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県では、循環型社会づくりを県民、事業者、行政が協力して進めていくために、具体的な目標を掲げた「第二次群馬県循環型社会づくり推進計画」(二次計画)を平成28年3月に策定しました。
二次計画は、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃棄物処理法)第5条の5に基づき、廃棄物の減量その他その適正処理に関する事項を定めた法定計画です。また、県が進める循環型社会づくりにあたっての基本的事項を定めたものとなっています。
県では、二次計画に基づき、ごみの減量化やリサイクルを推進し、循環させる資源の「量」に着目した取組に加え、資源の性質を活かす「質」の高い資源の循環的な利用を実現する循環型社会づくりを目指しています。
二次計画では、概ね2030年(平成42年)を展望し、群馬県における廃棄物の適正処理及び循環型社会づくりに向けた基本理念、基本目標を次のとおり定めています。
マイバッグ等の利用は、ごみの減量化や省エネ・省資源をはじめ、循環型社会の構築と温暖化防止を配慮したライフスタイルの醸成として大きな役割を担っています。
県では、低炭素・循環型社会の実現に向けたライフスタイルの普及のため、平成25年度に消費者(環境)団体、事業者、行政(県及び35市町村)の3者で構成される「群馬県環境にやさしい買い物スタイル普及促進協議会」を設置しました。
この協議会では、消費者(環境)団体を中心に店頭でマイバッグの持参を呼びかける啓発活動を実施し、県民の環境活動を後押ししています。平成29年度は県内12市に1店舗ずつモデル店を設定し、10月から毎月1回継続的に啓発活動を実施しました。
また、環境に配慮した取組を行う事業者を支援するため、協議会の協力店に登録した事業者を県の環境情報ホームページ「ECOぐんま」に掲載し、情報発信を行っています。
県民一人ひとりが身近なところから3R(リデュース、リユース、リサイクル)に取り組んでもらえるよう、インターネット等を活用した普及啓発を図りました。
県では、群馬県環境情報ホームページ「ECOぐんま」の3R宣言のページから、県民に継続して取り組むことのできる3Rの行動を宣言していただき、日頃から3Rの活動を意識してもらえるように、名前入りの宣言書を印刷できる仕組みを設け、平成24年度から運営しています。
平成29年度は、「ECOぐんま」の3R宣言のページを改修し、インターネットで、子ども向けの宣言書を印刷できるようにしました。
また、イベント会場でも、3Rの活動を啓発するため来場者が簡単に宣言できるよう、インターネットを使用しない記入式の宣言書を準備し、平成26年度から呼びかけています。平成28年度からは、子ども向けの宣言書も用意し、子どもたちにも宣言してもらっています。
平成29年度末の宣言者の累計数は、2,729人です。
3Rリーダーは、県内で積極的に3R活動に取り組み、3Rについての知識やノウハウを持った3Rの推進者です。
地域や職場、学校等で実施される3Rに関する学習会への3Rリーダーの紹介、派遣をしています。
地域の環境学習の場などで活用していただくために、二次計画普及啓発冊子として、「ぐんまちゃんのごみBOOK」を4,000部作成し、県内の教育機関や関係事業者団体、群馬県環境アドバイザー等へ配布しました。
平成28年度の本県における一人一日当たりのごみの排出量は1,005グラムで、前年度の1,031グラムから26グラム減少しました。
これは、市町村と連携強化してきた、県民に対する意識啓発や事業者に対する適正排出指導による成果が出始めているためであると考えられます。
平成28年度は、全国平均値の925グラムに比べて80グラム多くなっています。
県民の日々の3Rの実践の成果を「見える化」するため二次計画において、一人一日当たりのごみ排出量のうち、日常的に家庭から排出される可燃ごみの量を指標としました。
平成28年度の本県における一人一日当たりの生活系収集可燃ごみの排出量は567グラムで、前年度の575グラムから8グラム減少しました。
こちらも、一人一日当たりのごみ排出量と同様に、県民に対する意識啓発等の成果が出始めているためであると考えられます。
平成28年度は、全国平均値の415グラムに比べて152グラム多くなっています。
平成28年度の本県におけるリサイクル率は15.7%で、前年度の15.4%から0.3ポイント増加しました。近年は、概ね横ばい傾向で推移しています。
集団回収量が減少傾向にあることや、「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律」に基づき市町村が分別収集する容器包装廃棄物について、品目・量ともに横ばい傾向にあることが、リサイクル率の「横ばい傾向」につながっていると考えられます。
平成28年度は、全国平均値20.3%と比べ4.6ポイント低くなっています。
住宅のストックが量的に充足し、環境問題や資源・エネルギー問題がますます深刻化する中で、これまでの「住宅を造っては壊す」社会から、「いいものを造って、きちんと手入れをして長く大切に使う」社会へ移行することが重要となっています。
住宅の長期使用により、解体や除却に伴う廃棄物の排出を抑制するとともに、建て替え費用の削減によって県民の住宅に対する負担を軽減します。また、より豊かでやさしい暮らしへの転換を図るため、長期優良住宅等の良質な住宅の供給、適正な維持管理の推進及びリフォームの促進等を進め、住宅をより長く大切に使う社会の実現を目指します。
県では平成29年3月に策定した「群馬県住生活基本計画2016」において、以下の2つの指標を掲げ施策を実施しています。
平成25年:4.1% から→平成37年:7%
平成26年:13.4%→平成37年:20% また、平成28年4月に設立した「群馬県空き家利活用等推進協議会」を活用し、良質な既存住宅の資産価値が適正に評価され、その流通が円滑に行われるとともに、県民の居住ニーズと住宅のミスマッチが解消される循環型住宅市場の実現を目指します。
さらに、「ぐんま住まいの相談センター」及び「群馬県ゆとりある住生活推進協議会」等を活用し、リフォーム市場に関する情報不足等による消費者の不安解消に努めます。
二次計画に基づき、2Rを含む、3R推進に向けた取組について市町村、関係団体等が連携して協議、推進を図るため、「ぐんま3R推進会議」が設置されています。会議では、3Rに関する県内外の先進取組事例の共有などを行っています。
平成29年度は2回開催し、今後のごみ減量・リサイクル推進に向けた取組について意見交換を行いました。
「みんなのごみ減量フォーラム」を群馬県環境アドバイザー連絡協議会と共催し、ごみ減量に関する講演会、ごみ減量等に積極的に取り組む団体等の事例発表、意見交換等を行っています。
ア 3R講演会
「食品ロス削減と生ごみ減量」講師:崎田裕子(全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会長・ジャーナリスト・環境カウンセラー)
イ ごみ削減事例発表会及びパネルディスカッション
コーディネーター 崎田講師 パネリスト 事例発表者、群馬県環境アドバイザー連絡協議会代表、廃棄物・リサイクル課長
家庭や外食における食品の廃棄状況や食品産業における食品廃棄物等の発生量や再生利用等の実施状況等を把握し、その削減に向け必要な取組を進めます。
食品の食べ残しや食材の使いきりに取り組む飲食店や旅館・ホテル、食料品小売店を「ぐんまちゃんの食べきり協力店」として登録し、生ごみの減量や食品ロスの削減を推進しています。
平成29年度末の、ぐんまちゃんの食べきり協力店数は、次のとおりです。
飲食店 80店舗
旅館・ホテル 13店舗
食料品小売店 121店舗
合計 214店舗