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青少年自然の家(北毛・妙義・東毛)の取組の検証結果についての答申

更新日:2014年11月12日 印刷ページ表示

答申書

平成26年10月27日

群馬県知事 大澤 正明 殿
群馬県教育委員会教育長 吉野 勉 殿

群馬県行政改革評価・推進委員会 委員長 佐藤 徹

群馬県公共施設のあり方検討委員会の答申を受けた青少年自然の家(北毛・妙義・東毛)の取組の検証結果について(答申)

 本委員会に諮問された標記の件について、別紙のとおり答申します。
 県におかれては、本答申を参考に、費用対効果をより高め、県民サービスの向上に努めてください。
 また、今後、改善の取組を行う際は、期限を区切って検証し、自律的かつ持続的に更なる改善が図られていくよう求めます。

答申書(別紙)

群馬県公共施設のあり方検討委員会の答申を受けた取組状況の評価及び提言(青少年自然の家(北毛・妙義・東毛))

1 公共施設のあり方検討委員会の答申において求められていた年間を通じての稼働率を高める取組、各地域の特色を生かした学校利用プログラムの開発、ボランティア等との連携について、以下のとおり努力や成果がみられており、評価できる。

(1)年間を通じての稼働率を高める取組(閑散期における取組)

 ホームページにおける利用案内の掲載や大学へ訪問し、民間企業の新入社員研修や大学のゼミ・サークルなど新たな利用者の開拓を図ったほか、従来からの利用者である小中学生の利用についても、教育委員会・学校・子ども会育成会などに積極的に広報活動を行うなどの取組に努めた結果、閑散期を中心に利用者数が増加している。

(2)各地域の特色を生かした学校利用プログラムの開発

 近隣県有施設(北毛:ぐんま天文台・フラワーパーク 妙義:自然史博物館 東毛:ぐんま昆虫の森)や近隣の市町村施設・企業と連携を行い、施設や工場見学などをプログラムに取り入れたほか、施設の職員の派遣による講座(天体講座)を実施するなど、プログラムの充実に努めている。
 また、サンドブラスト(※注)やウオールクライミングの導入など新たな学習利用プログラムの開発にも積極的に取り組んでいる。
 (※注)ガラス製のコップ等にコンプレッサーを使い砂を吹き付け模様をつける体験活動

(3)ボランティア等との連携

 中学校・高校・大学(アウトドアスタッフや青少年ボランティアとして活用)、地域のボランティア団体(群馬県キャンプ協会など)、国立赤城青少年交流の家など、ボランティアや地域の団体との連携を強化している。

2 今後も引き続き上記の点をはじめ、施設の有効活用に向けて取り組んでいくことが求められるが、その際には、以下の点に留意する必要がある。

(1)施設の更なる有効活用に向けて

 施設を有効活用する観点から、現在の稼働率の維持・向上を図るため、小中学校の利用状況を調査・分析し、効率的な誘客を行うとともに、閑散期を中心に取り組んでいる民間企業の新入社員研修等、青少年以外を対象とした活動の場としての充実についても検討する必要がある。

(2)中長期視点に立った施設の位置づけの検討

 施設・設備の老朽化対策や利便性向上のため、耐震化対策やトイレの洋式化など利用者サービス向上を優先させた計画的な改修に努めているところは評価できるが、少子化時代を踏まえ、国や他の地方公共団体の設置する同様の青少年教育施設との関係も考慮し、中長期的な視点から今後の施設のあり方や必要性について検討する必要がある。

(3)指定管理者制度導入の検討

 指定管理者制度については、民間の知識を活用した柔軟な企画運営を行うことができるメリットも考えられるので、他県で既に導入している青少年教育施設において効果的に管理運営されている事例を十分調査し、今後も検討されたい。

(参考1)委員会での主な意見

  • 少子高齢化により需要は縮小傾向にあるため、今後はこういった施設を整理していくことも必要ではないか。
  • 環境が変化してきているため、中長期的な視点から今後の施設の必要性について検討する必要がある。
  • 国や市の青少年教育施設もあるため、国、県、市が2重行政とならないよう一体となって見直しを行っていく必要がある。
  • 現状でどのくらいの学校が利用しているか分析を行い、今後利用者数を減らさないために利用率を高めていかなければいけない。
  • 3施設の担当者会議を定期的に行った方がよい。
  • 家庭、学校では体験できないような新たなプログラムを開発すべきである。
  • 他県での同じような施設での取組内容等を調査し、参考にするとよい。
  • 今後は青少年だけを対象とするのではなく、利用率を高めるためにも新入社員研修など民間企業にも対象を広げていく必要がある。
  • 学習効果を上げるための更なる取組が必要である。
  • 施設・設備の計画的な改修について、トイレの洋式化は利用者の利便性向上につながっていると思うが、スペースが狭く使い勝手が悪い印象(女子トイレ)を受けたため、今後はもっと利用者の視点に立った改修に努める必要がある。

(参考2)公共施設のあり方検討委員会答申後の青少年自然の家(北毛・妙義・東毛)の取組状況

(1) 閑散期(4月、9月、12~3月)における利用促進のための取組

  • 企業の新入社員研修や大学のゼミ・サークル活動等の利用促進を図るため、大学に訪問したり、企業や大学のための利用案内をホームページに新たに掲載。
  • 校長会、子ども会育成会などに利用促進広報を実施。
  • 閑散期を中心に「利用団体指導者研修会」「焼きまんじゅうづくり」などの主催事業の実施。

 北毛:21年度実績 3,973人 → 25年度実績  5,756人
 妙義:21年度実績 3,006人 → 25年度実績  2,632人
 (23~25年度平均利用者数 約4,000人)
 東毛:21年度実績 6,116人 → 25年度実績 7,810人

【各施設の年間稼働率】
  平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度
北毛青少年自然の家 22.6% 18.4% 25.0% 30.9%
妙義青少年自然の家 21.5% 26.3% 26.6% 19.6%
東毛青少年自然の家 26.6% 32.7% 30.9% 33.4%
3施設平均 23.6% 25.8% 27.5% 28.0%

※年間稼働率の計算式

  • 対象施設:宿泊室(北毛12部屋、妙義12部屋、東毛14部屋)
  • 月間稼働率=(稼働宿泊数)/(開所日数)×(宿泊室数)
  • 年間稼働率=各月ごとの稼働率の和/12月

(2) 使用料の設定

 青年の家と少年自然の家の料金体系を一本化するとともに、免除区分の見直しの実施。

(3) 近隣県有施設との連携

 学習効果を高めるための取組として、近隣県有施設や連携可能な近隣施設について調査し、各地域の特色を生かしたプログラムの開発を実施。

  • 北毛:ぐんま天文台(連携を密にとるとともに、天文台に行けない場合は、天文台職員を派遣してもらい天体講座を開催)
     フラワーパーク(フラワーパーク職員の訪問指導によるプログラムを開発)
  • 妙義:自然史博物館
  • 東毛:ぐんま昆虫の森、岩宿博物館、富士重工など

(4) ボランティア、地域の団体等との連携

 主催事業や各種体験プログラムを充実させるため、県内の中学校・高校・大学、ボランティア団体とのネットワークの強化及び拡大。

  • 北毛:ボランティア団体(北毛青少年自然の家友の会)、国立赤城青少年交流の家など
  • 妙義:ボランティア団体(妙義アウトドアスタッフ等)、中学校(富岡市立富岡西中学校等)、高校(高崎経済大学附属高等学校等)など
  • 東毛:県内の高校・大学、ボランティア団体(群馬県キャンプ協会、チャウス自然体験学校等)、国立赤城青少年交流の家など(ボランティア活用人数 21年度実績 5人 → 25年度実績 329人)

(5) 施設・設備の計画的な改修

施設・設備の老朽化及び利便性向上のため、計画的に改修を実施。

  • 北毛:キャンプ場各サイトのトイレ洋式化等
  • 妙義:宿泊棟トイレ改修等
  • 東毛:トイレ洋式化、プレイホール改修等

(6) 名称の統一化

 すべての施設において、青少年自然の家へ名称を変更。

(7) 指定管理者制度導入の検討

 平成25年度に県立青少年自然の家類似施設(指定管理者制度導入及び県直営施設)を持つ関東近県(9県)に調査を実施。(調査結果:15施設中8施設が指定管理者制度を導入)

(参考3)公共施設のあり方に関する最終報告書における答申内容(平成21年10月23日)

(1) 施設の必要性について

 野外体験活動や集団宿泊活動の主要施設として、数多くの小学生に利用され、青少年の健全育成を図る上で大きな役割を果たしており、施設の設置目的は失われておらず、継続とすべき。
 また、広域圏臨海学校などの市町村立施設が廃止されており、施設へのニーズは高まってきているが、利用状況が一定の時期に偏らざるを得ないことから、年間を通じての稼働率を高める方策について検討されたい。

(2) 管理運営方法について

 学習効果を高めるため、近隣の県有施設や県事業と連携し、各地域の特色を生かした学校利用プログラムの開発に取り組む必要がある。
 また、主催事業や各種の体験プログラムについて、ボランティアとの協働及び地域団体との連携に努める必要がある。

(3) 管理運営主体について

 引き続き県直営による管理が適当ではあるが、民間のノウハウを活用する観点から、指定管理者制度について、他県での活用状況の情報収集に努められたい。

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