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9月定例県議会の開会に当たり、提案説明に先立ち一言申し上げます。
先ほどは故小林義康議員の追悼行事が厳粛の中に行われました。故小林議員の生前の御功績に心から敬意を表するとともに、心から御冥福をお祈り申し上げます。
8月6日から10日までの5日間、第32回全国高等学校総合文化祭群馬大会が開催されました。秋篠宮同妃両殿下並びに眞子内親王殿下の御臨席を賜り、全国から2万人の高校生が参加して、県内20会場において、盛大に行うことができました。県議会をはじめ、多くの関係者、県民の皆様の御支援、御協力を賜り、心から御礼を申し上げます。
北京オリンピックでは、本県関係選手6名が出場するソフトボール日本チームが念願の金メダルを獲得しました。厳しい戦いを最後まであきらめない強い気持ちで勝ち抜き、国民に大きな感動を与えました。また、競泳男子800mリレーには本県出身の内田翔選手が出場し、日本チームの7位入賞に貢献しました。本県出身選手が競泳種目で入賞したのは初めての快挙であります。
今回の選手の活躍は、県民の誇りであり、そして、子どもたちに大きな夢と希望を与えるものであります。6名のソフトボール本県関係選手には「スポーツ特別栄誉賞」を、選手が所属し、選手の育成指導に功績のあった2社には「スポーツ特別功労賞」を、また、内田選手には「スポーツ栄誉賞」をそれぞれ贈呈し、今回の偉業を称えたいと考えております。
9月7日から9日までの間、海外戦跡慰霊巡拝のために、腰塚県議会議長とともに、ロシアのハバロフスクを訪問し、群馬県遺族の会が主催する慰霊祭に参列し、哀悼の誠を捧げて参りました。故郷と家族を思いつつ、異境の地シベリアで祖国のために殉じられた戦没者各位の御遺志を受け継ぎ、世界の恒久平和の確立に努力するとともに、私たちの子孫のために、真に豊かで平和な住みよい郷土群馬を目指して、県民の皆様とともに一歩一歩進んで参りたいと考えております。
それでは、本日提出いたしました9月定例県議会の議案の大要について、御説明申し上げます。
今回の提出議案は、予算関係5件、事件議案19件、決算認定1件、合計25件であります。
まず、予算関係であります。
我が国の経済は、サブプライムローン問題に端を発した世界経済の不安定化と原油等の価格高騰の影響を受け、景気は減速しています。
県税収入は、製造業を中心とした企業業績の悪化から法人関係税が大幅に落ち込み、今年度当初予算に計上した2,620億円に対して、160億円程度の大幅な減収が見込まれており、大変厳しい財政状況であります。可能な限りの県税収入の確保はもとより、これまで以上に効果的・効率的な事業の執行に努め、より一層の経費の節減を図るとともに、未利用地の売却促進、広告収入など新たな収入増加策の取り組みなどにより、歳入の確保に力を入れて参ります。
今回の補正予算編成に際しても、こうした厳しい財政状況を踏まえ、事業の見直し等により経費の減額を図り、財源を捻出しながら、県民生活に直結する課題には緊急に対応することを基本といたしました。
主な内容としては、「原油・飼料価格等高騰対策」「学校施設の耐震化」「八ッ場ダム生活再建緊急支援」「道路安全対策や集中豪雨対応などの単独公共事業」の4つを柱に予算編成を行ったところであります。
まず、原油・飼料価格等高騰対策であります。
昨年度に引き続き、低所得世帯等の冬期の灯油購入に対して市町村と協調して補助を行うほか、施設園芸やきのこ生産における省エネルギーの取り組みを支援します。また、中小企業の資金繰りを積極的に支援するため、経営サポート資金の融資枠を80億円拡大するほか、経営相談体制も強化いたします。
畜産農家は、輸入トウモロコシなどを原料とした飼料の価格高騰により、厳しい経営環境に直面しております。そこで、飼料の自給や配合飼料から他の飼料への転換などにより経営体質を強化する取り組みを支援します。
また、総合農政推進資金による低利融資制度を緊急的に拡充し、施設園芸・畜産農家の経営を支援することといたしました。
次に、学校施設の耐震化です。県立高校について、当初予算に追加して耐震設計を実施します。また、私立幼稚園の耐震化を促進するため、耐震診断の実施に対する補助制度を新たに創設することといたしました。
第三は、八ッ場ダム生活再建緊急支援です。工期の5年延長などにより、水没関係住民の現地生活再建が遅れ、観光客の減少や建物の老朽化など、様々な課題が生じています。そこで、ぐんま総合情報センターを活用した観光PR活動など、観光客増加に向けた取り組みを積極的に支援するとともに、住宅や旅館などを県産材を使って改修する場合に補助を行うなど、県単独事業による幅広い支援策を講じることといたしました。
第四に、単独公共事業についてであります。県民生活の安心・安全を図るため、道路の安全対策、河川の維持補修、集中豪雨への対応などに必要な単独公共事業を増額することといたしました。また、信号機の増設や道路標識の改良など、交通安全対策にも取り組んで参ります。
このほか、企業の進出意欲に対応するために企業立地促進資金の融資枠を20億円拡大するほか、ドクターヘリ導入のための施設改修、介護職員等確保対策、新型インフルエンザ対策、群馬の観光イメージアップなど、早急に取り組む必要のある事業について、予算計上いたしました。
また、事業の見直しや国庫補助事業の内定、内部管理経費の節減などによる歳出予算の減額もあわせて計上しております。
今回の補正予算案の総額は、これらの歳出増減を扱った結果、37億9,374万円となり、現計予算額と合算いたしますと、6,575億2,474万円となります。
この財源としては、繰越金、地方交付税などを計上しております。
債務負担行為補正は、追加4件、変更2件で、いずれも来年度に期間が及ぶ契約の締結などを行おうとするものであります。
このほか、特別会計については流域下水道事業費会計ほか1会計について、企業会計については工業用水道事業会計ほか1会計について、それぞれ必要な補正を行うことといたしました。
次に事件議案でありますが、主なものについて申し上げます。
第97号議案は、地方税法の改正に伴い、個人県民税の寄附金控除の対象を拡大しようとするものであり、第103号議案は、前橋市と富士見村の合併について、議会の議決を得ようとするものであります。
このほか、平成19年度の群馬県電気事業会計ほか5企業会計の決算を提出いたしましたので、その承認をお願いするものであります。
以上、議案の大要について御説明申し上げました。
何とぞ、慎重御審議の上、御議決くださいますようお願い申し上げます。
なお、第113号議案の公安委員会委員の選任については、事案の性質上、早急に御議決くださいますようお願い申し上げます。