社会状況の変化に伴い、子どもたちの食の乱れや健康への影響がみられることから、幼稚園、保育所(園)、認定こども園には、子どもへの食育を進めていく場として大きな役割を担うことが求められており、望ましい食習慣の形成や農林漁業体験の機会の提供など、様々な食育の取組が必要となります。
第3次群馬県食育推進計画「ぐんま食育こころプラン」においても、教育・保育等の一環として、各施設の創意工夫による食育活動を推進しているところですが、最終評価に向けて現状値を把握するとともに、次期計画策定の参考とするため、取組状況の調査を実施しました。
調査概要
1 調査実施期間
平成30年6月~7月
2 調査対象
県内の公立、私立の幼稚園、保育所(園)、認定こども園 604施設
3 回収数
幼稚園96施設 保育所(園)278施設 認定こども園199施設 計573施設
(回収率94.9%)
調査結果の概要
1 食育に関する計画等の策定状況
- 「計画、指針、目標などを策定している」が、幼稚園(59.4%)、保育所(96.8%)、認定こども園(89.9%)で、前回調査と比較すると、策定割合が上昇しているものの、いずれも第3次計画の目標である100%を達成していない。
2 給食の実施状況
- 幼稚園では97.0%、保育所では100%、認定こども園では100%給食を実施している。
- 「施設内で調理したものを提供」または「施設内での調理と外部搬入を実施」しているのは、幼稚園(23.0%)、保育所は(99.3%)、認定こども園は(90.0%)となっている。
3 食に関する取組状況
- 子どもや保護者に対する食に関する取組で「飼育、栽培体験」を実施しているのは、幼稚園(93.8%)、保育所(93.9%)、認定こども園(95.5%)で、前回調査と比較すると、幼稚園は実施割合が若干下回り、いずれも第3次計画の目標である100%を達成していない。
- 「配膳、片付けに関わる体験」「食事のマナー指導等」「保護者への食に関する情報提供」「食をテーマにした教材の活用」の項目については、8割~9割と実施割合が高くなっている。
- 「給食の献立や食材等を活用した食指導」「地域の伝統的な食に関わる体験」「保護者に対する食に関する相談や講習会の開催」「保護者への食に関する情報提供」「食をテーマにした教材の活用」の項目については、実施割合が前回調査を大きく上回っている。
4 食育を取り組むうえで必要な支援
- 「情報の提供」「職員向け研修会の実施」「食育実践事例の提供」の項目について、7割~8割と支援を望む割合が大きくなっている。
- 「食育実践事例の提供」の項目について、前回調査を大きく上回っている。
5 身体発育・発達状況の把握及び対応状況
- 幼稚園、保育所、認定こども園のいずれも「身長・体重の計測をしている」割合は100%に近くなっている。
- 「身長・体重から肥満度を算出」「子どもの発育・発達状況に応じた保護者への指導」の項目について、実施割合が前回調査を大きく上回っている。
6 食に関する非常時危機管理対策
- 「施設内で調理したものを提供している施設」及び「施設内での調理と外部搬入を実施している施設」のうち「食中毒発生マニュアル」を作成しているのは、幼稚園(72.7%)、保育所(62.0%)、認定こども園(59.9%)で、作成割合が前回調査を大きく上回っている。
- 「災害時栄養・食生活支援マニュアルの作成」「食品の備蓄」「他施設との連携」「非常時用献立の作成」の項目について、実施割合が前回調査を上回っている。
7 食物アレルギー対応
- 「食物アレルギー調査」「職員の情報共有」の実施は、幼稚園、保育所、認定こども園で、いずれも8割~9割となっている。
- 「食物アレルギー対策委員会の設置」は、幼稚園(43.8%)、保育所(19.8%)と前回調査を大きく上回っている。
- 「アレルギー対応レベルに応じた給食の提供」は、幼稚園(82.3%)、保育所(98.2%)、認定こども園(98.5%)といずれも高い割合であるが、「個別取組プラン」を作成しているのは4割程度である。
調査結果概要
参考
平成26年度幼稚園・保育所(園)/認定こども園食育の取り組みに関する調査結果