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公共用水域水質測定調査環境基準達成率
河川(BOD75%値) 77.5%(31/40地点)
湖沼(COD75%値) 66.7%(8/12地点)
10ミリメートル以上の地盤沈下面積 10.89平方キロメートル
地下水環境基準達成状況 76.8%(116/151地点)
水質汚濁防止法の規定により、都道府県知事は公共用水域の水質の汚濁の状況を監視することになっています。
このため、本県では、国土交通省や各市とともに毎年度、主要な河川と湖沼の水質を測定しています。平成22年度は、73河川・16湖沼における225地点で水質の測定を行いました。
測定項目は、環境基準が定められている“人の健康の保護に関する項目”(カドミウム・シアンなど)と“生活環境の保全に関する項目”(BOD・CODなど)、“水生生物の保全に関する項目”(全亜鉛)が中心です。
カドミウムが1地点(柳瀬川(下の淀橋))で環境基準を超過(基準0.01ミリグラム/リットルに対し、最大値0.016ミリグラム/リットル、平均値0.011ミリグラム/リットル)したほかは、測定を行った160地点で環境基準を達成しました。
環境基準の類型が指定されている21河川・38水域における40地点と12湖沼の12地点、計52地点(環境基準点)について評価を行いました。
環境基準の類型が指定されている21河川・38水域における40地点について、汚濁の程度を示す代表的な指標であるBODは、31地点で環境基準を達成しました。
水域別では、全38水域のうち環境基準を達成している水域は29水域であり、水域単位での達成率は76.3%(参考値)となります。環境基準を達成していない河川は、前年度と同様に県央・東毛地域の利根川中流の支川と渡良瀬川下流の支川に多く見られました。
環境基準の類型が指定されている12湖沼の達成状況は、CODでみると、赤城大沼、榛名湖、尾瀬沼、下久保ダム貯水池(神流湖)を除き8湖沼で環境基準を達成しました。
水生生物保全水質環境基準の類型が指定されている21河川・26水域における41地点について、全亜鉛の環境基準を38地点で達成しました(達成率92.7%)。参考として水域単位では、全26水域中、23水域で環境基準を達成しています(達成率88.5%参考値)。
水生生物保全水質環境基準の類型が指定されている11湖沼については、全湖沼で環境基準を達成しました(達成率100%)。
水質を調べるには、BODやCOD等の化学的な方法と、そこに生息する生物から水質を調べる生物学的な方法があります。環境省が提唱している水生生物による水質調査方法は、子どもたちが川に親しみながら調査することができる方法です。県では、平成9年度から参加団体を募集して水生生物調査を実施しています。平成22年度にはこどもエコクラブなどに参加している16団体の協力を得て、14河川の20地点で水生生物調査を行いました。
調査をした20地点中12地点がきれいな水ということが分かりました。
私たちの日常生活や経済活動に必要な水をいつでも安心して使えるように、限りある水資源の状況や水の使用量について、様々なデータから整理しておく必要があります。
そのため、水道事業者等への調査や各種統計資料を基に、本県における水需給量の現状を把握しています。
水資源を安定的に確保するための水源林の保全、水源地域対策、水質保全などの課題は、流域全体で取り組んでいかなければ解決できません。
本県は、日本一の流域面積を持つ利根川の上流県として、下流域の自治体や住民と協力・連携しながらこれらの課題に取り組んでいます。
川や湖を汚す大きな原因として、家庭からの汚水(台所や風呂、洗濯などからでる雑排水)が直接川や湖に流れ込んでいることがあげられます。
川や湖などの汚れをなくすには家庭からの雑排水をきれいにして川や湖に戻すことが大切です。
汚水を処理する施設には下水道、農業集落排水、合併処理浄化槽やコミュニティ・プラントなどがあります。しかし、無秩序にこれらの施設をつくっても効果的に地域の汚水を浄化することはできません。
そこで、群馬県では市町村の協力のもと、効果的な汚水処理施設の整備を行うために平成10年3月に「群馬県汚水処理計画」を策定しました。その後、財政状況等の社会環境の変化、さらに将来人口の予測や使用水量などの要因の変化に合わせ平成16年度に第1回の見直しを、平成20年度に再度の見直しを行いました。
これにより各施設の整備を進めると、汚水処理人口普及率が現在73.0%(平成22年度末)であるものが中期計画後(おおむね平成27年頃)には約84%になります。また、川や湖に流れ込む汚濁負荷量も、汚水処理施設の普及により昭和60年頃をピークに減少傾向になり、中期計画終了後には、高度経済成長期前の昭和30年頃の負荷量を下回ることになり、水質改善がなされます。
一日も早く、よりよい水環境を創生するためにも、県は市町村と協力し、汚水処理施設の効率的な整備を本計画に従って推進していきます。
公共下水道は、家庭及び事業場からの下水を排除し又は処理するために各市町村が設置、管理する下水道です。現在、29市町村で公共下水道事業を実施しています。
平成22年度末での本県の下水道処理人口普及率(処理区域内人口÷行政人口)は、49.3%で、今後も一層整備を促進する必要があります。
流域下水道は、二つ以上の市町村の公共下水道から汚水を集めて処理するものです。主に公共用水域の水質保全を効率的に行うことを目的として都道府県が設置、管理するものです。本県では、以下の整備を進めています。
沼田市、みなかみ町を処理区域とする奥利根処理区及び前橋市、高崎市を含む10市町村を処理区域とする県央処理区が事業を実施中です。奥利根処理区については昭和56年4月から、県央処理区については昭和62年10月からそれぞれ供用を開始しています。
平成2年度から太田市、千代田町、大泉町、邑楽町を処理区域とする西邑楽処理区の事業に着手し、平成12年4月から供用を開始しています。
太田市を処理区域とする新田処理区及び桐生市、みどり市を処理区域とする桐生処理区の事業を実施しています。新田処理区については平成18年7月に供用を開始しました。桐生処理区については、当初、桐生市公共下水道(広沢処理区)として整備されましたが、平成3年度に周辺2町1村を含めた流域下水道事業に着手し、平成7年度に桐生市広沢処理場と幹線管渠が県に有償移管され、引き続き流域下水道として平成7年4月から供用しています。
平成13年度から伊勢崎市を処理区域とする佐波処理区の事業に着手し、平成20年9月から供用を開始しています。
農業集落排水事業は農村下水道とも呼ばれ、1集落から数集落を単位として実施する、農村の集落形態に応じた比較的小規模な下水道事業です。
この事業は、農村地域を対象に農業用水の水質保全と生活環境の改善を図るとともに、河川等の公共用水域の水質保全に役立たせるため、し尿や生活雑排水の処理を行うもので、処理された水を農業用水として再利用したり、処理の過程で発生した汚泥を肥料として農業に利用したり、資源循環型社会の構築にも役立っています。
平成23年4月までに114地区で事業に着手し、その内110地区が完了しました。この110地区内の定住人口は約12.7万人で、群馬県汚水処理計画での長期目標である15.3万人に対し、約83%の普及率となっています。
私たちの身近な水路や小川には、生活雑排水(台所、風呂、洗濯などの汚水)が流れ込んでおり、これが河川や湖沼の汚濁の主要な原因になっています。
公共用水域の水質を保全していくためには、し尿のみを処理する単独処理浄化槽ではなく、し尿と併せて生活雑排水を処理できる合併処理浄化槽を計画的に整備していくことが有効です。
本県では、昭和62年度から市町村が実施する浄化槽設置整備事業に対して、また、市町村が自ら実施主体となって合併処理浄化槽を面的に整備し、維持管理する事業(浄化槽市町村整備推進事業)についても、平成8年度から県費補助制度を設け、その推進を図っています。
県内の合併処理浄化槽の設置状況は表2-2-1-14、浄化槽設置整備事業及び浄化槽市町村整備推進事業の実施状況は表2-2-1-15に示すとおりです。
なお、平成12年6月に浄化槽法が改正され平成13年度から下水道予定処理区域を除いて、浄化槽を設置する場合は合併処理浄化槽の設置が義務化されたほか、既設の単独処理浄化槽の設置者に対しても合併処理浄化槽への転換努力が規定されました。
生活雑排水は、下水道(類似施設を含む。)や合併処理浄化槽に接続している家庭では、し尿とともに処理をされます。
しかし、その他の家庭では未処理のまま流されており、河川等の公共用水域の大きな汚濁原因になっています。
県内の河川に流れ込む汚濁物質の量を推計(平成18年度調査)すると、台所、洗濯、風呂などからの生活雑排水とし尿を合わせた「生活排水」の占める割合が46%と高くなっています。このため、群馬県の生活環境を保全する条例に掲げられている「きれいな川を守る3か条」の普及に努めています。
また、生活排水対策重点地域に指定されている館林市、甘楽町、高崎市、藤岡市、昭和村及び伊勢崎市では、汚水処理施設の計画的な整備に併せて「家庭でできる生活排水対策」の普及に努めています。
きれいな川を守る3か条
近年では、河川環境において水質の問題が大きなウエートを占めています。
都市部では生活雑排水の流入が多いため、河川の水質が悪化し、特に東毛地域では環境基準を上回っている河川が多くあります。
河川の水質を良くするためには、流域における下水道等の整備を進め、河川に生活雑排水を流入させないことが最も重要です。
しかし、これらの整備進捗にも限界があることや、悪臭等により生活環境にも影響するほど水質汚濁が著しい河川では、その対策が急務となっていることから、河川の水を直接浄化する河川浄化対策を進めることも必要となっています。
本県では、館林市の市街地を流下し、水質悪化の著しい鶴生田川において、この河川浄化対策に取り組んでいます。
浄化対策の内容は、多々良沼からの浄化用水の導入(平成6年度完成)、鶴生田川及び県立つつじが岡公園に面する城沼の底泥浚渫(平成4年度~平成16年度)、鶴生田川の礫間浄化施設(平成13年度完成)、城沼北岸の植生浄化施設(平成16年度完成)等を実施し、水質改善に努めてきました。
その結果、鶴生田川本川では大幅な水質改善が図られました。一方、城沼では改善傾向にあるものの、アオコの大量発生など未だ水質目標を達成できない状況であり、引き続き環境新技術なども導入して水質浄化対策を進めていきます。
公共用水域及び地下水の水質汚濁を防止し、人の健康を保護するため、水質汚濁防止法及び群馬県の生活環境を保全する条例等により、特定施設を設置する工場・事業場(特定事業場)に対し排水濃度の基準を設けて排出水を規制しています。
県では、水質汚濁防止法よりも厳しい排水基準(上乗せ基準)を設定する条例(排水基準上乗せ条例)を設け、規制対象を排水量10立法メートル/日以上の特定事業場に拡大、基準値もより厳しいものとしています。
また、18年度から一部を改正した群馬県の生活環境を保全する条例が施行され、それまで排水濃度の基準の対象となっていなかった特定事業場以外の工場・事業場に対しても一部の項目で排水濃度の基準を設け、水質汚濁物質の発生源対策のさらなる充実を図っています。
水質汚濁防止法に基づく特定施設の届出状況及び群馬県の生活環境を保全する条例に基づく水質特定施設の届出状況は表2-2-1-15のとおりです。
ただし、括弧内は前橋市、高崎市、伊勢崎市及び太田市(水質汚濁防止法施行令により事務委任されている政令市)における件数で内数となります。(以下、同じです。)
平成22年度は、排水量が10立法メートル/日以上、又は有害物質を使用している特定事業場のうち、延べ853(538)事業場に対し水質汚濁防止法に基づく立入検査を実施し、このうち延べ676(532)事業場について、排水基準の適合状況を調査しました。
その結果、表2-2-1-16のとおり排水基準に適合していたのは、延べ595(475)事業場で全体の88.0%(89.3%)でした。業種別の排水基準不適合状況を図2-2-1-5、項目別の排水基準不適合状況を図2-2-1-6に示しました。排水基準に不適合の81(57)事業場に対しては、文書により改善を指導しました。
平成22年度の異常水質汚濁事故は77件で事故の種類別を図2-2-1-7、事故原因別を図2-2-1-8に示します。図に示すのとおり発生原因の大半は油の流出事故で、機械の破損や操作ミスなどの人的ミスなどが多くなっています。
水質汚濁物質が河川等の公共用水域に流出すると、浄水場での取水障害や魚の死亡といった水産被害など生活環境に重大な被害をもたらすことになります。
このため、事故による被害の拡大及び事故の再発を防ぐため、原因者への指導が重要であるとともに、人的ミスによる水質汚濁事故を減らすため、県民や事業者への啓発が重要となります。
地盤沈下とは、過剰な地下水の採取によって、主として粘土層が収縮するために生じる現象です。
地下水は、雨水や河川水等の地下浸透により補給されますが、この補給に見合う以上の汲み上げが行われることで、帯水層の水圧が低下(地下水位が低下)し、粘土層に含まれる水(間隙水)が帯水層に排出され粘土層が収縮します。そのため、地表部では地盤沈下として認められます。(図2-2-1-9)
地盤沈下は、比較的緩慢な現象で徐々に進行し、他の公害と異なり、いったん地盤沈下が起こると元に戻ることはありません。
本県では、「一級水準測量」と「地下水位計・地盤沈下計による観測」を行い、これら地盤の変動を把握しています。
本県では、地盤変動の状況を経年的に調査するため、昭和50年度から一級水準測量を実施しています。広域的な測量を行うことにより、どの場所がどれくらい地盤が変動しているかを把握することができます。
平成22年度は、県の平坦地域12市町の水準点180点、測量延長400キロメートルの規模で実施しました。
平成22年度の地盤変動量は、平成23年1月1日現在の標高(T.P.)から平成22年1月1日現在の標高(T.P.)を差し引いて求めたものです。
平成22年度における観測の結果、10ミリメートル上の沈下域は10.89平方キロメートルで、20ミリメートル以上の沈下域はありませんでした。板倉町大字海老瀬(水準点番号5-03)の年間沈下量12.0ミリメートルが最大となっています。
なお、観測開始からの累積沈下量としては、明和町新里(水準点番号50-08)で最大の428.3ミリメートルとなっています。
地盤沈下は、地下水の過剰な汲み上げが原因とされており、地下水位の変化と地盤沈下量を観測、分析することで、地盤沈下防止のための貴重な資料となります。このため、本県では一級水準測量に加え、県で管理する地下水位観測井に地盤沈下計を併設し、地下水位と地盤沈下量(地層収縮量)を調査しています。
平成22年は、地下水位観測井(地下水位のみ観測)15井、地盤沈下観測井(地下水位と地盤沈下量を観測)5井の合計20井で観測を行いました。
主な観測井での観測開始からの変化を、図2-2-1-14に示します。一般的に地下水位は毎年同じような変化を繰り返しています。十数年前までは、地下水位は下降傾向でしたが、現在はほぼ横ばい傾向にあります。
深度の異なる3本の地盤沈下観測井を設置している明和西観測井の結果(図2-2-1-15)から、次のことが読みとれます。
群馬県の生活環境を保全する条例(平成12年3月)により、一定規模以上の井戸を揚水特定施設として設置の届出と地下水採取量の報告を義務づけています。
揚水特定施設設置者からの報告により平成22年の各市町村別の地下水採取量は表2-2-1-17、採取量の経緯は、図2-2-1-16に示すとおりです。
地盤沈下は、地下水の過剰な汲み上げによって生じるため、その防止には地下水利用の適正化が重要です。
このため、「群馬県の生活環境を保全する条例」により、地盤沈下防止に関する規制等を実施しています。また、地下水の採取量を削減するためには、代替水源の確保が不可欠であることから、東部地域水道(平成9年度に供用開始)などの整備を進めています。
今後の地下水利用にあたっては、健全な水循環を目指し、地下水障害を発生させず、かつ持続的な利用が可能な範囲において適正利用を図っていきます。
地下水は、水温の変化が少なく一般に水質も良好であるため、水道、農業及び工業などに、貴重な水資源として広く利用されていますが、いったん有害物質に汚染されると、その回復は困難で影響が長期間持続するなどの特徴があります。
有害物質による地下水汚染の未然防止を図るため、水質汚濁防止法では有害物質を含む汚水等の地下への浸透を禁止する措置や地下水の水質の監視測定体制の整備などの規定が設けられています。
県内の地下水の水質監視は水質汚濁防止法に定める水質測定計画に基づき、県、前橋市、高崎市、伊勢崎市及び太田市が分担して行っています。
県内の地下水の状況を把握するため全県を4キロメートル四方の151区画に区分し、1区画につき1本(県99、前橋市13、高崎市18、伊勢崎市9、太田市12)の井戸について調査しました。
151井戸のうち76井戸は28項目を、27井戸は15項目を、48井戸は3項目を調査しました。
なお、平成21年11月30日に地下水環境基準に新たに追加された3項目(塩化ビニルモノマー、1,2−ジクロロエチレン、1,4−ジオキサン)については、平成22年度から調査項目に含めました。
図2-2-1-17のとおり、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素が、33本の井戸から環境基準を超過して検出されました。下記(4)にあるような総合的な対策を行っています。また、鉛が1本の井戸から、砒素及びほう素が1本の井戸から環境基準を超過して検出されました。
それ以外の項目について、環境基準の超過はありませんでした。
概況調査で地下水質が環境基準を超過した地区の汚染の推移を監視するため、継続的に調査をしています。
平成20年度以前にトリクロロエチレン等の有害物質が環境基準値を超過して検出された、前橋市の6地区、高崎市の2地区、伊勢崎市の1地区、桐生市の2地区、渋川市の1地区、富岡市の2地区、館林市の1地区、下仁田町の1地区及び甘楽町の1地区・計17地区で汚染状況の監視のための継続監視調査を実施しています。また、平成19年度からは硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素について、20井戸を選定して継続監視調査を実施しています。
継続監視調査において環境基準を下回る状態が継続している地区の汚染状況を確認し、同地区の継続監視調査の終了時期を検討する資料を得るため実施するものです。
富岡市富岡地区については、平成19年度以降4年間連続して環境基準を下回っていたため、平成22年度に周辺(終了)調査を実施したところ、同地区における地下水汚染は浄化されていると推定されたため、継続監視調査を終了することとしました。
平成15年度に学識経験者と関係機関の職員を構成員とする地下水質改善対策連絡協議会を設置し、大間々扇状地をモデルに硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素による地下水の汚濁機構及び対策手法について検討を行いました。この結果、地下水汚染は農業、畜産、生活排水等による複合的な影響を受けているものと推定され、現在、環境への負荷が少ない施肥の技術の普及、家畜排せつ物の管理指導、生活系廃水処理施設の整備推進などの対策を行っています。
土壌の汚染状況の把握や汚染による人の健康被害の防止に関する措置を定めた土壌汚染対策法が平成15年2月に施行され、土地所有者等に対し、一定の契機をとらえた土壌汚染状況調査が義務付けられました。
この調査により、土壌中に一定の基準(指定基準)を超える有害物質が検出された土地については、県知事・政令市長(政令市:前橋市、高崎市、伊勢崎市、太田市)は区域指定し、土地所有者等は汚染状況に応じ汚染除去等の必要な措置を実施しなければなりません。
県内においては、平成23年3月末現在、区域指定されているのは10区域(富岡市内(2箇所)・玉村町内・藤岡市内・明和町内・前橋市内(2箇所)・太田市内・高崎市内・伊勢崎市内の土地)です。
なお、法に基づかない自主的な調査による土壌汚染の発見の増加、掘削除去の偏重、汚染土壌の不適切な処理による汚染の拡散等の課題に対応するため、改正法が平成22年4月1日に施行され、以下のような点が新たに規定されました。
一定規模以上(3,000平方メートル)の土地改変時の届出・汚染のおそれのある場合の調査義務。
従来の指定区域を、対策が必要な「要措置区域」と形質変更時に届出が必要な「形質変更時要届出区域」に区分。
規制対象区域から汚染土壌を区域外に搬出する場合の事前の届出制度・運搬基準等を制定しました。また、汚染土壌処理業許可制を導入しました。
土壌・地下水は一度汚染されてしまうと、元の状態に戻すためには、多くの時間と費用が必要です。このため、土壌・地下水汚染の未然防止を図ることが重要であり、有害物質を使用している事業者に対して、有害物質の地下浸透防止の徹底を指導しています。
平成22年度における一定規模以上の土地改変時の届出状況は、130件(政令市を除く)の届出があり、7件(5.4%)に調査命令を発出、うち1件(0.8%)で指定基準を超える汚染が見つかりました。
また、月別では6月が最多で20件(15.4%)で、全体的にも6月から10月に集中しています。
なお、汚染土壌処理業については、平成22年度中には許可申請がなされませんでした。