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平成28年度普通会計決算の状況

更新日:2017年10月11日 印刷ページ表示

1 収支

(1)決算規模

歳入総額は7,360億9,643万円、歳出総額は7,258億3,198万円で、前年度に比べ、歳入では-255億877万円、-3.3%、歳出では-260億6,304万円、-3.5%と、ともに前年度を下回りました。

(2)実質収支

歳入歳出差引額(形式収支)は102億6,445万円で、この額から繰越明許費など翌年度に繰り越すべき財源61億1,428万円を差し引いた実質収支は、41億5,017万円の黒字となりました。
(昭和32年度以降、60年間連続で黒字決算)

(3)単年度収支

今年度の実質収支から、前年度の実質収支である43億2,368万円を差し引いた単年度収支は、1億7,351万円の赤字となっています。

(4)実質単年度収支

単年度収支に、財政調整基金への積立額17億1,567万円を加え、取崩額54億1,541万円を差し引いた実質単年度収支は、38億7,324万円の赤字となりました。

平成28年度普通会計決算規模一覧表(単位:千円)
区分

平成28年度
(A)

平成27年度
(B)
差引増減(C)
(A)-(B)
増減率
(C)/(B)
1 歳入総額 736,096,433千円 761,605,206千円 -25,508,773千円 -3.3%
2 歳出総額 725,831,981千円 751,895,021千円 -26,063,040千円 -3.5%
3 形式収支(1-2) 10,264,452千円 9,710,185千円 554,267千円 5.7%
4 翌年度へ繰り越すべき財源 6,114,282千円 5,386,509千円 727,773千円 13.5%
5 実質収支(3-4) 4,150,170千円 4,323,676千円 -173,506千円 -4.0%
6 単年度収支 -173,506千円 -296,657千円 123,151千円 41.5%
7 積立金 1,715,673千円 1,894,460千円 -178,787千円 -9.4%
8 積立金取崩し額 5,415,411千円 3,010,000千円 2,405,411千円 79.9%
9 実質単年度収支(6+7-8) -3,873,244千円 -1,412,197千円 -2,461,047千円 -174.3%

2 歳入

(1)歳入構成比

 歳入の中で構成比の高いものは、次のとおりです。

歳入構成比一覧表
順位 科目 決算額 構成比(%)
平成28年度 平成27年度 平成26年度
1位 県税 2,810億145万円 38.2% 36.5% 32.6%
2位 地方交付税 1,267億2,671万円 17.2% 16.2% 17.7%
3位 県債 978億1,061万円 13.3% 13.2% 14.0%
4位 国庫支出金 856億824万円 11.6% 12.3% 11.9%
5位 諸収入 647億2,068万円 8.8% 9.6% 11.4%

(2)県税

 県税(地方消費税清算後)は2,810億145万円で、前年度に比べ+26億8,118万円、+1.0%増加し、5年連続の増収となりました。
税目別では、法人事業税が+116億2,024万円(+22.1%)と大幅に増加する一方、地方消費税(清算後)が-75億4,582万円(-9.7%)、個人県民税株式等譲渡所得割が-14億2,982万円(-64.5%)となるなど減少しています。

(参考)県税収入の伸び率一覧表
年度 平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度 平成28年度
決算額(億円) 2,472億円 2,779億円 2,606億円 2,184億円 2,116億円 2,097億円 2,133億円 2,192億円 2,443億円 2,783億円 2,810億円
伸び率(%) 8.4% 12.4% -6.2% -16.2% -3.1% -0.9% 1.7% 2.8% 11.4% 13.9% 1.0%

(3)地方交付税

 地方交付税は1,267億2,671万円で、前年度に比べ+31億446万円(+2.5%)の増加となりました。

(4)県債

 県債の発行額は、978億1,061万円で、前年度に比べて-25億5,419万円、-2.5%の減となりました。これは、一般単独事業債(+40億9,900万円)が増加した一方で、臨時財政対策債(-72億8,200万円)が減少したことなどによるものです。
県債依存度は前年度と同じ値(平成27年度、平成28年度ともに14.0%)となりました。
※県債依存度は、歳入総額から市町村に対する利子割交付金、地方消費税交付金、ゴルフ場利用税交付金、自動車取得税交付金、配当割交付金及び株式等譲渡所得割交付金を控除した額に対する県債発行額の割合です。

(5)国庫支出金

 国庫支出金は856億824万円で、前年度に比べて-79億1,369万円、-8.5%の減となりました。
これは主に、大雪による農業被害対策に係る国庫補助事業の完了(-104億3,313万円)等によるものです。

(6)その他の収入

  1. 諸収入の減(-83億9,276万円、-11.5%)は、主に貸付金元利収入の減(-85億7,459万円)などによるものです。
  2. 地方譲与税の減(-54億199万円、-15.0%)は、地方法人特別税制度の改正に伴う地方法人特別譲与税の減(-52億5,904万円)などによるものです。
  3. 繰入金の減(-19億6,101万円、-9.9%)は、主に財政調整基金及び減債基金の取崩額が増加(+73億1,205万円)した一方、地域医療再生基金等の特定目的基金の取崩額が減少(-93億4,275万円)したことなどによるものです。
  4. 分担金及び負担金の増(+7億3,733万円、+19.2%)は、主に八ッ場ダム関連工事に係る他県からの負担金の増(+3億2,736万円)等によるものです。

(7)自主財源、依存財源の状況

自主財源(県税、分担金負担金、使用料手数料、諸収入など)と依存財源(地方譲与税、地方交付税、国庫支出金、県債など)の構成割合は53.5%対46.5%で、自主財源比率は前年度より+0.1ポイント増加しました。これは、主に依存財源である地方譲与税や国庫支出金等が減少(-127億6,139万円)する一方、自主財源である諸収入や繰越金も減少(-127億4,738万円)したことによるものです。

(8)一般財源の状況

一般財源のうち県税(地方消費税清算後)、地方譲与税、地方交付税及び地方特例交付金の合計額は4,392億741万円で、前年度(4,387億7,694万円)に比べると+4億3,047万円、+0.1%増加しました。これら4つの合計額の歳入全体に占める割合は59.7%(平成27年度:57.6%)で、前年度を2.1ポイント上回りました。

3 歳出

(1)目的別分析

1 構成比の高い費目は次のとおりです。

目的別分析(構成比の高い費目)一覧表
順位 科目 決算額 構成比(%)
平成28年度 平成27年度 平成26年度
1位 教育費 1,811億2,827万円 25.0% 24.3% 24.6%
2位 民生費 1,227億7,899万円 16.9% 15.6% 15.3%
3位 公債費 1,055億9,172万円 14.6% 13.8% 13.9%
4位 土木費 914億7,119万円 12.6% 11.7% 13.0%
5位 商工費 537億576万円 7.4% 8.7% 10.2%

2 増減率の高い費目は次のとおりです。

(増加)一覧表
順位 費目 増減率 平成27年度 平成26年度
1位 民生費 4.6% 農林水産業費 24.2% 災害復旧費 85.0%
2位 土木費 3.9% 衛生費 13.5% 警察費 6.7%
3位 警察費 2.3% 総務費 7.6% 農林水産業費 4.3%

 「民生費」は、主に地域医療介護総合確保基金事業が増加。「土木費」は主に道路改築や国直轄事業の実施に伴う増加によるものです。

(減少)一覧表
順位 費目 増減率 平成27年度 平成26年度
1位 農林水産費 -35.0% 災害復旧費 -22.4% 労働費 -38.5%
2位 労働費 -28.3% 労働費 -19.8% 総務費 -24.4%
3位 商工費 -17.6% 商工費 -13.2% 商工費 -16.2%

 平成26年2月に発生した大雪被害対策の完了に伴い、「農林水産業費」が減少。「労働費」は、主に緊急雇用創出基金事業の減少によるもの。

(2)性質別分析

1 義務的経費の状況

 義務的経費は、人件費が-0.3%の減、扶助費が+3.7%の増、公債費が+1.8%の増となり、全体としては前年度比+22億537万円、+0.6%増の3,561億3,246万円となりました。
なお、歳出総額に占める義務的経費の割合は49.1%(平成27年度:47.1%)となり、前年度に比べて+2.0ポイント増加しました。

  • 人件費
    人件費は2,240億3,260万円で、前年度に比べ-5億7,951万円(-0.3%)減少しました。これは、退職手当が増加する一方で、職員給与や共済費が減少したことなどによるものです。
  • 扶助費
    扶助費は、267億6,969万円で、前年度に比べ+9億5,972万円、+3.7%増加しました。これは、主に障害児通所支援などの県費負担分が増加したことなどによるものです。
  • 公債費
    公債費は1,053億3,018万円で、前年度に比べ+18億2,515万円(+1.8%)の増加となりました。これは、主に臨時財政対策債の元利償還金が増加(+25億102万円)したことによるものです。

2 投資的経費の状況

 普通建設事業費及び災害復旧事業費を合わせた投資的経費は1,180億3,769万円で、前年度に比べ+2億5,543万円、+0.2%増加しました。

  • 普通建設事業費
    普通建設事業費は1,171億7,647万円で、前年度に比べ+3億6,221万円(+0.3%)の増加となりました。これは、補助事業費は、前年度に比べ-42億3,021万円減少(-6.0%)し、667億3,400万円となったものの、単独事業費については、+33億5,068万円(+8.5%)増の426億5,825万円、その他についても、+12億4,174万円(+19.0%)の77億8,422万円となったことによるものです。
  • 災害復旧事業費
    災害復旧事業費は8億6,122万円で、前年度に比べ-1億677万円(-11.0%)の減となりました。これは、主に土木施設災害復旧費の減(-1億1,048万円)によるものです。

3 その他の経費

  • 維持補修費の減(-2億2,616万円、-7.5%)は、交通信号機維持管理等の減によるものです。
  • 補助費等の減(-199億1,942万円、-11.0%)は、主に地方消費税等市町村交付金の減、大雪被害対策の減などによるものです。
  • 積立金の増(+26億9,478万円、+32.4%)は、主に地域医療介護総合確保基金の積み立ての増(+23億3,456万円)などによるものです
  • 投資及び出資金の増(+6,798万円、+76,379.8%)は、水道事業会計繰出金の増によるものです。
  • 貸付金の減(-100億2,572万円、-16.6%)は、制度融資に係る貸付の減によるものです。

4 財政構造を表す各種指標

 財政構造を表す各種指標については、経常収支比率は+2.4ポイント増加(悪化)し、98.2%となりました。これは、分母である「経常一般財源等総額」が、臨時財政対策債や地方譲与税の減に伴い減少するとともに、分子である「経常経費に充当する一般財源の額」も、補助費等や公債費などの増に伴い増加したことによります。
県債の元利償還金や公営企業債の元利償還のための繰出金などを加えたものが標準財政規模に占める割合を示す実質公債費比率は-0.4ポイント下降(改善)して11.7%となりました。
一般会計等が将来負担すべき実質的な負債額が標準財政規模の何年分であるかを示す将来負担比率は+5.0ポイント上昇(悪化)して160.2%となりました。
また、公債費負担比率は前年度より+0.5ポイント上昇(悪化)し20.2%、県債依存度は、前年度と同じ14.0%となりました。
財政の基礎的収支を示すプライマリーバランス(臨時財政対策債除き)は247億1,273万円の黒字となり、17年連続の黒字となりました。

過去10年間の各種指標の推移一覧表(単位 %)
年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度 平成28年度
経常収支比率 97.9% 97.8% 96.1% 91.5% 96.7% 97.4% 95.6% 93.7% 95.8% 98.2%
自主財源比率 65.0% 61.4% 52.7% 51.6% 52.9% 52.1% 48.3% 50.9% 53.4% 53.5%
実質公債費比率 9.9% 9.5% 9.9% 10.6% 11.4% 11.6% 12.0% 12.2% 12.1% 11.7%
将来負担比率 202.2% 198.6% 194.0% 179.4% 177.0% 174.3% 169.0% 162.8% 155.2% 160.2%
公債費負担比率 16.8% 17.2% 16.8% 16.9% 18.6% 193.% 19.7% 19.7% 19.7% 20.2%
県債依存度 9.2% 11.3% 14.5% 15.7% 13.8% 14.7% 15.3% 14.5% 14.0% 14.0%

※経常収支比率は、減税補てん債、臨時財政対策債、減収補てん債を経常一般財源に加えた数値です。

過去10年間の各種指標の推移一覧表(単位:百万円)
年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度 平成28年度
プライマリーバランス 41,120百万円 24,641百万円 18,751百万円 43,741百万円 45,589百万円 43,144百万円 41,411百万円 48,341百万円 29,559百万円 24,713百万円
プライマリーバランス(臨財債含み) 29,825百万円 10,761百万円 -19,667百万円 -22,564百万円 -1,855百万円 -2,120百万円 -2,290百万円 13,844百万円 12,846百万円 17,782百万円

※プライマリーバランス=(歳入-県債)-(歳出-公債費)

5 まとめ

 決算規模は、平成26年2月に発生した大雪による農業被害への対策が平成27年度で完了したことなどにより、歳入歳出ともに前年度を下回りました。
実質収支は、昭和32年度以降、60年間連続して黒字となりました。
地方交付税の振り替えである臨時財政対策債の年度末残高は増加しましたが、建設事業等の財源となる臨時財政対策債以外の県債残高は6,801億円となり、前年度末に比べ-75億円と着実に減少しました。
なお、臨時財政対策債を含めた県債残高は1兆2,045億円となり、臨時財政対策債の増加により、前年度末に比べ+48億円増加しました(臨時財政対策債の28年度発行額384億円、対前年度-73億円)。
積立基金(財政調整基金、減債基金)の年度末残高は、前年度末に比べ-94億円減の159億円となりました。(なお、平成29年度中に123億円を取り崩す予定であるため、現時点での平成29年度末残高見込みは36億円程度となる見込みです。)
県税収入(地方消費税清算後)については、法人事業税の増加などにより、前年度比+1.0%の2,810億145万円(+26億8,118万円)を確保することができました。
県債残高の増加、財調、減債基金の残高減少により、今後は、より厳しい財政運営が見込まれます。一方で、地域を支え、経済社会活動を支える人づくり、誰もが安全で安心できる人づくり、産業活力の向上、社会基盤づくりを基本目標とする「はばたけ群馬プランツー」の着実な推進に、しっかりと取り組んでいく必要があります。
県としては、これからも事業評価を徹底し、事業の見直しを適切に行うとともに、地方税収入はもとより、未利用地の売却や広告収入など新たな歳入の確保を図り、中長期的な視点に立って、健全な財政運営に努めていかなければならないと考えています。

平成28年度普通会計決算の状況(PDFファイル:189KB)