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令和2年度 病害虫発生予察特殊報 第2号 ヨコバイ科の一種(和名なし)Singapora shinshana(Matsumura)

更新日:2020年11月20日 印刷ページ表示

令和2年度病害虫発生予察特殊報 第2号 ヨコバイ科の一種(和名なし)(PDFファイル:324KB)

 本県において、ウメとモモでヨコバイ科の一種(和名なし)Singapora shinshana(Matsumura)による被害が初めて確認されました。
* 特殊報とは、新たな病害虫を発見した場合及び重要な病害虫の発生消長に特異な現象が認められた場合に発表する情報です。

1 特殊報の内容

  1. 対象病害虫名:ヨコバイ科の一種(和名なし)
  2. 学名:Singapora shinshana(Matsumura)
  3. 発生植物:ウメ、モモ
  4. 発生地域:県西部地域、県中部地域

2 発生概況

(1)発生確認の経過

 令和2年9月に、県西部地域のウメと県中部地域のモモに、ヨコバイ科の一種による葉への加害が確認されました。10月に成虫(写真1)を採取し、九州大学大学院農学研究院 紙谷聡志博士に同定を依頼したところ、ヨコバイ科の一種(和名なし)のSingapora shinshana(Matsumura)と同定されました。

(2)国内外の発生状況

 本種の発生は、国内では沖縄県、和歌山県、徳島県、埼玉県、京都府、大阪府、岡山県で確認されています。
 海外では中国、台湾、韓国、北朝鮮で確認されています。

3 形態および生態等

  1. 成虫は体色は黄緑色で体長3.0~3.5ミリメートル、複眼は黒色で頭頂部に黒点があります(写真1)。
  2. 幼虫および成虫が葉を吸汁加害し、多数の細かい吸汁症により葉の表面が白化し(写真2,3)、被害がひどい場合落葉します。被害葉の裏側には幼虫の脱皮殻が付着します(写真4)。
  3. 国内ではウメ、モモ、スモモへの被害が確認されてます。海外ではこの他に、ナシ、リンゴ等のバラ科果樹、サンザシ、ポポー、ポプラ等への加害が報告されています。

4 防除対策

  1. 本種に対して適用のある農薬はありません。(令和2年11月16日現在)
  2. 被害葉の早期発見に努め、発見した場合は速やかに被害葉を除去し適切に処分してください。

今回確認されたヨコバイ科の成虫の写真
写真1 S.shinshana 成虫(頭頂部の黒点が特徴)

ウメの被害葉
写真2 ウメの被害葉

ウメ園の被害の様子の写真
写真3 ウメ園の被害

葉裏に残った脱皮の殻の写真
写真4 葉裏に残った脱皮殻

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