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第3回後期定例県議会の開会に当たり、提案説明の前に、一言申し上げます。
はじめに、11月以降、新型コロナウイルス感染症により新たに2名の方がお亡くなりになられました。ここに謹んで哀悼の意を表するとともに、現在も病と闘っておられる方々の一日も早い回復をお祈り申し上げます。
また、県民の命と健康を守るために最前線で対応されておられる医療関係者を始めとする全ての関係者の皆様に、改めて深く感謝を申し上げます。
新型コロナウイルス感染症の状況については、全国的な感染拡大が続いており、県内においても、今月中旬から新規感染者数が急増しています。
クラスターの発生、家庭内における感染の広がり、さらには経路不明な感染事例の増加傾向も見られ、これから本格的に冬を迎える中で、強い危機感を持って対処していく必要があると考えております。
そのため、県では、インフルエンザとの同時流行を見据えて、10月から、重症化リスクの高い高齢者のインフルエンザ予防接種費用を無償化する決断をいたしました。
さらに、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの双方に対応できる医療機関を「診療・検査外来」とし、400か所を目標に指定を進めております。24時間体制に強化した「受診・相談センター」とあわせて、新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行に備えて参ります。
県としては、引き続き、感染拡大防止と社会経済活動の両立に全力で取り組んで参ります。県民の皆様におかれましては、3密の回避、マスクの着用、手指消毒といった「新しい生活様式」の実践を徹底されるなど、改めて、新型コロナウイルスに対する警戒の意識を高めていただきますようお願い申し上げます。
加えて、豚熱については、国内有数の生産県である群馬県の養豚業を守るため、できる限りの対策を先手先手で行ってきました。
こうした中、9月26日に県内において豚熱の患畜が確認されました。知事として、まさに痛恨の極みでした。
こうした事態を受け、県内の獣医師の皆様へお願いし、多くの飼(し)養(よう)豚(とん)を抱える県としては初めて、各養豚場ごとに月2回以上、ワクチンを接種できる体制を整えました。あわせて、野上農林水産大臣と二度にわたって会談を行い、現在は家畜防疫員にしか許されていないワクチン接種を民間獣医師にも可能とするよう、制度改正と財政措置を要望いたしました。
本県の養豚業を守るため、引き続き、養豚農家の皆様と力を合わせて、農場における飼養衛生管理基準の遵守徹底や適切なワクチン接種の実施など、豚熱発生防止に全力を尽くして参ります。
さて、菅内閣が9月に発足してから、2か月が経過いたしました。発足直後の9月23日には、菅総理や加藤官房長官に直接お会いするなど、これまでに11人の閣僚と面会、又はウェブ会議により、県が抱える課題への理解や支援をお願いして参りました。
10月には、河野行革担当大臣が救急車の高速道路料金完全無料化を発表されました。これは、規制改革に関する具体的な提案の一つとして、9月に私から河野大臣に直接要望していたものであり、早速実現していただきました。群馬モデルの発信によって日本を変えていくという大きな目標に向けての最初の小さな一歩だと捉えています。
新型コロナウイルス感染症や豚熱への対策、災害対策や規制改革など、国と連携しなければ、なかなか前に進まない課題もあります。引き続き、群馬県の発展と県民の幸福につなげていくため、国会議員を24年間務めた経験も最大限に活かしながら、菅内閣との連携をより一層、強化して参ります。
それでは、本日提出いたしました議案の大要について、御説明申し上げます。
今回の提出議案は、予算関係8件、事件議案14件の合計22件です。
はじめに、予算関係について御説明いたします。
一般会計の補正予算額は、90億8,523万円であり、現計予算額と合算いたしますと、補正後の予算額は、8,645億2,733万円となります。
主な内容は、新型コロナウイルス感染症対策として、入院患者の受入体制の確保や診療・検査外来の体制整備、生活福祉資金の貸し付けなどに必要な経費を追加しようとするものです。
また、人事委員会勧告に基づき、職員の期末手当について勧告どおりの引き下げを実施することとし、所要の減額補正を行っております。
債務負担行為については、中小企業向け工事の発注時期を平準化するための「ゼロ県債」や、県有施設の指定管理に関する協定など、来年度以降にわたる契約の締結が必要な事業の追加に伴い、補正しようとするものです。
また、企業会計については、給与改定に伴う減額補正を行おうとするものです。
次に、事件議案のうち、主なものについて申し上げます。
第152号議案は、インターネット上の誹謗中傷等による被害者の支援等について定めようとするものです。
第153号議案は、県庁舎32階に官民共創スペースを設置しようとするものです。県庁32階には、4月の動画・放送スタジオ「tsulunos(ツルノス)」、10月のカフェに続き、12月には、この官民共創スペースがオープンする予定です。県庁32階を「官民共創コミュニティ」の中核として活用することで、本県の魅力発信に努めて参ります。
第158号議案は、今後20年間の本県の目指す姿を描くため、新・群馬県総合計画(ビジョン)を策定しようとするものです。年齢や性別、国籍、障害の有無等にかかわらず、全ての県民が、誰一人取り残されることなく、自ら思い描く人生を生き、幸福を実感できる自立分散型の社会を目指して、県政を推進して参ります。
以上、提出議案の大要について御説明申し上げました。
何とぞ、慎重御審議の上、御議決くださいますよう、お願い申し上げます。
なお、第154号議案及び第157号議案は、職員及び特別職の給与改定を行おうとするものであり、期末手当の支給基準日との関係から、早急に御議決くださいますようお願い申し上げます。