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9月定例県議会の開会に当たり、提案説明に先立ち一言申し上げます。
この度の台風9号は、県内各地に大きな被害をもたらしました。被災されました県民の方々に対して心からお見舞い申し上げます。
群馬県としては、5日の夜に災害警戒本部を立ち上げ、台風の接近による大雨の警戒体制を強化しました。そして、台風が本県を通過した直後に、私自身が現地に足を運び、被害の状況を視察して参りました。その重大な被害状況に驚きを覚え、改めて自然の力の大きさに脅威を感じました。県の総力を挙げ、市町村を支援しながら、一刻も早い復旧に全力で取り組む必要があると強く感じたところであります。
その後、自衛隊へ協力を要請するとともに、現地対策本部を設置し、職員を派遣するなど市町村支援に努め、道路の応急復旧等に全力を挙げて参りました。今後とも、市町村をはじめ、関係機関との連携を密にし、一日も早い被災地の完全な復旧に万全を期すとともに、災害に強い県土づくり、森林づくりに取り組んで参ります。
それでは、本日提出いたしました9月定例県議会の議案の大要について、御説明申し上げます。
今回の提出議案は、予算関係3件、事件議案19件、決算認定1件、合計23件であります。
まず、予算関係であります。
県内経済は、拡大しております。住宅投資は減少しているものの、企業生産や輸出は増加し、個人消費も底堅く推移しております。また、7月の有効求人倍率は1.77倍で48か月連続で1倍を超えております。このような経済状況を背景に、県税収入は、平成18年度決算では2,310億円にまで回復して参りました。しかし、原油価格の上昇などの不安定要素もあり、県税収入の主要な税目である法人関係税において、企業収益の伸びが不透明であり、現時点では、平成19年度当初予算額2,620億円を上回る県税収入の伸びは期待できない状況にあります。
また、地方交付税については、前年に対して大幅な減額となるなど、依然として厳しい財政状況にあります。
今回の補正予算は、私が知事に就任して以来の初めての予算編成であり、マニフェストに盛り込んだことについては、可能なものから取り組んでいくとともに、緊急に対応が必要な事項に予算措置を行うこととしたところであります。
そこで、今回の補正予算では、
この3つを基本方針として補正予算を編成いたしました。
第一にトップセールスの強化であります。もっと本県の経済に活力を与え、恵まれた立地条件を活かし、群馬県を大きく羽ばたかせるため、企業誘致を促進するとともに、群馬県の魅力を総合的にアピールする必要があります。
そこで、まずはじめに、北関東自動車道の開通によって発展が期待される沿線地域の産業振興開発構想を策定することとしました。あわせて、本県の優れた立地条件や県土づくりの将来像を企業にアピールし、本県への一層の企業誘致を促進するため、企業立地セミナーを都内で開催します。さらに、都心で、物産、観光、優れた企業立地条件など群馬県の魅力を総合的にアピールする、「ぐんま総合情報センター」を設置するための経費を計上いたしました。また、群馬の魅力をインターネットを使って全国に効果的にPRする戦略を検討します。
第二に、少子化対策等の強化であります。特定不妊治療に対する助成を拡充するとともに、保育所で児童が体調不良となった時に、看護師等が緊急的に対応できる体制を確保する市町村を支援する安心保育サポート事業を行うことといたしました。また、いじめや不登校など学校が抱える課題について早期に対応するため、問題を抱える子どもや保護者への支援も拡充します。
第三に、安全・安心の推進であります。まずはじめに、ドクターヘリの導入に向けて、関係機関との調整や運航体制等の検討を始めます。また、喫緊の課題となっている介護職員等の確保対策を実施いたします。さらに、犯罪被害者等基本法に基づいて犯罪被害者に対する支援として相談支援員を設置するほか、授産施設などで働く障害者の工賃水準を引き上げるための取り組みを推進するとともに、前橋高等養護学校伊勢崎分校を設置することといたしました。
近年の気象の変動を考えた時、地球温暖化防止は重要な課題であります。そこで、地球温暖化防止対策をより一層推進するため官民共同によるプロジェクトを立ち上げるとともに、二酸化炭素吸収源対策として森林整備費を増額いたします。あわせて、試験研究費を増額し林業の振興を図ります。
また、農業基盤整備や農村環境整備を促進するため単独公共事業を増額するとともに、農業協同組合間の事業譲渡の支援や試験研究費の増額などにより農業農村の振興を図ります。
さらに、橋りょうの緊急点検、道路や河川の維持補修、道路整備の促進などに対応するため単独公共事業を増額するとともに、信号機を増設し交通安全対策に取り組むことといたしました。
加えて、来年3月に開幕する全国都市緑化ぐんまフェアに向けてクリーン大作戦を実施するほか、来年6月に開催する食育推進全国大会のPRも行って参ります。また、テレビ放送のデジタル化に伴う難視聴対策としての群馬テレビデジタル中継局整備費補助などを計上しております。
今回の補正予算案の総額は36億7,879万円となり、現計予算額と合算いたしますと、8,117億1,544万円となります。
この財源としては、繰越金、地方交付税などを計上しております。
債務負担行為補正は、追加2件、変更3件で、来年度以降に期間が及ぶ契約の締結などを行おうとするものであります。
このほか、特別会計については流域下水道事業費会計について、企業会計については病院事業会計について、それぞれ必要な補正を行うことといたしました。
次に事件議案でありますが、主なものについて申し上げます。
第120号議案は、理事を廃止し、部を設置しようとするものであり、第121号議案は、知事及び副知事の退職手当を支給しないようにするものであります。いずれも、マニフェストに盛り込んだ項目を実現しようとするものであります。
また、第132号議案は、群馬へリポートについて、指定管理者の指定を行おうとするものであります。
このほか、平成18年度の群馬県電気事業会計ほか5企業会計の決算を提出いたしましたので、その承認をお願いするものであります。
以上、議案の大要について御説明申し上げました。
何とぞ、慎重御審議の上、御議決くださいますようお願い申し上げます。