本文
先日の新聞報道によると、団塊の世代が75歳以上になる2025年に、県内の認知症の人は11万人を超える見込みであることが県の最新の推計で分かりました。従来の推計より4万人前後増え、65歳以上の5人に1人に当たります。認知症を早期に発見し治療する体制を整えるため、県は必要な研修を受けた地域のかかりつけ医を増やす、相談窓口の周知や啓発活動も強化し、認知症の人が住み慣れた環境で暮らせる地域づくりを目指す等、様々な方策が考えられています。
その中でも、認知症の専門的知識を学んだ、ぐんま認定介護福祉士の役割はとても重要になってくると思います。平成21年度から始まって、今年度末には500名を超える認定者が誕生予定です。私は認定後1年経ちましたが、まだまだ学ばなければならないことが多く、悪戦苦闘の毎日です。
今後は認知症の人の生活場面に近い存在である、介護福祉士のリーダー的存在として、施設や地域での弱い立場である認知症の人の支援に頑張りたいです。
私はこの研修で『ケアの原点は、お一人お一人をかけがえのない存在と認識し、大切に思う心であること』と、『徹底した人間尊重の重要性』を再認識できました。
その人の望む暮らしの実現のために何が必要か、その根拠となる意味づけや解釈をしっかり行うことが重要で、その一つ一つの行為を具現化出来る力が求められています。そのために私たちは、常に専門的知識や技術を学び続ける必要があることを改めて実感いたしました。
研修をとおして、共に働く仲間もかけがえのない存在として認め合い大切に思う心が大きくなりました。また自分のおかれている環境を客観的に分析することや、小さな目標達成の積み重ねから改善に繋げていく方法を知りました。これらを職場や地域で活かし、誰もが住み慣れた地域で安心して生活できる社会作りに努めていきたいと思います。
ぐんま認定介護福祉士養成研修を受講した当法人職員が受講前とその後でどう変わったかをお話ししたいと思います。
本人は現在小規模多機能居宅介護の管理者を務めながら今年度開設した複合型サービスの管理者を指導し、統括管理するトップマネージメントとしての役割を遂行しています。
本人に、自らの意識や行動に何か変化が感じられるかと尋ねると、「リーダーとして理念に沿ったぶれない方向性を常に意識するようになったこと、その上でそれぞれのスタッフの力量に応じて同じ立場まで下がり、悩みや課題を明らかにして、目指す方向に引き上げていくというプロセスを経るようになりました。」また、「利用者のニーズに応えるために、関係する社会資源を広い視野で考えるようになったため必然的に地域住民の方々や民生委員、診療医、商店主、他事業者の方々との関係性を築くための行動が増えました」と語っています。
法人としても介護職員が自らのキャリアアップの道筋を描き、能力を段階的・体系的に習得するため、職員のキャリアパスを整備して行く必要があります。ぐんま認定介護福祉士の修了者は上級管理者への一条件として重要な位置付けになると考えています。
また、本年度で500人を超える認定者が誕生しているとお聞きしましたが、皆さん各現場ではリーダー的存在として御活躍されていると思います。日常的に気軽に話せる相談者がほしいとの声も聞かれます。課題解決や新たなニーズの掘り起こし等の情報の共有や人的連携のためのネットワークの構築も必要と思われます。ネットワーク形成に県のご協力をお願いしたいと思います。
未受講の介護福祉士の方々、そして事業者の方々、ぐんま認定介護福祉士養成研修に積極的に参加されることをお勧めします。