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【中堅看護職員】県立病院共通研修(看護管理研修)
更新日:2017年11月30日
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県立病院の看護部は、各病院の段階的な院内教育プログラムに加え、県立病院の看護職員に共通するテーマで合同研修を開催しています。
このコーナでは、看護管理を担う職員を対象とした4病院合同で行う研修を紹介します。
各病院の看護部や部署に共通する、組織運営に関する知識や技術を習得し実践に活かすことで、円滑な組織運営につなげます。また、病院間の職員の交流を深めるとともに連携の強化をはかります。
研修内容(平成29年度)
ノンテクニカルスキル研修
ノンテクニカルスキル研修は、平成27年度から看護管理研修の一環として、所属および部署のマネジメントの役割を担う看護管理者や教育的役割を担う看護職員を対象とし開催してきました。医療現場の問題を組織で解決するための「思考」「伝達」「議論」「交渉」「管理」「教育」の6つのノンテクニカルスキル(非医療技術)の基本的な考え方や実際の活用方法を学びます。個人の学びで終わりにするのではなく、組織で学習して共通言語をつくり、実践につなげていきます。平成28年度からは、「基礎編」と「実践編」の2コースを開講しました。
目的
各県立病院看護部(部署)の組織運営に必要な知識・技術を習得する。
研修内容
基礎編
テーマ:「ノンテクニカルスキルの基本的な考え方と医療現場での使い方」~管理に必要な組織で問題解決するためのファシリテーター型リーダーシップ~
講義・グループワーク
導入編
- 能力は学習×練習
- 学び方で大事なコト
- ノンテクとは組織で問題解決する技術
- 多職種連携時代に必要なファシリテーター型リーダーシップとは?
理論編
- 論点を制する者が問題解決を制する
- 論点とは意見が「答え」となる「問い」のこと
- 論点を見失うと議論の迷子になる
- 論点思考3本ノック
- 事例で体感する論点の制し方
実践編
- 問題解決には3つの普遍的な論点の流れがある
- なぜ人の思考は問題解決の上流から下流に流れるのか?
- 議論の枠(論点)を飛び越させない
- 現場の「不毛な多忙」はなぜ起こるか?
- 「不毛な多忙」の解決の鍵は、ある悪循環を好循環に変えること
応用編
- アクションラーニングで「わかる」を「できる」に変える
- 問題解決技術をアクションラーニングで使いこなす
- 問題解決技術をさらに深める
集結編
- ノンテクという武器を持たずに臨床のジャングルを生きてきた恐さ
- 個人学習の限界と組織学習の重要性
- 組織変革のサイクルを現場で回し続ける
実践編
テーマ:「課題解決に必要なノンテクニカルスキルの活用の実際」~管理に必要な問題解決と組織変革の実践と難所の乗り越え方~
グループワーク
- 問題解決プランと実施状況を発表
- 発表内容をもとにディスカッションし問題解決の勘所と難所、その乗り越え方を見つけ出す
- 講師への質問とフィードバック
講義・グループワーク(組織変革と空気のマネジメント)
- なぜスタッフは主体的に動いてくれないのか?
- 個人をマネジメントする手法の限界
- 個人は組織の空気には抗えない
- 同質的な組織(村社会)のなかで空気に抗うと「村八分」に合う
- 人は性善説でも性悪説でもなく「性弱説」に基づく
- 空気の正体
- 個人をマネジメントする前に組織の空気をマネジメントする
- 組織変革の地図
- 個人学習と組織学習の違い
- 共通言語づくりが空気を変える第一歩
- 実行計画が8割
- 実行は「強制力」と「見える化」がカギ
- 空気をマネジメントする最も重要な「スモールウィン(小さな成功)」とは?
- 組織を2:6:2に分けて捉える
- 推進派2割にスモールウィンをつくってもらい空気を変える
- 推進派2割がロールモデルとなって慎重派6割を動かす
- 慎重派6割が空気をつくる
- 根本的な間違いは抵抗派2割に働きかけること
- 抵抗派2割を変えることを諦める勇気を持つ
- キャッチフレーズは「本当に頑張っているスタッフが報われる組織をつくる」
- たった数年だけで組織(空気)を変えようとしていないか?
- 組織変革は5年から10年かかる長い旅
- 自組織の変革と空気のマネジメントの方法を実際の事例を通じて議論し学び合う
ノンテクニカル研修の様子1
ノンテクニカル研修の様子2
ノンテクニカル研修の様子3
ノンテクニカル研修の様子4
研修参加者の感想
- 論点ズレしやすいカンファも共通言語を用いることでカンファレンスが充実する。
- 今までも問題解決経験してきたが、問題解決の具体的な方法を学ぶことができた。
- 事例を通じて問題解決プランについて理解を深めることができた。
- 普段職場でいろいろなことを話し合っても論点がずれて対策が出ないことが多いので、今回の学習内容を使うとよいと思った。
- 他病院の人との意見交換で新たな気づきがあり、視点を変えた考え方を学べた。
- スモールウィンをつくること。現在解決しようとしている問題について、取り入れていこうと思う。無理なく明日から取り組むべき課題が見つかりました。能力は学習と練習のかけ算なのでこの場だけで終わりにしないようにする必要がある。共有することの必要性を感じた。現在の課題に対しても解決の糸口となったと思う。