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県と連携して野生動物による農林作物被害に関する調査・研究に取り組む日本獣医生命科学大学獣医学部講師の加藤さんにお話を伺いました。
加藤卓也(かとうたくや)さん
「野生動物による被害対策というと、捕獲により動物の個体数を減らし、侵入を防ぐ柵を設置すれば十分であると考えられがちですが、それだけでは対応できません。
最近では、野生動物の分布が拡大し、市街地での被害が頻発しています。これは人と野生動物とのすみ分けがうまくできていないことが一番の原因と考えられます。
野生動物の出没と聞くと、山奥にすんでいた動物が、餌を求めて街に出て来たイメージがあるかもしれませんが、実はそのほとんどは市街地に隣接する緑地などに生息しています。身を隠すのにちょうど良いやぶや茂みが点在していれば、移動が容易にできますし、放置された畑の野菜や庭木になる果実があれば餌になり、動物にとって魅力的な環境になっています。
野生動物が生息しづらい環境を作れば、危険を冒してまで畑や市街地に現れなくなります。
そのためには地域全体で技術やノウハウを共有し、協力していくことが大切です」
近づかない
注意を呼び掛けるポスター
県はイノシシが出没した場合の対応方法を知らせるチラシを県内の小学生に、注意を呼び掛けるポスターを小・中学校や公民館に配布しました。また一般向けの注意喚起や、関係機関が研修などに利用できるDVDを県内小学校や市町村などに配布予定です。