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第6章 全ての主体が参加する環境保全の取組

更新日:2020年10月2日 印刷ページ表示

第1節 良好な環境を支える人づくり

主な指標と最新実績

動く環境教室年間受講者数 7,411人
環境アドバイザー登録者数 280人
ぐんま環境学校(エコカレッジ)修了者数 22人
森林環境教育参加者数 15,853人
森林環境教育指導者数 145人

第1項 環境学習の推進

1 群馬県環境学習等推進行動計画の推進【環境政策課】
「環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律」(以下「本法」という。)が2003(平成15)年度に成立し、2005(平成17)年度に「群馬県環境学習推進基本指針」(以下「基本指針」という。)を策定しました。
2011(平成23)年度に本法が「環境教育等による環境保全の取組の促進に関する法律」として改正され、体験の機会の場などの新しい制度の創設とともに、行動計画の策定などが規定されました。
そこで、基本指針の理念を引き継ぎ、具体的な環境学習の行動へつなげるための行動計画として、「群馬県環境学習等推進行動計画」を策定しました(2015[平成27]年3月)。この行動計画では、『環境に興味を持ち「人と環境」の関係について総合的かつ科学的な理解を深め、環境に責任と誇りをもって、主体的に行動できる人を育てる学習』を具体化していくため、県の推進施策や具体的な取組、評価指標を用いた点検などを定めています。
2 動く環境教室の推進【環境政策課】
「動く環境教室」は、水、ごみリサイクル、大気、温暖化などのテーマに環境学習サポーター(講師)が学校に出向いて、実験や体験活動を交えながらわかりやすく環境について学ぶことができます。
実験は、地球温暖化をはじめ、水の汚れ、大気の汚れなどを調べたり、リサイクルに関する教材がそろっています。
この学習を子どもたちが受けることにより、自分たちの生活と環境問題のつながりを意識し、普段の生活から環境にやさしい行動をしていこうとする気持ちを育みます。
3 環境学習サポーターの育成【環境政策課】
環境学習サポーターは主に「動く環境教室」において講師を務めます。
「動く環境教室」で学習する分野は幅広い知識を習得するための座学や、子どもたちの興味を引きつける話し方や学習の流れを踏まえた実験の仕方など、体験的な学習をより行動へ結びつけるための研修を行っています。
また、ぐんま環境学校(エコカレッジ)のカリキュラムに研修を組み込み、環境学習サポーターの育成を行っています。
4 ぐんま環境学校(エコカレッジ)【環境政策課】
環境学習や地域の環境活動に自ら進んで取り組むことができる人材を養成するため、環境問題に関連する幅広い分野のカリキュラムによる「ぐんま環境学校(エコカレッジ)」を実施しています。
2019(令和元)年度は、6月から12月にかけて講義やワークショップ、フィールドワーク等を実施しました。受講生は、環境保全や気候変動、環境学習、リサイクルなどに関する講義や、尾瀬ボランティア講座、森林整備体験、清掃センターでのリサイクル実習を通して、知識を深めるとともに今後の活動への意欲を新たにしました。
修了生は、群馬県環境アドバイザーに登録されるとともに、動く環境教室の環境学習サポーターとして活躍している方もいます。
2020(令和2)年度も事業を継続し、講師や受講生相互の交流の場を設け、横のつながりを築けるように配慮しながら、環境活動に自ら進んで実践できる人材を育成していきます。
5 群馬県環境アドバイザー登録、支援、活躍【環境政策課】
環境保全活動の地域リーダーとして活躍する人材の育成支援のため、1992(平成4)年度から群馬県環境アドバイザー制度を設けており、280名(2019〔令和元〕年度末現在)の環境アドバイザーが県に登録し活躍しています。
【環境アドバイザーの活動概要】
環境ボランティアとして、環境美化活動、地球温暖化対策、ごみの減量や自然エネルギー等、様々なテーマで活動しています。
1999(平成11)年度から環境ボランティアに委託している「地域環境学習推進事業」も、主に環境アドバイザーが企画立案実施をしています。
また、環境アドバイザー相互のネットワーク作りのため、1997(平成9)年度に「群馬県環境アドバイザー連絡協議会」を設置しました。役員会幹事会を随時開催し、重点活動内容について協議するとともに、会報「グリーンニュース」の発行、専門部会委員会(ごみ問題、温暖化エネルギー、自然環境、広報委員会)の運営、地域ごとに活動する地域部会など「行動する環境アドバイザー」をスローガンに専門性を伸ばしながら、アドバイザー同士のつながりを意識した活動に取り組んでいます。さらに2019(令和元)年度には、群馬県と共催で7回目となる「みんなのごみ減量フォーラム」を開催しました。フォーラムでは食品ロスや生ごみの減量を主なテーマとして、基調講演やパネルディスカッションが行われ、活発な討論が交わされました。
6 こどもエコクラブへの支援【環境政策課】
こどもエコクラブは、幼児から高校生までなら誰でも参加できる環境活動のクラブです。二人以上の子どもと、子どもたちをサポートする一人以上の大人でクラブをつくることができ、県がこのクラブの活動を支援しています。
環境省のバックアップのもと全国で取り組まれており、全国大会も開催されています(2011〔平成23〕年度より日本環境協会が運営)。群馬県では1996(平成8)年からこどもエコクラブが結成されています。2019(令和元)年度の登録状況及び事業状況は次のとおりです。

2019(令和元)年度の登録状況

  • クラブ数 52クラブ
  • 会員数 1,221名
  • サポーター 281名

ア 群馬県こどもエコクラブ学習会
県内のエコクラブが一堂に会し、合同体験学習交流会を行いました。
a 日時:2019(令和元)年8月31日(土曜日)
b 場所:サンデンフォレスト(前橋市)
c 参加者:76名
d プログラム:レクリエーション、自然観察散策等
イ 群馬県こどもエコクラブ交流会
県内各クラブの1年間の活動の成果を発表し、相互の交流を図るため、交流会を行いました。
a 日時:2020(令和2)年1月11日(土曜日)
b 場所:前橋市児童文化センター(前橋市)
c 内容:
 活動発表交流会参加者88名(2クラブ及び緑の少年団1校)
前橋市児童文化センター環境冒険隊(前橋市)
高崎イオンチアーズクラブ(高崎市)
前橋市立芳賀小学校緑の少年団(前橋市)
 壁新聞掲示(5クラブ)
前橋市児童文化センター環境冒険隊
太田イオンチアーズクラブ
しらさわエコキッズクラブ
はじまるキッズクラブ
大島自然探検隊
 科学工作:
自作のミニソーラーカーを作成して、参加
者全員が持ち帰りました。
7 ぐんま緑の県民基金市町村提案型事業(森林環境教育普及啓発)【森林保全課】
2014(平成26)年度から始まった「ぐんま緑の県民基金市町村提案型事業」では、児童生徒や、県民を対象とする森林環境教育や森林体験活動を支援するとともに、森林の機能や重要性について普及啓発を図る取組を実施しています。
2019(令和元)年度は、県内20市町村において46事業の自然観察会や間伐体験の開催を支援し、12,428名の方に森林の機能や重要性について学んでもらうことができました。
8 ぐんま緑の県民基金事業(森林環境教育指導者養成)【森林保全課】
本県の森林や地球環境を社会全体で守り育てる意識を醸成するため、自然の解説者である「緑のインタープリター」を養成し、森林や緑とふれあう様々な自然体験活動を通じて、人間生活や環境と森林の関係について理解を深め、緑豊かな郷土づくりを推進します。
養成した緑のインタープリターは、小中学生を対象にしたフォレストリースクールや緑の少年団育成事業、ぐんま緑の県民基金事業市町村提案型事業、森林観察会自然講座などの森林環境教育事業の場で活動しています。
9 小中学生のためのフォレストリースクール【森林保全課】
小中学校での講義や体験活動等を通じて、森林や緑化の重要性を認識させ、森林保全や環境保護への意識啓発を図るため、県内各地で実施しました。近隣の里山の自然観察や林業体験、校庭の木々を生かしたネイチャーゲームやクラフト等を実施するために講師を派遣して、学校の授業を支援しました。
また、夏休み中に赤城ふれあいの森において、「夏の森林教室」を実施し、児童と引率の教員に、自然観察や「ツリーイング」を体験してもらい、森林や林業について幅広く学ぶ場を提供しました。
10 緑の少年団育成【森林保全課】
緑の少年団は、緑と親しみ緑を守り育てるなどの活動を通して、自然を愛し人や社会を愛する心豊かな人間に育てることを目的に、県内の小学校を中心に組織された団体で、現在314団体、約6万人の子どもたちが活動しています。
学校林の整備や森林の学習会、地域の施設へのプランターの寄贈や清掃活動等、学校や地域の実態に応じて様々な活動が展開されています。県では広くこの活動を支援し、体験活動や学習機会を提供することを通じて森林環境教育を推進しました。
11 憩の森森林学習センターの運営【森林保全課】
森林の持つ公益性や多面的機能に対する県民の関心、森林や環境を大切にする意識を高めるため、憩の森森林学習センターにおいて、子どもから大人まで幅広い年代を対象にしたイベントやNPO法人等への活動フィールドの提供、指導者養成のための研修会などを年間を通して開催し、森林環境教育を推進しています。
12 緑化センターの運営【森林保全課】
県の総合的な緑化推進の拠点として、緑化思想の普及啓発、緑化技術の指導、森林環境教育等を実施するとともに、市町村及び緑化関係業界等に対し緑化情報の提供や技術支援を実施しています。
また、平野部にあることから、平地林保全対策の拠点として、近隣にある平地林を管理するとともに平地林に関する情報交換の場にもなっています。

(1)緑化関係講座の開催状況
2019(令和元)年度は、県民等を対象とした緑化講座を19回、小学生等を対象とした森林環境教育としての森林楽習講座を9回開催しました。
また、例年5月4日には、「みどりの日」の趣旨を普及啓発するため、みどりの集いを開催しています。
(2)来園者数の推移
保健休養の場を提供するため樹木見本園、庭園見本園等を整備しており、年間およそ3万5千人程度の来園者があります。
13 教育現場での環境教育の充実【(教)義務教育課】
(1)専門的な知識と指導力を備えた教員を養成する環境教育研修
今日、環境問題を解決し、持続可能な社会を構築していくためには国民の環境に対する意識を高め、一人一人が環境に配慮した行動をとることが重要であり、各学校では、その基盤となる環境教育環境学習を推進することが重要であると考えます。
そのため、県教育委員会では、国が主催する環境教育に関わる研修等の紹介や、総合教育センターにおける研修講座の実施を通して、環境教育に関する専門的な知識と児童生徒への指導力を備えた教員を養成できるようにしています。

(2)教育現場での環境教育の充実
各学校で環境教育の充実を図るためには、各教科、特別の教科道徳、総合的な学習の時間及び特別活動等それぞれの特質に応じて、児童生徒、学校、地域の実態を踏まえながら環境に関する学習が行われるようにすることが重要です。
そこで県教育委員会では、特に小中学校において、系統的な取組ができるよう、環境教育全体計画の作成、見直しをお願いしています。
また、県内の環境教育の特色ある取組を広く紹介するため、環境教育実践事例集「みんなの環境わたしたちの実践」を毎年2月に作成し、県総合教育センターのWebページに掲載しています。この実践事例集では、小、中、高等学校の優れた取組を1校ずつ紹介しています。
14 教員向け研修講座(環境教育研修講座)の実施【(教)総合教育センター】
県では、各学校で環境教育を効果的に推進できる教員を養成するため、全校種の教員を対象に「見る触れる体験する環境教育研修講座」を実施しています。2019(令和元)年度は、「芳ヶ平湿地群チャツボミゴケ公園水池」自然観察会と題して8月に吾妻郡中之条町のチャツボミゴケ公園を主会場として開催しました。研修では、芳ヶ平湿地群の形成された経緯及び多様な高山植物、日本固有種であるモリアオガエルの最高標高繁殖地、アジア最大級のチャツボミゴケ群落等について学習しました。併せて、生物多様性並びに群馬鉄山の歴史に対する理解を深め、県が進めるラムサール条約湿地に登録された芳ヶ平湿地群の環境学習への理解を深める機会としました。これらを通して、児童生徒に実体験を伴った環境学習を実践するための指導力の向上を図っています。また、広い視点で環境教育を捉えるため、体験分析見学という形でのバランスのよい展開に留意しています。参加者は延べ17名でした。

研修の概要

見る触れる体験する環境教育研修講座
日時:2019(令和元)年8月9日(金曜日)
場所:芳ヶ平湿地群チャツボミゴケ公園
内容:「芳ヶ平湿地群チャツボミゴケ公園水池」自然観察会
講義「チャツボミゴケ公園の歴史」
 「ラムサール条約登録芳ヶ平湿地群の形成」
実習 「チャツボミゴケ公園水池観察会」
 「群馬鉄山と旧太子駅」
講師 芳ヶ平湿地群環境学習協議会
 野反湖うらやまガイド代表木村正臣

関係業務

尾瀬自然体験研修(小中学校初任者研修)
ア 事前研修 尾瀬の自然体験について理解するとともに、尾瀬の自然、歴史、環境保全について学びます。
日時:2019(令和元)年7月24日(水曜日)
2019(令和元)年8月7日(水曜日)
場所:総合教育センター
内容:講義「尾瀬の教育的価値」
イ 現地研修 尾瀬の自然環境のすばらしさを体感するとともに、児童生徒を引率する上での環境保全に関する知識を習得します。
日時:2019(令和元)年7月25日(木曜日)
2019(令和元)年8月8日(木曜日)
場所:尾瀬国立公園
内容:実習「尾瀬自然体験研修」
ウ 事後研修 研修の成果と課題をまとめ、引率時の指導者の役割や体験活動の意義について理解します。
日時:2019(令和元)年7月26日(金曜日)
2019(令和元)年8月9日(金曜日)
場所:総合教育センター
内容:実習「自然遺産の教材化に向けて」
発表協議「研修成果のまとめ」

第2項 環境情報の提供と共有化

1 試験調査研究の推進、成果の公表【衛生環境研究所】
衛生環境研究所では、感染症食中毒などの衛生医療及び水大気などの環境保全に関する調査研究を実施しています。
このうち環境分野では、従来の自然科学を中心とした調査研究に加え、社会学的なアプローチにも力を入れ、研究を進めています。
2 環境サポートセンターの運営【環境政策課】
小中学校や地域などにおける環境学習や環境活動を総合的に支援するため、2003(平成15)年度に環境サポートセンターを開設しました。
センターでは、環境学習や活動に関する質問や相談の受付、情報提供発信、動く環境教室の運営、環境アドバイザーやこどもエコクラブの活動支援などを行っています。
〔概要〕
設置場所 群馬県環境政策課内
設備等 移動環境学習車(エコムーブ号)、
実験器具等
〔2019(令和元)年度の利用状況〕
質問相談件数 1,156件
動く環境教室利用 94件
3 森林ボランティア等推進【森林保全課】
森林環境問題への関心が高まるなか、多くの方に森林に触れることの楽しさと森林整備の重要性を知ってもらうため、県民参加による森づくりを進めています。
県では、森林ボランティア活動を推進し一体的な支援を行う拠点として、2014(平成26)年10月に「森林ボランティア支援センター」を開設し、作業時の安全対策器具の取扱い講習会等の開催、森林整備作業器具の貸出しなどを行っています。
また、企業ボランティアでは、2019(令和元)年度末時点で、「企業参加の森林づくり」で30団体(32協定)、「県有林パートナー事業」で9団体が森林整備に取り組んでいます。
4 ぐんま緑の県民基金事業(森林ボランティア支援)【森林保全課】
県では、森林の整備保全を社会全体で支える県民意識を醸成するため、憩の森森林学習センターに森林ボランティアの活動拠点として「森林ボランティア支援センター」を設置し、ヘルメットやノコギリなどの森林整備作業器具の貸出や安全講習会の開催(10回開催、合計129人参加)、専用ホームページ「モリノワ」による情報の収集発信、「森林ボランティア体験会」の開催(3回開催、合計37人参加)など、森林ボランティア活動に一体的なサポートを行っています。
5 こども環境白書の作成【環境政策課】
本県の豊かな自然環境を守り、確実に次代に引き継いでいくためには、次代を担う子どもたちへの環境学習が重要であることから、2006(平成18)年度から環境白書の普及版として、こども環境白書を作成し、県内小中学校などの教育機関を中心に配布を行っています。
2019(令和元)年度に作成した最新版では、群馬県の環境などをデータやイラストを使ってわかりやすく整理するとともに、学校での環境学習の副読本として活用してもらうため、主に小学校4年生から6年生の学習指導要領との整合に配慮した内容となっています。
6 環境情報ホームページ(ECOぐんま)の運用【環境政策課】
県では、環境に対する理解を深めてもらうことを目的に、2012(平成24)年3月から群馬県環境情報ホームページ「ECOぐんま」を開設し、県内の環境に関する情報を発信しています。ホームページ内では、環境についてのイベント情報や、家庭でのCO2排出量診断、EV充電マップ等の様々なコンテンツを見ることができます。

「ECOぐんま」ホームページアドレス
http://www.ecogunma.jp/
(1)掲載コンテンツとホームページ閲覧数
2019(令和元)年度は、環境に関する活動を実施している団体の紹介、県主催のイベントの告知や環境学習資料の掲載などを行いました。

第2節 自主的取組の拡大

第1項 県民民間団体の取組への支援

1 発達に応じた環境学習プログラムの作成運用【環境政策課】

群馬県環境サポートセンターでは大きく分けて、小学校向け、中学生向けの環境学習教材を作成し、動く環境教室などにおいて出前講座による学習を行ってきました。
環境問題は全ての人に関わる問題であり、あらゆる年代の人が継続して学習を行う必要があるので、現在は児童向け、高等学校生向け、成人向けなど幅広いライフステージにあわせた環境学習プログラムを提供するよう、学習資料の作成を行っています。
また、群馬県環境アドバイザー連絡協議会では、社会人向けに「みんなのごみ削減フォーラム」を開催し、誰もが取り組めるわかりやすいごみの減らし方などの普及に努めています。
2 自主的な取組に対する顕彰(群馬県環境賞)【環境政策課】
県民の環境意識の高まりと環境活動へのより一層の参加を促進するため、環境分野において優れた実践活動、調査研究活動、自然保護等に顕著な功績があった県民や事業者等に対して、1999(平成11)年度から群馬県環境賞(環境特別功績賞環境功績賞)を授与しています。
2019(令和元)年度の受賞者(環境功績賞)は次のとおりです。
3 多面的機能支払交付金の推進【農村整備課】
(1)事業の趣旨
過疎化や混住化が進む農村地域において、農地、農業用水などの十分な管理が困難になり、農業農村の有する多面的機能が失われつつあります。このため、農業者を主体とする地域住民等による活動組織が、農地、水路等の保全管理、農村環境の保全活動に取り組み、農地周りの水路や農道の補修を行うなど活力ある地域づくりを支援しています。
(2)事業内容
農地、水路周りの草刈りや泥上げなど農地、水路等の基礎的な保全管理を農地維持活動とし、農村環境の保全のための活動や農業用用排水路等の補修更新など施設の長寿命化のための活動を資源向上活動として、農地面積に応じた活動を支援しています。
(3)実施状況
2019(令和元)年度は、農地維持活動で258活動組織、農地面積17,552ha、資源向上活動(長寿命化)で144活動組織、農地面積12,123haを実施しました。

4 花と緑のクリーン作戦【都市計画課】
花や緑の活動を通じた、心温かい地域社会の形成と美しいふるさと群馬づくりのため、自発的な住民組織による活動を支援しています。県が管理する道路や河川等の公共施設を活動区域に含む美化活動を年に3回以上実施した場合、奨励金交付の対象となります。
2019(令和元)年度は955団体が活動しました。

5 河川愛護団体等の表彰【河川課】
河川愛護意識の啓発と良好な河川環境の維持保全、適正な河川利用を推進するため、毎年7月を「河川愛護月間」として、河川美化作業等の様々な活動を全国で実施しています。
良好な河川環境の維持保全を行政のみで行うことには限界があり、地域住民の協力が不可欠です。
このため、群馬県では、長年にわたり河川の除草や清掃等、河川愛護活動に功績のあった団体等に対し、毎年7月7日の「川の日」にちなみ「優良河川愛護団体等表彰」を行っており、2019(令和元)年度は12団体の表彰を行いました。
6 自治会等草刈り作業委託【河川課、砂防課】
「自治会等草刈り作業委託」は、河川砂防に対する関心を高めることや不法投棄の防止、除草費用の軽減を図るとともに、地域住民が主体となって活動することで地域活性化に寄与することなどを目的に、2004(平成16)年度から試行し、2007(平成19)年度から本格的に実施しています。
2019(令和元)年度の河川除草実施面積810haのうち、自治会等による草刈は204haに達しており、302団体により実施されました。
砂防指定地内の除草については、2013(平成25)年度から実施しており、2019(令和元)年度は実施面積15haにおいて、自治会等の31団体により実施されました。
7 道路愛護団体への活動支援【道路管理課】
道路愛護の普及啓発とともに、県民参加による道路の維持保全を図るため、毎年、春と秋に道路愛護週間を設定して、道路愛護運動を実施しています。各市町村が自治会等の道路愛護団体に呼びかけ、地域住民により道路の美化活動を行っています。
2019(令和元)年度実績
春の道路愛護運動
2019(平成31)年4月6日~15日(10日間)
秋の道路愛護運動
2019(令和元)年10月5日~14日(10日間)
作業実績(2019〔令和元〕年度春秋)
作業延長 延11,799.2キロメートル
参加者数 延401,727人
こうした、社会的奉仕活動に対して、その功績と功労を称えるため毎年「優良道路愛護団体等表彰」を行っており2019(令和元)年度は道路愛護団体16団体、道路愛護優良校2校の表彰を行いました。

第2項 事業者の取組の促進

1 環境影響評価【環境政策課】
(1)環境影響評価制度
環境影響評価制度は、大規模な開発事業等を行う前に、その事業の実施が環境にどのような影響を及ぼすかについて、調査、予測及び評価を行い、環境保全のための措置を検討することにより、環境と開発の調和を図ることを目的とする制度です。
県では1991(平成3)年に定めた「群馬県環境影響評価要綱」により、国においては1984(昭和59)年に閣議決定が行われた「環境影響評価の実施について」により環境影響評価を実施してきました。
その後、新たな環境問題への対応や制度の充実を図るために見直しを行い、「群馬県環境影響評価条例」を施行しています。
国においては「環境影響評価法」が1999(平成11)年6月に施行され、また、戦略的環境アセスメント導入を含めた「環境影響評価法の一部を改正する法律」が2011(平成23)年4月に公布されました。
2012(平成24)年4月に改正法の一部が施行、2013(平成25)年4月には完全施行されています。

(2)手続の流れ
法及び条例の対象となった事業は、方法書手続、準備書手続、評価書手続、事後調査手続を実施しながら、環境保全対策を図っていきます。
ア 方法書手続
環境影響評価の項目並びに調査、予測、評価の手法を選定するための手続です。
イ 準備書手続
調査、予測及び評価の結果について、環境保全の見地からの意見を求めるための手続です。
ウ 評価書手続
準備書に対する意見をよく検討し、準備書の内容を見直し、環境影響評価の結果をまとめあげる手続です。
エ 事後調査手続
事業実施による環境影響を確認し、環境保全対策を検討する手続です。

2 環境新技術の導入促進【気候変動対策課】
県では環境産業の振興と県事業の環境配慮を促進するため、県内中小企業が開発した循環型社会づくりや環境保全に資する技術や製品を募集し、広報するとともに、県単独公共事業に採用しています。
2019(令和元)年度は、応募のあった技術や製品の中から「県産材バーク(樹皮)を利用する植生基材吹付工「PMC工」」、「草防止製品FBX、PUF」を県単独公共事業に採用しました(2課6事業)。
3 ぐんま新技術新製品開発推進補助金【地域企業支援課】
県では、本県産業の競争力強化と新産業創出を促進するため、県内中小企業者の新技術新製品開発を支援しています。
2019(令和元)年度における支援実績は、43件、42,328千円でした。補助事業を実施した企業の多くは事業終了後も開発を継続しており、製品化事業化に結びついています。
2020(令和2)年度も引き続き、新技術新製品開発に対する支援を行い、各企業の競争力を高めるとともに、環境負荷の低い製品や技術の開発に関する積極的な取組を後押しします。

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