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平成26年第2回定例県議会の開会に当たり、提案説明に先立ち、一言申し上げます。
まず、世界遺産登録についてであります。
先月26日、ユネスコ世界遺産委員会の諮問機関であるイコモスから、「富岡製糸場と絹産業遺産群」に関して、世界遺産一覧表への「記載」が適当との勧告がなされました。
世界遺産にふさわしいとの評価を受けたことは、誠に喜ばしいことであり、県議会を始め、これまで御尽力いただいた関係者の方々、並びに、応援していただいた県民の皆様に対し、まずもって、感謝を申し上げる次第であります。
一方で、世界の絹産業の発展と、特権階級だけのものであった絹織物の大衆化に貢献した、貴重な遺産を守っていく責任の重さを痛感しているところであり、6月に開かれる世界遺産委員会では間違いなく正式登録されるよう、引き続き、文化庁や関係市町と連携しながら取り組んで参ります。
ゴールデンウィークには、富岡製糸場をはじめ4つの構成資産に、県内外から多くのお客様に来ていただき、改めて世界遺産としての価値を実感したところです。
今後、世界に誇り得る県民の大切な宝を将来にわたって守り、次の世代へと確実に伝えていくため、中長期的な視点に立ち、関係市町と連携して保存管理を進めるとともに、地域経済の活性化につながるよう、県内に点在する絹遺産や観光地ともしっかりと連携を図りながら、周遊性を高めるための取組を検討して参ります。
さて、我が国の経済は、消費税率の引き上げに伴う駆け込み需要の反動により、弱い動きもみられるものの、生産の増加や雇用情勢の改善による景気の下支え効果もあり、緩やかな回復が続いております。
県内に目を向けても、これまで発表された主要企業の決算において、自動車関連を中心に幅広い業種で業績の改善が伝えられているほか、個人消費は底堅く推移し、雇用・所得環境も改善が続くなど、景気は緩やかに回復しております。
今後は、消費税率引き上げによる影響が早期に解消に向かうとともに、大企業を中心とした賃金上昇の動きが地方の中小企業にも浸透することによって消費がさらに拡大し、日本経済全体の底上げにつながっていくことを期待しております。
県としても、「景気回復・成長予算」として編成した平成26年度当初予算、及び、大雪被害に対する補正予算を迅速かつ効果的に執行することにより、景気回復の動きを県内隅々まで行き渡らせるとともに、県総合計画の3つの柱である、「人づくり」「安全・安心な暮らしづくり」「産業活力の向上・社会基盤づくり」に沿って、重点プロジェクトを着実に推進して参ります。
それでは、本議会に提出いたしました、議案の大要について、御説明申し上げます。
今回の提出議案は、予算関係2件、事件議案12件の合計14件であります。
はじめに、予算関係であります。
一般会計の補正予算額は、244億7,484万円であり、現計予算額と合算いたしますと、補正後の予算額は、7,233億8,384万円となります。
主な内容ですが、今年2月の大雪で被害を受けた農業用施設の復旧・再建等に対する補助について、事業の実施要望を踏まえ増額するとともに、円滑な資金調達を可能とするため、JA等と連携して、制度融資の融資枠を拡大します。
また、同じく2月の大雪で被災した、富岡製糸場の繭乾燥場等について、復原に向けた緊急的な対応として、施設を管理する富岡市に対し、倒壊した建物の解体撤去費の一部を補助します。
このほか、今年度で事業期間が終了となる経済危機対策関連基金事業、及び、当初予算編成後に制度の詳細が判明した国庫補助事業について、早期執行を図るため、所要の補正を行うこととしております。
債務負担行為の補正については、期間が来年度以降にわたる契約を締結しようとするものであります。
次に、事件議案のうち、主なものについて申し上げます。
第103号議案は、地方公務員法の改正に伴い、配偶者の海外勤務等に同行する職員の休業に関し、必要な事項を定めようとするものであります。
第105号議案は、地方法人課税の偏在是正を図るため、法人の県民税及び法人の事業税について、税率の改正を行おうとするものであります。
第108号議案は、屋外広告物法に基づく事務を藤岡市に移譲しようとするものであります。
第113号議案及び第114号議案は、議会の議員のうちから監査委員を選任しようとするものであります。
以上、提出議案の大要について御説明申し上げました。
何とぞ、慎重御審議の上、御議決くださいますよう、お願い申し上げます。
なお、第113号議案及び第114号議案については、事案の性質上、早急に御議決くださいますよう、お願い申し上げます。