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坂東工業団地周辺土壌汚染対策
坂東工業団地周辺(渋川市北橘町)においては、テトラクロロエチレンが混入していたカーバイド滓の埋立により、土壌・地下水汚染が発生しています。
そのため、本事案に関して、健康被害が生じるおそれがないよう、県では周辺地下水のモニタリングを継続しています。
1.事案の経過
昭和36年 廃河川敷(現坂東工業団地周辺)の占有者が河川の形状変更に係る県許可取得。当該地に、土木業者によって、県内の工場から排出されたテトラクロロエチレンが混入されているカーバイド滓の埋立開始(昭和38年終了)。
昭和50年代 当該地周辺で県企業局が団地造成・販売・区画整理等実施し民有地・公有地(国・県・市)となる。
平成元年 テトラクロロエチレンの法規制開始(水質汚濁防止法・水道法等)。下流約1kmにある前橋市水道水源井戸で当該物質の基準値超過判明。同市の自主的対策により現在も安全な水道水の供給を堅持。
平成10年 当該地周辺の県下水道工事でテトラクロロエチレンを含むカーバイド滓の埋立確認。
平成18年 団地進出企業が県に当該地における地下水汚染情報提供。県が埋立地周辺における地下水調査等開始。
なお、埋立が行われた当時施行されていた廃棄物処理に関する法律である清掃法では、埋立は禁止されていませんでした(廃棄物の処理及び清掃に関する法律は昭和45年施行)。
参考→土壌汚染対策法について(法律、政令、省令、告示、通知)(環境省)<外部リンク>
2.これまでの取り組み
年度 |
目的 |
取組状況 |
結果概要 |
関連資料 |
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平成18年度 | 地下水質の状況の把握 | 埋設地周辺における地下水のモニタリング実施 | テトラクロロエチレン等について地下水環境基準を超過していることが判明。現在もモニタリングを継続中。 | |
平成19年度 |
「カーバイド滓埋設地の南にある水道水源が、地下水汚染の影響を受ける範囲内にある」か否かを工学的に検証。 |
埋設地下流約500メートルの地点で、調査ボーリング(深度60メートル)を行い、地層・地質調査、透水試験、水質調査等を実施。 |
水道水源は、カーバイド滓埋設地内の土壌汚染による地下水汚染の影響を受ける範囲内にあると考えられた。 |
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平成20年度 |
カーバイド滓埋立地を中心に、土壌汚染の範囲の確定及び埋立物を確認。 |
埋立地周辺において、土壌ガス調査、ボーリング調査、掘削等を実施。 |
テトラクロロエチレン等の揮発性有機化合物、水銀等の重金属類、ポリ塩化ビフェニルによる土壌汚染を確認。また、おおよそのカーバイド滓埋立範囲を確認。 |
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平成21年度 |
これまでに実施した調査結果の評価、追加調査の必要性、対策手法等について専門家の意見を聞く。 |
中杉修身元上智大学大学院地球環境学研究科教授を座長に、「群馬県土壌汚染対策専門家会議」を設置し、検討を行う。 |
結果概要については、下表「群馬県土壌汚染対策専門家会議」における検討状況を参照。 |
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平成22年度 | 平成21年度に引き続き、法的課題の整理、対策手法等について専門家の意見を聞く。 |
平成21年度に設置した「群馬県土壌汚染対策専門家会議」で検討実施。 |
結果概要については、下表「群馬県土壌汚染対策専門家会議」における検討状況を参照。 |
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平成23年度 | 専門家会議の助言に基づき、対策手法の実効性を評価するための基礎資料等にするために調査を実施。 | 想定埋設地内で、調査ボーリング(深度約50メートル×2箇所)を行い、地層・地質調査・透水試験等各種調査を実施。 | 調査ボーリングを行った2地点においては、法が規定する不透水層は確認されなかった。本事案に適用となる対策手法の概算対策費用は、概ね10から60億円と試算された。 | |
平成24年度 | 平成23年度に実施した調査結果の評価等のため、専門家の意見を聞く。 | 「群馬県土壌汚染対策専門家会議」を再設置し検討を行う。 | 結果概要については、下表「群馬県土壌汚染対策専門家会議」における検討状況を参照。 | |
平成25年度 | 今後の対応等を検討するため、専門家の意見を聞く。 | 「群馬県土壌汚染対策専門家会議」において検討を行う。 | 結果概要については、下表「群馬県土壌汚染対策専門家会議」における検討状況を参照。 |
「群馬県土壌汚染対策専門家会議」における検討状況
回数 |
日時 |
場所 |
主な議題等 |
議事要旨 |
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第1回 |
平成21年7月7日(火曜日) |
都道府県会館(東京都千代田区) |
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県が実施した調査結果について、概ね妥当との意見をいただきました。 |
現地説明会 |
平成21年8月4日(火曜日)、7日(金曜日) |
群馬県渋川市等 |
現地の状況の把握。 |
現地の地形状況・事案に対する理解を深めていただきました。 |
第2回 |
平成21年11月19日(木曜日) |
都道府県会館(東京都千代田区) |
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法第4条の適用要件を満たすと考えられるとの意見をいただきました。 |
第3回 |
平成22年1月28日(木曜日) |
都道府県会館(東京都千代田区) |
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土壌汚染対策法に規定される汚染原因者等の考え方及び課題、対策手法の大まかな方向性について意見をいただきました |
第4回 |
平成22年7月7日(水曜日) | 都道府県会館(東京都千代田区) |
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県の考え方は概ね妥当と考えられるとの意見をいただきましたが、今後の検討にて、確認を行うこととなりました。 埋立地直近のボーリングなど、対策手法を検討するための調査手法を含めて、今後も検討を行うこととなりました。 第4回群馬県土壌汚染対策専門家会議議事要旨(PDFファイル:39KB) |
第5回 | 平成22年9月21日(火曜日) | 都道府県会館(東京都千代田区) |
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対策手法・対策地の地質等の状況によっては、他法令による対応が必要になる場合もあるとの意見をいただきました。 対策地の地層の状況等を把握するための追加調査を実施した上で、判断を行う必要があるとの意見をいただきました。 第5回群馬県土壌汚染対策専門家会議議事要旨(PDFファイル:39KB) |
先進事例調査 | 平成22年11月17日(水曜日)から18日(木曜日) | 青森県・岩手県 | 土壌汚染対策先進事例調査 | 本事案の解決に向け対策手法等検討する上で参考となりました。 群馬県土壌汚染対策専門家会議先進事例調査開催結果概要(PDFファイル:35KB) |
第6回 | 平成23年1月26日(水曜日) | 都道府県会館(東京都千代田区) |
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土壌汚染対策法上の考え方について意見をいただきました。 土壌汚染対策法の規定に基づく、汚染原因者特定の考え方についてご意見をいただきました。 第6回群馬県土壌汚染対策専門家会議議事要旨(PDFファイル:42KB) |
第7回 | 平成24年8月2日(木曜日) | 都道府県会館(東京都千代田区) |
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汚染物質の原因者の考え方について意見をいただきました。 措置指示内容を検討する基礎資料として適当であるとの意見をいただきました。 第7回 群馬県土壌汚染対策専門家会議議事要旨(PDFファイル:49KB) |
第8回 | 平成25年1月24日(木曜日) | 都道府県会館(東京都千代田区) |
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原因行為と汚染との関係について意見をいただきました。 科学的な見地から留意すべき事項等について意見をいただきました。 第8回 群馬県土壌汚染対策専門家会議議事要旨(PDFファイル:41KB) |
第9回 | 平成26年2月6日(木曜日) | 都道府県会館(東京都千代田区) |
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汚染原因者への対応の考え方について意見をいただきました。 科学的な見地から留意すべき事項等について意見をいただきました。 第9回 群馬県土壌汚染対策専門家会議議事要旨(PDFファイル:35KB) |
第10回 | 平成27年1月19日(月曜日) | 都道府県会館(東京都千代田区) |
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法を適用する場合の考え方について意見をいただきました。 地下水汚染の拡大防止策の有効性について意見をいただきました。 第10回群馬県土壌汚染対策専門家会議議事要旨(PDFファイル:35KB) |
第11回 | 平成28年2月4日(木曜日) | 都道府県会館(東京都千代田区) |
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法を適用する場合の考え方について意見をいただきました。 地下水汚染の拡大防止策について意見をいただきました。 第11回群馬県土壌汚染対策専門家会議議事要旨(PDFファイル:34KB) |
Q&A
Q:質問1 カーバイド滓とは
A:回答1
一般的には、カーバイド(炭化カルシウム)を水と反応させ、アセチレンガス(燃料や有機化合物の合成材料)を発生させた後の残渣(ざんさ)物のことであり、消石灰(水酸化カルシウム)が主成分です。
なお、本事案で埋立られたカーバイド滓を排出した県内の工場においては、この反応により発生したアセチレンガスを原料に、テトラクロロエチレン及びトリクロロエチレンを製造(現在は製造中止)しており、その製造工程において、カーバイド滓(消石灰)を再利用していました。そのため、製造残渣のカーバイド滓には、一般的なカーバイド滓とは異なり微量のテトラクロロエチレンが混入している状況で、土壌中に埋め立られたことが、土壌・地下水汚染が発生する原因となっています。
Q:質問2 テトラクロロエチレンとは
A:回答2
常温で揮発性が高い無色透明の液体です。ドライクリーニング溶剤や精密機器等の油の除去で使用されています。長時間の摂取で肝臓や腎臓への障害が認められることがあります。