本文
群馬県の生活環境を保全する条例のQ&A(質問:Q10~15)
※なお、略称の意味は、次のとおりです。
「条例」=「群馬県の生活環境を保全する条例」
「規則」=「群馬県の生活環境を保全する条例施行規則」
「第○○条」=「群馬県の生活環境を保全する条例第○○条」
「規則第○○条」=「群馬県の生活環境を保全する条例施行規則第○○条」
目次
- (全般的なこと)
- (届出・報告・記録保存)
- (ばい煙の排出の規制等)
- (粉じんに関する規制)
- (特定排出水の排出の規制等)
- (生活排水対策の推進)
- (地盤の沈下に関する規制等)
- (騒音及び振動に関する規制)
- (公害防止責任者)
- 屋外における燃焼行為の制限
- オゾン層保護のための施策等
- 自動車排出ガス対策の推進
- 循環型社会形成の推進
- 環境美化の推進
- その他
Q&A
10 屋外における燃焼行為の制限
Q:質問 10-1 条例第91条第1項及び第2項では、屋外での燃焼行為を禁止していますが、すべての行為が認められないのですか。
A:回答 大量のばい煙を発生する次の6品目については、屋外で燃焼させてはいけません。(第91条第1項、規則第53条)
ゴム、皮革、合成樹脂、合成繊維、タールピッチ類、不要になった油
上の6品目以外の物であっても、燃焼に伴ってばい煙が発生するものを、みだりに屋外で多量に燃焼させてはいけません。(第91条第2項)
ただし、焼却設備を用いた適正な燃焼行為や地域の慣習として行われる燃焼行為などは、生活環境を保全する上で支障が大きくないものとして、例外的に認められます(第91条第3項)。
焼却設備を用いた燃焼行為(第91条第3項第1号、規則第54条)
焼却設備の構造
イ 空気取入口と煙突の先端以外は密閉されていること
ロ 不完全燃焼しないよう空気が十分取り入れられること
燃焼行為の方法
イ 煙突の先端以外から燃焼ガスが出ないこと
ロ 煙突の先端から炎や黒煙が出ないこと
ハ 煙突から灰や燃え残りが飛び散らないこと
その他の規則で定める燃焼行為(第91条第3項第2号、規則第55条)
- 地域の慣習として行われる行事に伴う燃焼行為(どんど焼きなど)
- 宗教上の儀式行事に伴う燃焼行為(神社のお焚上げなど)
- 学校の教育課程として行われる活動その他の教育活動に伴う燃焼行為(学校で行うキャンプファイヤーなど)
- たき火その他の小規模な燃焼行為であって生活環境の保全上支障が生じ、又は生ずるおそれがないと認められる燃焼行為(庭先での落葉焚きなど)
質問:Q10-2 規則第55条第6号の「たき火その他の小規模な燃焼行為であって生活環境の保全上支障が生じ、又は生ずるおそれがないと認められる燃焼行為」であるかどうかは、どのように判断するのですか。
回答:A 周辺の方から苦情などが寄せられない程度の燃焼行為かどうかということが、判断基準の一つとなります。ただ、それがどの程度の燃焼量に相当するかということは、燃焼行為の方法や周辺の環境などの様々な条件により異なるため、具体的な事例に応じて判断することになります。
質問:Q10-3 苦情などが寄せられていない場合でも、中止勧告や中止命令をすることがありますか。
回答:A 第91条第1項又は第2項に違反する燃焼行為に対しては、苦情などが寄せられなくても、知事が、中止勧告や中止命令をすることがあります。
質問:Q10-4 中止勧告、中止命令、罰則に至る流れは、どのようになっているのですか。
回答:A 第91条第1項又は第2項に違反する燃焼行為に対しては、中止等の勧告することがあります。第91条第1項に違反していることによる中止等の勧告に従わないときは、勧告に従うよう命令をすることがあります。命令に違反すると罰則の対象となります。
Q:質問10-5 助燃室のない焼却炉では、着火の際や残り火があるときに黒煙が発生しますが、それも規制の対象となるのですか。
A:回答 ご質問の場合は、やむを得ないものとして規制しません。なお、燃焼状態が安定しているにもかかわらず黒煙を出しているときは、当然のことながら規制の対象となります。
Q:質問10-6 麦わらや稲わらを屋外で燃焼させる行為(いわゆる麦わらや稲わらの野焼き)も禁止されるのですか。
A:回答 麦わらや稲わらの野焼きにより発生するばい煙のため、新幹線や高速道路を通行する車両の視界を遮る、外に干した洗濯物に臭いやすすが付く、窓を開けられないなど日常生活や事業活動に大きな支障を与えることがあります。条例第91条第2項では、第3項の適用除外に該当しない麦わらや稲わらの野焼きも禁止しています。
なお、県では、県農業協同組合中央会などと協力し、麦わら適正処理推進月間を設けるとともに、麦わらや稲わらのリサイクルについても研究しています。
Q:質問10-7 田んぼのあぜなどを野焼きすることも禁止されるのですか。
A:回答 Q;質問10-1でお答えしたとおり、適用除外に該当しない屋外での燃焼行為は、禁止されます。
なお、種火に古タイヤなどを使用する場合やビニール袋などを一緒に燃焼させる場合で、「生活環境の保全上支障が生じ、又は生ずるおそれが」ある屋外燃焼行為については、条例第91条第1項に違反することとなります。
Q:質問10-8 果樹を剪定した枝、抜いたクワの木の根、キュウリやナスの残さなどを野焼きすることも禁止されるのですか。
A:回答 Q;質問10-1でお答えしたとおり、適用除外に該当しない屋外での燃焼行為は、禁止されます。
Q:質問10-9 ビニールハウスのビニールやマルチシートを野焼きすることも禁止されるのですか。
A:回答 Q;質問10-1でお答えしたとおり、適用除外に該当しない屋外での燃焼行為は、禁止されます。ビニールは、規則第53条の合成樹脂に該当しますので、命令に違反した場合は、罰則が科されます。
Q:質問10-10 炭焼きや陶磁器を焼くことも禁止されるのですか。
A:回答 Q;質問10-1でお答えしたとおり、適用除外に該当しない屋外での燃焼行為は、禁止されます。
なお、炭焼きや陶磁器の制作は、山林など人の少ないところで行われることが多いため、適用除外に該当することがほとんどではないかと考えています。ただし、「生活環境の保全上支障が生じ、又は生ずるおそれが」ある屋外燃焼行為については、条例第91条第2項に違反することとなります。
Q:質問10-11 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第16条の2では、農業を営むためやむを得ない焼却については認めています。これに対して、条例第91条第1項又は第2項では、このような例外がありませんが、なぜですか。
A:回答 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第16条の2では、廃棄物処理基準に従わない廃棄物の焼却を禁止していますが、「災害の予防、応急対策又は復旧のために必要な焼却」及び「農業、林業又は漁業を営むためやむを得ないものとして行われる焼却」については、焼却禁止の例外(同法第16条の2、同法施行令第14条)とされています。
しかし、これらの行為であっても処理基準を遵守しない焼却として、同法第19条の3の改善命令、第19条の4第1項の措置命令や行政指導の対象となります(平成12年9月28日付衛環第78号厚生省環境整備課長通知、令和3年11月30日付環循適発第2111305号環境省環境再生・資源循環局廃棄物適正処理推進課長通知)。
また、条例でも、生活環境の保全上支障が生じ、又は生ずるおそれがあると認められるときは「勧告」することができることになっていることから、同法と異なるところはありません。
Q:質問10-12 廃棄物の処理及び清掃に関する法律でも、廃棄物を屋外で焼却することが禁止されたと聞きましたが、条例との関係はどうなるのですか。
A:回答 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第16条の2では、森林法など他の法令に基づく廃棄物の焼却、庭先での落葉焚きなど生活環境に与える影響が軽微な廃棄物の焼却などを除き、廃棄物処理基準に従わない廃棄物の焼却が禁止されます。この規定に違反した場合には、5年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金が、又は両方の刑罰が科されます。
条例第91条第1項又は第2項と廃棄物の処理及び清掃に関する法律第16条の2との関係は、次のとおりです。
ア 両者が重複する場合
重い方の刑罰が適用されます。
イ 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第16条の2が適用されない場合(燃焼させる物が廃棄物でない場合など)
条例第91条第1項又は第2項が適用されます。
11 オゾン層保護のための施策等
質問:Q11-1 なぜ、フロンを排出してはいけないのですか。
回答:A 地球をとりまくオゾン層は、太陽光に含まれる紫外線のうち有害なもの(UV-B)の大部分を吸収し、わたしたち生物を守っています。このオゾン層がフロンにより破壊されており、その結果として、地上に到達するUV-Bの量が増加し、人の健康や生態系などに悪影響が生じるおそれがあります。オゾン層におけるオゾンの量が1%減少すると、地上に降り注ぐUV-Bの量は1.5%増えるとされています。オゾンの量が1%減少すると、皮膚がんの発症は2%増加し、白内障の発症は0.6~0.8%増加すると報告されています。また、動植物の生育が阻害されるなどして生態系へも影響を与えることも懸念されています。
質問:Q11-2 フロンを使っている機器を廃棄したり、自動車を廃車したりする場合は、どのようにすればいいのですか。
回答:A 電気冷蔵庫、ルームエアコン、カーエアコン、業務用冷凍空調機器や自動販売機などには、オゾン層を破壊したり、地球温暖化の原因となるフロンが使われています。
フロンを使っている機器を廃棄したり、自動車を廃車したりするなどの場合には、必ず専門の業者に依頼し、法律に従って適正に処理しなければなりません(第108条)。
質問:Q11-3 フロンは、県内でどのくらい使用されているのですか。
回答:A フロンは、様々な機器に使用されているため、使用されている量を把握することは困難です。なお、業務用冷凍空調機器の廃棄時及び整備時におけるフロン回収量等について、集計した結果を毎年県の環境白書で公表しています(第109条)。
質問:Q11-4 カーエアコンに使用されているHFC-134aは、規制の対象ですか。
回答:A 代替フロンといわれるHFC-134aは、オゾン層を破壊しませんが、二酸化炭素の1400倍もの温室効果を持つため、フロン排出抑制法で大気中への放出が規制されています。
12 自動車排出ガス対策の推進
質問:Q12-1 自動車の排気ガスにより健康を害した住民が、道路管理者などを相手に裁判を起こしたなどという記事が新聞にのっていますが、なにか対策を立てていますか。
回答:A 条例では、自動車の運転者に駐車時のエンジン停止(アイドリングストップ)を義務づけるだけでなく、駐車場の管理者などに対しても、駐車場を使用する人にアイドリングストップをするよう指導することを求めています(第112条、第114条)。
質問:Q12-2 東京都などでは、条例によりディーゼル車の規制をしていますが、群馬県はどのように考えているのですか。
回答:A ディーゼル車は、燃料効率が良いので二酸化炭素の排出量がガソリン車に比べて少ないという長所がありますが、浮遊粒子状物質や二酸化硫黄の排出量がガソリン車に比べて多くなるという短所もあります。
このように、ディーゼル車とガソリン車には、それぞれ一長一短があります。東京都などのように条例による規制が必要かどうかを含め、自動車排出ガス対策について検討していきたいと考えています。
13 循環型社会形成の推進
質問:Q13-1 「循環資源の適正利用及び処分の確保」とは、どういうことですか。
回答:A 次の3つのことをいいます。これらは、ごみとして焼却したり、埋立処分したりすることとは全く正反対の考え方です。
- 物を長く使い、ごみの発生を抑制すること(リデュース)
- 繰り返し使用すること(リユース)
- ごみから原材料を回収して再生利用すること(リサイクル)
これらの循環の環をつなぐためには、ごみを分別してリサイクルしやすくすることが大切です。また、リサイクルされた製品を購入したり、利用したりすることも重要です。
14 環境美化の推進
質問:Q14-1 空きカンやたばこの吸い殻などをポイ捨てした場合、何か罰則はありますか。
回答:A 次の物をみだりに捨てたときは、条例に基づき5万円以下の過料が科されます。(第120条第1項、第2条第19項、第140条第2号、規則第60条)
- 空きカン、空きビンなどの容器(中身の入ったもの並びに栓及びふたを含みます。)
- たばこの吸い殻
- チューインガムのかみかす
- 紙くず
- 物品の包装(中身の入ったものを含みます。)
- 新聞紙、雑誌その他の印刷物
- 食物の残りかす
これらの物は、ポイ捨てされやすいことから条例や規則に定めたにすぎません。これ以外の物であっても捨てないよう環境の美化に心がけてください。
なお、ごみをみだりに捨てた場合、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」にも違反し、処罰されることがあります。
質問:Q14-2 歩きたばこをしている人が吸い殻をポイ捨てするところをよく見かけますが、なんとかなりませんか。
回答:A 歩きたばこは、非常に迷惑な行為です。ポイ捨ての原因になるばかりでなく、子供などまわりの人にやけどを負わせる危険性もあります。条例では、歩きたばこを自粛するよう求めています。(第120条第2項)
質問:Q14-3 ポイ捨てを防ぐため、過料などの罰則のほかに、どんな施策を用意しているのですか。
回答:A ポイ捨てを防ぐために、ポイ捨てを規制するための施策と、環境美化を推進するための施策という2つの施策を組み合わせて対応しています。
ポイ捨てを規制するための施策としては、違反に対する過料などの罰則があります。
- この条例による罰則(5万円以下の過料 第120条第1項・第140条第2号)
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律による罰則
(5年以下の懲役・1,000万円以下の罰金 第16条・第25条第8号) - 軽犯罪法による罰則(拘留・科料 第1条第27号)
- その他の法律や市町村条例による罰則
環境美化を推進するための施策として、次のようなことを行っています。
- 春・秋を中心とした環境美化運動
- 県や市町村による監視パトロール など
質問:Q14-4 ポイ捨てを防ぐためには、事業者の役割も重要だと思います。事業者は、どんなことをしなければならないのですか。
回答:A 条例第121条では、事業者に次の責務を課しています。
- カン、ビンなどの容器や容器に入った飲料、食料、たばこを製造したり、販売したりする事業者などは、空き缶などが散乱しないよう対策を講じること。
- 容器に入った飲料、食料、たばこを販売する事業者は、ごみ箱を置き、周辺をきれいにしておくこと。
- 容器に入った飲料、食料、たばこを製造したり、販売したりする事業者は、ポイ捨てをしないよう消費者に呼びかけること。
- 旅行業者、旅館、ホテル、観光バス会社などは、ポイ捨てをしないよう観光客に呼びかけること。
15 その他
質問:Q15-1 立入検査に協力する義務とは、どのような義務ですか。
回答:A 工場や事業場にばい煙特定施設や水質特定施設を設置している事業者は、立入検査に協力するため、ばい煙量、ばい煙濃度又は特定排出水の汚染状態を測定するためのサンプルを採取するのに必要な設備を設けなければなりません(第125条第4項)。
ばい煙特定施設や水質特定施設を設置している事業者には、ばい煙量、ばい煙濃度又は特定排出水の汚染状態を測定する義務があります(第24条、第42条第1項)ので、そのための測定口などでもかまいません。
なお、測定器具まで用意する必要はありません。
関連リンク
- Q&A(質問:Q1~9)を見る → 「群馬県の生活環境を保全する条例のQ&A(質問:Q1~9)」
- 条例の概要を見る → 「群馬県の生活環境を保全する条例の概要」
- 条例の体系を見る → 「群馬県の生活環境を保全する条例の体系」
- 条例の全文を見る → 「群馬県法規集」から次のいずれかの方法によりご覧ください
「目次検索」で、第3編の2環境保全 第2章公害対策を参照
「五十音検索」で、題名【せ】により参照 - 条例に基づく届出・報告の詳細を見る → 「群馬県の許認可・届出等一覧【環境】」(様式ダウンロード)
- 群馬県で制定した公害防止に関する法規一覧を見る → 「群馬県の公害関係法規一覧」