生じるときは、この限りでない。
3 第十三条第二項(第三号及び第十六号を除く。)の規定は、前二項の規定による届出について準用する。
一部改正〔平成二〇年条例一一号〕
(指導等)
第十九条 知事は、前条第一項又は第二項の規定による届出があった場合において、県土の景観形成上必要があると認めるときは、当該届出をした者に対し、大規模行為景観形成基準に基づき、規則で定めるところにより、必要な措置を講ずるよう指導をすることができる。
2 第十四条第二項から第五項までの規定は、前項の規定による指導をした場合について準用する。この場合において、同条第二項中「前項」とあるのは、「第十九条第一項」と読み替えるものとする。
3 知事は、大規模行為又はその変更に係る行為をしようとする者が前条第一項若しくは第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした場合には、規則で定めるところにより、その事実を公表することができる。この場合において、知事は、あらかじめ、規則で定めるところにより、その者から当該届出をせず、又は虚偽の届出をした理由を聴かなければならない。
(適用除外)
第二十条 この章の規定は、次に掲げる区域については、適用しない。
一 景観形成地域の区域
二 市町村の条例(この章の規定と同等の内容を規定する条例に限る。)に基づき景観形成のために必要な措置が講じられる区域で知事が別に指定するもの
第五章 公共事業等
(公共事業等景観形成指針)
第二十一条 知事は、公共事業の実施又は公共施設の建設等(以下「公共事業の実施等」という。)に関する景観形成のための指針を定めるものとする。
2 知事は、前項の指針を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、群馬県景観審議会の意見を聴くものとする。
(公共事業の実施等)
第二十二条 知事は、公共事業の実施等に当たっては、前条第一項の指針を遵守するものとする。
2 知事は、景観形成地域における公共事業の実施等に当たっては、当該地域の景観形成基本計画に基づき、景観形成を推進するものとする。
(国等への要請)
第二十三条 知事は、国等に対し、公共事業の実施等に当たっては、景観形成に配慮するよう要請することができる。
第六章 援助等
(援助)
第二十四条 知事は、次の各号のいずれかに該当する者に対し、景観形成のための技術的援助、景観形成に資する情報の提供その他必要な援助をすることができる。
一 知事の指導又は要請に従って景観形成のために必要な措置を講ずる者
二 景観形成のための施策を策定し、又はこれを実施する市町村
三 第二十六条第一項の住民協定を締結する者
四 その他知事が適当と認める者
(財政上の措置)
第二十五条 知事は、予算の範囲内で、景観形成基本方針に基づく施策のために必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
第七章 景観形成住民協定等
(景観形成住民協定)
第二十六条 知事は、土地(道路、河川、公園その他公共の用に供する土地を除く。以下同じ。)の所有者及び建築物等の所有を目的とする地上権又は賃借権を有する者(国等を除く。)が、一定の区域を定め、その区域内における景観形成に関する協定を締結した場合において、当該協定が規則で定める要件に該当し、かつ、県土の景観形成に資するものであると認めるときは、当該協定を景観形成住民協定(以下「住民協定」という。)として認定することができる。
2 住民協定には、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 住民協定の名称、目的及び対象となる土地の区域に関する事項
二 建築物等の位置、形態、色彩、意匠及び素材並びに敷地の緑化に関する事項
三 住民協定の有効期間に関する事項
四 住民協定の変更及び廃止に関する事項
五 その他住民協定の対象となる区域の景観形成に関し必要な事項
3 市町村長は、当該市町村の区域における景観形成に関する協定が県土の景観形成に資するものであると認めるときは、当該協定を住民協定として認定するよう知事に推薦することができる。
4 知事は、住民協定の認定をしたときは、その内容を公表することができる。
(大規模事業者との景観協定)
第二十七条 事業の用に供する一団の土地の面積が規則で定める規模を超える事業を営み、又は営もうとする者(国等を除く。)は、県土の景観形成のため、県から景観形成に関する協定を締結するよう求められたときは、これに応ずるよう努めなければならない。
2 前条第二項及び第四項の規定は、前項の規定による協定について準用する。この場合において、同条第四項中「住民協定の認定」とあるのは、「次条第一項の規定による協定の締結」と読み替えるものとする。
第八章 群馬県景観審議会
(設置)
第二十八条 知事の諮問に応じ、次に掲げる事項について調査審議するため、群馬県景観審議会(以下「審議会」という。)を置く。
一 この条例の規定によりその権限に属させられた事項
二 群馬県屋外広告物条例の規定によりその権限に属させられた事項
三 前二号に掲げるもののほか、景観形成及び屋外広告物に関する重要事項
2 審議会は、前項各号に掲げる事項について、知事に建議することができる。
全部改正〔平成二一年条例九六号〕
(組織等)
第二十九条 審議会は、委員十五人以内で組織する。
2 委員は、景観形成に関し学識経験を有する者その他適当と認める者のうちから知事が任命する。
3 委員の任期は、二年とし、再任されることを妨げない。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
4 前三項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
第九章 雑則
(委任)
第三十条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
第十章 罰則
(罰則)
第三十一条 第十二条第一項又は第二項の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、二十万円以下の罰金に処する。
(両罰規定)
第三十二条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同条の罰金刑を科する。
附則
1 この条例は、平成六年四月一日から施行する。ただし、第二章、第十六条及び第二十一条並びに第八章の規定は、平成五年十一月一日から施行する。
2 この条例の施行の際現に着手している大規模行為については、第十八条の規定は、適用しない。
附則(平成八年三月二十七日条例第二十三号抄)
(施行期日)
1 この条例は、平成八年十月一日(以下「施行日」という。)から施行する。
附則(平成十二年三月二十三日条例第五十二号)
この条例は、平成十二年四月一日から施行する。
附則(平成十六年十二月二十四日条例第六十九号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(平成十七年三月二十四日条例第四十八号)
この条例は、平成十七年四月一日から施行する。
附則(平成十九年十二月二十五日条例第七十九号抄)
(施行期日)
1 この条例は、平成二十年四月一日から施行する。
附則(平成二十年三月二十七日条例第十一号)
この条例は、平成二十年四月一日から施行する。
附則(平成二十一年十二月二十五日条例第九十六号)
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
(群馬県屋外広告物条例の一部改正)
2 群馬県屋外広告物条例(昭和三十九年群馬県条例第八十一号)の一部を次のように改正する。
(次のよう略)
(群馬県屋外広告物条例の一部改正に伴う経過措置)
3 前項の規定による改正前の群馬県屋外広告物条例の規定は、この条例の施行後最初に群馬県景観審議会の委員が任命されるまでの間は、この条例による改正後の群馬県景観条例第二十八条の規定及び同項の規定による改正後の群馬県屋外広告物条例の規定にかかわらず、なおその効力を有する。