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平成20年、京都議定書で定められた第1約束期間(2008~2012年)が始まりました。
わが国は、この期間内において温室効果ガス排出量を基準年である平成2年(1990年)に比べて6%削減する目標が設定されています。
地球温暖化防止吸収源対策は、削減目標6%のうち、3.8%を森林による二酸化炭素の吸収量として、削減量に換算できることから目標達成に向けた取組がなされています。
しかし、森林吸収源の対象となる森林は、平成2年以降新たに造成された森林及び適切な森林経営が行われた森林に限られていますが、我が国のように既に多くの森林が造成されている国では、新たな森林の造成を行うのは非常に困難なため、適切な森林経営で必要な吸収量を確保しなくてはなりません。
そこで、国では平成14年3月に「地球温暖化対策推進大綱」を定め、さらに同年12月に「地球温暖化防止森林吸収源10カ年対策」を策定。健全な森林の整備等について政府全体として吸収源対策に取り組む姿勢を明確に示しました。
群馬県では、平成15年12月に、「森林吸収源対策推進プラン」(平成15~19年度)を策定し、森林の整備・保全に努めてきました。
その後、第2次群馬県地球温暖化対策推進計画(新コツコツプラン)を経て、現在では、群馬県地球温暖化対策実行計画(2011~2020年)で、森林による二酸化炭素吸収源対策を推進しています。
林野庁においては、こうした国内の取組を正当に評価するため、全国の育成林を対象に「森林経営」対象森林がどのくらいの割合で存在するかの調査を実施し、そのデータに基づき計算した二酸化炭素吸収量を条約事務局へ報告しています。
この制度は、企業や自治体、ボランティア団体などが、森林所有者等との間で協定を結んで行う植栽や間伐などの森林づくり活動を、京都議定書の枠組みに準じて二酸化炭素吸収量として認証するものです。
群馬県地球温暖化防止条例においても森林所有者や事業者、県民は、森林の保全・整備に努めなければならないとされています。そこでこの認証制度を通じて多くの方に森林づくり活動について関心を寄せていただき、企業等が行う森林づくり活動を広げ、地球温暖化防止対策の一環として森林の保全・整備を推進します。
この制度で認証するのは、手入れをした森林が一年間に生長する量から計算された二酸化炭素量です。例えば、35年生のスギを1ヘクタール間伐した場合では1年間で11.7トンの二酸化炭素量に、また広葉樹を植栽した場合では1ヘクタールあたり4.4トンの二酸化炭素量に相当します。
認証制度では、吸収量を記載した認証書を発行しています。森林づくり活動への貢献度が目に見える形になり、取組の励みにもなると好評です。
これまで長い間放置されていた森林も、企業や自治体、ボランティア団体のみなさんの手で光を取り戻し元気によみがえります。群馬県では、二酸化炭素の吸収を促す森林づくり活動を、この制度を通じて今後も広くお知らせしていきます。