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平成25年9月定例県議会前期議会 知事提案説明

更新日:2013年9月17日 印刷ページ表示

 9月定例県議会の開会に当たり、提案説明に先立ち、一言申し上げます。

 昨日、台風18号が本県を直撃し、被害にあわれた県民の皆様、また全国の皆様にも心よりお見舞い申し上げます。県としても被害の復旧に全力をあげて取り組んで参ります。

 第95回全国高等学校野球選手権記念大会において、本県代表の前橋育英高等学校が全国制覇を果たし、深紅の大優勝旗を14年ぶりに群馬県にもたらしました。「攻撃的な守備」とも言われる鉄壁の守りとチームワークで勝利を重ね、見事に栄冠を勝ち取りました。
 最後まで勝負を諦めない姿勢と、一戦一戦成長していく選手たちの姿は、県民に大きな夢と感動を与えてくれました。群馬県民を代表してお祝い申し上げるとともに、県民栄誉賞を授与し、今回の偉業を称えたいと考えております。

 また、過日は、2020年オリンピック・パラリンピックの東京開催が決定いたしました。
 これは、東京から100キロ圏に位置している本県にとっては、世界遺産登録を目指している「富岡製糸場と絹産業遺産群」とともに、観光誘客などの面で、さらに大きくはばたくチャンスであります。
 今後、コンベンション施設や幹線道路などインフラ整備を着実に進めるとともに、本県を訪れる外国人観光客が安心して快適な旅行を楽しめるよう、県・市町村・観光関係団体等が一体となって、受入体制の整備を図って参りたいと考えております。

 さて、我が国経済は、昨年末から続いた円安、株高や国・地方による経済対策の効果もあり、企業収益は改善しております。
 さらに、輸送用機械や建設業、小売業等において設備投資が上向きの状況にあるほか、雇用情勢についても、完全失業率が改善傾向を示すなど、景気は着実に持ち直しております。
 県内においても、自動車関連産業を中心に生産が増加しており、雇用環境も改善の動きが続くなど、景気は緩やかに回復しつつあります。
 今後、企業業績回復の影響が家計へと波及することにより、景気回復の裾野が広がっていくことが期待されます。

 また、八ッ場ダムについて、国の平成26年度概算要求にダム本体の建設工事費が盛り込まれました。これは、ダムの早期完成に向けた大きな一歩であり、この事業に翻弄され続けてきた地元住民や関係者の心を思うと感慨深いものがあります。
 国は、地元住民がこれ以上苦しむことのないよう、一刻も早く本体工事に着手し、早期にダムを完成させるとともに、ダム湖を前提として進められている生活再建事業の早期完成に向け、全力で取り組んでいただきたいと考えております。

 さらに、重粒子線治療施設を核とした、がん治療技術の開発や人材育成等による医療産業の集積を目的に、国に特区の申請を行っておりましたが、このたび、「地域活性化総合特区」として指定されました。
 今後、がん医療技術の発展及び医療産業の拠点形成に向けて、大学や医療機関、産業界と連携して精力的に取り組み、県内の関連産業の成長・発展を図って参ります。

 それでは、本日提出いたしました、議案の大要について、御説明申し上げます。
今回の提出議案は、予算関係6件、事件議案18件の合計24件であります。

予算関係

 はじめに、予算関係であります。
 今回の補正予算の編成にあたっては、平成25年度当初予算及び平成24年度2月補正予算を効果的かつ効率的に執行することにより、景気回復に全力で取り組み、その上で、総合計画「はばたけ群馬プラン」に掲げた目標の実現に向け、早急に対応が必要な政策課題を中心に予算措置を行うこととしました。
 その結果、一般会計の補正予算額は、102億2,069万円となり、現計予算額と合算いたしますと、6,693億4,278万円となります。

 主な内容ですが、1点目は、「県民生活の安全・安心の確保」であります。
 まず、医療関係では、医師不足や災害医療など、地域の医療が抱える課題解決を図るため「地域医療再生基金」を積み増します。これを活用して、群馬大学と共同で「地域医療支援センター」を設置し、本県の地域医療を担う若手医師のキャリア形成を支援するほか、大規模災害時に医療活動の拠点となる災害拠点病院などの体制整備や機能強化を図って参ります。
 また、本県の特性を活かした再生可能エネルギーの導入を促進するため、電源群馬プロジェクトの一環として、群馬産業技術センターの隣接地で太陽光発電所の建設に着手するとともに、新たに「再生可能エネルギー等導入推進基金」を造成し、平成27年度までの3年間で、防災拠点や避難所となる公共施設等に太陽光発電設備等を整備して参ります。
 さらに、交通安全対策では、昨年度に実施した通学路の緊急点検調査の結果を踏まえ、危険な箇所として地元からの要望も強い通学路に信号機を新設するとともに、東毛広域幹線道路の4車線化など、道路整備の進捗にあわせて信号機の整備を行います。

 2点目は、「県内経済の活性化、社会基盤の整備」であります。
 平成26年度に迫った「富岡製糸場と絹産業遺産群」の世界遺産登録を確実なものとするため、国際的な認知度向上や、世界遺産としての価値を来訪者に正しく伝えるための事業を実施します。
 また、農林業関係では、福島原発事故に伴う原木価格の高騰に苦しむ、しいたけ農家を支援するため補助制度を拡充するほか、県産牛肉の欧米への輸出を促進するため、群馬県食肉卸売市場が行う衛生処理施設整備に対し補助を行います。
 さらに、「7つの交通軸」など幹線道路整備を中心とした社会資本整備を進めて経済の活性化につなげるため、国からの交付金を活用して、県単独公共事業費を増額します。

 このほか、特別支援学校の未設置地域の解消に向けて平成26年4月の開校を予定している、みやま養護学校藤岡分校(仮称)の開設準備経費を計上するとともに、昨年11月に金井東裏遺跡で出土した甲着装人骨等について、歴史的な意義を解明するため、詳細な調査を実施します。

 債務負担行為の補正は、平成27年1月に開催される第70回冬季国体に向けた、伊香保リンクの冷凍機システム更新など、期間が来年度以降にわたる契約を締結しようとするものであります。

 以上が9月補正予算の主な内容であります。
 今回の補正予算を、平成25年度当初予算及び平成24年度2月補正予算と合わせて効果的に執行し、県民生活の安全・安心確保への取組を一層進めるとともに、経済対策の効果を県内隅々まで行き渡らせることによって、多くの県民が一日も早く景気回復を実感できるよう、全力で取り組んで参ります。

事件議案

 次に、事件議案のうち、主なものについて申し上げます。
 第122号議案は、再生可能エネルギーの活用により公共施設等の防災機能強化を図るため、新たに基金を設置しようとするものであります。
 第127号議案は、今年度策定予定の「群馬県消費生活基本計画(仮称)」を、条例に基づく計画として位置づけようとするものであります。
 第133号議案は、国から意見照会のあった、八ッ場ダムの建設に関する基本計画の変更について、事業の早期完成や現地の安全確保に万全を期した上での総事業費圧縮などの意見を付して同意するに当たり、議会の議決を得ようとするものであります。

以上、提出議案の大要について御説明申し上げました。
何とぞ、慎重御審議の上、御議決くださいますようお願い申し上げます。