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環境白書の刊行にあたって

更新日:2019年12月25日 印刷ページ表示

 私は、群馬県の北西部、北と西に三国山脈がそびえ、東と南に高原が広がる、全国有数の温泉地草津で生まれ育ちました。子どもの頃から、四季を通じて豊かな自然に触れ、特に、冬には夢中でスキーに興じたことを思い出します。自然の中での原体験が体に刻まれており、今でも目を閉じれば、一瞬で、当時の自分へと戻っていきます。

 本県は、私のふるさとを抱くようにそびえる標高2,000メートル級の山々から10メートルの平地まで起伏に富んだ地形を有しています。県土の3分の2を森林が占め、赤城山・榛名山・妙義山の上毛三山をはじめとする山々と、その間を利根川ほか大小の河川が縫うように流れる自然豊かな県です。また、我が国の「自然保護の原点」である尾瀬をはじめ芳ヶ平湿地群などの湿原や多くの湖沼が点在し、こうした良好な環境に育まれ、多種多様な動植物が生息する豊かな生態系が形成されています。

 ところで、近年、記録的な豪雨や猛暑など気候変動が一因と考えられる異常気象が国内外で頻発しており、気候変動対策を進めることが国際社会における喫緊の課題となっています。2015年12月には、温室効果ガスの排出削減に向け、全ての国が参加する新たな国際的枠組みとして「パリ協定」が採択されました。我が国においても、「パリ協定」の目標を達成するため、地球温暖化対策計画を策定し、2030年度において、温室効果ガスの排出を2013年度比26%削減するとの中期目標の達成に向けて取組が進められています。

 県では、このような地球規模の課題に対処するとともに、本県の魅力ある美しい環境を次世代に引き継ぐため、「群馬県環境基本計画2016-2019」に基づき、各種の施策に取り組み、県民生活の水準の維持増進と環境負荷の抑制とを両立させた、質が高く持続可能な環境県づくりを推進しています。

 この「環境白書」は、本県の環境全般の現状を明らかにし、生活、自然など多岐にわたる環境問題の解決に向けた取組の実績及び令和元年度に講じる環境施策についてまとめたものです。
 県民の皆様をはじめ多くの方々が、本書を通して、本県の環境を取り巻く現状や将来に対して関心を持ち、環境の保全と創造の大切さについて理解を深め、大量にエネルギーを消費する社会構造やライフスタイルを見直して、環境に配慮した生活へと転換するきっかけにしていただければ幸いです。

令和元年9月 群馬県知事  山本一太

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