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尾瀬の保護には多くの関係機関や団体が関わっており、尾瀬保護財団はこれらの団体等の話し合いの場としての役割を担っています。
群馬県では、尾瀬山の鼻ビジターセンターの管理運営を尾瀬保護財団に委託しており、ビジターセンターに常駐している職員が、日々移り変わる自然の様子を環境保全活動の取組等の情報とともにインターネットを通じて発信しています。
特にブログ「今朝の尾瀬山ノ鼻」では、毎朝7時の現場の天気や気温等をお知らせしています。
(財)尾瀬保護財団ホームページ<外部リンク>
ブログ「今朝の尾瀬山ノ鼻」<外部リンク>
自然史博物館は、豊富な展示物と映像、多くのジオラマ等を用いて地球の生い立ちや生命の進化の歴史、群馬県の豊かな自然を紹介しています。また、館内情報端末からの情報提供により、子どもから大人まで、楽しみながら自然について学べる国内でも有数の参加体験型博物館です。さらに、当館は県内の自然を学術調査し、その研究成果を論文やWEB、講座等を用いて公開するとともに、県民からの問い合わせにお答えする機関でもあります。
ア 常設展
群馬の自然を標高別に4つの地域に分け、各地域の代表的な生態系をジオラマで紹介しています。ジオラマやその周囲には動植物や地質・岩石等の標本を展示し、群馬の生物多様性の現状をわかりやすく説明しています。また世界レベルの貴重な自然が残されている尾瀬については、ジオラマや写真だけでなく、尾瀬シアターでも映像を駆使して紹介しています。
環境教育の視点から設けた、Eコーナー「かけがえのない地球」、Bコーナー「群馬の自然環境」では、絶滅種や絶滅危惧種、水質指標生物の展示など、環境を見つめ、守り、子孫に伝えることの大切さが学べるようになっています。
イ 企画展等の実施
平成22年度は、「むし虫ウォッチング」、「石になったものの記録」、「ぐんまの自然とめぐみ」、「自然のフォトギャラリー」、「脳を学ぶ 脳で学ぶ」を開催しました。特に「ぐんまの自然とめぐみ」は、平成22年10月名古屋市で開催された「生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)」に合わせ、9月11日から10月末日までの期間、県庁1階県民ホールや当館を会場として開催しました。具体的には、自然環境課と共催し、本県の生物多様性の変遷と現状を展示や講演会で紹介することで、県民の生物多様性保全への情報ニーズに応えるとともに自然環境の保全への認識を高める事業としました。なお、展示のキーワードを「生態系サービス」、「オーバーユース」、「アンダーユース」と「外来種」とし、自然と人との適切な関わりをメインテーマとして実施しました。
ウ 情報システム
自然に関する情報発信センターとして、博物館に蓄積されている豊富な情報を館内の情報コーナーやWEBを通じて提供しています。また、世界の博物館と情報を共有するネットワークに参加し、収蔵資料の情報を他の博物館や研究者に提供しています。
エ 調査研究
群馬の貴重な自然を調査し県民に紹介するため、県内をいくつかの地域に区分して、職員の専門分野を活かした調査・研究を実施しています。平成22年度は「自然史調査報告書第5号」を発刊しました。
オ 教育普及事業
野外へ出て豊かな自然を観察する「ファミリー自然観察会」や地域の自然や科学をテーマとした「講演会」、県内の遠隔地で博物館資料を展示する「移動博物館」など多くの事業を実施することで、県民の方々に自然に親しむ機会を提供するとともに、人と自然との関わりを理解し、自然を愛する心を育む場を提供しています。また、小中学生を対象にした「ミュージアムスクール」や、高校生を対象とした「高校生学芸員」等において、野外調査を基本とした活動をとおして、自然に関心を持つ次世代の人材育成を行っています。
自然とのふれあいに対する需要の高まりに伴い、自然公園に対する多様化した要求に応えるべく、公園利用と自然環境の保護・保全を考慮した施設の整備補修、維持管理を行っています。
平成22年度は、尾瀬国立公園内の赤法華鳩待峠の木道など環境省からの施行委任により整備しました。また、妙義荒船佐久高原国定公園内の荒船山登山道整備など、自然環境保全と適正な利用に配慮しつつ、利用者の快適性向上に取り組んでいます。
赤城・榛名・妙義公園では、公衆トイレの清掃や遊歩道の下草刈りを地域住民が主体となった団体に委託し、地域密着型の公園管理に取り組みました。
赤城公園では八丁峠登山道等整備、榛名公園ではユウスゲのみち標識整備など、各施設の整備・補修に取り組みました。
県立公園は、いずれも地域の観光と深く結びついていることから、管理する上では自然環境を貴重な観光資源として保護に努める一方で、地元市町村と協調して、その更なる利活用を図っていきます。
長距離自然歩道は、沿線の自然や歴史、文化にふれながら手軽に歩くことができる道で、群馬県内には35コースが設定されています。
地元市町村の協力を得ながら管理に努めるとともに、利用者からの声を反映した標識整備に取り組んでいます。
森林が持つ優れた自然環境を保全するとともに、多くの方に保健休養や学習の場を提供するため、県内8箇所の森林公園の整備・管理を行い、各森林公園の魅力や特徴を活かした運営に努めています。
第34回全国育樹祭の会場となった「21世紀の森」は、ボランティアによる下草刈りや音楽祭が毎年開催され、人と森林とのふれあいの場として活用されています。
桐生市新里町不二山地域の面積約45ヘクタールの里山を利用して、昆虫の生態を観察・研究することができる昆虫観察館を中心とした施設や雑木林、棚田、畑などからなる「ぐんま昆虫の森」の管理運営を行いました。
この施設では、恵まれた自然環境の中で、子どもから大人までの幅広い県民が、昆虫をはじめとする様々な動植物とふれあい、生命、自然、環境を体験的に学習することができます。
自然と人間が調和した新しい社会「自然と人にやさしい群馬」の創造に寄与するための施設です。
平成22年度については、6月中の夜間においてホタルの観賞会を4回開催し、約2,900人の来園者がホタルの舞う姿に魅了されました。
また、夜の雑木林の昆虫観察会を20年度より夏期に2回実施し、約900人の来園者が、夜の樹液に集まるカブトムシやセミの羽化、ライトトラップやフルーツトラップに集まる昆虫たちの様子を観察しました。
昆虫の森では、多くの県民が整備や管理運営に参画できる県民参加型事業として、様々な取り組みを行っています。
昆虫を中心とした自然観察の解説などを行う「ボランティア解説員」、茅葺きの赤城型民家の維持管理を行う「新里町老人クラブ会」、また、昆虫の森運営上のパートナーとして「NPO法人新里昆虫研究会」などがあり、昆虫の森と一体となって活躍しています。
このように、昆虫の森の整備、管理運営には多くの県民の方々がボランティアとして関わっています。
県では、優れた自然環境を維持している地域を自然環境保全地域に指定し、その保全を図っています。
平成22年度も、自然環境保全地域において、豊かな自然に触れ、その仕組みを理解するとともに、良好な状態を維持するために、県民のみなさんを対象に清掃登山を兼ねた自然観察会を開催しました。全5回開催し、延べ118人の方が参加しました。平成23年度も、同様の自然観察会を5回実施します。