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5月定例県議会の開会に当たり、提案説明に先立ち、一言申し上げます。
はじめに、4月29日に藤岡市の関越自動車道で発生したバス事故により、お亡くなりになられた方々に対し、謹んで哀悼の意を表するとともに、負傷された多くの方々に対し、心からお見舞い申し上げます。
今回の事故においては、高崎市等広域消防局が中心となり、県内消防本部が連携して救命・救助に当たっていただき、治療においては、搬送先の県内医療機関で、それぞれ適切に対応をしていただきました。
このような事故が二度と起こらないよう、今回の事故をしっかりと検証し、国や関係機関とも連携しながら、道路施設の整備や、災害時や事故発生時のより円滑な救助や治療・被害者支援などの体制整備に、県としても取り組んで参りたいと考えております。
さて、県内経済は、昨年度後半から、自動車関連産業で生産が回復し、現在、高水準の生産が続いているなど、産業全体で企業収益の改善が見込まれております。
また、ゴールデンウィーク中の観光客数については、連休後半の悪天候により入込客数に影響がでた観光施設もありましたが、県内温泉地の1日平均宿泊者数は、前年に比べ13.6%の増、東日本大震災前の平成22年と比べても10.3%の増となるなど、観光面でも回復基調が鮮明となってきました。
今年度は、第14次県総合計画「はばたけ群馬プラン」の2年目ではありますが、震災後の新たなスタートの年と位置づけ、プランの3つの基本目標に沿って計画を着実に推進していくこととしております。
そして、具体的な施策については、県民ニーズや社会経済情勢を適確に把握し、スピード感を持って事業を進め、群馬県全体で、元気が増進するように、県政の推進に取り組んで参ります。
国政に目を向けると、国会では、「社会保障・税一体改革」に関する法案の審議が始まりました。
去る5月12日には、川端総務大臣が来県され、高崎市において、「社会保障・税一体改革」を考える「『明日(あした)の安心』対話集会」が開催されました。
その場で、私からは、本県の医療や福祉に関する取組を説明いたしましたが、この問題は、長い将来にわたって、社会全体に関わる極めて重要な課題であります。しかし、現時点では肝心な社会保障制度の改革の中身についての議論が、県民に分かりやすい形では、国から聞こえてこない一方で、消費税の増税の議論ばかりが聞こえてきております。
私は、地方の意見を十分に聞きながら、議論を深め、国民が安心できる制度を構築していくことが求められていると考えております。
併せて、行政改革の徹底や、低所得者への配慮など、国民の理解が得られるような取組が必要ではないかと考えております。
また、東日本大震災の発生から、1年余りの歳月が経過しましたが、被災地では、復旧・復興に向けた取り組みは進められているものの、災害の爪痕はいまだに深く残っております。
私は、5月22日から23日の二日間、福島県で開催された、関東地方知事会議に出席して参りましたが、福島県においては、地震・津波の被害のみならず、放射性物質や風評被害等が復興の妨げとなっております。
群馬県としても、引き続き、被災地の復旧・復興を強力に支援していきたいと考えております。
それでは、5月定例県議会に提出いたしました議案の大要について、御説明申し上げます。
今回の提出議案は予算関係1件、事件議案14件の合計15件であります。
はじめに、予算関係であります。
一般会計補正予算額は、10億6,012万円の増額で、現計予算額と合算すると、6,664億4,812万円となります。
主な内容ですが、まず、本年3月に策定した「群馬県国際戦略」を推進する拠点となる上海事務所の開設に向け、事務所を早期に確保するための所要額などを計上いたしました。
次に、特別支援学校が未設置の富岡甘楽地域において、県立みやま養護学校富岡分校(仮称)を開校するため、富岡市立富岡中学校の校舎の一部を改修いたします。
さらに、昨年の水滴染み事故などを受けて、県立歴史博物館の運営に必要な改修を実施するための基本設計を行います。
また、緊急雇用創出基金を活用して、引き続き、雇用・就業機会の創出を進めて参ります。
債務負担行為の補正については、期間が来年度以降にわたる契約を締結しようとするものであります。
次に、事件議案のうち、主なものについて申し上げます。
第100号議案は、県が出資している法人のうち、知事による経営状況の調査及び議会への報告の対象となる法人を定めようとするものであります。
第101号議案は、「水源県ぐんま」として、水源地域の保全に関する施策を効果的に推進し、水源かん養機能の維持増進を図るため、基本理念や関係者の責務等を定めようとするものであります。
第109号議案は、県立伊勢崎清明高等学校の第2グランド用地を伊勢崎市から取得しようとするものであります。
第110号議案は、制度融資に関し、損失補償契約に基づき県が信用保証協会に対して有する回収金を受け取る権利を、放棄しようとするものであります。
第111号議案及び第112号議案は、議会の議員のうちから監査委員を選任しようとするものであります。
以上、提出議案の大要について御説明申し上げました。
何とぞ、慎重御審議の上、御議決くださいますようお願い申し上げます。
なお、第111号議案及び第112号議案については、事案の性質上、早急に御議決くださいますよう、お願い申し上げます。