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5月定例県議会の開会に当たり、提案説明に先立ち一言申し上げます。
先月、宮崎県で発生した家畜伝染病の「口てい疫」は、同県内において、日を追うにつれて感染の地域が拡大し、畜産業に壊滅的な打撃を与えております。宮崎県の関係の皆様に心からお見舞いを申し上げます。
この「口てい疫」は、感染力が非常に強く、畜産業に極めて大きな打撃を与える伝染病であり、本県においても、畜産関係者をはじめ県民に大きな不安が広がっております。
政府に対しては、これ以上の感染拡大を阻止するため、徹底した対策を望むものであります。
本県においても、牛や豚などが飼育されている農場等に対して緊急調査を実施するとともに、緊急防疫対策会議等を通じて予防対策の徹底を図っているところであります。
今後とも、主力産業である畜産業に深刻な影響が及ぶことがないよう、ウイルスの侵入を未然に防ぐ防疫対策の強化はもちろんのこと、万一の県内での発生に備え、早期の発見、被害の防止に、万全の態勢で臨めるように準備を進めて参ります。
さて、我が国の経済は、このところ持ち直しの動きが見られ、県内でも、生産活動が好転し企業収益の増加が見込まれるなど、景気回復の動きが少しずつ広がりを見せております。
しかし一方で、ギリシャの財政危機を契機とするヨーロッパ経済の混乱の影響も懸念されております。
こうした中で、本県経済の回復の動きをさらに後押しするため、今年度の当初予算に計上した各種の事業について、その効果が早く現れるよう、早期の執行に取り組んで参ります。
また、25日には、NEXCO東日本から、北関東自動車道の全線開通時期が、来年のゴールデンウィーク前となる見通しであることが発表されました。これまで、県議会、沿線市町村、栃木県や茨城県とともに、強く要望してきたことが実現できたものであり、多くの地権者、沿線住民の方々、国やNEXCOの工事関係者の御協力と御支援に対し、心より感謝を申し上げます。
全線開通がゴールデンウィーク前となったことから、春の行楽シーズンや、群馬デスティネーションキャンペーンを通じて、さらに多くの観光客を本県にお迎えすることができ、県内産業の活性化にも大きな効果があるものと期待しているところであります。
それでは、本日提出いたしました5月定例県議会の議案の大要について、御説明申し上げます。
今回の提出議案は予算関係1件、事件議案18件の合計19件であります。
まず、予算関係であります。今回の補正予算は、債務負担行為の追加を行うもので、期間が来年度以降にわたる契約を締結しようとするものであります。
次に、事件議案のうち主なものについて申し上げます。
第80号議案は、パスポートの発給事務を、伊勢崎市ほか3町に移譲しようとするものであります。
また、第88号議案は、県立つつじが岡公園のリニューアルに向けて、同公園の温室を6月30日をもって廃止しようとするものであります。
第89号議案は、県立高等学校の授業料を原則として無償とするものであり、第92号議案は、高崎市の中核市指定の申し出に対して同意しようとするものであります。
第95号議案及び第96号議案は、議会の議員のうちから監査委員を選任しようとするものであります。
以上、議案の大要について御説明申し上げました。
何とぞ、慎重御審議の上、御議決くださいますようお願い申し上げます。
なお、第95号議案及び第96号議案については、事案の性質上、早急に御議決くださいますよう、お願い申し上げます。