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平成23年3月11日に発生した東日本大震災は、地震・津波に加え福島第一原子力発電所の事故により、正に未曾有の被害をもたらしました。被災された多くの方々に心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。
今回の災害により、環境行政においても大量の瓦礫やゴミの処理、放射性物質の拡散による影響、電力不足への対応や太陽光発電など再生可能エネルギーの利用促進等、新たな課題に直面しています。特に放射性物質については、県内においても健康への不安、農産物出荷制限や風評被害など多方面に影響が出ています。そうしたことから、県では県民の安全・安心な生活を確保するため、空間放射線量の監視を続けるとともに、水道水、農産物関係及び下水汚泥などについて放射線量等の測定を定期的に実施し、情報を県ホームページで公表しています。
今後更に、測定機器を整備するなどして監視体制を強化するとともに、きめ細かな情報提供を継続していきたいと考えています。
さて、県では今年3月、環境行政の基本となる「群馬県環境基本計画2011-2015」のほか、温室効果ガスの大幅な削減を目指す「群馬県地球温暖化対策実行計画」、ごみの減量や資源の有効利用を推進する「群馬県循環型社会づくり推進計画」を策定しました。本県の良好な環境を保全・創造するため、平成23年度から、これらの計画の着実な実行に取り組んでいます。
また、5月には渋川県産材センターが本格稼働しました。当センターは、建築用材(A材)から、これまで林内に放置されてきた製紙・燃料用材(C材)まで全ての丸太を一括して買い取ります。この取組により、森林所有者の経営意欲が向上し、間伐などの森林整備や木材資源の有効活用が進み、地球温暖化防止が図られることを期待しています。
この「環境白書」は、群馬県の環境の現状や課題、環境保全に向けた取組をまとめたものです。県民の皆様をはじめ、多くの方々に御覧いただき、群馬の自然のすばらしさや環境問題に対する理解や関心をさらに深め、環境保全の取組を進める上での参考としていただければ幸いです。
平成23年9月 群馬県知事 大澤正明