ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 群馬県の財政 > 平成31年第1回定例県議会 知事提案説明

本文

平成31年第1回定例県議会 知事提案説明

更新日:2019年2月19日 印刷ページ表示

 平成31年第1回定例県議会の開会に当たり、提案説明に先立ち一言申し上げます。
 天皇陛下におかれましては、本年1月に御即位満三十年をお迎えになられましたことは、誠に慶賀にたえないところであります。
 全国植樹祭をはじめ、幾度となく御来県を賜り、地域を御視察され、多くの県民と交流を深めていただきました。
 深く感謝を申し上げるとともに、ここに県民を代表し、謹んで、天皇皇后両陛下の御健勝と皇室の御繁栄を心よりお祈り申し上げます。
 さて、今議会は、議員各位にとって、任期最後の定例会となります。この4年間、各般に渡り活発な議会活動を展開され、県政の推進に御協力いただきましたことに対し、深く感謝を申し上げます。
 また、今期をもって引退をされる議員各位におかれては、長年にわたり、県民福祉の向上に貢献されましたことに、心から敬意を表しますとともに、今後も、御支援賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
 そして、来る4月の次期県議選に臨まれる各位には、再びこの議会でお会いできることを切に期待し、御健闘をお祈り申し上げます。
 年末から今年にかけて、スポーツ分野での群馬県勢の活躍は、誠に素晴らしいものがありました。全国中学校駅伝大会では、中之条町立中之条中学校男子が2位、全国都道府県対抗駅伝大会では、男子が過去最高の2位となるなど、若者が健闘する姿が県民に勇気と希望を与えてくれました。
 群馬の明るい未来を築いていくためには、将来に無限の可能性を秘めた若い世代の力が必要です。今後も、様々な舞台で若い世代が輝けるよう、その成長と活躍を応援する施策を実行して参ります。
 本県産のバラ1万本が台湾の春節に向けて初めて輸出されました。これは2018台中フローラ世界博覧会でPRを行った「群馬のバラ」が、海外からも高く評価され、実現したものです。これまで地道な取組を積み重ねてこられた生産者の皆様の御努力に敬意を表しますとともに、県としても引き続き、花きを含めた農畜産物の生産振興や海外も含めた販路拡大に取り組んで参ります。
 それでは、平成31年度当初予算案をはじめ、提出議案の大要について御説明申し上げますとともに、併せて、県政推進に当たっての所信の一端を申し述べます。

当初予算編成の基本方針

 平成31年度は、県政の羅針盤であります、群馬県総合計画「はばたけ群馬プラン2」の最終年度となります。今回の予算編成に当たっても、総仕上げを目指して、全力で取り組むことといたしました。
 特に、来春の開所に向けた群馬コンベンションセンター「Gメッセ群馬」の整備と、来年度の八ッ場ダム完成に向けた生活再建事業について、引き続き着実に推進するとともに、近年、大規模な自然災害が各地で起きていることから、防災・減災対策を拡充することについて、検討を進めて参りました。
 厳しい財政状況にあっても、未来への投資を着実に進め、群馬らしさを活かした豊かな社会の実現に向けて、しっかり取り組む予算として編成したところであり、名称は、『ぐんまの未来実現予算』といたしました。

当初予算の規模

 平成31年度の一般会計当初予算の総額は、7,511億2,000万円であります。
 平成30年度当初予算に比べて2.5%の増で、制度融資を特別会計に移管した平成20年度以降では、最大の予算規模となっております。

当初予算の財源

 当初予算の主な財源についてでありますが、平成31年度の県税収入は、法人関係税の落ち込みなどにより、30年度当初予算を下回る
2,450億円と見込んだところであります。
 また、地方交付税と臨時財政対策債をあわせた実質的な交付税についても、平成31年度の地方財政対策にあわせて、減額となる見込みです。
 また、社会保障関係経費の増加が今後も見込まれる一方で、防災・減災対策について集中的に取り組む必要もあり、地方創生推進交付金を含む国庫支出金、交付税措置の割合が高い有利な県債、財政調整基金以外の基金の活用などにより、財源の確保に努め、予算を編成したところであります。

重点施策

 それでは、平成31年度予算の5つの重点施策について申し上げます。
 まずは、「『Gメッセ群馬』の建設と新たな産業・雇用の創出」であります。
 本県の優れた拠点性を活かして、県内産業のさらなる発展や新たな産業の創出、若者や女性の雇用創出を図るため、2020年春の開所に向けて、「Gメッセ群馬」の整備を進めます。
 コンベンションの誘致や広報活動を充実させるほか、県内事業者の受注獲得に向けた取組を強化することや、県内周遊につながる主催者の取組に対する補助を新設するなど、コンベンション開催による経済効果を高めるための取組を推進します。
 次に、「八ッ場ダム完成を見据えた生活再建の推進」であります。
 調査着手以来、60年以上が経過しましたが、平成31年度には、いよいよ八ッ場ダムの完成を迎えます。
 地元住民の方々が安心して暮らせるよう、また、地域振興につながるよう、地元の皆さんや国と連携し、生活再建事業の一日も早い完成を目指して参ります。
 続いて、総合計画の3つの基本目標に沿って、主な事業について申し上げます。
 基本目標の1点目は、「人づくり」であります。
 少子化が進む中、教育の質の維持・向上や学校の活性化のため、桐生高校と桐生女子高校、また、桐生南高校と桐生西高校を統合し、2021年4月に2つの新たな高校として開校するための整備を進めます。
 また、介護人材確保対策として、介護未経験者に対する入門的研修や、技能実習生等の外国人に対する日本語学習支援など、介護人材の参入促進や定着支援、資質向上のため、様々な取組を実施します。
 医師確保対策では、県外へ進学した本県出身の医学生を、県内の臨床研修などに誘導するための新たな修学資金制度を創設するなど、医師の県内定着と、地域や診療科における偏在解消のための総合的な取組を進めて参ります。
 東部児童相談所・一時保護所については、2020年4月の開所に向けた整備を進め、相談体制の強化と、中央児童相談所一時保護所における定員超過の解消を図ります。
 障害者への対応については、昨年4月に特別支援学校高等部の未設置地域を解消したところですが、現在、仮設校舎で生徒を受け入れている藤岡特別支援学校高等部について、2020年4月から新校舎で生徒を受け入れるための整備を進めます。
 あわせて、障害者の就労先・実習先の開拓や農福連携をさらに進めるなど、障害者の就労に向けた取組も強化して参ります。
 基本目標の2点目は、「安全で安心な暮らしづくり」であります。
 集中豪雨や台風などによる自然災害の未然防止、被害軽減を図るため、国の緊急対策を積極的に活用して、道路や河川、治山事業などの防災・減災対策に集中的に取り組んで参ります。
 認知症施策においては、専門職による相談機能の強化や、若年性認知症支援の取組の拡充など、更なる推進を図って参ります。
 高齢者施設等の整備への支援では、特別養護老人ホームの多床室のプライバシー保護のための改修に対する補助を開始するとともに、老朽化が進む施設の大規模修繕を行うための補助枠を拡充します。
 有害鳥獣対策では、農林業被害の軽減や、市街地出没を抑制するための取組を更に進めて参ります。
 基本目標の3点目は、「産業活力の向上・社会基盤づくり」であります。
 新たな在留資格の創設に伴い予想される外国人材の受入増加に対応するため、情報提供や相談を多言語で行う総合相談窓口を開設します。
 また、留学生等の実態調査、円滑な受入を支援するための市町村向け研修会の開催など、外国人材の受入環境整備や県内で暮らしていくための支援を実施します。
 自動車以外の移動手段も選択できる社会への転換を図るための交通まちづくり戦略に基づき、新たに県内バスへの交通系ICカードの導入支援や、路線バスの自動運転実証実験などを実施します。
 農畜産物の輸出に取り組む生産者を育成するとともに、ジェトロと連携した支援を行うなど、農畜産物の輸出を更に促進して参ります。
本県伝統の蚕糸業の活性化を図るため、人工飼料センターの機能強化やGMカイコの実用化研究などの取組を更に進めます。
 2020年4月から6月に開催される「群馬デスティネーションキャンペーン(DC)」に向け、本年4月から6月にかけてプレDCを開催し、広報宣伝、誘客対策、受入体制整備を進めます。
 本県の魅力づくりの一つとして、県内に多く存在する装飾の優れた神社やお寺について、必要な学術調査を行い、その価値や魅力をDCにあわせて発信するとともに、郷土学習にも活かしていきます。
 また、オリンピック・パラリンピックの聖火リレーを通じて本県の魅力を世界に発信するとともに、ホストタウンに登録された市町村などが実施する相手国との交流事業を支援します。

平成31年度関係その他の議案

 このほか、特別会計については、母子父子寡婦福祉資金貸付金会計など12件を、企業会計については電気事業会計など6件を提出しております。
 事件議案は、30件を提出しております。
 第14号議案は、障害及び障害者に対する県民の理解を深め、障害を理由とする差別を解消しようとするものであります。この条例に基づき、県としても、ヘルプマークの普及、相談窓口の設置などの取組を進めます。
 第15号議案は、平成31年度から新たに譲与される森林環境譲与税を活用して、市町村による森林整備を支援するため、「森林環境譲与税基金」を設置しようとするものであります。
 第45号議案は、新田山田水道及び東部地域水道を群馬東部水道企業団に移譲することに伴い、所要の改正等を行おうとするものであります。

平成30年度関係議案

 続いて、平成30年度関係について、予算関係では14件を提出しております。
 このうち、一般会計補正予算については、防災・減災に係る公共事業など、国の補正予算を活用した事業を追加するほか、早期の防災航空体制の再整備に向けて、防災ヘリコプターの新機体を導入するための債務負担行為など、所要の補正を行うものであります。
 事件議案としては、西毛広域幹線道路の(仮称)安中トンネル工事の契約を締結しようとするものなど、16件を提出しております。
 以上、県議会の開会に当たり、県政推進に当たっての所信の一端を申し述べるとともに、提出議案の大要について御説明申し上げました。
 何とぞ、慎重御審議の上、御議決くださいますよう、お願い申し上げます。

おわりに

 最後に、この場をお借りして一言申し上げます。
 私は、平成19年の知事就任以来、県政運営の舵取りを担って参りましたが、今期をもって引退することといたしました。
 就任当初、私は、本県の豊かな自然環境や歴史文化、蓄積された高度なものづくり技術、恵まれた立地条件と整備された社会基盤、さらに、多彩で優れた人材など、先人から受け継いできた限りない可能性を積極的に活かして、本県を大きく羽ばたかせたいと考えました。
 それから3期12年の間、県政の主役である県民の皆様の声にしっかりと耳を傾け、県民の目線に立った県政を推進することを肝に銘じ、様々な施策を実施してきたところであります。
 まず、本県の未来を担う子どもたちのため、少人数学級の充実やスクールカウンセラー全校配置など、きめ細やかで質の高い学習環境を整えるとともに、中学校卒業までの子ども医療費完全無料化など、安心して子どもを産み育てられる環境づくりに取り組みました。
 また、障害のある子どもたちが、将来に夢と希望を抱きながら自立した生活を送れる社会を目指して、特別支援学校の整備や障害者の就労支援などにも力を入れて参りました。
 県民生活の安全・安心を確保することも県政の重要な使命であります。この点でもドクターヘリの導入や特別養護老人ホームの充実、災害に強い県土づくりなどを推進して参りました。
 さらに、人口減少の中にあっても、本県が持続的に発展するために、交通ネットワークの結節点にあるという本県の拠点性を活かし、「人・モノ・情報」の交流拠点として、群馬コンベンションセンター「Gメッセ群馬」の整備を進めているところであります。
 このほかにも、県政の様々な課題に全身全霊をもって取り組んで参りましたが、「魅力あふれる群馬」の実現に向けて必要となる基盤が整い、将来への道筋をつけることができたと考えております。これも県民の皆様をはじめ、議員各位や職員の御理解と御協力のおかげであり、この場をお借りして感謝申し上げます。
 申すまでもありませんが、7月までの残された任期いっぱい全力を尽くして職責を果たして参りたいと考えておりますので、引き続きの御支援、御協力のほど、心からお願い申し上げます。