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石綿(アスベスト)についてQ&A
本資料は、石綿(アスベスト)に係る健康相談等について、環境省が取りまとめた「アスベスト(石綿)についてQ&A」を基本として質問事項の整理、追加等を行い、現時点のものとして取りまとめたものです。
目次
一般的なこと
(1)石綿(アスベスト)とは?
主に健康に関すること
(8)労働者以外の方で中皮腫になった場合に補償等は受けられるのか?
(9)私の家族が中皮腫で死亡した。職場でアスベストを取り扱っていたとは思えない。アスベストとの関係はあるのか?
(10)主人が石綿工場で働いていたのですが、家族の健診はどうすればよいか?
主に石綿製造工場や製品に関すること
(13)自分の家に石綿を含む建材が使われているかどうか調べられますか?
(14)近所で解体工事をしており石綿の飛散が心配ですが大丈夫ですか?
(15)県内の石綿製品の製造事業所や廃棄物についての問い合わせ先は?
(16)民間の支援相談窓口はありますか?
(17)アスベスト成形板からもアスベストが飛散するのか心配ですが大丈夫ですか?
(18)建築物(事務所、店舗、倉庫等)はアスベストの危険性がありますか?
(19)建築物(事務所、店舗、倉庫等)に吹き付けアスベストが使用されている場合においては、どうしたらよいか?
(21)石綿セメント管を通過した水道水の健康影響について教えて下さい。
(1)石綿(アスベスト)とは?
石綿(アスベスト)は、天然に産する繊維状けい酸塩鉱物で「せきめん」「いしわた」と呼ばれています。
白石綿(クリソタイル)、茶石綿(アモサイト)、青石綿(クロシドライト)、アンソフィライト、トレモライト、アクチノライトの6種類があります。
その繊維が極めて細いため、研磨機、切断機などの施設での使用や飛散しやすい吹付け石綿などの除去等において所要の措置を行わないと石綿が飛散して人が吸入してしまうおそれがあります。以前はビル等の建築工事において、保温断熱の目的で石綿を吹き付ける作業が行われていましたが、昭和50年に原則禁止されました。
その後も、安価な工業材料でしたのでスレート材、ブレーキライニングやブレーキパッド、防音材、断熱材、保温材などで使用されましたが、現在では、原則として製造等が禁止されています。
石綿は、そこにあること自体が直ちに問題なのではなく、飛び散ること、吸い込むことが問題となるため、労働安全衛生法や大気汚染防止法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律などで飛散防止措置等が図られています。
さらに詳しく知りたい
- 環境省ホームページ私たちの環境とアスベスト(PDF500KB)<外部リンク>
(2)石綿が原因で発症する病気は?
石綿(アスベスト)は、肉眼では見ることができない極めて細い繊維からなっています(例、クリソタイル:直径0.02μm-0.08µm)。そのため、飛散すると空気中に浮遊し、吸入されてヒトの肺胞に沈着しやすい性質があります。吸い込んだ石綿の一部は痰に混ざり、体外へ排出されますが、石綿繊維は丈夫で変化しにくい性質のため、肺の組織内に長く滞留することになります。この長く滞留した石綿が要因となって、病気を引き起こすことがあります。石綿を吸い込んだ量と中皮腫や肺がんなどの発病との間には相関関係が認められていますが、どの程度以上の石綿を、どのくらいの期間吸い込めば、中皮腫になるかということは明らかではありません。仕事を通して石綿を扱っている方、あるいは扱っていた方は、その作業方法にもよりますが、石綿を扱う機会が多いことになりますので、定期的に健康診断を受けることをお勧めします。現に仕事で扱っている方(労働者)の健康診断は、事業主にその実施義務があります。(労働安全衛生法)
石綿を吸うことにより発生する疾病としては次のものがあります。労働基準監督署の認定を受け、業務上疾病とされると、労災保険で治療できます。
1 中皮腫
肺を取り囲む胸膜、肝臓や胃などの臓器を囲む腹膜、心臓及び大血管の起始部を覆う心膜等にできる悪性の腫瘍です。最も頻度の高い上皮型に限ってみれば、外科療法、化学療法、放射線療法を加えた集中的療法により、以前よりはるかに予後が改善していきます。若い時期にアスベストを吸い込んだ方のほうが中皮腫になりやすいことが知られています。潜伏期間は20~50年といわれています。治療としては、外科治療、抗がん剤治療、放射線治療などがあります。
2 肺がん
気管支あるいは肺胞を覆う上皮に発生する悪性の腫瘍です。中皮腫と異なり、喫煙をはじめとして石綿以外の多くの要因でも発生します。石綿ばく露から肺がんの発症までの潜伏期間の多くは30~40年程度と長くなっています。石綿と喫煙の両方のばく露を受けると、相乗的に肺がんの危険性が高くなることが知られています。臨床的に、咳、痰、血痰といった症状がよくみられます。治療としては、外科療法、放射線療法、薬物療法、支持療法があります。早期に発見され、根治的な手術療法などにより治癒することができます。
3 石綿(アスベスト)肺
肺が線維化する「じん肺」という病気の一つです。ガスの交換を行う機能が損なわれるため、呼吸困難が生じます。肺の線維化を起こすものとしては石綿のほか、粉じん、薬品等多くの原因があげられますが、石綿の曝露によっておきた肺線維症を特に石綿肺とよんで区別しています。
通常、石綿を大量吸入ばく露した労働者に起こり、石綿ばく露開始から10年以上経過して石綿肺の所見が見られます。治療としては、咳、痰に対する鎮咳薬などによる薬物療法、慢性呼吸不全に対する在宅酸素療法などの対症療法を行います。
4 びまん性胸膜肥厚
びまん性胸膜肥厚は、臓側胸膜(肺を覆う膜)の慢性繊維性胸膜炎の状態であり、通常は壁側胸膜(胸壁を覆う膜)にも病変が及んで、両者が癒着していることがほとんどです。結核性胸膜炎など石綿以外の様々な原因によっても生じます。比較的高濃度の石綿の累積ばく露により発症すると考えられています。潜伏期間は高濃度ばく露群で30年、それよりも少し低い群で40年という報告があります。治療としては、特別な治療法はありません。呼吸機能障害が進行し、慢性呼吸不全となった場合には在宅酸素療法等を行います。
5 良性石綿胸水
胸水とは胸腔内に体液が貯留することであり、石綿以外の様々な原因によっても生じます。とくに、石綿粉じんを吸入することによって、胸腔内に胸膜炎による滲出液(胸水)が生じる場合を良性石綿胸水と呼びます。比較的高濃度の石綿粉じんを吸入することによって生じ、発症までの潜伏期間は平均40年と他の石綿疾患同様に長い傾向がみられます。胸水の持続期間は平均3ヶ月で、約半数は自然に消失します。治療としては、胸腔穿刺による胸水排出やステロイド剤の投与が行われます。
(3)吸い込んだアスベストは除去できるか?
一旦吸い込んだアスベストの一部は異物として痰のなかに混ざり、体外に排出されますが、大量のアスベストを吸い込んだ場合や大きなアスベストは除去されずに肺内に蓄積されます。
(4)アスベストが原因で発症する疾患に特有の症状はあるか?
発病し、さらにある程度進行するまでは無症状のことが多いと言われています。
(5)中皮腫や肺がんの発症を予防するにはどうすればよいか?
過去、石綿に曝露したことによる中皮腫や肺がんの発症を予防することについては現在有効な手段は明らかではありませんが、石綿を吸い込んだ方が全て中皮腫を発症するわけではありません。吸い込んだ石綿の量、期間、種類によって異なります。
肺がんについては、石綿曝露と喫煙との組み合わせで肺がんの発症は相乗的に上昇するとの報告があり、禁煙は重要です。
(6)中皮腫の進行を予防するにはどうすればよいか?
進行の予防については、現在かかりつけの医師とご相談下さい。
(7)健康被害の認定と補償を受けることは可能か?
業務上、アスベスト(石綿)を吸入し、それが原因で石綿疾患に罹ったり、亡くなられた場合に、労災として補償給付を受けられる場合があります。勤務先並びに都道府県労働局又は労働基準監督署までご相談下さい。
※労働局連絡先(労働局)<外部リンク>
※労働基準監督署連絡先(労働局)<外部リンク>
(8)労働者以外の方で中皮腫になった場合に補償等は受けられるのか?
労働者災害補償保険制度等の対象とならない方で、アスベスト(石綿)の吸入を原因として中皮腫や肺がん等の指定疾病を発症されている方や亡くなられた方の遺族を救済する石綿健康被害救済制度による救済給付を受けられる場合があります。
【石綿健康被害救済制度の対象となる指定疾病】
- 中皮腫
- 肺がん
- 著しい呼吸機能障害を伴う石綿肺
- 著しい呼吸機能障害を伴うびまん性胸膜肥厚
この制度の詳細については、県内の各保健所又は各保健福祉事務所、県庁感染症・がん疾病対策課、独立行政法人環境再生保全機構<外部リンク>(フリーダイヤル 0120-389-931)、環境省関東地方環境事務所へお問い合わせください。
(9)私の家族が中皮腫で死亡した。職場でアスベストを取り扱っていたとは思えない。アスベストとの関係はあるのか?
職業歴に石綿又は石綿関連製品を取り扱う事業所等に従事していた可能性がありましたら、都道府県労働局又は労働基準監督署で労災の相談を受け付けています。また、石綿は昭和30年代より輸入が急増し、屋根に使われるスレートのような建材を始めブレーキライニングなど、多くの製品に使用されていたことから、職場で知らずにアスベストを吸っていた可能性もありますので、少しでも思い当たる場合には都道府県労働局又は労働基準監督署にもご相談下さい。
(10)主人が石綿工場で働いていたのですが、家族の健診はどうすればよいか?
ご心配な方は近隣の労災病院等の専門医療機関に相談されることをお勧めします。また、自治体が実施するがん検診の機会も積極的に利用して、定期的に検査を受診していただくことをお勧めします。
(11)アスベストによる健康相談はどこで受けられますか。
県内の各保健所又は各保健福祉事務所、県庁感染症・がん疾病対策課にお問合せください。
(12)現在、工場の周りに住んでいますが大丈夫か?
県内の工場・事業場に設置されている特定粉じん発生施設(アスベストを発生・排出・飛散させる施設として大気汚染防止法等で定められているもの)は平成18年末までに全て廃止の届出がされているため、現在工場周辺に住んでいることで健康被害を受ける心配はありません。
(13)自分の家に石綿を含む建材が使われているかどうか調べられますか?
目で見て判断することは難しいので、商品名、製造年がわかるようであれば、メーカーにお問い合わせください。商品名は、家を建てた時の設計図書が残っていればそれを参考に、また設計図書が残っていない場合は家を建てたときのハウスメーカー、工務店等に石綿含有建材かどうかも併せて聞いてみてください。
使用状況の調査方法
建築物用にアスベストが使用されているかどうかの調査には、次に示すような設計図書調査や分析調査などの方法があります。
設計図書調査
アスベスト含有建材の種類によって、主に使用される建築物等の使用例や使用された期間が分かっています。
これらを参考として、当該建築物等の建築年代、仕様書、図面及び修繕などの建築記録を調べ、アスベスト含有建材の種類による主な使用例、使用期間と対比しながら、アスベスト含有建材の使用の有無を確認します。
(a)吹き付け石綿の商品名(例)
1)ブロベスト、2)オパベスト、3)サーモテックスA、4)トムレックス、5)リンペット、6)コーベックスA、7)ヘイワレックス、8)スターレックス、9)ベリーコート、10)防湿モルベルト
(b)石綿を含有する吹付けロックウールの商品名(例)
1)スプレーテックス、2)スプレーエース、3)スプレークラフトS,H、4)サーモテックス、5)ニッカウール(昭和62年12月耐火構造としての大臣指定取り消し)、6)ブロベストR、7)浅野ダイアロック(昭和50年10月耐火構造としての大臣指定取り消し)、8)コーベックス、9)スプレーコート、10)スターレックスR(昭和57年7月耐火構造としての大臣指定取り消し)、11)バルカロック、12)ヘーワレックス、13)オバベストR、14)ベリーコートR、15)タイカレックス
(注):上記商品は無石綿となっても、商品名を変えずに販売されている場合があり、特に施工時期が1980年移行の場合、注意が必要です。
分析調査
設計図書調査等ではアスベスト含有の有無が判定できない場合、必要に応じて、建材を採取し、X線回折分析などによりアスベスト含有の有無を確認する調査です。
この分析は高度の技術が必要とされ、また、標準的な分析方法が確立されていないことからアスベストの同定に必要な技術、経験を有する分析機関に依頼する必要があります。
群馬県内の分析機関の問い合わせ先(社)群馬県計量協会環境分科会(電話:027-263-8217)
(14)近所で解体工事をしており石綿の飛散が心配ですが大丈夫ですか?
「大気汚染防止法」では、吹付け石綿、石綿を含有する断熱材、保温材及び耐火被覆材が使用されている建築物を解体等する場合には届出を出すこと、また、石綿が大気中に飛散しないような措置を講ずることが義務づけられています。
参考資料 排出作業:吹き付け石綿が使用されている建築物を解体・改造・補修する作業における集じん等の作業基準
解体後発生する廃石綿については適正な処理がなされるよう、飛散性の高い吹き付け石綿は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」で特別管理産業廃棄物として定められており、非飛散性の石綿についても環境省廃棄物担当課から取扱いの技術指針が出されています。
なお、「労働安全衛生法」に基づく規則では、建築物の解体等を行う場合は、あらかじめ石綿の使用等について調査し、石綿が使用されている場合は石綿の飛散を防止、抑制するような方法で解体作業を行うこととされています。
また、延べ床面積80平方メートル以上の住宅等を解体する場合は、建設リサイクル法により、解体工事を行う7日前までに、群馬県(土木事務所)や市役所に届出することなっています。解体する場合には、法に基づきアスベスト等の有害物質を撤去してから実施されます。
参考資料 建設リサイクル法(建設工事に係る資材の再資源化に関する法律)
平成14年5月30日から、建設リサイクル法(建設工事に係る資材の再資源化に関する法律)が施行されました。一定規模以上の建築物や土木工作物の解体工事、新築工事の実施にあたっては、「分別」と「リサイクル」が義務づけられるとともに、「工事の届出」が必要となります。
群馬県内の届出先は、前橋市、高崎市、桐生市、伊勢崎市、太田市、館林市、藤岡市(注)で工事を行う場合は、各市役所へ、その他に市町村で工事を行う場合は県の土木事務所へ届出が必要です。
(注)藤岡市は、建築基準法第6条第1項第4号に掲げる建築物(木造建築物で2階建て以下かつ500平方メートル以下、木造以外の建築物で1階建てかつ200平方メートル以下のもの)の解体工事に限り、担当します。
市役所連絡先
前橋市建築指導課027-224-1111前橋市大手町2-12-1
高崎市建築指導課027-321-1271高崎市高松町35-1
桐生市建築指導課0277-46-1111桐生市織姫町1-1
伊勢崎市建築指導課0270-24-5111伊勢崎市今泉町2-410
太田市建築指導課0276-47-1837太田市浜町2-35
館林市建築課0276-72-4111館林市城町1-1
藤岡市建築課0274-22-1211藤岡市中栗須327
土木事務所名電話番号住所
前橋土木事務所(建築係)027-234-4215前橋市上細井町2142-1
渋川市(渋川市が担当するものを除く)、榛東村、吉岡町、玉村町
高崎土木事務所(建築係)027-322-4186高崎市台町4-3
藤岡市(藤岡市が担当するものを除く)、神流町、上野村、富岡市、下仁田町、南牧村、甘楽町、安中市
中之条土木事務所(建築係)0279-75-3047中之条町709-1
中之条町、東吾妻町、長野原町、嬬恋村、草津町、六合村、高山村
沼田土木事務所(建築係)0278-24-5511沼田市薄根町4412
沼田市、片品村、川場村、みなかみ町、昭和村
太田土木事務所(建築係)0276-32-2345太田市西本町60-27
みどり市、板倉町、明和町、千代田町、大泉町、邑楽町
(注)法律第10条第1項の規定による届出に限る
さらに詳しく知りたい
- 国土交通省ホームページ:アスベスト対策Q&A<外部リンク>
(15)県内の石綿製品の製造事業所や廃棄物についての問い合わせ先は?
県内の環境森林部環境保全課、廃棄物・リサイクル課にお問合せください。
(16)民間の支援相談窓口はありますか?
民間団体の支援・相談をご希望の方は以下の相談窓口もご利用いただけます。
【中皮腫・じん肺・アスベストセンターへのご相談】(03-5627‐6007)
(17)アスベスト成形板からもアスベストが飛散するのか心配ですが大丈夫ですか?
アスベスト成形板は、使用状態においては表面が安定しており、物理的な衝撃などを加えない限り、アスベストの空気中への飛散はないといわれています。しかし改修工事や解体工事に伴い成形板を破壊したりすると、吹き付けアスベストやアスベスト保温材よりも少ないがアスベストが飛散します。
参考までに、アスベスト成形板の使用期間は以下のとおりです。
JISの呼称 |
製造期間 |
使用か所 |
代替製品の使用開始年 |
---|---|---|---|
スレート(波板・ボード) | 昭和6年~平成16年 | 屋根、外壁、内壁 | 昭和63年~ |
住宅屋根用化粧スレート | 昭和36年~平成16年 | 屋根 | |
サイディング | 昭和42年~平成16年 | 外壁 | 昭和48年~ |
石綿セメント板 | 昭和6年~平成16年 | 屋根、外壁、内壁、天井 | |
けい酸カルシウム板 | 昭和58年~平成6年 | 内壁、天井 | 昭和59年~ |
パルプセメント板 | 昭和24年~平成16年 | 内壁、天井 | 昭和62年~ |
スラグ石膏板 | 昭和48年~平成16年 | 外壁、内壁、天井 | 平成5年~ |
耐火被覆板(けい酸カルシウム板第2種含む) | 昭和44年~平成1年 | 鉄骨 | 昭和48年~ |
押し出し成板 | 昭和45年~平成16年 | 外壁、内壁、天井、床 | 平成12年~ |
ビニル板タイル(通称Pタイル) | ~昭和61年 | 床 |
各建材メーカーによって製造期間は異なっているが、参考までに建設業界全体としての最長製造期間を示した。
(出典:非飛散性アスベスト廃棄物の取扱いに関する技術指針)
(18)建築物(事務所、店舗、倉庫等)はアスベストの危険性があるか。
建築物においては、耐火被覆材等として吹き付けアスベストが、・屋根材、壁材、天井材等としてアスベストを含んだセメント等を板状に固めたスレートボード等が使用されている可能性があります。
アスベストは、その繊維が空気中に浮遊した状態にあると危険であるといわれています(昭和63年環境庁及び厚生省通知)。
すなわち、露出して吹きつけアスベストが使用されている場合、劣化等によりその繊維が飛散するおそれがありますが、板状に固めたスレートボードや、天井裏・壁の内部にある吹付けアスベストからは、通常の使用状態では室内に繊維が飛散する可能性は低いと考えられます。
吹き付けアスベストは、比較的規模の大きい鉄骨造の建築物の耐火被覆として使用されている場合がほとんどです。
建築時の工事業者や建築士等に使用の有無を問い合わせてみるなどの対応が考えられます。
(19)建築物(事務所、店舗、倉庫等)に吹き付けアスベストが使用されている場合においては、どうしたらよいか。
石綿障害予防規則において、吹き付けられたアスベストが劣化等により粉じんを発散させ、労働者がその粉じんに暴露するおそれがあるときは、除去、封じ込め、囲い込み等の措置を講じなければならないこととされています。
石綿障害予防規則等、関係法令に従って適切に対処してください。
さらに詳しく知りたい
- 厚生労働省ホームページ:石綿障害予防規則など関係法令について
(20)学校におけるアスベスト対策について教えて下さい。
学校施設においては、吸音等を目的として天井等に吹き付けアスベストが使われてきました。昭和62年に学校、公営住宅等における吹き付けアスベストが社会問題となり、同年、対応方策について早急に検討するため、公立学校施設の吹き付けアスベストの使用状況の大勢の把握を目的として調査を実施しました。
その結果を踏まえ、昭和62年度からアスベスト対策工事について公立学校施設整備費国庫補助制度における大規模改造事業の補助対象工事とし、設置者から申請があれば、優先的に採択しています。
また、関係法令や関係省庁からの通知、技術指針等を都道府県教育委員会等へ通知するとともに、これを厳守し適切な工事が行われるよう指導しています。
学校は子供たちが安心して学び生活できる場であることが何より大切です。
昨今、事業所等でのアスベスト被害が社会問題化していることに鑑み、子供たちの安全対策の万全を期するために、このたび、改めて学校施設等における吹き付けアスベスト使用状況等の全国実態調査を実施しました。
群馬県市町村立学校等のアスベスト調査結果について(PDFファイル:11KB)
さらに詳しく知りたい
- 文部科学省ホームページ:アスベスト対策への取組<外部リンク>
(21)石綿セメント管を通過した水道水の健康影響について教えて下さい。
厚生労働省健康局水道課は「平成4年(1992年)に改正した水道水質基準の検討時にアスベスト(石綿)の毒性を評価したが、アスベストは呼吸器からの吸入に比べ経口摂取に伴う毒性は極めて小さく、また、水道水中のアスベストの存在量は問題量となるレベルにないことから、水質基準の設定は行わないところとしたところ。」とし、また、「世界保健機構(WHO)が策定・公表している飲料水水質ガイドラインにおいても、飲料水中のアスベストについては”健康影響の観点からガイドライン値を定める必要はないと結論できる。”としているところ。」との見解を示しています。
こうした見解から、群馬県としても、石綿セメント管を通過した水道水の健康影響については、問題となるレベルにはないと考えています。