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「ヤマダ資源エネルギープラント建設事業に係る環境影響評価方法書」に対する意見について
1 大気環境について
- 塩化水素とダイオキシン並びに水銀及びその化合物のほかに、有害大気汚染物質(特に優先取組物質22項目)の中から発生の可能性が考えられる成分(たとえば金属成分)の選定を検討すること。
- 施設の正確な図面および高さを記載し、近隣の住宅において発生する音の周波数の可能性を示すこと。
- 破砕機について、騒音振動と交通騒音が重複しないよう壁を保有する保管庫で囲む等の必要な対策を講じること。
- 破砕装置について、騒音が現在のものと新しい施設でどれくらい軽減するかを把握するため、現在の施設の騒音測定を検討すること。
- 騒音振動の調査地点に関して、かなり遠くの小学校での計測になっているが、工場周りの道路沿いと工場近辺での振動騒音の計測のモニタリングを検討すること。
- 上層気象について、「太田市外三町広域一般廃棄物処理施設整備事業に係る環境影響評価書-資料編-」記載のデータを使用することは問題ないが、上層気象調査結果を見ると疑問点もある。改めて、データを確認・精査したうえで逆転層の出現について調査すること。また、気象状況調査地点については、太田市消防本部のデータ使用を検討すること。
- 排風機とシュレッダーから発生する騒音と振動が、パイプを介して弱い建物を揺らす可能性が高く、振動の分離をしなければいけない。その部分を柔らかいもので覆う等、建物全体が振動することを防ぐ設計を検討すること。
- 当該施設は水銀排出施設に該当すると考えられるため、水銀の排出に係る記載の追加を検討すること。
- 災害ごみの受け入れ等を計画しており、泥等の付着も考えられるため、方法書4-3頁「表4.2-1 環境影響評価項目の選定結果」の「供用による影響・施設の稼働」の粉じん及び4-4頁「表 4.2-2(1/4)-(4/4)環境影響評価項目の選定理由等」について、粉じん(供用)を選定すべきである。
2 生物環境について
- 新設緑地の植栽樹種については、方法書には記されていないが、本地域の潜在自然植生を踏まえた常緑広葉樹を中心に選定を検討すること。
- 「類似施設による植物への間接的な影響の報告はなされていないことから、項目として選定しない。」について、どのような施設なのか、どのような報告なのか、施設周辺の環境も同じなのかについて明確にすること。
- 事業地内で特定外来生物等を確認した場合には、本件事業の実施により周辺に生息域を広げないよう適切な防除対策を実施すること。
3 人と自然とのふれあいについて
- 平坦地であるため沿道景観からの評価の追加を検討すること。例えば、5-22の調査地点について近隣からモンタージュするが、さらに近接の道路から行うことを検討すること。また、周辺緑地のボリュームがわかる全体図の掲載を検討すること。
- 方法書末尾記載の情報閲覧時期、検索時期が「令和2年1月」とあるが、範囲の変更がその後に行われている可能性もあるので、最新の情報により埋蔵文化財の分布状況を示すこと。
4 その他
- 感染性廃棄物の処理について、法令の基準に従い適正に処理すること。
- 金属が溶融したときの炉の安定性を考えたうえで設計すること。
- 金属くずやアスベストを含む廃石膏ボード等、焼却処理に適さないものの分別を徹底すること。
- 廃棄物を処理するときは、廃棄物の処理及び清掃に関する法律を遵守し、関係機関の指導に従い、常に適正な処理を行うこと。
- 環境影響要因に排水の発生は含まれていないが、破砕後物を焼却施設へ運搬する際、降雨等により破砕後物に付着する有害物質が飛散・流出する懸念があるため、雨水排水の影響についても、評価すること。
- 廃棄物の焼却施設にあっては、生活環境の保全について特に適正な配慮が必要であるため、廃棄物処理施設等の事前協議等に関する規程に係る技術指導等の内容も踏まえ、環境影響評価を実施すること。
- 太田市で捕獲されたイノシシの死体は一般廃棄物に該当するため、処理に際しては、太田市の一般廃棄物処理計画に従い受け入れから焼却に至るまでの管理を適正に行うこと。
- 地元住民(周辺住民)を対象として、制度・許可の内容や今後のスケジュールについて説明会等を開催するなどして周知を徹底し事業を進めること。
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