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令和2年第2回定例県議会の開会に当たり、提案説明をさせていただきます。その前に一言申し上げます。
新型コロナウイルス感染症への対応について、県民の皆様、事業者の皆様には、外出の自粛や休業、学校の臨時休校など、多大な御負担と御不便をおかけしております。皆様の御協力のおかげで、県内の感染状況は、現在のところ落ち着いた状況にあります。知事として、県民お一人お一人の感染拡大防止に向けた御理解と御協力に改めて感謝を申し上げます。
今月11日には、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に対応する補正予算等を御審議いただくため、臨時議会を招集させていただきました。県議会の皆様には、提出議案を全会一致で可決していただくとともに、審議日程等にも御配慮いただきました。重ねて感謝を申し上げます。今後とも、県政の両輪である県議会の皆様と十分な連携を図りつつ、全力で対策に取り組んで参ります。
5月14日に、本県を含む39県について、国の緊急事態宣言が解除されました。それでも、社会経済活動の再開については、引き続き、慎重な対応が必要であると考えています。
本県では、翌15日に「社会経済活動再開に向けたガイドライン」を策定いたしました。
新型コロナウイルス感染症の根絶が難しい状況にある中で、社会経済活動を再開させていくためには、感染拡大防止とのバランスを取っていく必要があります。
このため、ガイドラインでは、新規感染者数や診療体制などの「客観的な数値」に加えて、近隣都県の状況などの「総合的な状況」の2つの観点で、警戒度を判断し、段階的に行動基準を緩和していくこととしました。
このガイドラインに基づき、5月16日から社会経済活動の一部を再開しました。具体的には、クラスターの発生リスクが高い場所を除いて、外出自粛や時短営業を解除させていただきました。今後も、ガイドラインに基づいて、段階的に経済活動を再開させていく方針です。
ただし、新型コロナウイルス感染症に関しては、急激に状況が変化する事態もあり得ます。さらには、感染拡大の第2波、第3波が発生する可能性も、想定しておかなければなりません。
引き続き、県庁一丸となって、県民の皆様の命を守り、本県経済を支えるための対策を打ち出して参ります。県民や事業者の皆様におかれましては、感染拡大防止に向けた取組に一層の御理解と御協力をお願いします。
そうした中でも、今後、群馬県が飛躍するための起爆剤になるような、明るい話題もあります。
3月19日には、国の文化審議会が「群馬県綿貫観音山古墳出土品」を国宝に指定するよう、文部科学大臣に答申しました。これらの出土品は、非常に芸術性が高く、世界に発信できるコンテンツになり得ると考えています。
今年度は、群馬コンベンションセンター「Gメッセ群馬」や、世界遺産センター「セカイト」もオープンします。現在は、新型コロナウイルスの県内への感染拡大の防止等の観点から、オープンを延期していますが、本県が持つコンテンツを全国に発信する舞台装置として、最大限に活用していきたいと思います。
加えて、4月24日には、県庁32階に動画・放送スタジオ「tsulunos(ツルノス)」もオープンしました。オープニング番組には、知事である私自身が出演し、スタジオのデザインや役割について解説するライブ配信を行いました。同スタジオをフル活用し、これまでに休校中の子供たちに向けたオンラインサポート授業の動画などを制作しています。今後も、生活に役立つ情報や群馬の魅力などの様々な情報を発信していく予定です。さらには、同じ32階フロアに、イノベーションの拠点となるカフェや交流スペースの整備も進めて参ります。
新型コロナウイルス感染症の状況を見極めつつ、群馬県の飛躍に繋がる様々な施策にスピード感をもって取り組んで参ります。
それでは、本日提出いたしました議案の大要について、御説明申し上げます。
今回の提出議案は、予算関係1件、事件議案11件の合計12件です。
はじめに、予算関係について御説明いたします。
一般会計の補正予算額は、103億9,588万円であり、現計予算額と合算いたしますと、補正後の予算額は、7,720億1,817万円となります。
主な内容は、災害復旧事業に関する国の予算の年度間の組み替えに合わせて、令和2年度の事業費を増額し、昨年の台風第19号により被災した道路や河川等の復旧を着実に進めるものです。
次に、事件議案のうち、主なものについて申し上げます。
第104号議案は、主要農作物の優良な品種の育成やその種子の安定的な生産・普及を推進するため、条例を制定するものです。
第108号議案は、地方税法の改正を受け、個人の県民税について、ひとり親に対する控除を創設するなど、所要の改正を行うものです。
第111号議案は、頻発する気象災害に対応するため、排水ポンプ車の購入契約を締結しようとするものです。
以上、提出議案の大要について御説明申し上げました。
何とぞ、慎重御審議の上、御議決くださいますよう、お願い申し上げます。
なお、第112号及び第113号議案の監査委員の選任につきましては、事案の性質上、早急に御議決くださいますよう、お願い申し上げます。