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第2部第1章第4節 フロン類の排出抑制による温暖化対策

更新日:2016年10月20日 印刷ページ表示

主な指標と実績

フロン回収量 71,053キログラム

第1項 フロン類排出抑制対策の推進

1 フロン類の回収の促進

(1)フロン(*注1)類の規制

 オゾン層の保護及び温暖化防止を図るため、業務用冷凍空調機器(エアコン、冷蔵・冷凍機器)については「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律」(フロン排出抑制法)(旧「特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保に関する法律」(フロン回収・破壊法))により、家庭用のエアコンや冷凍・冷蔵庫については「特定家庭用機器再商品化法」(家電リサイクル法)により、また、カーエアコンについては「使用済自動車の再資源化等に関する法律」(自動車リサイクル法)により、それぞれフロン類の回収・破壊等の規制が行われています。
 平成14年4月に施行された「フロン回収・破壊法」は、オゾン層の破壊や地球温暖化を招くフロン類を大気中にみだりに放出することを禁止す
るとともに、フロン類が使用されている特定製品(業務用冷凍空調機器)の廃棄時及び整備時におけるフロン類の回収等を義務付けています。また、法律に基づくフロン類回収業者の登録や回収量等の報告などが行われています。
 平成19年10月に施行された改正「フロン回収・破壊法」では、フロン類の引渡しを書面で行う制度(行程管理制度)や、建物の解体時に業務
用冷凍空調機器の有無を確認し解体発注者に説明することなどが新たに義務付けられました。
 平成25年6月12日に「フロン回収・破壊法」が大幅に改正された「フロン排出抑制法」が平成27年4月1日から全面施行されました。
 フロン類の製造から廃棄に到るライフサイクル全体に規制の枠が広げられ、フロン類の大気中への漏えい防止を図るとともに、ノンフロンや温室効果の小さい冷媒を使った機器への転換を促進していくこととなります。

(*注1)フロン:「フロン」は、日本における炭素-フッ素有機化合物の通称です。正しくは「フルオロカーボン」といい、その化学構造によりCFC(クロロフルオロカーボン)、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)、HFC(ハイドロフルオロカーボン)等と区分しています(Hは水素を、F はフッ素を、はじめのC は塩素を、後のCは炭素をそれぞれ表します。)。
 フロンの主な種類と用途は次のとおりです。

  • CFC:電気冷蔵庫、カーエアコン、業務用冷凍空調機器等の冷媒、発泡剤、洗浄剤など。
  • HCFC:ルームエアコン、業務用冷凍空調機器等の冷媒、発泡剤、洗浄剤など。
  • HFC:電気冷蔵庫、カーエアコン、業務用冷凍機等の冷媒、発泡剤など。

(2)第一種フロン類充填回収業者登録

 第一種フロン類回収業者は、第一種フロン類充填回収業者に改められ、充填基準の遵守、第一種特定製品の整備時における充填証明書・回収証明書の交付等が求められています。

(3)フロン(充填)回収技術講習会の開催

 フロン類の回収を安全かつ確実に行うための基礎知識と技術を事業者に身につけてもらうため、平成12年度から毎年開催され、平成26年度までの修了者数は累計で2,397名となっています。
 平成27年度からは、環境省及び経済産業省から「フロンの排出抑制法に係る知識等の習得を伴う講習の確認」を受けたフロン充填回収技術講習会を開催し、修了者は243名でした。

(4)フロン類の回収状況

 「フロン排出抑制法」に基づき、平成26年度に県内で業務用冷凍空調機器から回収されたフロン類の量は、廃棄時が51,564キログラム、整備時が19,488キログラムでした。また、このうち廃棄時の47,954キログラム、整備時の16,828キログラムがフロン類破壊業者に引き渡されました。
 自動車リサイクル法に基づき、平成26年度に県内でカーエアコンから回収され、破壊のため自動車製造業者等に引き渡されたフロン類の量は18,217キログラムでした。

2 管理者による判断基準の遵守等の促進

 第一種特定製品の管理者には、「管理者判断基準」の遵守や「フロン類算定漏えい量の報告」等が求められています。

(1)管理者による判断基準の遵守

 遵守すべき「管理者判断基準」は、次のとおりです。

  • ア 適切な場所への設置等
  • イ 機器の点検
  • ウ 漏えい防止措置、修理しないままの充塡の原則禁止
  • エ 点検整備の記録・保存

(2)算定漏えい量報告・公表制度について

 管理する第一種特定製品の使用等に際して排出される前年度のフロン類漏えい量を算定した結果、フロン類算定漏えい量が1,000トン-CO2以上となる場合、毎年度7月末日までに、第一種特定製品の管理者は事業所管大臣に対して算定漏えい量を報告しなければなりません。

(3)フロン類排出抑制対策

 県では、平成12年10月に施行された「群馬県の生活環境を保全する条例」に、フロン類の排出を抑制すべき事業者や県民の責務等を規定し、「フロン回収・破壊法」の施行前からフロン類の回収対策に取り組んできました。
 平成27年度フロン類の適正管理推進モデル事業を環境省から受託し、「管理適正化等支援センター」を(一社)群馬県フロン回収事業協会内に設置、主に次の事業を行いました。

ア 専任の啓発指導員を配置し、巡回による法令の周知及び簡易点検の実施等機器の管理の適正化の指導を行うほか、電話等による第一種特定製品管理者やフロン類充填回収業者等からの相談に応じました。

イ 点検・充填資格者のうちから技術専門指導員を委嘱し、点検や機器の管理の適正化等の技術的な相談に応じるともに、実地による機器の点検等の指導を行いました。

ウ 管理者からの問い合わせに応じ、点検整備業者の紹介や斡旋を行うことで、点検整備業者とのつながりがなかった管理者が、定期点検や専門点検を安心して受けられる環境を整備しました。

(4)管理者及びフロン類充填回収業者等への指導

 フロン類の回収及び破壊業者等への引渡しなどが適正に行われるようフロン類充填回収事業者等への立入検査指導を行っており、平成27年度は管理者2者を対象に実施しました。

3 脱フロン化の促進

(1)群馬県フロン類管理適正化等促進協議会

 県では、フロンの回収・処理を行政と事業者が一体となって促進していくための組織として、平成12年10月に「群馬県フロン回収促進協議会」を設立しました。
 「フロン回収・破壊法」の施行後は、フロン類の回収対策は同法に移行しましたが、フロン回収技術講習会の開催やフロン回収業者等への立入検査指導等を引き続き実施し、業務用冷凍空調機器からのフロン類の回収等が適切に行われるよう指導を行ってきました。「フロン排出抑制法」の改正にともない、平成26年12月に「群馬県フロン回収促進協議会」を「群馬県フロン類管理適正化等促進協議会」に改め、フロン類のライフサイクルに関わる県内の各団体が連携してフロン類の漏えい防止対策や回収対策を推進することとしています。

(2)フロン類の排出抑制対策シンポジウム

 平成27年度フロン類の適正管理推進モデル事業として、シンポジウムを開催しました。
 シンポジウムでは、低GWPやノンフロンの製品開発等に関わる講演や事例発表、フロン類排出抑制に向けたパネルディスカッションを行いました。

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