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第2部第4章第2節 廃棄物の適正処理の推進

更新日:2012年10月1日 印刷ページ表示

第1項 一般廃棄物の適正処理

1 一般廃棄物処理の現状

 家庭等から出されるごみやし尿などの一般廃棄物を衛生的に処理することは、私たちの生活環境を守り、公衆衛生の向上を図るうえで大変重要です。
 一般廃棄物の処理は、市町村が計画(一般廃棄物処理計画)を定めて、その計画に基づいて行っています。県では、市町村における一般廃棄物の処理が、適正に安定して行えるよう支援しています。

(1)し尿処理の状況

 し尿は、下水道終末処理施設やし尿処理施設、浄化槽などで処理されています。平成22年度の県内におけるし尿の総排出量は、約130万キロリットルです。
 また、県内の浄化槽の設置数は、平成23年度末で約31万6千基であり、浄化槽利用人口は、平成22年度末で約93万9千人(県内総人口に占める割合は46.8パーセント)となっています。
 浄化槽全体に占める合併処理浄化槽の割合は約32.6パーセント(102,889基)であり、生活雑排水を適切に処理し河川等の浄化を進めるためには、合併処理浄化槽の整備の促進が必要です。
 平成22年度におけるし尿処理状況及び水洗化人口については、図2-4-2-1、表2-4-2-1に示すとおりです。

表2-4-2-1 水洗化人口と浄化槽設置状況
総人口 2,008,170人 100%
水洗化人口 浄化槽 939,270人 46.8%
下水道 889,033人 44.3%
コミュニティプラント 25,407人 1.3%
1,853,710人 92.3%

(2)ごみ処理の状況

 平成22年度の県内におけるごみの総排出量は約800千トンであり、県民一人一日当たり約1,078グラムとなっています。(県民一人一日当たりの内訳は、生活系ごみが約808グラム、事業系ごみが約269グラムです。)
 県内の市町村におけるごみ処理施設は、粗大ごみ処理施設・資源化施設(27か所)、焼却施設(22か所)、ごみ固形化燃料施設(3施設)、高速堆肥化施設(3か所)で行われており、焼却残さ等は最終処分場(23か所)で埋立処分されています。
 平成22年度の県内のごみ処理の状況を図2-4-2-2に示します。
 なお、平成24年1月1日から本格適用された放射性物質に係る濃度限度について、県内市町村のすべての焼却施設及び最終処分場で適合しています。

2 一般廃棄物に関して講じた施策

(1)一般廃棄物処理の広域処理体制の整備支援

 県内の市町村が整備する一般廃棄物処理施設について、効率性、経済性及び環境に与える負荷の低減、さらには循環型社会形成の推進の観点から、一般廃棄物処理の広域化を推進するため、群馬県一般廃棄物処理マスタープラン(広域化計画)を策定しました。
 県では、本計画を実効あるものとするため、広域化ブロックごとに、順次、その構成市町村を対象に、広域処理を構築するための組織の設立のための調整を行っています。
 平成23年度は、主に藤岡富岡ブロックにおける調整を実施しました。

(2)合併処理浄化槽の計画的な整備支援

 私たちの身近な水路や小川には、生活雑排水(台所、風呂、洗濯などの汚水)が流れ込んでおり、これが河川や湖沼の汚濁の主要な原因になっています。
 公共用水域の水質を保全していくためには、し尿のみを処理する単独処理浄化槽ではなく、し尿と併せて生活雑排水を処理できる合併処理浄化槽を計画的に整備していくことが有効です。
 県では、昭和62年度から市町村が実施する浄化槽設置整備事業に対して、また、市町村が自ら実施主体となって合併処理浄化槽を面的に整備し、維持管理する事業(浄化槽市町村整備推進事業)についても、平成8年度から県費補助制度を設け、その推進を図っています。
 県内の合併処理浄化槽の設置状況は表2-4-2-2、浄化槽設置整備事業及び浄化槽市町村整備推進事業の実施状況は表2-4-2-3に示すとおりです。
 なお、平成12年6月に浄化槽法が改正され、平成13年度から下水道予定処理区域を除いて、浄化槽を設置する場合は合併処理浄化槽の設置が義務化されたほか、既設の単独処理浄化槽の設置者に対しても合併処理浄化槽へ転換するよう努力することが規定されました。

(3)浄化槽の維持管理の促進

 浄化槽の機能を生かすための維持管理として、1)浄化槽の保守点検、2)浄化槽の清掃、3)浄化槽の法定検査の受検、が必要です。
 県では、法定検査の受検を促進するため、50人槽までの小規模な浄化槽の定期検査(浄化槽法第11条に基づく検査のため、「11条検査」といいます)について、保守点検と併せて法定検査の受検を行える「効率化11条検査」の制度を設けています。この効果もあり、11条検査の受検率は、平成23年度で約64パーセントとなっていますが、まだ十分な水準でないため、県では、11条検査の受検率向上のため、未受検者に対する受検指導等を行いました。

(4)災害廃棄物の広域処理

 東日本大震災により生じた災害廃棄物の広域処理について支援を行っています。県では処理施設を所有していないため自ら受入処理を行うことはできませんが、支援の手を挙げ、受入を検討する市町村等に対し、積極的に協力を行っています。
 県では、各市町村長あて知事名で受入処理の検討を文書で依頼し(1月)、災害廃棄物処理の必要性等に関する市町村担当者あての説明会の開催(1月、2月)、災害廃棄物処理現場(東京都)の現地視察(3月)を行いました。また、受入検討を始めた吾妻東部衛生施設組合とともに、被災地における災害廃棄物処理の安全性確認や、住民説明会における説明等を行いました。

(5)市町村が行う廃棄物処理施設の整備支援

 循環型社会形成推進交付金制度(環境省)を活用して廃棄物処理施設を適切に整備できるよう、市町村等が施設整備のための計画(循環型社会形成推進地域計画)を策定する段階から、指導助言を行いました。

表2-4-2-2 県内の合併処理浄化槽の設置状況(平成23年度)
区分 浄化槽設置数
(年度末累計)
うち合併処理浄化槽数
(比率)
当該年度内の浄化槽設置数
315,844基 102,889基(32.6%) 5,701基
表2-4-2-3 浄化槽設置整備事業・浄化槽市町村整備推進事業
区分 年度 市町村数 補助・交付金対象基数(基) 補助・交付金金額(千円)
国庫補助・交付金 県費補助 国庫補助・交付金 県費補助
浄化槽設置整備事業 23年度 25市町村 2,806基 2,909基 246,947千円 245,008千円
累計   60,369基 60,148基 7,500,038千円 6,753,893千円
浄化槽市町村整備推進事業 23年度 15市町村 600基 622基 203,010千円 136,246千円
累計   4,631基 4,638基 1,665,173千円 514,644千円
表2-4-2-4 平成23年度 廃棄物処理施設等に対する交付金の状況(単位:千円)
事業主体 高崎市ほか
事業内容 最終処分場整備
基幹的施設改良事業等
当該年度事業費 1,731,316千円
当該年度交付金額 298,144千円

第2項 産業廃棄物の適正処理

1 産業廃棄物の現状

 様々な事業活動に伴って県内で排出される産業廃棄物は年間約350万トンと推計されています。
 産業廃棄物の処理状況は、平成22年度広域移動量調査(環境省)によると、取扱量の多い品目から、がれき類、廃プラスチック類、汚泥、木くずの順となっています。このうち、県内での中間処理量は、がれき類が最も多く、次いで廃プラスチック類であり、県外での中間処理量が多い品目は、汚泥、がれき類等となっています。一方、最終処分(埋立)については、県内処理は、がれき類、ガラスくず等、廃プラスチック類が多く、県外処理は、廃プラスチック類のほか、汚泥、燃え殻等が多くなっています。
 県民生活や産業活動を維持するうえで、産業廃棄物処理施設の整備は不可欠なものですが、生活環境への悪影響を懸念する周辺住民の反対等により、新たな施設の設置は依然として厳しい状況にあります。
 平成22年5月に、廃棄物の適正な循環的利用の推進、排出者責任の充実、産業廃棄物処理業者(以下「処理業者」という。)による適正処理の確保等を目的として廃棄物処理法が改正され、平成23年4月から施行されました。県としては、生活環境に配慮した優良な産業廃棄物処理施設を確保するため、排出事業者や処理業者に対する指導と廃棄物処理に対する県民の信頼向上に一層努めていきます。

表2-4-2-7 産業廃棄物処理業者の状況(平成23年度末現在)
産業廃棄物 特別管理産業廃棄物
収集運搬 処分業 収集運搬 処分
中間処理 最終処分 中間処理
最終処分
4,657 222(61) 8(3) 4(4) 441 15(5) 5,347(73)

(注) 産業廃棄物収集運搬業、産業廃棄物処分業、特別管理産業廃棄物収集運搬業、特別管理産業廃棄物処分業の許可を重複して取得している業者がいるため、合計欄は延べ業者数となります。(括弧内は前橋市及び高崎市内のみに処理施設のある許可業者数で内数。)

表2-4-2-8 産業廃棄物処理施設設置許可状況(平成23年度末現在)
産業廃棄物処理施設の種類 設置者区分 事業者 処理業者
汚泥の脱水施設 10立方メートル/日を超えるもの 71施設(9施設) 3施設(1施設) 74施設(10施設)
汚泥の乾燥施設(機械乾燥) 10立方メートル/日を超えるもの 10施設(2施設) 1施設 11施設(2施設)
汚泥の乾燥施設(天日乾燥) 100立方メートル/日を超えるもの 2施設 0 2施設
汚泥の焼却施設 200キログラム/時、
火格子面積2平方メートルを超えるもの
4施設 4施設 8施設
廃油の油水分離施設 10立方メートル/日を超えるもの 2施設(1施設) 7施設(1施設) 9施設(2施設)
廃油の焼却施設 10立方メートル、200キログラム/時、
火格子面積2平方メートルを超えるもの
3施設(1施設) 4施設(1施設) 7施設(2施設)
廃酸又は廃アルカリの中和施設 50立方メートル/日を超えるもの 1施設 0 1施設
廃プラスチック類の破砕施設 5トン/日を超えるもの 1施設 30施設(7施設) 31施設(7施設)
廃プラスチック類の焼却施設 0.1トン/日、200キログラム/時、
火格子面積2平方メートルを超えるもの
6施設 12施設(2施設) 18施設(2施設)
木くず又はがれき類の破砕施設 5トン/日を超えるもの 10施設(6施設) 169施設(58施設) 179施設(64施設)
有害汚泥のコンクリート固形化施設 すべてのもの 0 0 0
水銀を含む汚泥のばい焼施設 すべてのもの 0 0 0
シアン化合物の分解施設 すべてのもの 0 0 0
廃PCB等の焼却施設 すべてのもの 0 0 0
PCB汚染物の洗浄施設 すべてのもの 0 0 0
産業廃棄物の焼却施設 200キログラム/時、
火格子面積2平方メートルを超えるもの
3施設 17施設(3施設) 20施設(3施設)
中間処理施設小計   113施設(9施設) 247施設(73施設) 360施設(92施設)
遮断型最終処分場   0 0 0
安定型最終処分場   2施設(1施設) 21施設(8施設) 13施設(4施設)
管理型最終処分場   8施設(2施設) 5施設(2施設) 13施設(4施設)
最終処分場小計   10施設(3施設) 26施設(10施設) 36施設(13施設)
  123施設(22施設) 273施設(83施設) 396施設(105施設)

(注)1 法に基づく設置許可(平成4年7月3日以前は設置届出)をした施設数を示します。(括弧内は前橋市内に設置された処理施設数で内数。)
   2 最終処分場については、埋立が終了しても廃止届が提出されていない施設を含みます。
   3 最終処分場(安定型)については、平成9年度11月末以前に設置した埋立面積3,000平方メートル未満のものを含みません。
   4 木くず又はがれき類の破砕施設については届出によるものを含みます。

2 産業廃棄物に関して講じた施策

(1) 事業者に対する廃棄物の排出者責任の啓発と適正処理指導(産業廃棄物相談員やホームページによる廃棄物情報の提供)

 産業廃棄物は、排出事業者が自らの責任で適正に処理することが廃棄物処理法で義務付けられています。排出事業者に対して、排出者責任の啓発や適正処理に関する指導を行うため、次の事業を実施しています。

ア 産業廃棄物相談員の配置
 産業廃棄物相談員を県内3か所(廃棄物・リサイクル課、西部環境森林事務所、東部環境事務所)に配置し、県内各排出事業者に対して、廃棄物適正処理や廃棄物減量化推進等の指導と相談、情報提供を行っています。平成23年度は468の事業所訪問を実施しました。
イ 産業廃棄物専用ホームページ
 廃棄物・リサイクル課ホームページ「群馬県産業廃棄物情報」により、廃棄物の関係法令や処理業者に関するデータ等、廃棄物に関する各種最新情報を分かりやすく排出事業者や県民に伝えています。
ウ 産業廃棄物処理計画書の提出制度
 廃棄物の減量等を進めるため、前年度の産業廃棄物の排出量が1,000トン(特別管理産業廃棄物については50トン)以上の多量排出事業者は、産業廃棄物処理計画書を作成し、知事に提出することになっています。平成23年度における計画状況は、表2-4-2-9のとおりです。

表2-4-2-9 多量排出事業者の計画状況(平成23年度)
区分 事業所数 発生目標量(トン)
産業廃棄物 143 783,807トン
特別管理産業廃棄物 54 32,127トン

※特別管理産業廃棄物以外の産業廃棄物

(2)処理業者に対する適正処理の監視と指導

 産業廃棄物は、排出事業者が自ら適正に処理するほか、その責任において、収集運搬業・処分業許可を有する処理業者に委託して処理することとされています。
 処理業者に対しては、不適正処理につながるような行為が行われていないかを確認するため、毎年、定期的に立入検査を実施しています。平成23年度は延べ342事業所に対して立入検査を実施しました。
 なお、処理業者の許可状況については、表2-4-2-7及び表2-4-2-10のとおりです。

表2-4-2-10 産業廃棄物処理業者の許可状況(平成23年度)
事業区分 新規
許可
更新
許可
変更
許可
合計
産業廃棄物収集運搬業 242 565 75 882
産業廃棄物処分量 2 33 3 38
特別管理産業廃棄物収集運搬業 25 36 14 75
特別管理産業廃棄物処分業 0 0 0 0
269 634 92 995

※更新許可:許可期限ごとに更新(継続)する場合。
  変更許可:許可範囲の拡大等を行う場合。

(3)優良事業者の育成と悪質業者の排除

 平成22年廃棄物処理法改正により、「優良産廃処理業者認定制度」が新たに設けられ、事業の実施に関する能力・実績が一定の基準を満たす処理業者は、優良認定を受けられるようになりました。これにより、通常は5年である収集運搬業・処分業許可(以下「許可」という。)の有効期間が7年へと延長され、許可更新に要する処理業者の事務負担が軽減されることになります。また、排出事業者にとっても、安心して廃棄物処理を委託できる優良事業者を選ぶことが容易となります。
 他方で、不適正処理等により廃棄物処理法に違反したり、欠格要件に該当したりした処理業者に対しては、許可取消等の行政処分を行っています。平成23年度は11業者に対して行政処分を行いました。

(4)廃棄物処理施設設置に関する住民理解の促進

 廃棄物処理施設設置にあたり、廃棄物処理法やその他関係法令の手続を行う前段階として、事前協議制度を実施しています。この制度は、事業者と周辺住民等との合意形成手続が適正に行われること、また、廃棄物の適正処理の推進により、生活環境の保全を図ることを目的としています。
 なお、廃棄物処理施設の設置許可等の状況については、表2-4-2-8及び表2-4-2-11のとおりです。

表2-4-2-11 産業廃棄物処理施設設置許可の状況(平成23年度)
処理施設の種類 設置許可数 変更許可数
中間処理施設 5施設 0
最終処分場 0 0
5施設 0

(5) 最終処分場適正配置のためのガイドライン策定

 民間事業者による最終処分場について、特定の地域に過度に集中することを防ぐため、「最終処分場適正配置のためのガイドライン」の策定を検討しています。これにより、事業者が新たな処分場の設置を計画する際に、水源や既存施設との距離、搬入道路や土地利用の状況などを考慮して設置計画を誘導していくことで、最終処分場の立地適正化を図ります。

(6)PCB廃棄物の適正処理の推進

 平成13年6月に成立した「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理に関する特別措置法」により、トランス、コンデンサなどのポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物を保管する事業者は、毎年度、知事に保管・処分状況を届け出る義務があり、平成23年度末現在で1,035事業所が届出をしています。
 PCB廃棄物の処理については、北海道室蘭市に国の関与による専門の処理施設が建設され、平成20年5月から処理が行われています。また、微量のPCBが混入している機器を把握するため、PCB相談員による立入指導を行うとともに、中小企業者等に対して分析検査費用を助成し、平成23年度は新たに76台のPCB汚染機器を把握しました。(この事業は、平成23年度をもって終了しました。)

(7)最終処分場モデル研究事業

 新たな設置が特に難しい最終処分場について、周辺住民にとって安全で安心できる施設を確保するため、最終処分場モデル研究事業として桐生市新里町地内に安定型モデル処分場が設置され、平成14年2月から稼働しています。この処分場では、許可品目以外の廃棄物が混入しないよう、常駐の監視員が展開検査を監視しています。また、地元地区代表、行政、事業者で構成する運営連絡協議会を定期的に開催し、開かれた処分場の運営に努めています。
 

第3項 不適正処理対策

1 未然防止、早期発見、早期解決を3つの柱とした不適正処理対策の推進

(1)不法投棄の現状

 平成23年度に県内で新たに認知した不法投棄は78件・636トンでした。
 不法投棄の大規模な事案は減少し、全体として小規模化傾向となっています。しかし、依然として後を絶たない状況です(表2-4-2-12)。

表2-4-2-12 不法投棄の推移
年度 16 17 18 19 20 21 22 23
件数 13件 153件 89件 52件 64件 35件
(9件)
46件
(17件)
78件
(22件)
(7件)
量(トン) 13,646トン 1,300トン 597トン 308トン 234トン 861トン
(278トン)
656トン
(75トン)
636トン
(35トン)
(34トン)

※平成21年度以降の括弧数値は、上段が前橋市、下段が高崎市の内数。

 不法投棄された廃棄物の種類では、一部の年を除き、構築物の解体に伴って発生する「がれき類」が最多となっています(表2-4-2-13)。

表2-4-2-13 不法投棄された廃棄物の種類 ※( )内は全体に占める割合
年度 16 17 18 19 20 21 22 23
がれき類 19種類(17%) 37種類(24%) 23種類(26%) 13種類(25%) 13種類(20%) 2種類(6%) 13種類(28%) 18種類(23%)
廃プラ 14種類(12%) 25種類(16%) 20種類(22%) 7種類(13%) 10種類(16%) 3種類(9%) 3種類(7%) 8種類(10%)
木くず 18種類(16%) 16種類(11%) 5種類(6%) 6種類(12%) 7種類(11%) 5種類(14%) 2種類(4%) 8種類(10%)
その他 62種類(55%) 75種類(49%) 41種類(46%) 26種類(50%) 34種類(53%) 25種類(71%) 28種類(61%) 44種類(57%)
合計 113種類 153種類 89種類 52種類 64種類 35種類 46種類 78種類

※平成21年度以降は中核市分を含む。

(2)不適正処理

 不法投棄や不法焼却、不適正保管などを総称して「不適正処理」と呼んでいます。
 平成23年度に県内で新たに認知した不適正処理は、301件・2,129トンでした(表2-4-2-14)。

表2-4-2-14 不適正処理の推移
年度 16 17 18 19 20 21 22 23
件数 346件 360件 270件 200件 280件 229件
(54件)
186件
(42件)
301件
(48件)
(117件)
量(トン) 21,479トン 14,572トン 3,838トン 3,876トン 9,741トン 2,392トン
(412トン)
2,755トン
(93トン)
2,129トン
(49トン)
(492トン)

※平成21年度以降の括弧数値は、上段が前橋市、下段が高崎市の内数。

 不法投棄以外の不適正処理の種類では、不法焼却と不適正保管が大多数です(表2-4-2-15)。
 不法焼却については、平成13年4月から廃棄物の焼却が原則禁止となったことで、野焼きや構造基準を満たさない焼却炉による焼却が違法行為として取締りの対象になったことが大きく影響していると考えられます。

表2-4-2-15 不適正処理の種類(平成23年度)
区分 件数
不法投棄 78件(26%)
不適正保管 82件(27%)
不法焼却 123件(41%)
無許可営業 5件(2%)
無許可設置 0(0%)
その他 13件(4%)
合計 301件

※数値は前橋市分を含む。
※( )内は全体に占める割合

(3)不適正処理対策

 県では、廃棄物の不法投棄や不適正処理を未然に防止し、また、早期に発見するとともに、発生した事案については、早期に解決することにより、本県の良好な生活環境の保全に努めています。
 主な取組内容は、次のとおりです。

ア 未然防止
 事業者に対する監視
 産業廃棄物処理業者への立入検査や産業廃棄物運搬車両の路上調査を実施しています。
 事業者や県民の意識啓発
 新聞やラジオ等の各種広報媒体やチラシを活用して事業者や県民の意識啓発を図っている他、6月と12月の廃棄物適正処理推進月間に広報車による広報啓発事業等を実施しています。

イ 早期発見
 情報の入手
 廃棄物・リサイクル課に専用電話の「産廃110番」 を設置して広く県民から情報を入手しています(62件)。

【産業廃棄物110番】
0120-81-5324
フリーダイヤル 「ハイ ゴミ通報」

 また、不法投棄場所として狙われやすい山間部での業務が多い森林組合や郵便局など7機関と情報提供に関する協定を締結しています。
 さらに、「群馬県の環境を守る相互通報システム」が構築され、県行政の各分野の監視業務従事者が本来業務の傍ら、見聞した環境関係の違法行為を相互に通報することになっています。

 パトロール
 警察官OBの嘱託職員である「産業廃棄物不適正処理監視員」(通称:産廃Gメン)が、4班8名体制でパトロール(年間延べ1,440人・日)を行ったほか解体工事現場等監視指導員(通称:解体Gメン)が、1班2名体制で解体工事現場のパトロールを行いました(819件)。
 また、行政機関による監視が手薄になる休日と夜間における監視の目を確保するため、民間警備会社に監視業務を委託しています(年間140日)。
 さらに、県警の協力を得て、県警ヘリコプター「あかぎ」による空からの監視(スカイパトロール)も行っています(22回)。

ウ 早期解決
 認知した事案に対しては、廃棄物・リサイクル課及び環境(森林)事務所の担当職員が迅速かつ綿密な調査を行い、行為者に対し強力な是正指導を行い、現場の原状回復を図るとともに不適正行為の再発を防いでいます。

エ その他
 毎年6月と12月を「廃棄物適正処理推進強化月間」と定め、期間中は重点的な取組を行っています。

2 警察・市町村等関係機関との連携強化

(1)警察との連携

ア 取締体制
 県警察では、悪質・巧妙化する廃棄物事犯に迅速に対応するため、生活安全部生活環境課に経済・環境事犯特別捜査係を設置し、各警察署と連携して環境犯罪に対する取締りを積極的に推進するほか、県や市に警察官を出向・派遣し、関係機関との情報交換や共同臨場等行政と連携した活動を行っています。
 また、県警ヘリコプター「あかぎ」によるスカイパトロールを定期的に実施し、目の届きにくい山間部等を上空から監視し、不法投棄等の発見に努めています。

イ 取締重点
 本県は、山間地や河川が多く、廃棄物の不法投棄が行われやすい環境にあります。
 警察では、組織的・広域的な事犯、暴力団が関与する事犯、行政指導を無視して行われる事犯等を重点に取締りを強化しています。
 また、環境被害の拡大防止と早期の原状回復を図るため、関係機関に必要な情報提供を行っています。

ウ 検挙状況
 平成23年度中における廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」という。)違反の検挙状況は、表2-4-2-16のとおりであり、平成19年度以降の推移は図2-4-2-4のとおりです。
 最近の特徴としては、大規模な不法投棄等は減少傾向にありますが、逆に小規模な不法投棄や不法焼却が増加傾向にあります。
 具体的には、家屋の解体工事に伴って排出される木くずやがれき類等の不法投棄、農業等生産者によるビニール類の違法焼却が目立っています。また、家庭から排出される粗大ゴミ等の不法投棄、違法焼却も目につきます。

表2-4-2-16 「廃棄物処理法」違反の検挙状況
廃棄物種別 態様 件数 人員
産業廃棄物 不法投棄 4件 5人
違法焼却 35件 43人
違法委託・受託等 2件 3人
一般廃棄物 不法投棄 20件 25人
違法焼却 37件 46人
違法委託 0 0
合計 98件 122人

(2)市町村との連携

ア 市町村職員の県職員併任発令
 不適正処理事案への対応を強化するために、市町村職員を群馬県職員に併任して産業廃棄物に関する立入検査権を付与しています。(平成24年6月現在、29市町村94人)
イ 不法投棄監視カメラの貸出し
 市町村と連携した廃棄物不法投棄監視体制の整備・強化を図り、不法投棄の未然防止、拡大防止及び行為者の特定をするため、市町村へ不法投棄監視カメラの貸出しを行っています。

(3)連絡会議の開催

 警察・市町村等関係機関の担当者を集めた連絡会議を定期的に開催し、情報交換を図るとともに、広域的な事案に対しては、共同して対応するなど、連携を強化しています。

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